無題(917)

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森の中を行く男が一人。 彼の名は欝のエル。 ライダーロワ随一の欝書き手である。 彼は冷静に今自分がが置かれた状況を判断していた。 「まさか参加させられることになるとは、な。  色々な展開を書いてきたつもりだがこんな展開は予想してなかったぜ……」 だが参加させられたからといってムザムザ死ぬつもりはない。 まだ自分は若い。人生半ばで死ぬつもりなど何一つないのだ。 なんとしても主催者を妥当し、現実に帰還する。そんな決意を胸にする。 たとえ二つ名の通り化け物になったとしても―― 「……ってエル違いじゃボケェェェェェ!!」 そう、今の彼の姿は妙な猫背に白いロングTシャツ。 某人気漫画の人気キャラ『L』にそっくりな姿になってしまっていたのだ! 「つうかコレじゃ漫画ロワじゃないか!(※漫画ロワにもいません)  俺はライダーロワの書き手だっつううの!」 さっきまでの冷静沈着な彼はそこにはいなかった。 フルスロットルで一人突っ込みを繰り返す青年がいるだけである。 というか欝なのは作品だけで彼は欝でも何でもない。 さっきまでの冷静沈着さも混乱がいい方向に進んでいただけである。 彼自身は健全な精神を持ち合わせた常識人であった。意外なことに。 「と、とりあえず名簿の確認はロワの常識だって橘さんも言ってたし(※言ってません)見てみるか」 動揺を抑えつつ名簿を見渡し……そして絶望する。 「だ、誰ともお近づきになりたくねぇー!!」 名簿を見渡せばわらわらと出てくる怪しげな名前の数々。 っていうか何だよ『マスク・ザ・ドS』とか『地球破壊爆弾』とか。 “派手好き地獄紳士『666』”には地獄を見せられそうだし、『クールなロリスキー』なんて別の意味で会いたくもない。 おいおい『ステルス鬼畜』とか俺が一番恐ろしさわかっとるっちゅうねん! とか一人でテンションを上げつつ、息をつく。 「うう……せめてトリップが乗ってれば同じロワの人の傾向と対策を練れるんだが……  とりあえず確実に同じ書き手の“仮面ライダー書き手”さんを探すか……」 この人は出来れば熱血書き手でありますように――そんなことを考えながら一人とぼとぼと歩を進める欝のエル。 だが、そんな彼を背後から見つめる一人の少女がいた。 一見小学生のようにも見えるロリボディ。 ただいまアニロワ2ndで囚われのお姫様中の病弱少女にそっくり――ただし髪の毛は緑色だったが――な少女。 彼女の名はアニロワ2nd十傑集が一人『素晴らしきフラグビルド』であった。 彼女の思考回路を占めているのは発見した獲物をどう料理するか――それ以外にない。 外見のモデルとなったキャラとは正反対の邪悪な思考が彼女の全てであった。 彼女の最優先命題、それは―― (やっぱりここはベタに命辛々逃げてきたって感じがいいのかな?  それともうっかり寝てて発見されるっていうほのぼの系がいいのかな?  ううん、いきなり空から降ってくるってのも今時逆に新鮮かもしれない!) フラグ立て(ビルド)。そう、二つ名の通り彼女はフラグを立てることに全力をかける。 彼女は追跡を続行しながら出会い頭のフラグを考え始める。 すでにその数64通り。そしてその数は増えていく。 加速度的に。そして、狂的なまでに―― 【森の中・川の傍】 【欝のエル@ライダーロワ】 【装備】無し 【所持品】支給品一式(本人確認済み) 【状態】健康 【思考・行動】:元の世界に返りたい 1、“仮面ライダー書き手”を探す。 2、主催者を倒して、もとの世界に帰りたいなぁ…… ※見た目は何故かデスノートのLです。 【素晴らしきフラグビルド@アニ2nd】 【装備】無し 【所持品】支給品一式(本人確認済み) 【状態】健康 【思考・行動】:フラグを立てて立てて立てまくる 1、目の前の青年(欝のエル)と素敵なフラグを立てる ※外見は小早川ゆたか@らき☆すた(ただし髪の色は緑色)です。

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