嘆きの時間は終わらない

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「さて、本来なら私はガチバトルには向いていないんですけどねえ」 ふふふふ、と仮面の男は笑う。 もやしことルルーシュ扮するゼロの仮面で隠され、男の表情はわからない。 本家のルルーシュの如く歪んだ笑みを浮かべているのだろうか? それは、半分正解で半分ハズレだ。 確かに彼は歪んだ笑みを浮かべてはいる。 だが、それは支配者の笑みではない。 加虐主義者の笑みだ。 人を操り、己が力を誇るのではなく。 人を嬲り、己が快楽とする者の笑み。 仮面一つでは遮ることなど適わない、圧倒的なSっ気のオーラ。 そんなオーラを携えて男は笑う。けらけらと、けらけらと。 地に這い蹲る無様な半身をあざ笑う。 「どうしたんですか、地球破壊爆弾。人一人殺せないのでは、大層な名前が廃りますよ?」 「っうく、ドSううううう!!」 酷い有様だった。 ボロボロだとか、重症だとか、そんな言葉で表現できるレベルを超えていた。 ミンチ。 斬られ、打たれ、穿たれ、砕かれ、溶かされ、潰され、轢かれた肢体。 到底人のだったとは思えない肉の塊。 会話できているのが嘘のようなぐしゃぐしゃな顔。 地球破壊爆弾No.V-7。 書き手ロワ2有数のチートにして、孤城の主。 彼女は、負けた。 圧倒的に、完膚なきまでに、蹂躙、された。 掛かった時間は僅か数秒。 射程外から制限をぶっちぎた射程無限かつホーミング機能付きのボルテックシューターでレヴィを。 相性抜群の太陽の力を込めたリボルクラッシュで吸血鬼王アーカードを。 長門の空間情報改竄すらゲル化で逃れ。 レヴァンティンとマジシャンズレッドの炎はロボライダーで吸収し。 泉こなたのギャグ展開を、光太郎のネタキャラパワーで相殺し。 キングゲイナーを真っ向からチート全開で切り払ったのだ。 常の彼とは違いお遊び無しの全力勝負。 見ていても何の面白みもない一方的過ぎる展開だった。 一言で言えばつまらない。余りにもつまらな過ぎる展開。 ああ、だけど。 実に良いと、ドSは笑う。 今の自分の能力にではない。 奇跡の一切を挟まない、無常すぎる現実を突きつけれたことにだ。 「どうです、ロリスキー?これが、結果です。私の愛の強さです」 「ふざけんじゃ、ないわよ!!」 ぐるりと、その場で回れ右。 ラッドの力を使い殴りかかってきたロリスキーを抱きとめる。 彼女の体にはまだ一切の傷が刻まれていない。 当然だ。あえて、先程から彼女には攻撃は仕掛けず、いなすだけに止めているのだから。 温かく、実に抱き心地がいい。 腕の中で暴れまわる様はまさに子猫ちゃんというやつだ。 ああ、けど、何よりも。 「おやおや、震えていますよ?」 「む、武者震いよ!」 体越しに伝わってくる、彼女の震えがすばらしい!! カタカタと、ガタガタと。 武者震い、なんてわけは無い。 恐怖、だ。 どれだけ否定したくとも、私に“ちーちゃん”を感じてしまうことへの恐怖。 影の繋ぎ師を救う方法が見つからないことへの恐怖。 “ちーちゃん”が殺されてしまうのではという恐怖。 そして、“絶対的絶望たる力”と“己が死”への恐怖。 マーベラス!! 思えば彼女は登場話から怖がっていた。 伊達に死者スレラジオのパーソナリティは勤めていない。 死者スレに来たときにたっぷりと苛められるよう、今までの参加者の物語は全て把握済みだ。 己が半身の愛した少女ともなればより注意深く読み込むのも当然である。 読んで、読んで、読み込んで。 魂を、揺さぶられたのだ。 彼女が普通の少女だったから。どこまでも平凡な少女だったから。 マリンデビモン?不死者?ラッドみん?ヴァルセーレの剣?マジシャンズレッド?ジンクス? 違う。能力とか体質とかではない。 大切なのは心なのだ! 怯え、立ち向かい、焦り、説き伏せ、嘆き、でれ、錯乱し、笑い、迷い、覚悟する。 ある時は助けてくれた人を見捨てられずに強者に向かって行き。 ある時は助けてくれた人にさえ力と激情の前に拒絶する。 いくつもの、いくつもの、顔を見せる、強さも、弱さも兼ね備えた人間らしい心。 彼女なら、きっと、きっと、素晴らしい苦悶の表情の数々を見せてくれる! ああ、愛しい君よ。 私は全力で愛という名の毒を与えよう。 「武者震い?本当ですか?実は戦うのが」 受け入れてくれなくても良い。抗ってくれてもいい。 「――怖いんじゃないですか?」 私はそんな君を更に愛でよう。 「……っつ!?こ、怖くなんて、ない!!」 「やだなあ、戦いが怖くない人間なんているわけ無いじゃないですかー」 真理だ。 命を懸けた戦いが怖くない人間なんて狂人くらいだ。 なのに書き手は大事なことを時に忘れる。 最終決戦に残った?それで?本能的な恐怖がなくなるものなのか?それって人間? クールなロリスキー。 立ち直った後の彼女が戦えたのはひとえに彼女を支えてくれる存在が常に隣に居たからだ。 「あなたはその恐怖を地球破壊爆弾を利用することで押し込めていただけなんですよ~」 「私の、私たちの愛を、馬鹿にするなあああああああ!!」 ヒュンっ!! 激昂と共に触手が乱舞し、打ち付けてくる。 いや、違う。狙いは拘束か。 「あんたが、ここでしか存在できないって言うのなら、ギガゾンビ城から引きずり出すまでよ!!」 お、正解。 それが傷つけることなく繋ぎ師を助けた上に私を倒せる唯一の方法ですよ。 ギガゾンビ城は怖そうにもDSRXの能力で強化済みですし。 うんうん、頭のいい子は嫌いじゃないよ~? だって……。 次に何が起きるのか、きっちり想像できちゃうのって、本人には堪らなく苦痛じゃないかー☆ ぎゅるり。 即座に身体をゲル化し拘束を逃れ、そのまま触手伝いにロリスキーに這い寄っていく。 ひいっと顔が強張るのを押さえようとする顔が愛おしいったらありはしない。 「いやはや、この身体って便利ですよねえ~。あなたがかって爆弾にしたことを、もっとスマートにできるのですから」 「わたしが、した、こと……ま、まさか」 心当たりに突き当たったのだろう。 ロリスキーの顔が青ざめる。うんうん、『クール』は伊達じゃないね、いい子いい子。 「それじゃあ、くーちゃん。“いただきます”」 「あんたぎゃゅ得、非ぎゃ、穂ぎゃ、はひゃああああああ~~~~~!?」 ぎゅるぎゅるごにゅごにゅ~。 嫌だなー、口に飛び込んだのは私の方なのにいただきまーすだなんて、ありえないじゃないですかー。 と自己突っ込み。 ラダムです!今の私はラダム虫なんですといいわけ一つ。 「……ひゅ……や……」 ねちゃり。 喜ばせてなるもんかと声を抑えてもがくロリスキーの口内へとゲル化したままルパンダ~イブ☆ 湿り気のある舌のベットをまずは堪能。 全身を使って絡め、シーツを汚していく。 赤い天蓋もなんておしゃれ☆ 子どもの頃やったなあと天井までスライムのままジャンプ! 見事にタッチできた我が身の成長を母に感謝。 「ひゃ、ひゃひいいい!」 「くーちゃんから出て「煩いですよ。ガン・スレイヴ!」 こしょばさに耐えられずに上がった少女の声が心地いい。 ついでになんかゴミの声も聞こえましたが無視しましょう。 おやおや、これはなんて素敵なシャンデリア。 むしろ形的にはちょうちんですが、シャンデリアということにしておいた方がロマンに溢れますし。 ですがなんとも引っ張りたくなる形ですね。あそ~れ♪ 「ぎゃ、ギャホ、ギャホっ!!」 っと、いけません、いけません。 あまり喉を刺激して吐き出されては元もこもありません。 絶望したー!チートなのに咳き一つで吐き出される身体に絶望したー! いやいや、人間限界には挑戦してみるものです。 いっそ、器官に膨張して全力で張り付いて呼吸困難を起こしてみましょう。 そういえば、喉と鼻って繋がっていますし、ついでに塞いじゃおう。 内側からせり上がっちゃいましょう。えーい! 原作再現です。思う存分窒息してください、不死者さん♪ アニ2のかがみんも窒息死はしていなかったはずですし。 何回で慣れてくださるか、楽しみです。 「……っ!!…………っ!?…………っかは。ひー……」 もう何度目だろうか。 暗い世界から意識が浮上していくのを感じる。 嫌だ。 苦しいのは、もう嫌だ。 けど、耐えなくちゃ。 耐えて、耐えて、耐えて。 隙を見つけないと、ちぃちゃんが。 光が、ほんの僅かに、世界に戻る。 ずるり、ずるり。 意識が覚醒した瞬間。 蘇生した直後の、僅かに正気を保っていられる時間。 その時間を使ってのろのろと、地を這い出口を目指す。 酸素不足で、脳が働いてくれなくて上手く知覚はできないけど。 それでも。 今やドSは完全に私の中にいる。ゲル化した身体を、私のような触手としては使わず全身で進入してきてる。 恐らく彼からすれば、触手で口を犯しても、楽しくないのだろう。 チャンスだ。 私の持つ最後の支給品は武装錬金ヘルメスドライブ。 これを使って、城の外にワープすれば、ドSは倒せる。 けど、LSに準じた制限が掛かっていて、一度使えば4時間は使用できない。 気付かれれば、次は無い。 「…………っか………!!…………!!!!」 息が、詰まる。 嫌だ、痛い、苦しい、喉が。 ガリガリ、ガリガリ。 思わず喉を掻き毟る。 わかってる、こんなことやっても喉につまったものは吐き出せない。 人は苦しいときには、理屈や因果と関係無い行動を取ってしまうのだ。 「…………!!…………!!!!……………………!!!!!!…………………………………………」 苦しい、苦しい、空気を、空気を!! 「……っ!!…………っ!?…………っかは。ひー……」 もう何度目だろうか。 暗い世界から意識が浮上していくのを感じる。 嫌だ。 苦しいのは、もう嫌だ。 けど、耐えなくちゃ。 耐えて、耐えて、耐えて。 隙を見つけないと、ちぃちゃんが。 光が、ほんの僅かに、世界に戻る。 ずるり、ずるり。 意識が覚醒した瞬間。 蘇生した直後の、僅かに正気を保っていられる時間。 その時間を使ってのろのろと、地を這い出口を目指す。 酸素不足で、脳が働いてくれなくて上手く知覚はできないけど。 それでも。 ドSを騙す為には必要なのだ。 私が、ドSを身に宿したまま這って外に出ようとしてると思わせないといけないのだ。 「いやあ、感動しました。貴方の愛は素晴らしい!!おっと、大事なことなので二度言いました。 がんばりますね、ロリスキーさん。よろしい、なら、ゲームと行こうじゃないです。 貴方が這って出口に辿り着くのが先か、それとも絶望に屈するのが先か……。 結果が出るまで貴女の中で楽しませてもらうとしましょう」 喉から、声がした。 自分の声じゃない、ドSの声。 全身ゲル化したまま話すなんて、どれだけ器用なんだ。 でも、予想通りだ。 サディストは、相手が苦しむ反応を見ることが楽しみなのだ。 だったら、存分に楽しませれば油断させられる。 結果が出るまで貴女の中で、と言っていた。 私が足掻き続けていれば、逃げはしまい。 「…………っか………!!…………!!!!」 息が、詰まる。 嫌だ、痛い、苦しい、喉が。 触手を、できるだけ細く生成し喉に突っ込みゲルを掻き出そうとする。 けど、出てくるのは唾ばかりだ。 てらてらと触手が光る。 外から見ればどんな風に見えるだろうか、自分の触手で喉を突いている女の子って。 余裕が無いの、外見を気にしていられるような! 「…………!!…………!!!!……………………!!!!!!…………………………………………」 欲しぃ、欲しぃ、空気が、空気がああああああ!! 「……っ!!…………っ!?…………っかは。ひー……」 もうなんど目だろうか。 くらい世界からいしきが不浄していくのを感じる。 嫌だ。 苦しいのは、もういやだ。 けど、たえなくちゃ。 耐えて、たえて、絶えて。 好きを見つけないと、ちぃちゃんが。 光が、ほんのわずかに、世下位に戻る。 ずるり、ずるり。 意識が覚醒した瞬間。 蘇生した直後の、僅かに正気を保っていられる時間。 その時間を使ってのろのろと、地を這い出口を目指す。 酸素不足で、脳が働いてくれなくて上手く知覚はできないけど。 それでも。 右手を伸ばす。扉を、空気を掴もうとするかのように。 左手を忍ばせる。こっそりと、デイパックへと。 のろのろと、のろのろと。 這い蹲る動作に合わせて。 「…………っか………!!…………!!!!」 息が、詰まる。 嫌だ、痛い、苦しい、喉が。 剣の翼を顕現させる。 飛ぶことは無理でも、動かすことくらいはできるから。 グサリ。 迷い無く、首に突き刺す。 切り落とせば、死んでしまうが、穴を開けるくらいなら大丈夫だ。 いい方法だと思った。 なのに口内のゲルに直ぐに穴を塞がれた。 「…………!!…………!!!!……………………!!!!!!…………………………………………」 息、息、呼吸を、させてよ……。 「……っ!!…………っ!?…………っかは。ひー……」 もうなんどめだろうか。 くらいせかいからいしきがふじょうしていくのをかんじる。 いやだ。 くるしいのは、もういやだ。 けど、たえなくちゃ。 たえて、たえて、たえて。 すきをみつけないと、ちぃちゃんが。 ひかりが、ほんのわずかに、せかいにもどる。 ずるり、ずるり。 意識が覚醒した瞬間。 蘇生した直後の、僅かに正気を保っていられる時間。 その時間を使ってのろのろと、地を這い出口を目指す。 酸素不足で、脳が働いてくれなくて上手く知覚はできないけど。 左手は、遂に核鉄へと届いていた。 いける、と。 これで、終わるんだ、っと。 「…………っか………!!…………!!!!」 ヘルメスドライブを無音発動。 転移先は蟹座氏。 バトルマスター達、敵の前に転移するのは論外だ。 加えて、アニロワ1・2書き手は、この場所と縁があり、向かってきている可能性も高い。 影の繋ぎ師の様子から将軍は死んだらしい。 となると消去法で、この場におらず、アニロワとも縁の無い蟹座氏が一番だ。 「…………!!…………!!!!……………………!!!!!!…………………………………………」 倒す、ドSを、手に入れる、空、気を……。 |289:[[祈りは空に、願いは天に、輝く光はこの瞳に、不屈の心はこの胸に!]]|投下順に読む|290:[[サイサリス]]| |289:[[祈りは空に、願いは天に、輝く光はこの瞳に、不屈の心はこの胸に!]]|時系列順に読む|290:[[サイサリス]]| |289:[[祈りは空に、願いは天に、輝く光はこの瞳に、不屈の心はこの胸に!]]|地球破壊爆弾No.V-7|290:[[サイサリス]]| |289:[[祈りは空に、願いは天に、輝く光はこの瞳に、不屈の心はこの胸に!]]|クールなロリスキー|290:[[サイサリス]]| |289:[[祈りは空に、願いは天に、輝く光はこの瞳に、不屈の心はこの胸に!]]|マスク・ザ・ドS|290:[[サイサリス]]|
「さて、本来なら私はガチバトルには向いていないんですけどねえ」 ふふふふ、と仮面の男は笑う。 もやしことルルーシュ扮するゼロの仮面で隠され、男の表情はわからない。 本家のルルーシュの如く歪んだ笑みを浮かべているのだろうか? それは、半分正解で半分ハズレだ。 確かに彼は歪んだ笑みを浮かべてはいる。 だが、それは支配者の笑みではない。 加虐主義者の笑みだ。 人を操り、己が力を誇るのではなく。 人を嬲り、己が快楽とする者の笑み。 仮面一つでは遮ることなど適わない、圧倒的なSっ気のオーラ。 そんなオーラを携えて男は笑う。けらけらと、けらけらと。 地に這い蹲る無様な半身をあざ笑う。 「どうしたんですか、地球破壊爆弾。人一人殺せないのでは、大層な名前が廃りますよ?」 「っうく、ドSううううう!!」 酷い有様だった。 ボロボロだとか、重症だとか、そんな言葉で表現できるレベルを超えていた。 ミンチ。 斬られ、打たれ、穿たれ、砕かれ、溶かされ、潰され、轢かれた肢体。 到底人のだったとは思えない肉の塊。 会話できているのが嘘のようなぐしゃぐしゃな顔。 地球破壊爆弾No.V-7。 書き手ロワ2有数のチートにして、孤城の主。 彼女は、負けた。 圧倒的に、完膚なきまでに、蹂躙、された。 掛かった時間は僅か数秒。 射程外から制限をぶっちぎた射程無限かつホーミング機能付きのボルテックシューターでレヴィを。 相性抜群の太陽の力を込めたリボルクラッシュで吸血鬼王アーカードを。 長門の空間情報改竄すらゲル化で逃れ。 レヴァンティンとマジシャンズレッドの炎はロボライダーで吸収し。 泉こなたのギャグ展開を、光太郎のネタキャラパワーで相殺し。 キングゲイナーを真っ向からチート全開で切り払ったのだ。 常の彼とは違いお遊び無しの全力勝負。 見ていても何の面白みもない一方的過ぎる展開だった。 一言で言えばつまらない。余りにもつまらな過ぎる展開。 ああ、だけど。 実に良いと、ドSは笑う。 今の自分の能力にではない。 奇跡の一切を挟まない、無常すぎる現実を突きつけれたことにだ。 「どうです、ロリスキー?これが、結果です。私の愛の強さです」 「ふざけんじゃ、ないわよ!!」 ぐるりと、その場で回れ右。 ラッドの力を使い殴りかかってきたロリスキーを抱きとめる。 彼女の体にはまだ一切の傷が刻まれていない。 当然だ。あえて、先程から彼女には攻撃は仕掛けず、いなすだけに止めているのだから。 温かく、実に抱き心地がいい。 腕の中で暴れまわる様はまさに子猫ちゃんというやつだ。 ああ、けど、何よりも。 「おやおや、震えていますよ?」 「む、武者震いよ!」 体越しに伝わってくる、彼女の震えがすばらしい!! カタカタと、ガタガタと。 武者震い、なんてわけは無い。 恐怖、だ。 どれだけ否定したくとも、私に“ちーちゃん”を感じてしまうことへの恐怖。 影の繋ぎ師を救う方法が見つからないことへの恐怖。 “ちーちゃん”が殺されてしまうのではという恐怖。 そして、“絶対的絶望たる力”と“己が死”への恐怖。 マーベラス!! 思えば彼女は登場話から怖がっていた。 伊達に死者スレラジオのパーソナリティは勤めていない。 死者スレに来たときにたっぷりと苛められるよう、今までの参加者の物語は全て把握済みだ。 己が半身の愛した少女ともなればより注意深く読み込むのも当然である。 読んで、読んで、読み込んで。 魂を、揺さぶられたのだ。 彼女が普通の少女だったから。どこまでも平凡な少女だったから。 マリンデビモン?不死者?ラッドみん?ヴァルセーレの剣?マジシャンズレッド?ジンクス? 違う。能力とか体質とかではない。 大切なのは心なのだ! 怯え、立ち向かい、焦り、説き伏せ、嘆き、でれ、錯乱し、笑い、迷い、覚悟する。 ある時は助けてくれた人を見捨てられずに強者に向かって行き。 ある時は助けてくれた人にさえ力と激情の前に拒絶する。 いくつもの、いくつもの、顔を見せる、強さも、弱さも兼ね備えた人間らしい心。 彼女なら、きっと、きっと、素晴らしい苦悶の表情の数々を見せてくれる! ああ、愛しい君よ。 私は全力で愛という名の毒を与えよう。 「武者震い?本当ですか?実は戦うのが」 受け入れてくれなくても良い。抗ってくれてもいい。 「――怖いんじゃないですか?」 私はそんな君を更に愛でよう。 「……っつ!?こ、怖くなんて、ない!!」 「やだなあ、戦いが怖くない人間なんているわけ無いじゃないですかー」 真理だ。 命を懸けた戦いが怖くない人間なんて狂人くらいだ。 なのに書き手は大事なことを時に忘れる。 最終決戦に残った?それで?本能的な恐怖がなくなるものなのか?それって人間? クールなロリスキー。 立ち直った後の彼女が戦えたのはひとえに彼女を支えてくれる存在が常に隣に居たからだ。 「あなたはその恐怖を地球破壊爆弾を利用することで押し込めていただけなんですよ~」 「私の、私たちの愛を、馬鹿にするなあああああああ!!」 ヒュンっ!! 激昂と共に触手が乱舞し、打ち付けてくる。 いや、違う。狙いは拘束か。 「あんたが、ここでしか存在できないって言うのなら、ギガゾンビ城から引きずり出すまでよ!!」 お、正解。 それが傷つけることなく繋ぎ師を助けた上に私を倒せる唯一の方法ですよ。 ギガゾンビ城は怖そうにもDSRXの能力で強化済みですし。 うんうん、頭のいい子は嫌いじゃないよ~? だって……。 次に何が起きるのか、きっちり想像できちゃうのって、本人には堪らなく苦痛じゃないかー☆ ぎゅるり。 即座に身体をゲル化し拘束を逃れ、そのまま触手伝いにロリスキーに這い寄っていく。 ひいっと顔が強張るのを押さえようとする顔が愛おしいったらありはしない。 「いやはや、この身体って便利ですよねえ~。あなたがかって爆弾にしたことを、もっとスマートにできるのですから」 「わたしが、した、こと……ま、まさか」 心当たりに突き当たったのだろう。 ロリスキーの顔が青ざめる。うんうん、『クール』は伊達じゃないね、いい子いい子。 「それじゃあ、くーちゃん。“いただきます”」 「あんたぎゃゅ得、非ぎゃ、穂ぎゃ、はひゃああああああ~~~~~!?」 ぎゅるぎゅるごにゅごにゅ~。 嫌だなー、口に飛び込んだのは私の方なのにいただきまーすだなんて、ありえないじゃないですかー。 と自己突っ込み。 ラダムです!今の私はラダム虫なんですといいわけ一つ。 「……ひゅ……や……」 ねちゃり。 喜ばせてなるもんかと声を抑えてもがくロリスキーの口内へとゲル化したままルパンダ~イブ☆ 湿り気のある舌のベットをまずは堪能。 全身を使って絡め、シーツを汚していく。 赤い天蓋もなんておしゃれ☆ 子どもの頃やったなあと天井までスライムのままジャンプ! 見事にタッチできた我が身の成長を母に感謝。 「ひゃ、ひゃひいいい!」 「くーちゃんから出て「煩いですよ。ガン・スレイヴ!」 こしょばさに耐えられずに上がった少女の声が心地いい。 ついでになんかゴミの声も聞こえましたが無視しましょう。 おやおや、これはなんて素敵なシャンデリア。 むしろ形的にはちょうちんですが、シャンデリアということにしておいた方がロマンに溢れますし。 ですがなんとも引っ張りたくなる形ですね。あそ~れ♪ 「ぎゃ、ギャホ、ギャホっ!!」 っと、いけません、いけません。 あまり喉を刺激して吐き出されては元もこもありません。 絶望したー!チートなのに咳き一つで吐き出される身体に絶望したー! いやいや、人間限界には挑戦してみるものです。 いっそ、器官に膨張して全力で張り付いて呼吸困難を起こしてみましょう。 そういえば、喉と鼻って繋がっていますし、ついでに塞いじゃおう。 内側からせり上がっちゃいましょう。えーい! 原作再現です。思う存分窒息してください、不死者さん♪ アニ2のかがみんも窒息死はしていなかったはずですし。 何回で慣れてくださるか、楽しみです。 「……っ!!…………っ!?…………っかは。ひー……」 もう何度目だろうか。 暗い世界から意識が浮上していくのを感じる。 嫌だ。 苦しいのは、もう嫌だ。 けど、耐えなくちゃ。 耐えて、耐えて、耐えて。 隙を見つけないと、ちぃちゃんが。 光が、ほんの僅かに、世界に戻る。 ずるり、ずるり。 意識が覚醒した瞬間。 蘇生した直後の、僅かに正気を保っていられる時間。 その時間を使ってのろのろと、地を這い出口を目指す。 酸素不足で、脳が働いてくれなくて上手く知覚はできないけど。 それでも。 今やドSは完全に私の中にいる。ゲル化した身体を、私のような触手としては使わず全身で進入してきてる。 恐らく彼からすれば、触手で口を犯しても、楽しくないのだろう。 チャンスだ。 私の持つ最後の支給品は武装錬金ヘルメスドライブ。 これを使って、城の外にワープすれば、ドSは倒せる。 けど、LSに準じた制限が掛かっていて、一度使えば4時間は使用できない。 気付かれれば、次は無い。 「…………っか………!!…………!!!!」 息が、詰まる。 嫌だ、痛い、苦しい、喉が。 ガリガリ、ガリガリ。 思わず喉を掻き毟る。 わかってる、こんなことやっても喉につまったものは吐き出せない。 人は苦しいときには、理屈や因果と関係無い行動を取ってしまうのだ。 「…………!!…………!!!!……………………!!!!!!…………………………………………」 苦しい、苦しい、空気を、空気を!! 「……っ!!…………っ!?…………っかは。ひー……」 もう何度目だろうか。 暗い世界から意識が浮上していくのを感じる。 嫌だ。 苦しいのは、もう嫌だ。 けど、耐えなくちゃ。 耐えて、耐えて、耐えて。 隙を見つけないと、ちぃちゃんが。 光が、ほんの僅かに、世界に戻る。 ずるり、ずるり。 意識が覚醒した瞬間。 蘇生した直後の、僅かに正気を保っていられる時間。 その時間を使ってのろのろと、地を這い出口を目指す。 酸素不足で、脳が働いてくれなくて上手く知覚はできないけど。 それでも。 ドSを騙す為には必要なのだ。 私が、ドSを身に宿したまま這って外に出ようとしてると思わせないといけないのだ。 「いやあ、感動しました。貴方の愛は素晴らしい!!おっと、大事なことなので二度言いました。 がんばりますね、ロリスキーさん。よろしい、なら、ゲームと行こうじゃないです。 貴方が這って出口に辿り着くのが先か、それとも絶望に屈するのが先か……。 結果が出るまで貴女の中で楽しませてもらうとしましょう」 喉から、声がした。 自分の声じゃない、ドSの声。 全身ゲル化したまま話すなんて、どれだけ器用なんだ。 でも、予想通りだ。 サディストは、相手が苦しむ反応を見ることが楽しみなのだ。 だったら、存分に楽しませれば油断させられる。 結果が出るまで貴女の中で、と言っていた。 私が足掻き続けていれば、逃げはしまい。 「…………っか………!!…………!!!!」 息が、詰まる。 嫌だ、痛い、苦しい、喉が。 触手を、できるだけ細く生成し喉に突っ込みゲルを掻き出そうとする。 けど、出てくるのは唾ばかりだ。 てらてらと触手が光る。 外から見ればどんな風に見えるだろうか、自分の触手で喉を突いている女の子って。 余裕が無いの、外見を気にしていられるような! 「…………!!…………!!!!……………………!!!!!!…………………………………………」 欲しぃ、欲しぃ、空気が、空気がああああああ!! 「……っ!!…………っ!?…………っかは。ひー……」 もうなんど目だろうか。 くらい世界からいしきが不浄していくのを感じる。 嫌だ。 苦しいのは、もういやだ。 けど、たえなくちゃ。 耐えて、たえて、絶えて。 好きを見つけないと、ちぃちゃんが。 光が、ほんのわずかに、世下位に戻る。 ずるり、ずるり。 意識が覚醒した瞬間。 蘇生した直後の、僅かに正気を保っていられる時間。 その時間を使ってのろのろと、地を這い出口を目指す。 酸素不足で、脳が働いてくれなくて上手く知覚はできないけど。 それでも。 右手を伸ばす。扉を、空気を掴もうとするかのように。 左手を忍ばせる。こっそりと、デイパックへと。 のろのろと、のろのろと。 這い蹲る動作に合わせて。 「…………っか………!!…………!!!!」 息が、詰まる。 嫌だ、痛い、苦しい、喉が。 剣の翼を顕現させる。 飛ぶことは無理でも、動かすことくらいはできるから。 グサリ。 迷い無く、首に突き刺す。 切り落とせば、死んでしまうが、穴を開けるくらいなら大丈夫だ。 いい方法だと思った。 なのに口内のゲルに直ぐに穴を塞がれた。 「…………!!…………!!!!……………………!!!!!!…………………………………………」 息、息、呼吸を、させてよ……。 「……っ!!…………っ!?…………っかは。ひー……」 もうなんどめだろうか。 くらいせかいからいしきがふじょうしていくのをかんじる。 いやだ。 くるしいのは、もういやだ。 けど、たえなくちゃ。 たえて、たえて、たえて。 すきをみつけないと、ちぃちゃんが。 ひかりが、ほんのわずかに、せかいにもどる。 ずるり、ずるり。 意識が覚醒した瞬間。 蘇生した直後の、僅かに正気を保っていられる時間。 その時間を使ってのろのろと、地を這い出口を目指す。 酸素不足で、脳が働いてくれなくて上手く知覚はできないけど。 左手は、遂に核鉄へと届いていた。 いける、と。 これで、終わるんだ、っと。 「…………っか………!!…………!!!!」 ヘルメスドライブを無音発動。 転移先は蟹座氏。 バトルマスター達、敵の前に転移するのは論外だ。 加えて、アニロワ1・2書き手は、この場所と縁があり、向かってきている可能性も高い。 影の繋ぎ師の様子から将軍は死んだらしい。 となると消去法で、この場におらず、アニロワとも縁の無い蟹座氏が一番だ。 「…………!!…………!!!!……………………!!!!!!…………………………………………」 倒す、ドSを、手に入れる、空、気を……。 |289:[[祈りは空に、願いは天に、輝く光はこの瞳に、不屈の心はこの胸に!]]|投下順に読む|290:[[サイサリス]]| |289:[[祈りは空に、願いは天に、輝く光はこの瞳に、不屈の心はこの胸に!]]|時系列順に読む|290:[[サイサリス]]| |289:[[祈りは空に、願いは天に、輝く光はこの瞳に、不屈の心はこの胸に!]]|地球破壊爆弾No.V-7|290:[[サイサリス]]| |287:[[D(後編)]]|クールなロリスキー|290:[[サイサリス]]| |287:[[D(後編)]]|マスク・ザ・ドS|290:[[サイサリス]]|

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