ハートのつばさ

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仲間を守るために限界を超えた力を行使し、命を落とした静かなるChain-情。 彼の魂は、死者スレへとたどり着いていた。 「え?」 Chain-情が目を覚ますと、そこには見知らぬ男達がいた。 セットを片づける吉良吉影とカズマとネコミミの城戸真司。あと、メカっぽいコウモリ。 ちなみにChain-情の位置からは遠すぎて誰だか確認できないが、奥の方ではジーニアス・セイジが掃除機をかけている。 「おいおい、困るな兄ちゃん。撤収作業が終わらないうちに入ってこられちゃ。」 「はあ…。」 自分の周りを飛び回りながら言うコウモリに、Chain-情はとまどいの色を見せる。 「あれ?おまえ、Chain-情じゃないか!」 そんなChain-情の状況などお構いなしで、カズマも彼に話しかけてきた。 「カズマ…。ひょっとして、大あばれ鉄槌さん?」 「おお、そうだ。おまえさんの熱い生き様、こっちから見させてもらったぜ。実にいい燃え展開だった!」 熱く語る鉄槌であったが、それをふいにネコミミ城戸が羽交い締めにする。 「オイ、ちょっと何するんだよ、6/!」 「悪いけど、あとからゆっくり語ってくれ。じゃあ伝道師さん、後は頼んだぜ。」 鉄槌を連れて、6/はその場をあとにする。 キバットも空気を読んでその後を追い、その場に残されたのはChain-情と愛の伝道師だけになった。 「あのー、これはいったい…。」 「まず自己紹介から始めようか。私は漫画ロワの書き手、愛の伝道師だ。 こんな名前だからね、人が持つ『愛』には敏感なのさ。 今、私は君に向けられる大きな愛を感じ取っている。」 そう言うと、愛の伝道師は視線を背後に向ける。 「来ているんだろう、フラグビルド氏。隠れてないで出てきたまえ。」 「あう。」 存在を看破され、一人の少女がおずおずと物陰から姿を見せる。 それは紛れもなく、素晴らしきフラグビルドであった。 「フラグビルド…。」 突然現れた、一番大切な人。その顔を見て、Chain-情は嬉しいような困ったような複雑な表情を浮かべる。 「私が導くのはここまでだ。あとは、君たち二人で好きにしたまえ。それでは、また会おう。」 穏やかな笑みを浮かべながら、愛の伝道師は立ち去る。そして、Chain-情とフラグビルドが二人きりで残された。 「あの、フラグビルド…。」 「結局使っちゃったんですね、ビッグバン・パンチ…。」 Chain-情の言葉を遮るように、フラグビルドが呟く。うつむいているため、その表情はうかがい知れない。 「あ、うん、ごめん…。お説教だよね、ハハ…。」 「当然です。私や残月さんが自分の命と引き替えにあなたを守ったのに、その命を自分から捨てるなんて…。」 「返す言葉もないよ…。」 「けど、いいんです。Chain-情さんがそういう人なんだって、わかってましたから。」 「え?」 「あなたは、どこまでも優しい人だから…。仲間を助けるためなら、すすんで自分を犠牲にする人だってわかってたから…。でも…。」 フラグビルドの体が、小刻みに震え始める。 「フラグビルド……。」 「でも…でも……。わかってたって…。それでも……。あなたが死んじゃったことは……すごく悲しくて……。 Chain-情さぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」 フラグビルドはChain-情に飛びつき、その胸に顔を埋める。 そして彼女は、思い切り泣いた。ただ、あふれる感情のままに。 「………。」 Chain-情は、フラグビルドの小さな体を思い切り抱きしめた。 そして、彼女の耳元でささやく。生きているうちに言ってあげることが出来なかった、その言葉を。 「フラグビルド…。愛してます…。」 「私も…です…。愛してます、Chain-情さん…。」 「うーん、とても出て行ける雰囲気じゃないねえ…。もう少し待とうかね。」 だいぶ距離を取ったところから、二人を見守る集団がひとつ。 底上中の残月を筆頭とした、Chain-情と親交のあった面々である。 「う゛う゛う゛…。Chain-情殿…。フラグビルド殿…。」 「ほらほら、あなたが泣いてどうするの…。」 感動のあまり顔を涙と鼻水でぐちゃぐちゃにするうっかり侍。 その横に立つ焦ったドラえもんが、ハンカチで彼女の顔を拭いてやる。 「ところで、私たちがやってることってただののぞきなんじゃ…。」 「私もそう思ってましたが、空気的に言えませんでした。」 「いえいえ、何をおっしゃるのですか、地味子さんに温泉少女さん。のぞきというのは人が見られたくない場面を見ることを言うのです。 あのように素晴らしい愛の形ならば、見られて恥ずかしいはずがない!むしろもっと多くの人に見せるべきと言ってもいいでしょう! そもそも、愛とは文化の究極であり…。」 とりあえず、フリクリ署長の長台詞が終わる頃になっても、まだ彼らは出て行けなさそうである…。 そして、Chain-情とは関係ないことで盛り上がっている集団もあったり。 「ねんがんの PS2を てにいれたぞ!」 「よし、これでようやくOG外伝の続きが出来るな。」 「なあ、君たち本当にそれでいいのか?」 ゲーム機を手にはしゃぐ差と闇その1を前にして、承はあきれ気味に呟く。 「じゃあ、おまえはやりたくないのか?」 「いや、やりたいけど。」
仲間を守るために限界を超えた力を行使し、命を落とした静かなる~Chain-情~。 彼の魂は、死者スレへとたどり着いていた。 「え?」 Chain-情が目を覚ますと、そこには見知らぬ男達がいた。 セットを片づける吉良吉影とカズマとネコミミの城戸真司。あと、メカっぽいコウモリ。 ちなみにChain-情の位置からは遠すぎて誰だか確認できないが、奥の方ではジーニアス・セイジが掃除機をかけている。 「おいおい、困るな兄ちゃん。撤収作業が終わらないうちに入ってこられちゃ。」 「はあ…。」 自分の周りを飛び回りながら言うコウモリに、Chain-情はとまどいの色を見せる。 「あれ?おまえ、Chain-情じゃないか!」 そんなChain-情の状況などお構いなしで、カズマも彼に話しかけてきた。 「カズマ…。ひょっとして、大あばれ鉄槌さん?」 「おお、そうだ。おまえさんの熱い生き様、こっちから見させてもらったぜ。実にいい燃え展開だった!」 熱く語る鉄槌であったが、それをふいにネコミミ城戸が羽交い締めにする。 「オイ、ちょっと何するんだよ、6/!」 「悪いけど、あとからゆっくり語ってくれ。じゃあ伝道師さん、後は頼んだぜ。」 鉄槌を連れて、6/はその場をあとにする。 キバットも空気を読んでその後を追い、その場に残されたのはChain-情と愛の伝道師だけになった。 「あのー、これはいったい…。」 「まず自己紹介から始めようか。私は漫画ロワの書き手、愛の伝道師だ。 こんな名前だからね、人が持つ『愛』には敏感なのさ。 今、私は君に向けられる大きな愛を感じ取っている。」 そう言うと、愛の伝道師は視線を背後に向ける。 「来ているんだろう、フラグビルド氏。隠れてないで出てきたまえ。」 「あう。」 存在を看破され、一人の少女がおずおずと物陰から姿を見せる。 それは紛れもなく、素晴らしきフラグビルドであった。 「フラグビルド…。」 突然現れた、一番大切な人。その顔を見て、Chain-情は嬉しいような困ったような複雑な表情を浮かべる。 「私が導くのはここまでだ。あとは、君たち二人で好きにしたまえ。それでは、また会おう。」 穏やかな笑みを浮かべながら、愛の伝道師は立ち去る。そして、Chain-情とフラグビルドが二人きりで残された。 「あの、フラグビルド…。」 「結局使っちゃったんですね、ビッグバン・パンチ…。」 Chain-情の言葉を遮るように、フラグビルドが呟く。うつむいているため、その表情はうかがい知れない。 「あ、うん、ごめん…。お説教だよね、ハハ…。」 「当然です。私や残月さんが自分の命と引き替えにあなたを守ったのに、その命を自分から捨てるなんて…。」 「返す言葉もないよ…。」 「けど、いいんです。Chain-情さんがそういう人なんだって、わかってましたから。」 「え?」 「あなたは、どこまでも優しい人だから…。仲間を助けるためなら、すすんで自分を犠牲にする人だってわかってたから…。でも…。」 フラグビルドの体が、小刻みに震え始める。 「フラグビルド……。」 「でも…でも……。わかってたって…。それでも……。あなたが死んじゃったことは……すごく悲しくて……。 Chain-情さぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」 フラグビルドはChain-情に飛びつき、その胸に顔を埋める。 そして彼女は、思い切り泣いた。ただ、あふれる感情のままに。 「………。」 Chain-情は、フラグビルドの小さな体を思い切り抱きしめた。 そして、彼女の耳元でささやく。生きているうちに言ってあげることが出来なかった、その言葉を。 「フラグビルド…。愛してます…。」 「私も…です…。愛してます、Chain-情さん…。」 「うーん、とても出て行ける雰囲気じゃないねえ…。もう少し待とうかね。」 だいぶ距離を取ったところから、二人を見守る集団がひとつ。 底上中の残月を筆頭とした、Chain-情と親交のあった面々である。 「う゛う゛う゛…。Chain-情殿…。フラグビルド殿…。」 「ほらほら、あなたが泣いてどうするの…。」 感動のあまり顔を涙と鼻水でぐちゃぐちゃにするうっかり侍。 その横に立つ焦ったドラえもんが、ハンカチで彼女の顔を拭いてやる。 「ところで、私たちがやってることってただののぞきなんじゃ…。」 「私もそう思ってましたが、空気的に言えませんでした。」 「いえいえ、何をおっしゃるのですか、地味子さんに温泉少女さん。のぞきというのは人が見られたくない場面を見ることを言うのです。 あのように素晴らしい愛の形ならば、見られて恥ずかしいはずがない!むしろもっと多くの人に見せるべきと言ってもいいでしょう! そもそも、愛とは文化の究極であり…。」 とりあえず、フリクリ署長の長台詞が終わる頃になっても、まだ彼らは出て行けなさそうである…。 そして、Chain-情とは関係ないことで盛り上がっている集団もあったり。 「ねんがんの PS2を てにいれたぞ!」 「よし、これでようやくOG外伝の続きが出来るな。」 「なあ、君たち本当にそれでいいのか?」 ゲーム機を手にはしゃぐ差と闇その1を前にして、承はあきれ気味に呟く。 「じゃあ、おまえはやりたくないのか?」 「いや、やりたいけど。」

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