書き手って一体何ですか?

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書き手って一体何ですか?」(2008/04/06 (日) 07:22:44) の最新版変更点

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オッス、俺鬼軍曹。今凄いピンチです。 だってさぁ、目の前に戦闘態勢の仮面ライダーとか。いやちょっとちょっとちょっと。 っていうか俺の支給品のこのボン太くんスーツは何? フルメタルパニックシリーズはOPしか見たこと無いですよ!? これはあれか、ハートマン軍曹がフルメタルジャケットでそういうことか! 成る程ね! ああそういうことね! 帰りたい! ◇        ◇        ◇ 「ふもー! ふもっふ!(お前さん、案外容赦無いのなー!)」 「何を言っているのかわからん!」 結論から言おう。 ボン太くんスーツを引き当て、それを着た鬼軍曹に平和は訪れはしなかった。 「ふもふもっ! ふもも!(畜生! やっぱ仮面ライダーって強い!)」 「『Burst Mode』」 結論から言おう。 仮面ライダーの前では、付け焼刃のボン太くんスーツは無力だった。 「ふもももっふもーふもー!!(何だー!? 今ジュッって言ったジュッって!!)」 「下らん。そんなきぐるみでこのカイザブレイガンを防げるものか!」 結論から言おう。 豚に真珠、猫に小判。鬼軍曹にボン太くんスーツを支給するのは勿体無かった。 「ふももふもふも! ふももももももももも(やばいこれはやばい! 殺られるるるるるるるるる)」 「そのきぐるみが貴様の棺だッ!」 結論から言おう。 カイザエネルギーガンは、鬼軍曹を蜂の巣にすることなど容易過ぎた。 F-4、コンビニ。ここは今、壮絶な修羅場と化していた。 必死に逃げる鬼軍曹、それを追う仮面ライダー書き手。 書く人が書けば鬱にも燃えにもギャグにも出来るであろう。そんな状態だ。 しかしそれはあくまで客観的に見ただけの話であり、当人たちは必死。 鬼軍曹は相変わらずカイザブレイガンのビームを避け続け、 仮面ライダー書き手も、相変わらず敵に向かって連射を続けている。 「お、鬼軍曹~!」 「ふもっ! ふもももーん! ふももふもっふ!(くそっ! ドラえもーん! お前は逃げろ!)」 「何言ってるかわかんないよ!」 そしてそんな中でも相変わらず、ドラえもんは軍曹に漫才を吹っかけていた。 ――いや、彼自身はそのつもりでは無いのだろうが。 「ぼ、ぼくはどうすれば……あああ」 「ふっもふ! ふももふもふも……(ガッデム! これじゃギャグじゃねぇか……)」 「何を呟いている! 相手はこちらだろう!」 「ふもっ!(何っ!?)」 だがそんな混沌とした流れはふいに終わりを告げた。 業を煮やした仮面ライダー書き手が、鬼軍曹を壁際に追い詰めたのだ。 「さぁ、逃げ場は無いぞ。足掻いても無駄だ」 「……ふもっ(……やばっ)」 「お、鬼軍曹!」 カイザと化した仮面ライダー書き手の攻撃によってボロボロとなったこの戦場へ、 やっと、いや、遂にギャグにも燃えにも鬱にもエロにも出来ない緊迫感が訪れてしまった。 この状況を簡単に打破するなど不可能。絶体絶命、という言葉が今の鬼軍曹にはよく似合う。 (……万事休す、か) もはやこれまで。鬼軍曹は確信した。 これ以上の抵抗は無駄だとばかりにボン太くんスーツを外す。 そして力なく両手を上げ、「降参だ、お前さんの方が強いよ」と呟いた。 コンビニでの戦闘の勝者が、あっさりと決まったのだ。 「何のつもりだ」 「”まいった”宣言だよ。このコンビニでの戦いはお前さんの勝利だ」 「ふざけるな! さっきまでの威勢はどうした……全く、癇に障る!」 「いや、だってこの強化服、俺には使いこなせないしな。無理無理」 仮面ライダー書き手はカイザブレイガンの構えを解かず、警戒の意思を示す。 しかし鬼軍曹はあくまでも飄々としたままだ。 「で、だ。一つお願い事を聞いてくれ」 「……」 「あのドラえもん、逃がしてやってくれないか? あいつ、支給品らしいんだ」 「何だと?」 「パロロワだから殺すのは参加者だけで十分だろ? 頼むよ」 鬼軍曹の視線の先には、緊迫した雰囲気の中で恐怖と焦りが入り混じった表情を浮かべるドラえもんがいる。 仮面ライダー書き手もそれを眺める。よくよく見るとポケットが無い。成る程、今の彼はほぼ無力か。 相手の言うとおり、ここで逃がしたところで害は無いだろう。そう結論付けた。 「いいだろう、奴は逃がしてやる」 「だとよ。良かったなドラえもん、お前さんは助かる」 「そんな……そんな事出来ないよ! 鬼軍曹を置いていくなんてぼくには……」 仮面ライダー書き手と鬼軍曹の突き刺さるような視線を感じながらも、ドラえもんは躊躇をする。 当然だ。彼はのび太に匹敵するほどの友達思いであり、そして優しいロボットだ。 だが、 「早く行け! そんでお前さんが残りの参加者に伝えるんだ。『鬼軍曹はアニロワを愛していた』とな……!」 「早く行け! 俺に殺されたいのか? この男の努力と俺の慈悲を無駄にするのか?」 2人の願いと問い。それは彼を焦りへと駆り立てる。 「うう……ごめんよ……ごめんよ鬼軍曹~!!」 そして結局、彼は涙を流しながら鬼軍曹たちの下から走り去っていった。 残るのは2人。鬼軍曹と仮面ライダー書き手。敵同士の2人だけだ。 「お願い聞いてくれて、サンキュな」 「……」 仮面ライダー書き手は鬼軍曹の問いにも答えず、ただただドラえもんの後姿を睨み続けていた。 ”彼が仲間を呼んでくるようであれば後ろからでも構わず撃ち殺す”という意思の表れである。 それはマーダーとしては当然の考え。それはマーダーとしては当然の行動だ。 だから、鬼軍曹にボン太くんスーツを投げつけられたのには気付けなかった。 「うおッ!!」 「っしゃ! してやったり、これはしてやったり!」 ボン太くんスーツの大き目のボディが、余所見をしていた仮面ライダー書き手へとぶつかる。 突然の事に反応できなかった彼は、視界を奪われながら多少の衝撃によって倒れこむ。 カイザの身体能力を遺憾なく発揮し、すぐに鬼軍曹を仕留めようとするも遅い。 相手はボン太くんスーツを抱えながら一心不乱にコンビニから離れていく。 仮面ライダー書き手の、何かが切れた。 「飄々とした態度も……降参も何もかもがフェイクかッ! 貴様ァァァアアアアアア!!」 「うわ怒ってる超怒ってるこれは逃げないと殺されるだろう常識的に考えてェェェェェエエエエ!!」 「死ねッッッ!! グランインパクトッッッ!!」 「嘘だろ追いつくの早いって!!」 カイザの脅威の脚力、そしてカイザの必殺技で仮面ライダー書き手は怒りのままに鬼軍曹を再襲撃する。 鬼軍曹はボン太くんスーツを盾にしたことでなんとか防御、しかしその衝撃によって地面に転がされてしまった。 あっという間にコンビニの状況へと後戻りする二人。形勢は逆転せず、それどころか鬼軍曹にとっては最悪の状況。 だが、それでも鬼軍曹は足掻く。足掻き続けようとする。 「足掻いたり諦めたりまた足掻いて俺を怒らせたり……何故貴様は俺の逆鱗に触れる事をするッ!?」 怒りに震え、我を忘れそうにもなる仮面ライダー書き手の怒号と問い。 鬼軍曹はそれに圧倒されながらも、言葉を紡ぐ。 「俺が書き手だから……対主催の書き手だからだよ!」 敵に負けじと、ただの意地で張り合う。 相手を打ち負かす為に、鬼軍曹は叫んだ。 ――だが、それは届いてはいなかったらしい。 「書き手? 貴様が書き手だと? ……ククッ……クハハハハハハ!」 鬼軍曹のその叫びを境に、突如仮面ライダー書き手が落ち着きを取り戻したのだ。 口調は一瞬にクールダウン。鬼軍曹は不気味に思ったか、訳がわからないといった表情で相手を見る。 更に気になる事に、仮面から表情は伺えないが何故だか彼の口調からは嘲りが感じられる。 「な、何がおかしい!?」と鬼軍曹は怒りを篭めて問いかけた。 すると仮面ライダー書き手は、ゆっくりと口を開き始める。 「貴様が自分の事を書き手だと言っている事が可笑しいのだ」 「なん……だと……?」 可笑しいのはこちらのほうだ、と鬼軍曹は言いたくなった。 そう、自分はれっきとした書き手だ。アニロワのWikiにだってそう書かれている。 稚拙だったかもしれなかったとはいえアニロワに作品を投下し、話を動かした。 それだけではない。LSにだって一話だけだが――うっかりトリップ変更してなかったが――作品を投下した。 何よりアニロワが出来るずっと前からもFFDQ3rdでは書き手としてお世話になっている身だ。 感電ラジオだって聞いた。書き手として楽しんだ。書き手として、書き手として日々を過ごしている。 過去も現在も。そしてこれから先も書き手であり続けるだろう。 そんな自分を書き手だと言って、そう名乗って何が可笑しいのだ。 「おいライダーさんよ……俺はアニロワで書き手だってしたらば運営だってやった男だ!  そんな俺が書き手じゃないだと? 俺がお前のようなパロロワの書き手じゃないだと!?」 「そうだ。”だからこそ”可笑しいんだよ」 「”だからこそ”……?」 「そうだ。パロロワに熱を入れていたんだろう? だったら……その姿は何だ?」 仮面ライダー書き手の笑い声が更に増していく。 そして訳がわからないと言わんばかりの表情の鬼軍曹に対し、言葉を続けた。 「ハートマン軍曹のAAの使いまわしのようなその姿……パロロワと関連性があるか?」 「……なッ」 「お前の支給品のボン太くんスーツ……そしてもう一つの地雷は、貴様の書いた作品と関連性はあるのか?」 「いや、こ、これは……」 「ならば能力は? アニロワや他のロワをモチーフにした能力の一つも無いのか?  俺のこの仮面ライダーへの変身能力のような、自分の属する場所に関する能力は?  自分の作品に関連した行動や展開、性格は? それらがこの”場所”で発揮、具現化されたことは!?  貴様のそのハートマン軍曹の服装すらも”自分が得意なキャラの模倣”だという訳でもないのだろう!?  アニロワでなければ他は!? 闇化は!? 呪文や魔法は!? どうなんだ!? ええ!? おい!!」 「……」 鬼軍曹は、答えられなかった。 彼の言うとおりだ、と鬼軍曹は呟く。 そして同時に、疑問にも襲われていた。 自分はこのバトルロワイアルで何をした? ドラゴンころしを持った相手に特攻したか? 違う。 関係のない人と行動をシンクロさせたのか? 違う。 レヴァンティンを引き当てて彼と漫才したか? 違う。 圧倒的不利から物干し竿で形勢逆転したか? 違う。 自分の支給品は何なんだ? 地雷を使って敵を殺した作品は投下したか? 否。 スパロワで書き手をしたという経験があった? 否。 アニロワに関するものが支給されていたのか? 否。 自分の能力は? 腕が剣と化し、翼手の姿に変身する能力は? 無い。 鋏を剣の如く振り、敵を切り裂くという能力は? 無い。 吸血生物を自分の血で石化させて殺す能力は? 無い。 雷の呪文や杖等で敵を一瞬で消し飛ばす能力は? 無い。 今の自分の姿は? ボーイッシュなボクっ娘人形? 絶対にノゥ。 長身の白or黒スーツのイケメン? 絶対にノゥ。 実は人間じゃない不老の女子高生? 絶対にノゥ。 金髪でお父さん思いの小さな勇者の妹? 絶対にノゥ。 自分はそれのどれでもない。 自分の書き手としての経験が生かされた姿も、能力も、支給品も、何も無い。 「俺は……書き手として認められて……無い?」 この世界で何も無い自分は書き手でもなんでもなかったのか? 役目を終えた跡地と化したしたらばで引きこもるただの一般人だったのか? ――自分には、何も無いのか? 「……散々足掻いた挙句に、俺の問いに困って、この様か。  まぁ良い。輪廻転生した先で姿だけでも書き手らしくなっておけ」 「…………」 黙り込んでしまった鬼軍曹に、仮面ライダー書き手は言葉を投げつける。 「輪廻転生」の言葉が意味するのは、即ち「死」そのもの。 彼は円錐状の光を鬼軍曹に浴びせかける。 カイザポインターの光が意味するのは、即ち「必殺技」そのもの。 「覚えておけ! 強き書き手を殺すのは強き書き手だけだと言う事を!」 全力全開の必殺技が、鬼軍曹に襲い掛かる。 「ゴルド……スマァァァァァッシュッッッッ!!」 鬼軍曹はこの攻撃は避けられない。 残る選択肢は、受けるか、防御するか。 彼は後者を選択し、ボン太くんスーツを構え―― ◇        ◇        ◇ F-6、ビルのどこかに鬼軍曹はいた。 彼は大破したきぐるみらしき物と共に倒れている。 そう、彼は全力全開のゴルドスマッシュによってここまで吹き飛ばされていたのだ。 ボン太くんスーツを防御壁として使用したおかげで、目立った外傷は無いが、 自身の体を動かせなかった。衝撃が彼の体を容赦なく責め立てる所為だ。 ――いや、違う。それだけではない。一番の要因は、あの言葉。 書き手ではないという、あの否定の言葉が頭を廻っているから。 疑問が立つ気力を失っているから。だから彼は動かない。動けなかった。 「俺は……書き手じゃ……ない、のか……?」 倒れたまま、悔しさを込めて呟く。 「なんで力が……俺には……くそ……っ」 ◇        ◇        ◇ 仮面ライダーは一人、獲物を求めて流離う。 次の獲物を探しながら、餓えた獣すら脅かすような目で歩き続ける。 さっきの男のように全てを殺しつくしてみせよう、と言わんばかりに堂々と進む。 それは修羅の道、外道の道。だがこの男はそれを茨とも思わずここに立つ。 彼は書き手。彼の名は、仮面ライダー書き手!! 【朝】【F-4 コンビニ】 【仮面ライダー書き手@ライダーロワ】 【状態】健康、仮面ライダーカイザに変身中 【装備】カイザギア@ライダーロワ 【所持品】支給品一式(未確認) 【思考・行動】 基本:皆殺しで優勝。可能ならばまとめキングを生き返らせる。 1:次の獲物を探す為移動。 2:手こずるようならエロ師匠と合流。 3:俺を好きにならない奴は殺す。 ※外見や声は草加雅人です。 ※鬼軍曹は死んだと思っています。 【朝】【F-6 詳細は不明】 【猫子頭の鬼軍曹@アニロワ1st】 【装備:対戦車地雷(17/20)】 【所持品:支給品一式、ボン太くんスーツ@スパロワ(大破)】 【状態:多大な疲労、右肩負傷、湧き上がる疑問】 【思考・行動】 基本:殺し合いには乗らずに読み手を倒す。 1:自分自身への疑問が止まらない。 2:アニロワ1st書き手達との合流。 3:危険視しているコ・ホンブック(◆5VEHREaaO2)の殺害。 4:お姉さまをお仕置きする。 ※ボン太くんスーツはゴルドスマッシュの防御に使用したおかげで大破。一部パーツが散乱しています。 ※自分の姿、関連グッズや能力の皆無っぷりをふり返り、疑問が浮かびました。     /ノ 0ヽ    _|___|_    ヽ( ; ゚Д゚)ノ <俺って一体……。      | 个 |     ノ| ̄ ̄ヽ      ∪⌒∪ |149:[[take it a try]]|投下順に読む|151:[[薔薇のように、萌えキャラにだって棘はあるものさ]]| |149:[[take it a try]]|時系列順に読む|136:[[ある決闘の再現]]| |134:[[街の狩人]]|仮面ライダー書き手|193:[[熱血と奇跡]]| |134:[[街の狩人]]|猫子頭の鬼軍曹|158[[愛する者たちの為の書き手]]| ----
オッス、俺鬼軍曹。今凄いピンチです。 だってさぁ、目の前に戦闘態勢の仮面ライダーとか。いやちょっとちょっとちょっと。 っていうか俺の支給品のこのボン太くんスーツは何? フルメタルパニックシリーズはOPしか見たこと無いですよ!? これはあれか、ハートマン軍曹がフルメタルジャケットでそういうことか! 成る程ね! ああそういうことね! 帰りたい! ◇        ◇        ◇ 「ふもー! ふもっふ!(お前さん、案外容赦無いのなー!)」 「何を言っているのかわからん!」 結論から言おう。 ボン太くんスーツを引き当て、それを着た鬼軍曹に平和は訪れはしなかった。 「ふもふもっ! ふもも!(畜生! やっぱ仮面ライダーって強い!)」 「『Burst Mode』」 結論から言おう。 仮面ライダーの前では、付け焼刃のボン太くんスーツは無力だった。 「ふもももっふもーふもー!!(何だー!? 今ジュッって言ったジュッって!!)」 「下らん。そんなきぐるみでこのカイザブレイガンを防げるものか!」 結論から言おう。 豚に真珠、猫に小判。鬼軍曹にボン太くんスーツを支給するのは勿体無かった。 「ふももふもふも! ふももももももももも(やばいこれはやばい! 殺られるるるるるるるるる)」 「そのきぐるみが貴様の棺だッ!」 結論から言おう。 カイザエネルギーガンは、鬼軍曹を蜂の巣にすることなど容易過ぎた。 F-4、コンビニ。ここは今、壮絶な修羅場と化していた。 必死に逃げる鬼軍曹、それを追う仮面ライダー書き手。 書く人が書けば鬱にも燃えにもギャグにも出来るであろう。そんな状態だ。 しかしそれはあくまで客観的に見ただけの話であり、当人たちは必死。 鬼軍曹は相変わらずカイザブレイガンのビームを避け続け、 仮面ライダー書き手も、相変わらず敵に向かって連射を続けている。 「お、鬼軍曹~!」 「ふもっ! ふもももーん! ふももふもっふ!(くそっ! ドラえもーん! お前は逃げろ!)」 「何言ってるかわかんないよ!」 そしてそんな中でも相変わらず、ドラえもんは軍曹に漫才を吹っかけていた。 ――いや、彼自身はそのつもりでは無いのだろうが。 「ぼ、ぼくはどうすれば……あああ」 「ふっもふ! ふももふもふも……(ガッデム! これじゃギャグじゃねぇか……)」 「何を呟いている! 相手はこちらだろう!」 「ふもっ!(何っ!?)」 だがそんな混沌とした流れはふいに終わりを告げた。 業を煮やした仮面ライダー書き手が、鬼軍曹を壁際に追い詰めたのだ。 「さぁ、逃げ場は無いぞ。足掻いても無駄だ」 「……ふもっ(……やばっ)」 「お、鬼軍曹!」 カイザと化した仮面ライダー書き手の攻撃によってボロボロとなったこの戦場へ、 やっと、いや、遂にギャグにも燃えにも鬱にもエロにも出来ない緊迫感が訪れてしまった。 この状況を簡単に打破するなど不可能。絶体絶命、という言葉が今の鬼軍曹にはよく似合う。 (……万事休す、か) もはやこれまで。鬼軍曹は確信した。 これ以上の抵抗は無駄だとばかりにボン太くんスーツを外す。 そして力なく両手を上げ、「降参だ、お前さんの方が強いよ」と呟いた。 コンビニでの戦闘の勝者が、あっさりと決まったのだ。 「何のつもりだ」 「”まいった”宣言だよ。このコンビニでの戦いはお前さんの勝利だ」 「ふざけるな! さっきまでの威勢はどうした……全く、癇に障る!」 「いや、だってこの強化服、俺には使いこなせないしな。無理無理」 仮面ライダー書き手はカイザブレイガンの構えを解かず、警戒の意思を示す。 しかし鬼軍曹はあくまでも飄々としたままだ。 「で、だ。一つお願い事を聞いてくれ」 「……」 「あのドラえもん、逃がしてやってくれないか? あいつ、支給品らしいんだ」 「何だと?」 「パロロワだから殺すのは参加者だけで十分だろ? 頼むよ」 鬼軍曹の視線の先には、緊迫した雰囲気の中で恐怖と焦りが入り混じった表情を浮かべるドラえもんがいる。 仮面ライダー書き手もそれを眺める。よくよく見るとポケットが無い。成る程、今の彼はほぼ無力か。 相手の言うとおり、ここで逃がしたところで害は無いだろう。そう結論付けた。 「いいだろう、奴は逃がしてやる」 「だとよ。良かったなドラえもん、お前さんは助かる」 「そんな……そんな事出来ないよ! 鬼軍曹を置いていくなんてぼくには……」 仮面ライダー書き手と鬼軍曹の突き刺さるような視線を感じながらも、ドラえもんは躊躇をする。 当然だ。彼はのび太に匹敵するほどの友達思いであり、そして優しいロボットだ。 だが、 「早く行け! そんでお前さんが残りの参加者に伝えるんだ。『鬼軍曹はアニロワを愛していた』とな……!」 「早く行け! 俺に殺されたいのか? この男の努力と俺の慈悲を無駄にするのか?」 2人の願いと問い。それは彼を焦りへと駆り立てる。 「うう……ごめんよ……ごめんよ鬼軍曹~!!」 そして結局、彼は涙を流しながら鬼軍曹たちの下から走り去っていった。 残るのは2人。鬼軍曹と仮面ライダー書き手。敵同士の2人だけだ。 「お願い聞いてくれて、サンキュな」 「……」 仮面ライダー書き手は鬼軍曹の問いにも答えず、ただただドラえもんの後姿を睨み続けていた。 ”彼が仲間を呼んでくるようであれば後ろからでも構わず撃ち殺す”という意思の表れである。 それはマーダーとしては当然の考え。それはマーダーとしては当然の行動だ。 だから、鬼軍曹にボン太くんスーツを投げつけられたのには気付けなかった。 「うおッ!!」 「っしゃ! してやったり、これはしてやったり!」 ボン太くんスーツの大き目のボディが、余所見をしていた仮面ライダー書き手へとぶつかる。 突然の事に反応できなかった彼は、視界を奪われながら多少の衝撃によって倒れこむ。 カイザの身体能力を遺憾なく発揮し、すぐに鬼軍曹を仕留めようとするも遅い。 相手はボン太くんスーツを抱えながら一心不乱にコンビニから離れていく。 仮面ライダー書き手の、何かが切れた。 「飄々とした態度も……降参も何もかもがフェイクかッ! 貴様ァァァアアアアアア!!」 「うわ怒ってる超怒ってるこれは逃げないと殺されるだろう常識的に考えてェェェェェエエエエ!!」 「死ねッッッ!! グランインパクトッッッ!!」 「嘘だろ追いつくの早いって!!」 カイザの脅威の脚力、そしてカイザの必殺技で仮面ライダー書き手は怒りのままに鬼軍曹を再襲撃する。 鬼軍曹はボン太くんスーツを盾にしたことでなんとか防御、しかしその衝撃によって地面に転がされてしまった。 あっという間にコンビニの状況へと後戻りする二人。形勢は逆転せず、それどころか鬼軍曹にとっては最悪の状況。 だが、それでも鬼軍曹は足掻く。足掻き続けようとする。 「足掻いたり諦めたりまた足掻いて俺を怒らせたり……何故貴様は俺の逆鱗に触れる事をするッ!?」 怒りに震え、我を忘れそうにもなる仮面ライダー書き手の怒号と問い。 鬼軍曹はそれに圧倒されながらも、言葉を紡ぐ。 「俺が書き手だから……対主催の書き手だからだよ!」 敵に負けじと、ただの意地で張り合う。 相手を打ち負かす為に、鬼軍曹は叫んだ。 ――だが、それは届いてはいなかったらしい。 「書き手? 貴様が書き手だと? ……ククッ……クハハハハハハ!」 鬼軍曹のその叫びを境に、突如仮面ライダー書き手が落ち着きを取り戻したのだ。 口調は一瞬にクールダウン。鬼軍曹は不気味に思ったか、訳がわからないといった表情で相手を見る。 更に気になる事に、仮面から表情は伺えないが何故だか彼の口調からは嘲りが感じられる。 「な、何がおかしい!?」と鬼軍曹は怒りを篭めて問いかけた。 すると仮面ライダー書き手は、ゆっくりと口を開き始める。 「貴様が自分の事を書き手だと言っている事が可笑しいのだ」 「なん……だと……?」 可笑しいのはこちらのほうだ、と鬼軍曹は言いたくなった。 そう、自分はれっきとした書き手だ。アニロワのWikiにだってそう書かれている。 稚拙だったかもしれなかったとはいえアニロワに作品を投下し、話を動かした。 それだけではない。LSにだって一話だけだが――うっかりトリップ変更してなかったが――作品を投下した。 何よりアニロワが出来るずっと前からもFFDQ3rdでは書き手としてお世話になっている身だ。 感電ラジオだって聞いた。書き手として楽しんだ。書き手として、書き手として日々を過ごしている。 過去も現在も。そしてこれから先も書き手であり続けるだろう。 そんな自分を書き手だと言って、そう名乗って何が可笑しいのだ。 「おいライダーさんよ……俺はアニロワで書き手だってしたらば運営だってやった男だ!  そんな俺が書き手じゃないだと? 俺がお前のようなパロロワの書き手じゃないだと!?」 「そうだ。”だからこそ”可笑しいんだよ」 「”だからこそ”……?」 「そうだ。パロロワに熱を入れていたんだろう? だったら……その姿は何だ?」 仮面ライダー書き手の笑い声が更に増していく。 そして訳がわからないと言わんばかりの表情の鬼軍曹に対し、言葉を続けた。 「ハートマン軍曹のAAの使いまわしのようなその姿……パロロワと関連性があるか?」 「……なッ」 「お前の支給品のボン太くんスーツ……そしてもう一つの地雷は、貴様の書いた作品と関連性はあるのか?」 「いや、こ、これは……」 「ならば能力は? アニロワや他のロワをモチーフにした能力の一つも無いのか?  俺のこの仮面ライダーへの変身能力のような、自分の属する場所に関する能力は?  自分の作品に関連した行動や展開、性格は? それらがこの”場所”で発揮、具現化されたことは!?  貴様のそのハートマン軍曹の服装すらも”自分が得意なキャラの模倣”だという訳でもないのだろう!?  アニロワでなければ他は!? 闇化は!? 呪文や魔法は!? どうなんだ!? ええ!? おい!!」 「……」 鬼軍曹は、答えられなかった。 彼の言うとおりだ、と鬼軍曹は呟く。 そして同時に、疑問にも襲われていた。 自分はこのバトルロワイアルで何をした? ドラゴンころしを持った相手に特攻したか? 違う。 関係のない人と行動をシンクロさせたのか? 違う。 レヴァンティンを引き当てて彼と漫才したか? 違う。 圧倒的不利から物干し竿で形勢逆転したか? 違う。 自分の支給品は何なんだ? 地雷を使って敵を殺した作品は投下したか? 否。 スパロワで書き手をしたという経験があった? 否。 アニロワに関するものが支給されていたのか? 否。 自分の能力は? 腕が剣と化し、翼手の姿に変身する能力は? 無い。 鋏を剣の如く振り、敵を切り裂くという能力は? 無い。 吸血生物を自分の血で石化させて殺す能力は? 無い。 雷の呪文や杖等で敵を一瞬で消し飛ばす能力は? 無い。 今の自分の姿は? ボーイッシュなボクっ娘人形? 絶対にノゥ。 長身の白or黒スーツのイケメン? 絶対にノゥ。 実は人間じゃない不老の女子高生? 絶対にノゥ。 金髪でお父さん思いの小さな勇者の妹? 絶対にノゥ。 自分はそれのどれでもない。 自分の書き手としての経験が生かされた姿も、能力も、支給品も、何も無い。 「俺は……書き手として認められて……無い?」 この世界で何も無い自分は書き手でもなんでもなかったのか? 役目を終えた跡地と化したしたらばで引きこもるただの一般人だったのか? ――自分には、何も無いのか? 「……散々足掻いた挙句に、俺の問いに困って、この様か。  まぁ良い。輪廻転生した先で姿だけでも書き手らしくなっておけ」 「…………」 黙り込んでしまった鬼軍曹に、仮面ライダー書き手は言葉を投げつける。 「輪廻転生」の言葉が意味するのは、即ち「死」そのもの。 彼は円錐状の光を鬼軍曹に浴びせかける。 カイザポインターの光が意味するのは、即ち「必殺技」そのもの。 「覚えておけ! 強き書き手を殺すのは強き書き手だけだと言う事を!」 全力全開の必殺技が、鬼軍曹に襲い掛かる。 「ゴルド……スマァァァァァッシュッッッッ!!」 鬼軍曹はこの攻撃は避けられない。 残る選択肢は、受けるか、防御するか。 彼は後者を選択し、ボン太くんスーツを構え―― ◇        ◇        ◇ F-6、ビルのどこかに鬼軍曹はいた。 彼は大破したきぐるみらしき物と共に倒れている。 そう、彼は全力全開のゴルドスマッシュによってここまで吹き飛ばされていたのだ。 ボン太くんスーツを防御壁として使用したおかげで、目立った外傷は無いが、 自身の体を動かせなかった。衝撃が彼の体を容赦なく責め立てる所為だ。 ――いや、違う。それだけではない。一番の要因は、あの言葉。 書き手ではないという、あの否定の言葉が頭を廻っているから。 疑問が立つ気力を失っているから。だから彼は動かない。動けなかった。 「俺は……書き手じゃ……ない、のか……?」 倒れたまま、悔しさを込めて呟く。 「なんで力が……俺には……くそ……っ」 ◇        ◇        ◇ 仮面ライダーは一人、獲物を求めて流離う。 次の獲物を探しながら、餓えた獣すら脅かすような目で歩き続ける。 さっきの男のように全てを殺しつくしてみせよう、と言わんばかりに堂々と進む。 それは修羅の道、外道の道。だがこの男はそれを茨とも思わずここに立つ。 彼は書き手。彼の名は、仮面ライダー書き手!! 【朝】【F-4 コンビニ】 【仮面ライダー書き手@ライダーロワ】 【状態】健康、仮面ライダーカイザに変身中 【装備】カイザギア@ライダーロワ 【所持品】支給品一式(未確認) 【思考・行動】 基本:皆殺しで優勝。可能ならばまとめキングを生き返らせる。 1:次の獲物を探す為移動。 2:手こずるようならエロ師匠と合流。 3:俺を好きにならない奴は殺す。 ※外見や声は草加雅人です。 ※鬼軍曹は死んだと思っています。 【朝】【F-6 詳細は不明】 【猫子頭の鬼軍曹@アニロワ1st】 【装備:対戦車地雷(17/20)】 【所持品:支給品一式、ボン太くんスーツ@スパロワ(大破)】 【状態:多大な疲労、右肩負傷、湧き上がる疑問】 【思考・行動】 基本:殺し合いには乗らずに読み手を倒す。 1:自分自身への疑問が止まらない。 2:アニロワ1st書き手達との合流。 3:危険視しているコ・ホンブック(◆5VEHREaaO2)の殺害。 4:お姉さまをお仕置きする。 ※ボン太くんスーツはゴルドスマッシュの防御に使用したおかげで大破。一部パーツが散乱しています。 ※自分の姿、関連グッズや能力の皆無っぷりをふり返り、疑問が浮かびました。     /ノ 0ヽ    _|___|_    ヽ( ; ゚Д゚)ノ <俺って一体……。      | 个 |     ノ| ̄ ̄ヽ      ∪⌒∪ |150:[[take it a try]]|投下順に読む|152:[[薔薇のように、萌えキャラにだって棘はあるものさ]]| |150:[[take it a try]]|時系列順に読む|137:[[ある決闘の再現]]| |135:[[街の狩人]]|仮面ライダー書き手|194:[[熱血と奇跡]]| |135:[[街の狩人]]|猫子頭の鬼軍曹|159[[愛する者たちの為の書き手]]| ----

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