敗戦と新たなる旅立ち

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再び発動する速筆魔王の豚を見るような目。 その先には高良みゆきの姿をしたみWikiの精……もうめんどくさいからみwikiで一括する……がジャンピング土下座しながら、 地面に頭をヘコヘコさせていた。時間がない為夢の国ほど集中的な殺気は無いが、 それでもその構図はさながら中国とPAD長のように思える。 『ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい…』 「いや、とりあえず謝るくらいならさっさと僕を鏡の国から出してくれないかな。今君と二人で話している暇も無い……」 「お主、何もそこまで怒らなくても良かろう。  何があったかは知らぬが、年端もいかぬ娘を頭ごなしに叱るのはあまり関心せんな」 「いえ、二度あることは三度あるともいいますからね、ここははっきりと判らせておかないと……って、将軍、聞こえてるんですか?」 キョトンとするギャーグミドラを前にして魔王は周囲が鏡の国ではなく、今までと変わらない現実だと気づいた。 その手の中の書物は仄かに光ったまま、怯えたように輝きを震わせるばかりだった。 「ドロー。これで2ターン目だ……しかしあいつらは一体何に驚いているのか……心当たりはあるか?」 「うーん、分からないよ。何だろね?」 素っ頓狂な声を上げる敵サイドを尻目にコーヒーを飲み続けるジョーカーたち。 人外に問われても何のことやらと言わんばかりの愛媛。その彼女こそが、彼らが声を発した元凶だとは夢にも思わない。 「……つまり、力が強化されて支給品から意思持ち支給品に格上げしたって訳?」 『はい。向こうにいる愛媛……つかささんと接近したことによって私の力がアップしたみたいです。  これが強化なのか制限解除なのかは分かりませんが、おかげでこうして夢の中に引き込まなくても会話できるようになりました』 「(それはよかった。これからもよろしくね)意思持ちか……面倒だな」 「魔王、ベタ過ぎてもはやギャグにすらならんぞ」 「とにかく、今は君の不確定な戯言に付き合ってるほど暇じゃあないんだ。話なら後にしてくれないか」 あからさまに邪険に扱う魔王。しかしみwikiは一歩も引き下がらない。 『いえ、私も戦います。たとえジョーカーであろうとあんな黒いつかささんを放っては置けません』 「でもねえ……君どうやって戦うのさ? その本の姿で」 『…………………………………………………………………………ああっ! そうでした!!』 今の今まで気づかなかったのかこの×××が。 みwikiの姿は本な為今ひとつ伝わらないが、頭を抱えてうずくまる姿が容易に想像できた。 貴重な時間を無駄にしたとばかりに、魔王が指で眉間を伸ばす。 だが、その指はすぐに何か導を見つけたのか、明快な指パッチンへと変えた。 「いや、考えようによってはいけるかもしれない」 「何をだ? もったいぶらず言ってみるがいい」 「あのバケモノ……倒しきる手が思い浮かんだってことですよ。鍵はこのウォーゲームとみwikiです」 やはり唯の本であるみwikiだが、その中でみwikiの精が目を丸くしている様が二人には簡単に思い浮かんだ。 「ふぅん……遂に劇終の時間が来たな!!!!!  俺のターン、ドロー! これによって3ターンが経過し、コーヒーブレイクの効果は消失する!!」 コーヒーセットが煙のようになって将軍の懐にするりと消える。 愛媛も気がつけば両陣営の中心線上に戻っていた。魔王たちを守る平穏の固有結界は崩壊し、再び戦闘の空気が形成される。 そして人外は今しがた引いたカードを見て、確信のような微笑を浮かべた。 「運命の女神は未来へのロードを貫くものにこそ微笑む……どうやらその神すらをも俺は従えたようだ。  俺が引いたカードは…魔法カード「ファイナルベント」。これを手札より発動。  ブラックホールの彼方に消え去るがいい! 喰らえ、ドゥームズデイ!!」 冥府の門の如く獣帝の腹部が開放され、巨大な重力場の渦が発生する。 王蛇が場にいないため直接的に冥穴に叩き込まれることはないが、それでもその吸引力は凄まじい。 ギャーグミドラがその剣を地面に突き刺し耐えるが、基礎攻撃力の差でじりじりと穴に吸い込まれていく。 相手は融合モンスター。一対一ではどうしようもない戦力差だった。 「だったら、戦力を増やせばいいだけの話だよね!」 「なんだと? ……貴様に召喚能力などないはず」 「僕のターン。ここに意思持ち支給品を場に出現させる。出番だ、みwiki!!」 出現するのは一冊の本。それが重力の風に逆らうようにひとりでにページが飛ぶようにめくれ、光を放つ。 その光の消えたとき、そこにいたのは一人の少女だった。 ウォーゲームの力を借りてみwikiの精がここに具現化する。 「チィ! このような方法で場にモンスターを増やすとは……」 「へぇ……ここで出てくるんだ? ゆきちゃん」 『つかささん……』 召喚されたみwikiはその眼鏡の奥から一人の少女を見つめる。 見つめたその先には悪鬼のような眼力で自分を睨みつけている愛媛がいた。 「だが、そんな屑手で俺のモンスターを打ち破れるとでも思うか馬鹿めが!!  ジェノサイダー、まとめて吸い込んでしまえぃ!」 人外の命令でさらにブラックホールが拡大しようとするジェノザイダー。 だが、その瞬間、横から殴りつけるようにして一匹の黄金の虫が獣帝の頭部に一撃を喰らわせる。 「なんだとぉ!?」 「屑とは限らないさ。ここでさらに支給品「コーカサスゼクター」をみwikiに使用。  みwikiはその知識であらゆる特殊装備品を装備することができる!!」 コーカサスブレスを装備し、不慣れながらもなんとか変身ポーズを取ろうとするみwikiを見て、 ギャグ将軍は仮面から露出した口元を歪ませる。 魔王が放った俺ルールも理由の一つだろうが、おそらくはコーカサスゼクター本人もまんざら嫌がってないように思える。 熱血怪人が救えなかった熱血王子、その元凶である愛媛への敵意がみwikiと呼応した故か。 あるいはライダーロワでも女性をノリで変身させたから、もしかしたら女性には幾分見る目が甘いのかもしれない。 「へ、変身ですっ!!」 『Change Beetle』 瞬時にアーマーを装着されて現れる黄金の女性ライダーが一丁出来上がり。 最強ライダーの一角のはずだが微妙に内股なのがそれを感じさせない、いかにもといった仮面ライダー・コーカサスが誕生した。 もちろん眼鏡は仮面越しに装着している。メガネッ娘は重要文化財なのだから当然の処置だ←結論。 「くっ……だが所詮は支給品と支給品の合わせ技。ザ・ファーストコーカサスよりも攻撃力はあるまい!!  負け犬から馬の骨に昇格したと所で俺のジェノザウラーには届かんぞ!!」 「黙れ小童! みwikiをライダーにしたのは攻撃力を得るためではない。  仮面ライダーコーカサスの特殊能力を発動させるためよ!」 「特殊能力……はッ!!」 「気づくのが遅いね、遅すぎる。さらに「咎人の剣「神を斬獲せし者」」を装備。  そしてコーカサスの特殊能力「ハイパークロックアップ」!  3ターン前の過去まで遡りジェノサイダーを攻撃する!!」 タキオン粒子を取り込んだコーカサスが光を超えて走り出す。 あらゆる物質は光速を超えることができない。何故か? 相対的に時間を越えてしまうからだ! そのSF理論をぶち破った韋駄天スピードは3分の時を超え、ファイナルベントが発動する前の獣帝の時間にまで到達する。 ブラックホールの発生していないがら空きなその腹部にダメージが刻まれた。 逆行する時間を客観視するという変則的な状況に何とか知覚しながら、人外は唸った。 「クッ……攻撃を阻止されたか。だが残念だな!   俺のジェノサイダーは未だ健在だぞ。ファイナルベントが無くとも次のターンで屠ってくれるわ!!」 「なあんだ、まだ次のターンがあると思ってたの?」 「!!」 神を斬獲せし者は最終ダメージに大きく乱数が入ってしまう。 これでは当然倒しきれない可能性は十分に考えられる。だからこそ速筆魔王はこれを第一撃にした。 あくまでも敵の必殺技を止めることだけを狙って、更なる攻撃を呼び込むための時間稼ぎとして。 「僕に「バルキリースカート」と「斬鉄剣」を連装。  合体攻撃でジェノサイダーに攻撃!! 行きますよ、将軍!」 「応! 先に仕掛けるぞ魔王! ジェーーット!!」 3分間前のダメージがいきなり発生したことによるジェノサイダーの怯みを逃さず、ギャグ将軍がビームと共に接近する。 それに追随した魔王がバルキリースカートで翼や角を滅多切りにして二人が同時に着地。 獣帝を挟み込むようにして立った二人の手にはそれぞれ怪獣すら絶てそうな大剣と何でも切れそうな刀が握られている。 「天空真剣奥義!」 「重ねカマイタチ!」 「「…切り捨て御免っ!」」 不思議空間から現れた夕日が照らす中、獣帝の影が二つの超斬撃にて分断される。 後に残ったのは二人の男の無駄にハードボイルドな背中だけだった。 ジェノサイダーを維持していた分量のダメージが渡り、人外が片膝をつく。 「ぐほぉあ! ……まさか俺のジェノサイダーコンボを破るとは」 「三つの心が一つになれば、ってやつだよ。君のルールに即して頭を使えば召喚だってできる」 魔王と人外がにらみ合う中で、もう一つの眼光が交錯していた。 高良みゆきであるみwikiと柊つかさである愛媛である。 「ゆきちゃんは意思持ち支給品……一番邪険にされかねない少数派。  私としては快く仲間にしてあげたいんだけどなあ」 『丁重に謹んでお断りさせてもらいます。ニコロワ同様、その闇が晴らせる可能性も無いとは限りませんから』 「無意味に強気だよねえ……ひょっとしたらこなちゃんもお姉ちゃんも死んじゃってるかもしれないよ?」 『つかささんも感覚で分かってるんでしょう? らきすたメンバーは未だ欠けてない。希望はあります』 眼鏡の奥底に宿る力強い意思。それを受けて愛媛は笑った。 キャラとして健気に立ち上がるみwikiや他のメンバーを想って。 そして、その輝きを自らの闇に飲み込む様を想像して。 「私の前で輝くなんて、それ食べて欲しいってこと?  いいよ。みゆきさんが多数派に着くっていうなら……弾幕と闇にまとめて沈めてあげる」 「勝手に盛り上がるな愛媛。この勝負はあくまで俺のデュエル。手出しはするなよ」 強烈な闘気の篭った言葉で愛媛を制する人外。 だが、ジェノサイダーという上級モンスターを失ったことによる消耗は隠しきれていない。 「もう勝負はついたよ。どんな手をつかってこようとみwikiが時を遡って攻撃を阻止する。  三人がかりの布陣相手じゃモンスターを増やすこともままならない。  このコンボの前には君のパワーデッキは機能しない。諦めて罰ゲームを受けなよ」 絶体絶命返り討ちパターン確定入ったという状況。 その窮地に立たされた人外は、その傷ついた有様でなお笑った。 虚勢でも、気が触れたわけでもない、王者にしか出せない強者の余裕を十分に満たした笑みを。 「……何がおかしい?」 「速筆魔王、そしてギャグ将軍よ。貴様の能力はこの目でしかと見極めた。  お前達は強い。俺と決闘で渡り合うに十分な力量だ」 「いかにもな負け惜しみだの。片腹痛いわ」 「その力を前にしては、使わざるを得ないか……このカードを」 ふと、戦場の匂いが変わった。 熱気と水気に溢れ、生命の躍動が血潮と共に湧き上がるかのような生きる気配から、 嫌な寒さと渇きがあたりを覆い、まるで夜の墓場のような、幽世との境界の気配へと変化した。 その気配の発生源は間違いなく人外、いや、正しくはその手に握られたカードから放たれている。 この場にいる誰もが、その気配を神経で感じ取っていた。 「そういえば、ここは感電によって無数の骸が転がされた場所だった。  非ィ科学的な言い方をすれば、この薄ら寒さすら死者の怨念と言えなくも無い。  だがな……一つだけはっきりしている事がある。人は、死して死人となるのではない。死体……「人ならざるもの」へとなるのだ。  それを見せてやろう……俺のターン、ドロー!! 場に一枚の伏せカードを置き、モンスターを一体召喚する!!」 決闘盤に一枚のカードが装填され、カードの幻影が再び召喚される。 この決闘が始まって何度も見慣れた光景、その様を前にして……ギャグ将軍は絶句した。 「馬鹿な……こんなことが……」 「俺は攻撃表示でこのモンスターを……」 「なぜ、なぜお前達がそいつの元に居るのだ……?」 現れたのは、ゆったりとした袴のようなズボンと羽織のような上着を着こなした程よい年齢になろうかという娘。 静謐な佇まいと整った筋肉が、彼女を練達の武人の部族…エヴェンクルガの剣士・トウカだと伺わせる。 だが、彼女をトウカというには一つだけ決定的な違いがあった。 剣の腕? 確かめずとも強さは分かる。 微妙に顔のつくりが違う? とてもそうは見えない。 彼女は、限りなくトウカだった。その耳が人間であることを除けば。 「『永遠のうっかり侍』を攻撃表示で召喚!!」 違う。別人だ。まやかしだ。 幾千幾万の否定の言葉は、自らの記憶と感覚が完膚なきまでに打ち砕く。 ギャグ将軍は確信せざるを得ない。 この旅館にて数多くの対主催が集い、新生クライシス帝国として一致団結した。 そして彼女はギャグ将軍とともに行動班に回り、一時とはいえ行動を共にしていたのだ。 だが、そこにいたのは確かにこの旅館にて死んだうっかり侍であった。 すでに放送にて死した彼女が、ここにいる。ならばそれは、人ではない人外の化生に他ならない。 「貴様……あの娘に何をした!!」 「落ち着いて下さい将軍。あれは本人ではありません。僕達はここにあった遺体をほとんど確認しています。  それに、彼のカードは全てニコニコ動画から精製したもののはず。少なくとも死体からの蘇りじゃない」 激昂しかけるギャグ将軍の肩をつかんで制する魔王。 将軍と違って生前の彼女と面識の無い魔王はギリギリで感情を抑えきった。 彼女は心臓を貫かれて死んだはずだ。死体は確認してあるし、 もし仮にこっそり回収した死体からリビングデッドを作ったにしても服が綺麗過ぎる。 「だが、書き手ロワはMADになってない……ねえ、一体何処から動画を拾ってきたんだい?」 「ふぅん。お前達の知らないところで着々と動画が作られていたのだ。ガチホモの手によってな」 ガチホモが地図氏一行と勝負したとき、なぜ戦わなかったのか? 謹慎をしていたとはいえ、直接的な介入を他のメンバーに任せていたのは何故か? その理由は一つ。彼はずっと見ていたのだ。 モニター越しに、会場内のあらゆる事態を可能な限りずっと見ていたのだ。 主催者に召喚される前の画像すらも支給してもらい、ガチホモはこれまでの時間ずっと「見」に回っていた。 会場内の全ての参加者を動画に取り込み、それを人外のデッキに組み込むために。 ニコロワよりも禁止カードといわれた、書き手ロワ2ndのカードを手中に収めるために。 「奴と俺のコンボで第三回放送までの参加者の情報は全て抽出してある。  俺は人外モンスターしか使わん故、死者のカードしか入れてないがな」 手には何も持たず、ただじっと将軍達を見つめるうっかり侍。 その表情は決して死人のそれではなく、しっかりと血が通い、生きた彼女としか思えない。 だがそれは当然なのだ。彼女は生きていたときの「情報」から生み出された彼女なのだから。 限りなく同じな彼女。分けて隔てるのは0と1の境界。死せるアナログな彼女から生み出されたデジタルなモンスター。 「卑怯者があ……死者を辱めてまで勝ちを得たいか!!」 「ハッ! 怪人が聞いて呆れるわ。俺はこれがただの情報だと宣誓したぞ。  そこまで知ったうえでうろたえるならばそれは貴様の弱さよ!  あくまでもこれらのカードを入れているのは書き手ロワのカードが反則級に強いからよ。  栄光のロードは勝利の向こうにのみ存在する。下らん感傷など墓地にでも捨ててしまえい!  では侵攻と攻撃を開始するぞ。波動弾を撃つ前に設置したリバースを発動!  装備「物干し竿」をうっかり侍にセット! 攻撃力を強化してギャグ将軍へと攻撃!!」 アニロワ初期においてトウカの武器だったそれを手にしたうっかり侍は将軍のことなど知らぬと言わんばかりに疾走する。 「うっかり侍よ、余の話を――――」 聞け、といいきる前にまったく躊躇いの無い彼女の一閃が将軍の胴を真っ二つに……はしなかった。 その剣は将軍の皮膚に切れ目を入れただけで振りぬかれている。 攻撃を失敗したのか、あえて外したのかも分からない表情で彼女は一足飛びで人外のフィールドに帰還する。 「ふぅん。運がよかったな。うっかり侍は60%の確率で命令した行動を失敗する。  俺は場に一枚のリバースカードを置いて、ターンエンドだ」 慌てふためくギャグ将軍の様を侮蔑するように見下し、人外は手番を譲った。 「将軍、大丈夫ですか?」 「あ、ああ……怪我は無い」 「いえ、『まだ戦えますか』と聞いているんですよ」 意図的に冷酷さを上乗せした魔王の言葉は正鵠を射ていた。 敵がこのロワの死者を場に出してから将軍の戦意はがた落ちしている。 「なめるな。この程度の策略程度で余が怯むと思ったか」 「……分かりました。貴方に信じられたこの身です。貴方を信じますよ。  見たところどうにもうっかりが多い。3対1の今なら隙を突けば十分に叩けます。  みwikiが第一撃、あの目障りなリバースを打ち破ってから将軍が止めを!」 魔王の言葉が終わったと同時に、弾かれた様にしてコーカサスが飛び出す。 圧倒的な速度ではあったが、先ほどのハイパークロックアップと比べるとどうにも遅かった。 「先ほどのような超加速は使えまい。  もしあれ以上の過去逆行が可能ならば融合前のミラーモンスターを適当に一匹討てばよいのだからな。  恐らくはあのような小娘の体では3ターンが精々。そして連続使用は不可能!」 人外に自らの状態を見切られ、舌打ちをするみwiki。だが走るしかない。 この3人の中で最速の行動ができる彼女ならば、罠を避けつつ攻撃ができるはずだ。 「誰がトラップと言った!? リバース発動、装備カード「インテル」!  このカードを装備したモンスターは頭の回転がよくなり、うっかりしなくなる!」 『え―――ああっ!!』 うっかり侍の後頭部にいきなりズブリとソフトが突っ込まれた。 それとともに彼女の目が輝き、燕も落とせそうな鋭い剣閃が飛び乱れる。 クロックアップ程度では凌げるような速さと経験差ではなく、コーカサスは一気に撃墜され本に戻ってしまう。 ここまでは魔王の計算の範疇。第二の矢が次なる居合いのため刀を納めようとしたうっかり侍に肉薄していた。 だが、相手は居合いの達人。納刀の際の隙など百も承知と、攻撃準備を完成させる。 「うっかり侍! 長々と敵に辱めを受けさせる位ならば、せめて余の手で引導を……」 どちらが斬られても可笑しくない距離で、ギャグ将軍が柄に力を込める。 その剣を抜き放とうとした瞬間、その勢いが止まった。 眼前の少女が抜刀しようとして数センチほど柄を滑らせてしまったのだ。 「……インテルでもあのうっかり属性は抑えきれんか」 状況を分析する人外の声など将軍には聞こえなかった。 この何もかもが命取りになる極限において相手が見せたうっかり。 そのまま振りぬけば確実にこちらが勝てる。 疑いようの無い事実を前にして、将軍はうっかり侍の顔を見た。 あれは唯の情報だ。それは分かっている。 自分のことは知るはずも無い。だから手加減してわざとうっかりしたわけじゃない。 あの無表情な顔がたとえ悲しそうに見えたとしても、それは自身の心の弱さが落とした影に過ぎない。 (だが、余は……新生クライシスの同胞となるはずだったこやつを……もう一度滅ぼすなど、出来るのか) 「躊躇したかジジィ! 過去へと目を背け未来へのロードを直視せぬ愚か者に、勝利など訪れぬわ!!」 将軍が自ら生んだ一瞬の隙を人外は見逃さなかった。 うっかり侍が抜いた神速の刃がギャグ将軍の腹を真横に捌く。 じわりと血がにじんだように見えた刹那、人ならざる血の色の液体がそこから飛散した。 口元からも液体を出し、両膝を付く将軍。既に肉体的にも精神的にも戦闘不能だった。 一刻も早く将軍を助けなければ間に合わない致命傷。しかし、魔王は動けなかった。 一つは、これが闇のゲームである以上途中棄権が認められないということ。 そしてもう一つは、次は人外のターンであるということ。 「失望したぞジジィ。俺のターン、ドロー!!   更なる悪夢を眼に焼き付けて朽ち果てるがいい。鉄槌の騎士ヴィータ@LSを召喚!  さらに俺は永遠のうっかり侍を生贄に、大あばれ鉄槌を召喚!  さらに大あばれ鉄槌の特殊能力発動! フィールド、または手札にあるヴィータを墓地に送ることで攻撃力を3倍にする!!」 うっかり侍が情報の集積と化して散り、再構成された人物もまたギャグ将軍が行動を共にした人物だった。 アニロワよりも大分ヤサグレたヴィータと手持ちのフランヴェルジュが纏めて魔力の粒子となって、 カズマの姿をした大あばれ鉄槌の右手に注ぎ込まれる。 LSの彼女それを行える心情に到達しているかどうかは微妙だが、曲がりなりにも発動条件は満たされた。 アニロワの中でも屈指のクロスオーバー。彼の名前にも冠せられる、騎士王すら吹き飛ばせる合体攻撃。 ニュートラルな状態からして怒りが表情に刻まれているのは、下法にて戦場に立たされたからか。 そのむしゃくしゃすら力に変えるといわんばかりに鉄槌のアルターが輝き、ギャグ将軍へと向かう。 「これで終わりだジジィ。鉄槌のシェルブリット!!」 ギャグ将軍へと暴力と破壊が巨大な塊となって突進する。 だが将軍は一歩も動けなかった。 下半身は上半身の命令を満足に受け付けないし、なにより、その上半身がろくな命令を下そうとしない。 手の届かぬところで新生クライシス帝国の人材候補は泡と消えいき、 その手で守れたはずの鉄槌もみすみす殺された。 それで何が国だ。国を司る民すら守れぬならば、国になどなんの意味があろうか。 なればこそ、ここで鉄槌に殺されるのは摂理なのだろう。そんなことすら自然に受け入れることが出来た。 あの大技さえ過ぎてしまえば魔王一人でも鉄槌は殺れるだろう。魔王の勝ちだ。 後顧など無いとばかりにゆっくりと目を閉じて、ギャグ将軍はその身を摂理の審判に委ねた。 10秒ほど立った後だろうか。 浅い眠りの後のようにうっすらと目を開き、ギャグ将軍は何が起こったのかわからなかった。 死んでいるはずの自分が、生きている。それだけで有り得ないというには十分だった。 「……それが貴様の結論か、魔王」 人外が自らの頭を越えて目線を遠くへ飛ばす。ギャグ将軍はゆっくりとそちらを向く。 その先には、いつもと変わらぬ魔王がいた。ただ、その右手を左手の甲に当てていたことだけが厭に目に付いた。 もしそこに決闘盤があれば、そこには山札があったであろう位置。 山札に手を置くという行為が意味するのは唯一つ――――――サレンダー、降参の意思表示である。 「何故だ、何故止める魔王よ!!」 「ん~~、まあ、負けるのは面白くないけど……貴方みたいな人は失えないですよ」 魔王はそういって、相変わらずの微笑を見せた。それだけで将軍が言うべきことは全てなくなってしまう。 その意思を受領したとき、闇のゲームに決着が付き、全ては煙と消え果た。 × × × 「まずはアンティの清算だ。俺達はその虎竹刀と千年パズルを頂く。  繋ぎ師や万が一に黒猫…超チート級を俺達が相手にするには、こいつが不可欠なのでな」 そういって人外は魔王に歩み寄り、手を差し出す。魔王は一切の感慨を浮かべることなく自身の半身に近いそれを渡した。 どんな相手にでも勝ち目を作ることができる可能性を持つ闇のゲーム。 どんどんとチート度を増していく参加者に拮抗するために必要なファクターとして彼らはそれを狙ったのだった。 これがあれば最悪ソードマスターを免れることは出来る。 愛媛に持たせようとしたが、人外はその手を止め、しばらく考えた後それを自分でしまう。 闇のアイテムを黒さで染めてしまったらそれこそどうなるか分からない。 「闇のゲームの清算を始める。賭けたものは互いの存在。罰ゲーム執行!!」 虎竹刀の剣先からビームのようなものが飛び出し、魔王に向かう。 魔王はすっと目を閉じた。後悔など無い。罰ゲームをいずれ自分が受ける覚悟なしには闇のゲームを扱う資格も無い。 それに、自分が偶然眠っている所にマーダーが襲撃しに来たところを見るとどうにもこの能力が持て余されている気もする。 これから終盤、怒涛のガチバトルが展開しそうな空気の中でこの能力はあまりにも反則すぎる。 なれば、退場するには良い頃合だろう。ギャグ将軍の首輪も解体した。 こうして自分が死ぬということは自分達の首輪解除フラグも用が無くなった可能性が高い。 自分達が抱えるフラグはほとんどがアイテムとして将軍に運んでもらえばいい。 そう考えるとますます自分の体が軽くなったような気がした。なあんだ。もう大してフラグも無かったのか。 クスリと笑って、魔王は自分という存在が消滅する感覚を楽しみながら――――――消えなかった。 「すまんが、罰ゲームを代わって貰うぞ」 魔王が目を開ける。自分の前に広がるのはデジャヴ。罰ゲームのビームを受けるギャグ将軍の姿。 剣を杖にして、ほとんど這いずるようになりながらも、壁として魔王の前に立ちはだかっていた。 「……どうして、とは訊かんのだな」 「納得は出来ませんが、理解は出来ます。ただ、僕が同じ立場だったら絶対にこんなことはしないね。  少し、買いかぶってたかもしれないな」 「ククク、そういうものだろう。人間とは複雑怪奇極まる。ラダムも怪人もヒトもそこは大して代わらぬさ。  さてジョーカーとやら、余の行為を約定の反故とし魔王に再度罰を下すか?」 「こちらが得る勝ち分は既に得たあとだ。今更反故にする意味もあるまい」 「そうか、そ、れは……よ……」 最後の言葉を言い切る前に、ギャグ将軍の体は神隠しにあったかのように消えうせた。 3rd Game <人外のウォーゲーム> Result――――――――――――勝者・人外アドベンチャー~OZbjG1JuJMのウォーゲーム~。決まり手は魔王の途中棄権。 月に二つの影が映る。 一つはお馴染み主催本拠地天空の城ラピュタ。そしてもう一つはそれに比べれば米粒ほどの小さな影。 その中にいるのは、任務を終えて帰還する人外と愛媛。愛媛はその米粒の上に立ちながら言った。 「わはははははははは!!!」 「ねえ、お兄ちゃん……普通に私が動かした方が早いと思うんだけど」 「ふぅん。ジョーカーたるこの俺が影渡りや他人の操縦ごときで帰還できるか!!」 人外が操っているのは、F-22Aラプター。エースコンバット4でメビウス1が愛機とする高性能戦闘機である。 ただ、そのカラーリングが尋常ではない。 XBOX360にてダウンロードされている特殊カラー……-THEIDOLMASTER HARUKA-、所謂アイマス痛戦闘機・天海春香カラーだ。 大丈夫かバンナム。正気かアイマス。そういえば春香も一応「リボン付き」だなあ……。 ともかく本来ならば少なくとも上面は赤色の白春香な機体だが、 愛媛はこれを汚染し完全黒春香カラーの「はるちゃん」として自分のおもちゃにしているのだ。 別に操縦桿で操縦しなくても触って念じるだけで動かせるのだが、人外にとっては自分が操縦することに意味があるらしい。 「それにしても、ラピュタがこんなにはっきり見えてるなんて……やっぱり私の見たのは気のせいじゃなかったんだ」 「ここまでバリアが破られているのに気づいていないという訳でもあるまい。  感電か読み手のどちらかが隠匿しているか、あるいはwiki管理人が泳がせているかどちらかだな」 「裏切り者がいるってこと? どうしよう?」 「その必要もあるまい。報告だけして、後はガチホモに判断させる」 自分達の仕事はあくまで対主催の侵入者を殺すこと。進入してくれるのは寧ろ有難い。 「愛媛、恐らく決戦は近いぞ。それまでに死ぬ気で直せ」 「うん……そうする……」 来るべき決戦……恐らく敵として参戦するであろうみwikiや、ロリスキー達の事を考えて少しだけ気が沈む。 だが、人外を見ていればそんなのは些細なことのようにすら思えてくる。 「魔王、将軍よ……俺達のロードを止められるものなら止めて見せろ。行くぞ愛媛、全速前進DA!!」 月はその下にあるもの全てを嘲笑う。 ジョーカーも、マーダーも、対主催も、主催すら等しく嘲笑っている。そんな月夜だった。 【夜中】【上空】 【人外アドベンチャー~OZbjG1JuJMのウォーゲーム~@ニコロワ】 【状態】:疲労(中) 【装備】:なし 【道具】:虎竹刀with千年パズル 【思考】:  基本:主催者側の人間として活動。ロードに立ち塞がる参加者の粉砕!ぎょ(ry  1:全速前進DA!!  2:デッキを改良しながら次の出番までニコニコ   ※容姿は正義の味方!カイバーマン(海馬瀬人)  ※ニコニコ動画に存在する動画ゆかりの技を使えます  ※地球破壊爆弾No.V-7を危険視しています。  ※お気に入りの画像からデータをダウンロードし、カードに変えて使役することが出来ます。   基本はニコニコにあるパロロワMAD&ガチホモが動画化した分の書き手ロワ2ndからの混成デッキ。   書き手ロワカードは放送ごとに死者が追加解禁されます。 【愛媛の0RbUzIT0Toは大変な演説をしていきました@ニコロワ】 【状態】:真・驚きの黒さ 精神力3割 【装備】:なし 【道具】:F-22Aラプター(春香カラー・黒) 【思考】:  基本:主催者側の人間として活動。参加者(=多数派)の抹殺  1:療養しつつ、次の出番までニコニコ   2:生き残ってももちろん熱血王子は許さない  3:熱血王子が改心しそうな時は666に任す  ※容姿は黒いセーラー服の柊つかさ@らき☆すた  ※触れたものを驚きの黒さで染めることが出来ます。影ワープ等詳細不明  ※ニコニコ動画に存在する動画ゆかりの技を使えます  ※現実世界にコメントを張ることができます  ※地球破壊爆弾No.V-7を危険視していますが、キャラとしては…?  ※回復にどのくらいかかるかはお任せ。現在なんとか動ける程度。 × × × 温泉の湯がトクトクと流れる音だけが断続的に響いていた。 バトルの影響で彼方此方に傷跡が見え隠れする旅館を見上げて、速筆魔王はため息をついた。 「負けたなあ」 淡々とい紡がれるその言葉には、しっかりとした重みがあった。 敗北、そして失ったものの数々。 『何、新生クライシス帝国は滅びぬ。何度でもよみがえるさ』 「それじゃバルスフラグですよ、将軍」 困ったような顔をして、魔王が声の方を向いた。 ノートパソコンを開くと、ウインドウにはギャグ将軍が映っている。 バトルで負った傷の部分には、データで構築された治療の跡がはっきりと残っていた。 「しかし、まさかパソコンの中に封印されるとはね。参加者から意思持ち支給品になった人って珍しいんじゃないですか?」 『なあに、この後何とかして元に戻ることが出来ればさらに希少価値も上がろうぞ』 ジョーカー達の罰ゲームは、存在の消失。 その結果、ギャグ将軍は双六じいちゃんよろしくパソコンの中に閉じ込められてしまったのだ。 脱出できる方法は、闇のゲームで人外をもう一度倒すくらいしか目処は立ってない。 だが、彼らの心は妙に晴れやかだった。 負けて強くなる……負け=死に直結しやすいロワでこんなパワーアップフラグは滅多に手に入らない。 心機一転して再スタートを切るには実にいい夜だった。 「とりあえずあのジョーカー達にはノシつけて借りを返すとして、これからどうしようかなあ」 旅館を出て、再び探検の支度を整え歩き始める速筆魔王。 彼らの足取りは、少し軽かった 【夜中】【G-9・旅館】 【チームBADAN+新生クライシス帝国(仮称)】 【速筆魔王LX@アニロワ2nd】 【状態】健康 首輪解除 心機一転 【装備】斬鉄剣@ルパン三世、技術手袋@アニロワ1st 【道具】支給品一式×8、みWiki@らき☆すた?、分解済みの首輪(素晴らしきフラグビルド)     首輪×3(地味子、◆wKs3a28q6Q、永遠のうっかり侍)、iPod     コーヒーセット一式@スパロワ、コーカサスブレス&ゼクター@ライダーロワ、     ジャーク将軍のマント@ライダーロワ、ノートパソコン 杖@ライダーロワ、王者のマント@FFDQロワ     バヨネット×2、核鉄「バルキリースカート」、ジャッカル(5/6)     銀河ヒッチハイクガイド、咎人の剣「神を斬獲せし者」@AAAロワ、ドラゴン殺し@アニロワ1st、他にまだあるかも 【思考・行動】  1:将軍を元に戻す為とりあえずここを出て新しい出会いを  2:熱血怪人の遺志を継ぐ  3:このハゲ、ひょっとして……?  4:『白猫』って誰? あと『黒猫』?  5:対主催陣を探し、ゲームに乗った強敵を撃破していく。  6:みWiki?まあ、気が向いたらね。  7:あの連中には借りを返す ※主催者陣営に裏切り者がいるのでは、と考えています。 ※首輪の構造を理解しました。 ※夢の内容ははっきり覚えていますが、どうでもいいと思っています。 ※みwikiが一段階強化されました。意思持ち支給品として近くの参加者と会話できます 【パソコンの中】 【ギャグ将軍@ライダーロワ】 【状態】:首輪解除 腹部に大ダメージ(治療中) パソコンに幽閉 心機一転 【装備】:パソコン内なので無し 【道具】:同上 【思考】:  基本:新生クライシス帝国の結成。  1:閉じ込められたついでにノートパソコンを解析してくれよう!  2:熱血怪人の遺志を継ぎ、仮面ライダー書き手と熱血王子を救う  2:『白猫』を探し出してくれよう!  3:同胞を冒涜したあの連中は裁きにかける  4:ついでに飲み友達を集める。  5:コーカサスゼクターの資格者を探し、コーヒーを飲む。  6:紅茶を飲むかどうかは保留。  7:対主催の仲間を集める ※容姿はジャーク将軍@仮面ライダーBLACK/ジャークミドラに似た、ギャーグミドラに変身できます。 ※制限がライダーロワ基準だと思い込んでいます。 ※シルベストリから、漫画ロワの知識を若干得ました。 ※今はChain-情に協力的ですが、ちょっとしたことで心変わりする可能性があります。 ※特殊能力:「書き手界の良心」に目覚めました。   本気の一喝を放つことにより、悪ノリし過ぎている者に自重を強いることができます。   ただし、ギャグ将軍の性格上、あまり多用されることはありません。   真剣な人生相談に乗ることも可能。なお、発動中はピンク色がかかった女言葉になります。 ※背中に謎のチャックを確認。ギャグ将軍曰く、開けると「大変なこと」になるそうです。詳細は不明です。 ※固有結界「コーヒーブレイク」   優雅なリネン一式の備わったテーブルと人数分の椅子を造り出し、皆でコーヒーを飲んで和みます。   それ以上の効果は確かめられていません。   コーヒーセット自体が発動させている可能性があります。 ※ノートパソコンの中に、顔写真付き参加者名簿と支給品一覧(パスワードが設定されている)のデータが確認されました。  また地図を確認。参加者の区別が付かない第三放送時の参加者分布を知ることが出来ます。上級パスでさらに詳しく? |257:[[最後の刺客 ]]|投下順に読む|258:[[GENERAL IN THE SHELL]]| |257:[[最後の刺客 ]]|時系列順に読む|258:[[GENERAL IN THE SHELL]]| |257:[[最後の刺客 ]]|速筆魔王LX|258:[[GENERAL IN THE SHELL]]| |257:[[最後の刺客 ]]|ギャグ将軍|258:[[GENERAL IN THE SHELL]]| |257:[[最後の刺客 ]]|裸になってすぐアッー~殺意のqwglOGQwIk~|[[]]| |257:[[最後の刺客 ]]|愛媛の0RbUzIT0Toは大変な演説をしていきました|260:[[貫き通すは『ギャグ』と『愛』]]| |257:[[最後の刺客 ]]|人外アドベンチャー~OZbjG1JuJMのウォーゲーム~|260:[[貫き通すは『ギャグ』と『愛』]]|
再び発動する速筆魔王の豚を見るような目。 その先には高良みゆきの姿をしたみWikiの精……もうめんどくさいからみwikiで一括する……がジャンピング土下座しながら、 地面に頭をヘコヘコさせていた。時間がない為夢の国ほど集中的な殺気は無いが、 それでもその構図はさながら中国とPAD長のように思える。 『ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい…』 「いや、とりあえず謝るくらいならさっさと僕を鏡の国から出してくれないかな。今君と二人で話している暇も無い……」 「お主、何もそこまで怒らなくても良かろう。  何があったかは知らぬが、年端もいかぬ娘を頭ごなしに叱るのはあまり関心せんな」 「いえ、二度あることは三度あるともいいますからね、ここははっきりと判らせておかないと……って、将軍、聞こえてるんですか?」 キョトンとするギャーグミドラを前にして魔王は周囲が鏡の国ではなく、今までと変わらない現実だと気づいた。 その手の中の書物は仄かに光ったまま、怯えたように輝きを震わせるばかりだった。 「ドロー。これで2ターン目だ……しかしあいつらは一体何に驚いているのか……心当たりはあるか?」 「うーん、分からないよ。何だろね?」 素っ頓狂な声を上げる敵サイドを尻目にコーヒーを飲み続けるジョーカーたち。 人外に問われても何のことやらと言わんばかりの愛媛。その彼女こそが、彼らが声を発した元凶だとは夢にも思わない。 「……つまり、力が強化されて支給品から意思持ち支給品に格上げしたって訳?」 『はい。向こうにいる愛媛……つかささんと接近したことによって私の力がアップしたみたいです。  これが強化なのか制限解除なのかは分かりませんが、おかげでこうして夢の中に引き込まなくても会話できるようになりました』 「(それはよかった。これからもよろしくね)意思持ちか……面倒だな」 「魔王、ベタ過ぎてもはやギャグにすらならんぞ」 「とにかく、今は君の不確定な戯言に付き合ってるほど暇じゃあないんだ。話なら後にしてくれないか」 あからさまに邪険に扱う魔王。しかしみwikiは一歩も引き下がらない。 『いえ、私も戦います。たとえジョーカーであろうとあんな黒いつかささんを放っては置けません』 「でもねえ……君どうやって戦うのさ? その本の姿で」 『…………………………………………………………………………ああっ! そうでした!!』 今の今まで気づかなかったのかこの×××が。 みwikiの姿は本な為今ひとつ伝わらないが、頭を抱えてうずくまる姿が容易に想像できた。 貴重な時間を無駄にしたとばかりに、魔王が指で眉間を伸ばす。 だが、その指はすぐに何か導を見つけたのか、明快な指パッチンへと変えた。 「いや、考えようによってはいけるかもしれない」 「何をだ? もったいぶらず言ってみるがいい」 「あのバケモノ……倒しきる手が思い浮かんだってことですよ。鍵はこのウォーゲームとみwikiです」 やはり唯の本であるみwikiだが、その中でみwikiの精が目を丸くしている様が二人には簡単に思い浮かんだ。 「ふぅん……遂に劇終の時間が来たな!!!!!  俺のターン、ドロー! これによって3ターンが経過し、コーヒーブレイクの効果は消失する!!」 コーヒーセットが煙のようになって将軍の懐にするりと消える。 愛媛も気がつけば両陣営の中心線上に戻っていた。魔王たちを守る平穏の固有結界は崩壊し、再び戦闘の空気が形成される。 そして人外は今しがた引いたカードを見て、確信のような微笑を浮かべた。 「運命の女神は未来へのロードを貫くものにこそ微笑む……どうやらその神すらをも俺は従えたようだ。  俺が引いたカードは…魔法カード「ファイナルベント」。これを手札より発動。  ブラックホールの彼方に消え去るがいい! 喰らえ、ドゥームズデイ!!」 冥府の門の如く獣帝の腹部が開放され、巨大な重力場の渦が発生する。 王蛇が場にいないため直接的に冥穴に叩き込まれることはないが、それでもその吸引力は凄まじい。 ギャーグミドラがその剣を地面に突き刺し耐えるが、基礎攻撃力の差でじりじりと穴に吸い込まれていく。 相手は融合モンスター。一対一ではどうしようもない戦力差だった。 「だったら、戦力を増やせばいいだけの話だよね!」 「なんだと? ……貴様に召喚能力などないはず」 「僕のターン。ここに意思持ち支給品を場に出現させる。出番だ、みwiki!!」 出現するのは一冊の本。それが重力の風に逆らうようにひとりでにページが飛ぶようにめくれ、光を放つ。 その光の消えたとき、そこにいたのは一人の少女だった。 ウォーゲームの力を借りてみwikiの精がここに具現化する。 「チィ! このような方法で場にモンスターを増やすとは……」 「へぇ……ここで出てくるんだ? ゆきちゃん」 『つかささん……』 召喚されたみwikiはその眼鏡の奥から一人の少女を見つめる。 見つめたその先には悪鬼のような眼力で自分を睨みつけている愛媛がいた。 「だが、そんな屑手で俺のモンスターを打ち破れるとでも思うか馬鹿めが!!  ジェノサイダー、まとめて吸い込んでしまえぃ!」 人外の命令でさらにブラックホールが拡大しようとするジェノザイダー。 だが、その瞬間、横から殴りつけるようにして一匹の黄金の虫が獣帝の頭部に一撃を喰らわせる。 「なんだとぉ!?」 「屑とは限らないさ。ここでさらに支給品「コーカサスゼクター」をみwikiに使用。  みwikiはその知識であらゆる特殊装備品を装備することができる!!」 コーカサスブレスを装備し、不慣れながらもなんとか変身ポーズを取ろうとするみwikiを見て、 ギャグ将軍は仮面から露出した口元を歪ませる。 魔王が放った俺ルールも理由の一つだろうが、おそらくはコーカサスゼクター本人もまんざら嫌がってないように思える。 熱血怪人が救えなかった熱血王子、その元凶である愛媛への敵意がみwikiと呼応した故か。 あるいはライダーロワでも女性をノリで変身させたから、もしかしたら女性には幾分見る目が甘いのかもしれない。 「へ、変身ですっ!!」 『Change Beetle』 瞬時にアーマーを装着されて現れる黄金の女性ライダーが一丁出来上がり。 最強ライダーの一角のはずだが微妙に内股なのがそれを感じさせない、いかにもといった仮面ライダー・コーカサスが誕生した。 もちろん眼鏡は仮面越しに装着している。メガネッ娘は重要文化財なのだから当然の処置だ←結論。 「くっ……だが所詮は支給品と支給品の合わせ技。ザ・ファーストコーカサスよりも攻撃力はあるまい!!  負け犬から馬の骨に昇格したと所で俺のジェノザウラーには届かんぞ!!」 「黙れ小童! みwikiをライダーにしたのは攻撃力を得るためではない。  仮面ライダーコーカサスの特殊能力を発動させるためよ!」 「特殊能力……はッ!!」 「気づくのが遅いね、遅すぎる。さらに「咎人の剣「神を斬獲せし者」」を装備。  そしてコーカサスの特殊能力「ハイパークロックアップ」!  3ターン前の過去まで遡りジェノサイダーを攻撃する!!」 タキオン粒子を取り込んだコーカサスが光を超えて走り出す。 あらゆる物質は光速を超えることができない。何故か? 相対的に時間を越えてしまうからだ! そのSF理論をぶち破った韋駄天スピードは3分の時を超え、ファイナルベントが発動する前の獣帝の時間にまで到達する。 ブラックホールの発生していないがら空きなその腹部にダメージが刻まれた。 逆行する時間を客観視するという変則的な状況に何とか知覚しながら、人外は唸った。 「クッ……攻撃を阻止されたか。だが残念だな!   俺のジェノサイダーは未だ健在だぞ。ファイナルベントが無くとも次のターンで屠ってくれるわ!!」 「なあんだ、まだ次のターンがあると思ってたの?」 「!!」 神を斬獲せし者は最終ダメージに大きく乱数が入ってしまう。 これでは当然倒しきれない可能性は十分に考えられる。だからこそ速筆魔王はこれを第一撃にした。 あくまでも敵の必殺技を止めることだけを狙って、更なる攻撃を呼び込むための時間稼ぎとして。 「僕に「バルキリースカート」と「斬鉄剣」を連装。  合体攻撃でジェノサイダーに攻撃!! 行きますよ、将軍!」 「応! 先に仕掛けるぞ魔王! ジェーーット!!」 3分間前のダメージがいきなり発生したことによるジェノサイダーの怯みを逃さず、ギャグ将軍がビームと共に接近する。 それに追随した魔王がバルキリースカートで翼や角を滅多切りにして二人が同時に着地。 獣帝を挟み込むようにして立った二人の手にはそれぞれ怪獣すら絶てそうな大剣と何でも切れそうな刀が握られている。 「天空真剣奥義!」 「重ねカマイタチ!」 「「…切り捨て御免っ!」」 不思議空間から現れた夕日が照らす中、獣帝の影が二つの超斬撃にて分断される。 後に残ったのは二人の男の無駄にハードボイルドな背中だけだった。 ジェノサイダーを維持していた分量のダメージが渡り、人外が片膝をつく。 「ぐほぉあ! ……まさか俺のジェノサイダーコンボを破るとは」 「三つの心が一つになれば、ってやつだよ。君のルールに即して頭を使えば召喚だってできる」 魔王と人外がにらみ合う中で、もう一つの眼光が交錯していた。 高良みゆきであるみwikiと柊つかさである愛媛である。 「ゆきちゃんは意思持ち支給品……一番邪険にされかねない少数派。  私としては快く仲間にしてあげたいんだけどなあ」 『丁重に謹んでお断りさせてもらいます。ニコロワ同様、その闇が晴らせる可能性も無いとは限りませんから』 「無意味に強気だよねえ……ひょっとしたらこなちゃんもお姉ちゃんも死んじゃってるかもしれないよ?」 『つかささんも感覚で分かってるんでしょう? らきすたメンバーは未だ欠けてない。希望はあります』 眼鏡の奥底に宿る力強い意思。それを受けて愛媛は笑った。 キャラとして健気に立ち上がるみwikiや他のメンバーを想って。 そして、その輝きを自らの闇に飲み込む様を想像して。 「私の前で輝くなんて、それ食べて欲しいってこと?  いいよ。みゆきさんが多数派に着くっていうなら……弾幕と闇にまとめて沈めてあげる」 「勝手に盛り上がるな愛媛。この勝負はあくまで俺のデュエル。手出しはするなよ」 強烈な闘気の篭った言葉で愛媛を制する人外。 だが、ジェノサイダーという上級モンスターを失ったことによる消耗は隠しきれていない。 「もう勝負はついたよ。どんな手をつかってこようとみwikiが時を遡って攻撃を阻止する。  三人がかりの布陣相手じゃモンスターを増やすこともままならない。  このコンボの前には君のパワーデッキは機能しない。諦めて罰ゲームを受けなよ」 絶体絶命返り討ちパターン確定入ったという状況。 その窮地に立たされた人外は、その傷ついた有様でなお笑った。 虚勢でも、気が触れたわけでもない、王者にしか出せない強者の余裕を十分に満たした笑みを。 「……何がおかしい?」 「速筆魔王、そしてギャグ将軍よ。貴様の能力はこの目でしかと見極めた。  お前達は強い。俺と決闘で渡り合うに十分な力量だ」 「いかにもな負け惜しみだの。片腹痛いわ」 「その力を前にしては、使わざるを得ないか……このカードを」 ふと、戦場の匂いが変わった。 熱気と水気に溢れ、生命の躍動が血潮と共に湧き上がるかのような生きる気配から、 嫌な寒さと渇きがあたりを覆い、まるで夜の墓場のような、幽世との境界の気配へと変化した。 その気配の発生源は間違いなく人外、いや、正しくはその手に握られたカードから放たれている。 この場にいる誰もが、その気配を神経で感じ取っていた。 「そういえば、ここは感電によって無数の骸が転がされた場所だった。  非ィ科学的な言い方をすれば、この薄ら寒さすら死者の怨念と言えなくも無い。  だがな……一つだけはっきりしている事がある。人は、死して死人となるのではない。死体……「人ならざるもの」へとなるのだ。  それを見せてやろう……俺のターン、ドロー!! 場に一枚の伏せカードを置き、モンスターを一体召喚する!!」 決闘盤に一枚のカードが装填され、カードの幻影が再び召喚される。 この決闘が始まって何度も見慣れた光景、その様を前にして……ギャグ将軍は絶句した。 「馬鹿な……こんなことが……」 「俺は攻撃表示でこのモンスターを……」 「なぜ、なぜお前達がそいつの元に居るのだ……?」 現れたのは、ゆったりとした袴のようなズボンと羽織のような上着を着こなした程よい年齢になろうかという娘。 静謐な佇まいと整った筋肉が、彼女を練達の武人の部族…エヴェンクルガの剣士・トウカだと伺わせる。 だが、彼女をトウカというには一つだけ決定的な違いがあった。 剣の腕? 確かめずとも強さは分かる。 微妙に顔のつくりが違う? とてもそうは見えない。 彼女は、限りなくトウカだった。その耳が人間であることを除けば。 「『永遠のうっかり侍』を攻撃表示で召喚!!」 違う。別人だ。まやかしだ。 幾千幾万の否定の言葉は、自らの記憶と感覚が完膚なきまでに打ち砕く。 ギャグ将軍は確信せざるを得ない。 この旅館にて数多くの対主催が集い、新生クライシス帝国として一致団結した。 そして彼女はギャグ将軍とともに行動班に回り、一時とはいえ行動を共にしていたのだ。 だが、そこにいたのは確かにこの旅館にて死んだうっかり侍であった。 すでに放送にて死した彼女が、ここにいる。ならばそれは、人ではない人外の化生に他ならない。 「貴様……あの娘に何をした!!」 「落ち着いて下さい将軍。あれは本人ではありません。僕達はここにあった遺体をほとんど確認しています。  それに、彼のカードは全てニコニコ動画から精製したもののはず。少なくとも死体からの蘇りじゃない」 激昂しかけるギャグ将軍の肩をつかんで制する魔王。 将軍と違って生前の彼女と面識の無い魔王はギリギリで感情を抑えきった。 彼女は心臓を貫かれて死んだはずだ。死体は確認してあるし、 もし仮にこっそり回収した死体からリビングデッドを作ったにしても服が綺麗過ぎる。 「だが、書き手ロワはMADになってない……ねえ、一体何処から動画を拾ってきたんだい?」 「ふぅん。お前達の知らないところで着々と動画が作られていたのだ。ガチホモの手によってな」 ガチホモが地図氏一行と勝負したとき、なぜ戦わなかったのか? 謹慎をしていたとはいえ、直接的な介入を他のメンバーに任せていたのは何故か? その理由は一つ。彼はずっと見ていたのだ。 モニター越しに、会場内のあらゆる事態を可能な限りずっと見ていたのだ。 主催者に召喚される前の画像すらも支給してもらい、ガチホモはこれまでの時間ずっと「見」に回っていた。 会場内の全ての参加者を動画に取り込み、それを人外のデッキに組み込むために。 ニコロワよりも禁止カードといわれた、書き手ロワ2ndのカードを手中に収めるために。 「奴と俺のコンボで第三回放送までの参加者の情報は全て抽出してある。  俺は人外モンスターしか使わん故、死者のカードしか入れてないがな」 手には何も持たず、ただじっと将軍達を見つめるうっかり侍。 その表情は決して死人のそれではなく、しっかりと血が通い、生きた彼女としか思えない。 だがそれは当然なのだ。彼女は生きていたときの「情報」から生み出された彼女なのだから。 限りなく同じな彼女。分けて隔てるのは0と1の境界。死せるアナログな彼女から生み出されたデジタルなモンスター。 「卑怯者があ……死者を辱めてまで勝ちを得たいか!!」 「ハッ! 怪人が聞いて呆れるわ。俺はこれがただの情報だと宣誓したぞ。  そこまで知ったうえでうろたえるならばそれは貴様の弱さよ!  あくまでもこれらのカードを入れているのは書き手ロワのカードが反則級に強いからよ。  栄光のロードは勝利の向こうにのみ存在する。下らん感傷など墓地にでも捨ててしまえい!  では侵攻と攻撃を開始するぞ。波動弾を撃つ前に設置したリバースを発動!  装備「物干し竿」をうっかり侍にセット! 攻撃力を強化してギャグ将軍へと攻撃!!」 アニロワ初期においてトウカの武器だったそれを手にしたうっかり侍は将軍のことなど知らぬと言わんばかりに疾走する。 「うっかり侍よ、余の話を――――」 聞け、といいきる前にまったく躊躇いの無い彼女の一閃が将軍の胴を真っ二つに……はしなかった。 その剣は将軍の皮膚に切れ目を入れただけで振りぬかれている。 攻撃を失敗したのか、あえて外したのかも分からない表情で彼女は一足飛びで人外のフィールドに帰還する。 「ふぅん。運がよかったな。うっかり侍は60%の確率で命令した行動を失敗する。  俺は場に一枚のリバースカードを置いて、ターンエンドだ」 慌てふためくギャグ将軍の様を侮蔑するように見下し、人外は手番を譲った。 「将軍、大丈夫ですか?」 「あ、ああ……怪我は無い」 「いえ、『まだ戦えますか』と聞いているんですよ」 意図的に冷酷さを上乗せした魔王の言葉は正鵠を射ていた。 敵がこのロワの死者を場に出してから将軍の戦意はがた落ちしている。 「なめるな。この程度の策略程度で余が怯むと思ったか」 「……分かりました。貴方に信じられたこの身です。貴方を信じますよ。  見たところどうにもうっかりが多い。3対1の今なら隙を突けば十分に叩けます。  みwikiが第一撃、あの目障りなリバースを打ち破ってから将軍が止めを!」 魔王の言葉が終わったと同時に、弾かれた様にしてコーカサスが飛び出す。 圧倒的な速度ではあったが、先ほどのハイパークロックアップと比べるとどうにも遅かった。 「先ほどのような超加速は使えまい。  もしあれ以上の過去逆行が可能ならば融合前のミラーモンスターを適当に一匹討てばよいのだからな。  恐らくはあのような小娘の体では3ターンが精々。そして連続使用は不可能!」 人外に自らの状態を見切られ、舌打ちをするみwiki。だが走るしかない。 この3人の中で最速の行動ができる彼女ならば、罠を避けつつ攻撃ができるはずだ。 「誰がトラップと言った!? リバース発動、装備カード「インテル」!  このカードを装備したモンスターは頭の回転がよくなり、うっかりしなくなる!」 『え―――ああっ!!』 うっかり侍の後頭部にいきなりズブリとソフトが突っ込まれた。 それとともに彼女の目が輝き、燕も落とせそうな鋭い剣閃が飛び乱れる。 クロックアップ程度では凌げるような速さと経験差ではなく、コーカサスは一気に撃墜され本に戻ってしまう。 ここまでは魔王の計算の範疇。第二の矢が次なる居合いのため刀を納めようとしたうっかり侍に肉薄していた。 だが、相手は居合いの達人。納刀の際の隙など百も承知と、攻撃準備を完成させる。 「うっかり侍! 長々と敵に辱めを受けさせる位ならば、せめて余の手で引導を……」 どちらが斬られても可笑しくない距離で、ギャグ将軍が柄に力を込める。 その剣を抜き放とうとした瞬間、その勢いが止まった。 眼前の少女が抜刀しようとして数センチほど柄を滑らせてしまったのだ。 「……インテルでもあのうっかり属性は抑えきれんか」 状況を分析する人外の声など将軍には聞こえなかった。 この何もかもが命取りになる極限において相手が見せたうっかり。 そのまま振りぬけば確実にこちらが勝てる。 疑いようの無い事実を前にして、将軍はうっかり侍の顔を見た。 あれは唯の情報だ。それは分かっている。 自分のことは知るはずも無い。だから手加減してわざとうっかりしたわけじゃない。 あの無表情な顔がたとえ悲しそうに見えたとしても、それは自身の心の弱さが落とした影に過ぎない。 (だが、余は……新生クライシスの同胞となるはずだったこやつを……もう一度滅ぼすなど、出来るのか) 「躊躇したかジジィ! 過去へと目を背け未来へのロードを直視せぬ愚か者に、勝利など訪れぬわ!!」 将軍が自ら生んだ一瞬の隙を人外は見逃さなかった。 うっかり侍が抜いた神速の刃がギャグ将軍の腹を真横に捌く。 じわりと血がにじんだように見えた刹那、人ならざる血の色の液体がそこから飛散した。 口元からも液体を出し、両膝を付く将軍。既に肉体的にも精神的にも戦闘不能だった。 一刻も早く将軍を助けなければ間に合わない致命傷。しかし、魔王は動けなかった。 一つは、これが闇のゲームである以上途中棄権が認められないということ。 そしてもう一つは、次は人外のターンであるということ。 「失望したぞジジィ。俺のターン、ドロー!!   更なる悪夢を眼に焼き付けて朽ち果てるがいい。鉄槌の騎士ヴィータ@LSを召喚!  さらに俺は永遠のうっかり侍を生贄に、大あばれ鉄槌を召喚!  さらに大あばれ鉄槌の特殊能力発動! フィールド、または手札にあるヴィータを墓地に送ることで攻撃力を3倍にする!!」 うっかり侍が情報の集積と化して散り、再構成された人物もまたギャグ将軍が行動を共にした人物だった。 アニロワよりも大分ヤサグレたヴィータと手持ちのフランヴェルジュが纏めて魔力の粒子となって、 カズマの姿をした大あばれ鉄槌の右手に注ぎ込まれる。 LSの彼女それを行える心情に到達しているかどうかは微妙だが、曲がりなりにも発動条件は満たされた。 アニロワの中でも屈指のクロスオーバー。彼の名前にも冠せられる、騎士王すら吹き飛ばせる合体攻撃。 ニュートラルな状態からして怒りが表情に刻まれているのは、下法にて戦場に立たされたからか。 そのむしゃくしゃすら力に変えるといわんばかりに鉄槌のアルターが輝き、ギャグ将軍へと向かう。 「これで終わりだジジィ。鉄槌のシェルブリット!!」 ギャグ将軍へと暴力と破壊が巨大な塊となって突進する。 だが将軍は一歩も動けなかった。 下半身は上半身の命令を満足に受け付けないし、なにより、その上半身がろくな命令を下そうとしない。 手の届かぬところで新生クライシス帝国の人材候補は泡と消えいき、 その手で守れたはずの鉄槌もみすみす殺された。 それで何が国だ。国を司る民すら守れぬならば、国になどなんの意味があろうか。 なればこそ、ここで鉄槌に殺されるのは摂理なのだろう。そんなことすら自然に受け入れることが出来た。 あの大技さえ過ぎてしまえば魔王一人でも鉄槌は殺れるだろう。魔王の勝ちだ。 後顧など無いとばかりにゆっくりと目を閉じて、ギャグ将軍はその身を摂理の審判に委ねた。 10秒ほど立った後だろうか。 浅い眠りの後のようにうっすらと目を開き、ギャグ将軍は何が起こったのかわからなかった。 死んでいるはずの自分が、生きている。それだけで有り得ないというには十分だった。 「……それが貴様の結論か、魔王」 人外が自らの頭を越えて目線を遠くへ飛ばす。ギャグ将軍はゆっくりとそちらを向く。 その先には、いつもと変わらぬ魔王がいた。ただ、その右手を左手の甲に当てていたことだけが厭に目に付いた。 もしそこに決闘盤があれば、そこには山札があったであろう位置。 山札に手を置くという行為が意味するのは唯一つ――――――サレンダー、降参の意思表示である。 「何故だ、何故止める魔王よ!!」 「ん~~、まあ、負けるのは面白くないけど……貴方みたいな人は失えないですよ」 魔王はそういって、相変わらずの微笑を見せた。それだけで将軍が言うべきことは全てなくなってしまう。 その意思を受領したとき、闇のゲームに決着が付き、全ては煙と消え果た。 × × × 「まずはアンティの清算だ。俺達はその虎竹刀と千年パズルを頂く。  繋ぎ師や万が一に黒猫…超チート級を俺達が相手にするには、こいつが不可欠なのでな」 そういって人外は魔王に歩み寄り、手を差し出す。魔王は一切の感慨を浮かべることなく自身の半身に近いそれを渡した。 どんな相手にでも勝ち目を作ることができる可能性を持つ闇のゲーム。 どんどんとチート度を増していく参加者に拮抗するために必要なファクターとして彼らはそれを狙ったのだった。 これがあれば最悪ソードマスターを免れることは出来る。 愛媛に持たせようとしたが、人外はその手を止め、しばらく考えた後それを自分でしまう。 闇のアイテムを黒さで染めてしまったらそれこそどうなるか分からない。 「闇のゲームの清算を始める。賭けたものは互いの存在。罰ゲーム執行!!」 虎竹刀の剣先からビームのようなものが飛び出し、魔王に向かう。 魔王はすっと目を閉じた。後悔など無い。罰ゲームをいずれ自分が受ける覚悟なしには闇のゲームを扱う資格も無い。 それに、自分が偶然眠っている所にマーダーが襲撃しに来たところを見るとどうにもこの能力が持て余されている気もする。 これから終盤、怒涛のガチバトルが展開しそうな空気の中でこの能力はあまりにも反則すぎる。 なれば、退場するには良い頃合だろう。ギャグ将軍の首輪も解体した。 こうして自分が死ぬということは自分達の首輪解除フラグも用が無くなった可能性が高い。 自分達が抱えるフラグはほとんどがアイテムとして将軍に運んでもらえばいい。 そう考えるとますます自分の体が軽くなったような気がした。なあんだ。もう大してフラグも無かったのか。 クスリと笑って、魔王は自分という存在が消滅する感覚を楽しみながら――――――消えなかった。 「すまんが、罰ゲームを代わって貰うぞ」 魔王が目を開ける。自分の前に広がるのはデジャヴ。罰ゲームのビームを受けるギャグ将軍の姿。 剣を杖にして、ほとんど這いずるようになりながらも、壁として魔王の前に立ちはだかっていた。 「……どうして、とは訊かんのだな」 「納得は出来ませんが、理解は出来ます。ただ、僕が同じ立場だったら絶対にこんなことはしないね。  少し、買いかぶってたかもしれないな」 「ククク、そういうものだろう。人間とは複雑怪奇極まる。ラダムも怪人もヒトもそこは大して代わらぬさ。  さてジョーカーとやら、余の行為を約定の反故とし魔王に再度罰を下すか?」 「こちらが得る勝ち分は既に得たあとだ。今更反故にする意味もあるまい」 「そうか、そ、れは……よ……」 最後の言葉を言い切る前に、ギャグ将軍の体は神隠しにあったかのように消えうせた。 3rd Game <人外のウォーゲーム> Result――――――――――――勝者・人外アドベンチャー~OZbjG1JuJMのウォーゲーム~。決まり手は魔王の途中棄権。 月に二つの影が映る。 一つはお馴染み主催本拠地天空の城ラピュタ。そしてもう一つはそれに比べれば米粒ほどの小さな影。 その中にいるのは、任務を終えて帰還する人外と愛媛。愛媛はその米粒の上に立ちながら言った。 「わはははははははは!!!」 「ねえ、お兄ちゃん……普通に私が動かした方が早いと思うんだけど」 「ふぅん。ジョーカーたるこの俺が影渡りや他人の操縦ごときで帰還できるか!!」 人外が操っているのは、F-22Aラプター。エースコンバット4でメビウス1が愛機とする高性能戦闘機である。 ただ、そのカラーリングが尋常ではない。 XBOX360にてダウンロードされている特殊カラー……-THEIDOLMASTER HARUKA-、所謂アイマス痛戦闘機・天海春香カラーだ。 大丈夫かバンナム。正気かアイマス。そういえば春香も一応「リボン付き」だなあ……。 ともかく本来ならば少なくとも上面は赤色の白春香な機体だが、 愛媛はこれを汚染し完全黒春香カラーの「はるちゃん」として自分のおもちゃにしているのだ。 別に操縦桿で操縦しなくても触って念じるだけで動かせるのだが、人外にとっては自分が操縦することに意味があるらしい。 「それにしても、ラピュタがこんなにはっきり見えてるなんて……やっぱり私の見たのは気のせいじゃなかったんだ」 「ここまでバリアが破られているのに気づいていないという訳でもあるまい。  感電か読み手のどちらかが隠匿しているか、あるいはwiki管理人が泳がせているかどちらかだな」 「裏切り者がいるってこと? どうしよう?」 「その必要もあるまい。報告だけして、後はガチホモに判断させる」 自分達の仕事はあくまで対主催の侵入者を殺すこと。進入してくれるのは寧ろ有難い。 「愛媛、恐らく決戦は近いぞ。それまでに死ぬ気で直せ」 「うん……そうする……」 来るべき決戦……恐らく敵として参戦するであろうみwikiや、ロリスキー達の事を考えて少しだけ気が沈む。 だが、人外を見ていればそんなのは些細なことのようにすら思えてくる。 「魔王、将軍よ……俺達のロードを止められるものなら止めて見せろ。行くぞ愛媛、全速前進DA!!」 月はその下にあるもの全てを嘲笑う。 ジョーカーも、マーダーも、対主催も、主催すら等しく嘲笑っている。そんな月夜だった。 【夜中】【上空】 【人外アドベンチャー~OZbjG1JuJMのウォーゲーム~@ニコロワ】 【状態】:疲労(中) 【装備】:なし 【道具】:虎竹刀with千年パズル 【思考】:  基本:主催者側の人間として活動。ロードに立ち塞がる参加者の粉砕!ぎょ(ry  1:全速前進DA!!  2:デッキを改良しながら次の出番までニコニコ   ※容姿は正義の味方!カイバーマン(海馬瀬人)  ※ニコニコ動画に存在する動画ゆかりの技を使えます  ※地球破壊爆弾No.V-7を危険視しています。  ※お気に入りの画像からデータをダウンロードし、カードに変えて使役することが出来ます。   基本はニコニコにあるパロロワMAD&ガチホモが動画化した分の書き手ロワ2ndからの混成デッキ。   書き手ロワカードは放送ごとに死者が追加解禁されます。 【愛媛の0RbUzIT0Toは大変な演説をしていきました@ニコロワ】 【状態】:真・驚きの黒さ 精神力3割 【装備】:なし 【道具】:F-22Aラプター(春香カラー・黒) 【思考】:  基本:主催者側の人間として活動。参加者(=多数派)の抹殺  1:療養しつつ、次の出番までニコニコ   2:生き残ってももちろん熱血王子は許さない  3:熱血王子が改心しそうな時は666に任す  ※容姿は黒いセーラー服の柊つかさ@らき☆すた  ※触れたものを驚きの黒さで染めることが出来ます。影ワープ等詳細不明  ※ニコニコ動画に存在する動画ゆかりの技を使えます  ※現実世界にコメントを張ることができます  ※地球破壊爆弾No.V-7を危険視していますが、キャラとしては…?  ※回復にどのくらいかかるかはお任せ。現在なんとか動ける程度。 × × × 温泉の湯がトクトクと流れる音だけが断続的に響いていた。 バトルの影響で彼方此方に傷跡が見え隠れする旅館を見上げて、速筆魔王はため息をついた。 「負けたなあ」 淡々とい紡がれるその言葉には、しっかりとした重みがあった。 敗北、そして失ったものの数々。 『何、新生クライシス帝国は滅びぬ。何度でもよみがえるさ』 「それじゃバルスフラグですよ、将軍」 困ったような顔をして、魔王が声の方を向いた。 ノートパソコンを開くと、ウインドウにはギャグ将軍が映っている。 バトルで負った傷の部分には、データで構築された治療の跡がはっきりと残っていた。 「しかし、まさかパソコンの中に封印されるとはね。参加者から意思持ち支給品になった人って珍しいんじゃないですか?」 『なあに、この後何とかして元に戻ることが出来ればさらに希少価値も上がろうぞ』 ジョーカー達の罰ゲームは、存在の消失。 その結果、ギャグ将軍は双六じいちゃんよろしくパソコンの中に閉じ込められてしまったのだ。 脱出できる方法は、闇のゲームで人外をもう一度倒すくらいしか目処は立ってない。 だが、彼らの心は妙に晴れやかだった。 負けて強くなる……負け=死に直結しやすいロワでこんなパワーアップフラグは滅多に手に入らない。 心機一転して再スタートを切るには実にいい夜だった。 「とりあえずあのジョーカー達にはノシつけて借りを返すとして、これからどうしようかなあ」 旅館を出て、再び探検の支度を整え歩き始める速筆魔王。 彼らの足取りは、少し軽かった 【夜中】【G-9・旅館】 【チームBADAN+新生クライシス帝国(仮称)】 【速筆魔王LX@アニロワ2nd】 【状態】健康 首輪解除 心機一転 【装備】斬鉄剣@ルパン三世、技術手袋@アニロワ1st 【道具】支給品一式×8、みWiki@らき☆すた?、分解済みの首輪(素晴らしきフラグビルド)     首輪×3(地味子、◆wKs3a28q6Q、永遠のうっかり侍)、iPod     コーヒーセット一式@スパロワ、コーカサスブレス&ゼクター@ライダーロワ、     ジャーク将軍のマント@ライダーロワ、ノートパソコン 杖@ライダーロワ、王者のマント@FFDQロワ     バヨネット×2、核鉄「バルキリースカート」、ジャッカル(5/6)     銀河ヒッチハイクガイド、咎人の剣「神を斬獲せし者」@AAAロワ、ドラゴン殺し@アニロワ1st、他にまだあるかも 【思考・行動】  1:将軍を元に戻す為とりあえずここを出て新しい出会いを  2:熱血怪人の遺志を継ぐ  3:このハゲ、ひょっとして……?  4:『白猫』って誰? あと『黒猫』?  5:対主催陣を探し、ゲームに乗った強敵を撃破していく。  6:みWiki?まあ、気が向いたらね。  7:あの連中には借りを返す ※主催者陣営に裏切り者がいるのでは、と考えています。 ※首輪の構造を理解しました。 ※夢の内容ははっきり覚えていますが、どうでもいいと思っています。 ※みwikiが一段階強化されました。意思持ち支給品として近くの参加者と会話できます 【パソコンの中】 【ギャグ将軍@ライダーロワ】 【状態】:首輪解除 腹部に大ダメージ(治療中) パソコンに幽閉 心機一転 【装備】:パソコン内なので無し 【道具】:同上 【思考】:  基本:新生クライシス帝国の結成。  1:閉じ込められたついでにノートパソコンを解析してくれよう!  2:熱血怪人の遺志を継ぎ、仮面ライダー書き手と熱血王子を救う  2:『白猫』を探し出してくれよう!  3:同胞を冒涜したあの連中は裁きにかける  4:ついでに飲み友達を集める。  5:コーカサスゼクターの資格者を探し、コーヒーを飲む。  6:紅茶を飲むかどうかは保留。  7:対主催の仲間を集める ※容姿はジャーク将軍@仮面ライダーBLACK/ジャークミドラに似た、ギャーグミドラに変身できます。 ※制限がライダーロワ基準だと思い込んでいます。 ※シルベストリから、漫画ロワの知識を若干得ました。 ※今はChain-情に協力的ですが、ちょっとしたことで心変わりする可能性があります。 ※特殊能力:「書き手界の良心」に目覚めました。   本気の一喝を放つことにより、悪ノリし過ぎている者に自重を強いることができます。   ただし、ギャグ将軍の性格上、あまり多用されることはありません。   真剣な人生相談に乗ることも可能。なお、発動中はピンク色がかかった女言葉になります。 ※背中に謎のチャックを確認。ギャグ将軍曰く、開けると「大変なこと」になるそうです。詳細は不明です。 ※固有結界「コーヒーブレイク」   優雅なリネン一式の備わったテーブルと人数分の椅子を造り出し、皆でコーヒーを飲んで和みます。   それ以上の効果は確かめられていません。   コーヒーセット自体が発動させている可能性があります。 ※ノートパソコンの中に、顔写真付き参加者名簿と支給品一覧(パスワードが設定されている)のデータが確認されました。  また地図を確認。参加者の区別が付かない第三放送時の参加者分布を知ることが出来ます。上級パスでさらに詳しく? |257:[[最後の刺客 ]]|投下順に読む|258:[[GENERAL IN THE SHELL]]| |257:[[最後の刺客 ]]|時系列順に読む|258:[[GENERAL IN THE SHELL]]| |257:[[最後の刺客 ]]|速筆魔王LX|258:[[GENERAL IN THE SHELL]]| |257:[[最後の刺客 ]]|ギャグ将軍|258:[[GENERAL IN THE SHELL]]| |257:[[最後の刺客 ]]|裸になってすぐアッー~殺意のqwglOGQwIk~|266:[[主催者ジョーカーの事情]]| |257:[[最後の刺客 ]]|愛媛の0RbUzIT0Toは大変な演説をしていきました|260:[[貫き通すは『ギャグ』と『愛』]]| |257:[[最後の刺客 ]]|人外アドベンチャー~OZbjG1JuJMのウォーゲーム~|260:[[貫き通すは『ギャグ』と『愛』]]|

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