貫けよ、その仮面で

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貫けよ、その仮面で」(2008/01/28 (月) 09:23:14) の最新版変更点

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NdG5hiFT6氏こと【忘却のウッカリデス】は、現在緊急事態に陥っている。 下手すれば登場話で死亡してしまうくらい危険な状況だ。 このままでは、ズガンよりも扱いの酷い、登場したときには既に死んでいたという事態になりかねない。 ちなみに彼の頭の中では、走馬灯の代わりにスーツを着たイタリア人が、丁寧に額を寄せて説教してくれている最中だ。 「いいかウッカリデス。死亡してしまうと思った時には、既にテメェは死亡しているんだ!   俺達が使っていい言葉は一つだけ。「死亡した!」なら使っていい!」 頭の中に浮かんだ嫌な展開に、思い切り首を振る。 (いやいやいやいや! 「死亡した」じゃ余計だめじゃん! つか、なんで死亡前提なんだよッ!) 選択肢が全部同じなんて、ギャルゲぐらいでしか見かけないものだ。や、それ選択でもなんでもないけどな。 ラ○フカードのCMだって正解がちゃんとある。まぁ、トラップカードも混じってるけどさ。 (ええい、俺の視界のどこかに選択肢とか出て来ないわけ!? もしくはライ○カードとか!?) 360度見回すが、そんなもの何処にもありゃしない。現実は非情である。 (お父さん、お母さん。アニロワ2ndのみんな……先立つ不幸をお許しください) とうとう観念したのか、彼は両手を組んで全てに身を委ねた。 説明が遅れたが、現在彼がいるのは上空500m。 ヒモ無し、パラシュートなしの、実にスリリングな空のお散歩中である。 補足しておくと、彼の向かっているのは地面がある方向。 視界の隅で、どこぞの赤いロリコンが、彼に向かってサムズアップしている。 なんだか悔しいので、その幻影に向かって中指を突き立て返す。 そろそろ空の旅も終わる……ウッカリデスはゆっくりと瞳を閉じた。(←目です) ぶっちゃけ、その落下している原因は、彼らしいうっかりが発端なのだが……    ♪   ♪   ♪ 落下する数分前、ウッカリデスは会場に着いたと同時に支給品の確認を始めていた。 もちろん、きなりこんな所に連れてこられて軽い恐怖を覚えたが、名簿を見てそれは吹き飛んだ。 そこには彼にとって仲間とも言える書き手達が名を連ねていたからだ。 これが分かっただけでも、心の安定感はずいぶん違う。 さらに、名簿を見ているうちに、大胆な考えが頭に浮かぶようになっていた。 可能ならば、他のロワの書き手とも協力しようという考え始めていたのだ。 「ちょっと怖いけど、書き手だって同じ人間じゃないか」 男は度胸、何でも試してみるもんさ。と、いい男だって言っていた。 自分だって男だ。今度胸を見せないでいつ見せるか。 「っと、僕の支給品は……おぉ?」 最初に出てきたのは、今の外見に良く似合う代物だった。 「ゼロの仮面って、これ狙って渡されたのかな」 仮面を装着し、ウッカリデスは身に纏っていたマントを翻して華麗にターンを決める。 そこ立つ姿はまさに、アニメの中のゼロそのもの。 彼の容姿は、ルルーシュ=ランペルージュとなっていたのだ。 「ま、さすがにギアスとかは使えないっぽいけど」 先ほど仮面に反射した瞳を見たが、例の模様は入っていない。 安堵しつつも、少しだけ残念だとウッカリデスは心の中で呟いた。 あの能力があれば、生き残る確立もグンと上がる。 アニロワ2ndだったら修正要請が飛んできそうだが、ここならきっとそんな事はないだろう。 「あとは……なんだこりゃ」 最後に出てきたのはCDよりもやや大き目なディスクだった。 「説明が書いてある。えっと、マン・イン・ザ・ミラー?」 付属されてた説明書には長々と文が書かれていたが、要約するとこんな事だった。 【マン・イン・ザ・ミラー(0)】 当てた相手と位置を入れ替える。 足元に自分以外しか踏めない、鈍足状態にさせる罠を仕掛ける。 「……う~ん」 ディスクの表裏を眺めながら、ウッカリデスは溜め息をついた。 結局、支給品の中からは武器らしきものが一つも見つからなかったのだ。 「唯一の当たりはこれかなぁ」 呟きつつ、被っていた仮面を軽く小突く。 説明書に寄ると、非常に頑丈な素材で出来ているらしい。どんな魔法も衝撃も無効にすると書いてある。 ようするに、頭に装着する防弾チョッキのような物だ。 「ま、これ被ってたら他の人たちを怖がらせちゃうから、普段は外し――あれ」 仮面を外そうとするが、どういう仕組みなのかしっかりと首に固定されて外れない。 さらに強い力で引っ張っても剥がれず、着脱用のボタンも見つからない。 困ったウッカリデスは、両手で剥がそうと、手に持っていたディスクを放りなげる。 が、それがいけなかった。 「ぅえ」 彼の手を離れたディスクは、ビゅーンという効果音とともに空の彼方へと飛んでいく。 その数秒後、彼の体は一瞬で空中へと移動していた。彼の居た地面では、一羽の鳥が首を傾げている。 「え、な、え、いや、の……」 両手を仮面に当てていたウッカリデスは、そのままムンクの叫びの絵のように頬の部分に手を当てる。 「NOooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooo!!」    ♪   ♪   ♪ 「で、どうするのかなそこの仮面の人」 握った刀を軽く振りつつ、王子は仮面の男を見て余裕の笑みを浮かべている。 対して仮面の男のほうは、未だ前かがみの状態でもじもじしていた。 顔を見ただけでは気付かれないが、すでに股間はガビガビである。 早く褌を洗いたいが、そんな悠長なことをしている余裕も時間もない。 「もちろんその娘を助けるさ。あと、自分の名前は最速の人だ」 左手で股間を押さえつつも、右手はしっかりと鉄扇を握っていた。 そんな様子に、王子はさらに余裕の笑みをこぼす。 「ああ面白い。けど、ちょっとお下品だよね。それにもう飽きてきちゃった……とりあえず」 ロリスキーの手首に当てていた刀を上にずらし、ゆっくりと最速の人の方に構え直す。 「少し、頭を冷やそうか」 「!」 喋り終えるとともに、その切っ先が最速の人の手首を撫でる。 が、それをぎりぎりの所で回避して、お返しにと鉄扇を振り下ろす。 だが、最速の人よりもさらに早く、王子の刀が牙を飛ばしてきた。 「《破棄すべき全ての手》! 《破棄すべき全ての手》!! 《破棄すべき全ての手》!!!」 「くっ、ぐぉッ」 反撃どころか、回避すら許さないその攻撃に、最速の人は着実に傷を増やしていく。 腕。 肘。 耳。 肩。 頬。 膝。 致命傷とまではいかないが、決して大丈夫とはいえない傷が次々に刻まれていく。 「ほらほら、反撃しない……のッ!」 「うぐぅ!」 刀に集中しすぎたためか、腹部まで潜り込んできた王子の膝に気付けず、最速の人は初めて直撃をくらう。 そのあまりの威力に、胃から口まで悲鳴が逆流する。 「おかしいなぁ……。こっちはまだ全力じゃないんだけど、もしかしてもう限界なのかな?」 「ぅ……」 余裕で話す王子に比べ、最速の人は苦しそうに腹部と股間を押さえ、脂汗を浮かべている。 あまりの戦力の差を目の前にして、最速の人は半ば絶望のような物を感じていた。 (せめて、両腕がもっと動けば) ゆっくりと近づく王子を睨みつつ、最速の人は唇を強くかみ締めた。いよいよ一方的な戦いも終わりだ。 と、絶望に染まりつつある光景に一つの希望の光が飛び込む。 次の瞬間、最速の人は強くかんだ唇をゆっくりと開いた。 「最後に……聞かせてくれ。君の名前は?」 「よく聞くような台詞だけど、それを知ってどうするのかな?」 「そこをなんとか」 「王子だよ。熱血王子。で、こういう時って何か仕掛けとかあるけど、そんな状態で何をしてくれるのかな?」 王子の体からは、妙な動きをしたら即座に手首を切り落とすという気配が滲み出ていた。 「いやなに」 刀を突きつけられた手と反対側の手を、弱々しそうに王子の上空に向ける。 「君が放送で呼ばれたとき安心したいからさ!」 王子が空から落下してくる人影に気をとられたその一瞬、 最速の人は空に伸ばしていた手で王子の足首を、力の限り引っ張る。 「なッ」 「ふぬぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおお!」 ゆっくりと体が傾いていく王子に、落下していたウッカリデスが直撃する。 そのあまりの衝撃の余波で、王子の周囲に巨大なクレーターが生まれていく。 ここに来て、中央で仰向けに倒れる王子の顔が、初めて苦痛の色に染まった。 (今しかない!) 最速の人は体に鞭打って立ち上がると、落下してきたウッカリデスの所まで走り彼を背負う。 背負ったウッカリデスの顔は見えないが、助けてくれた人物をこのままにしてはおけない。 「今のうちに逃げるんだ」 「!」 差し出された手に一瞬怯えたロリスキーだが、このままここに居る方が危険だと判断したのかその手を握り返す。 クレーターの中央で三人を見つめる王子を尻目に、ロリスキー達はその場から立ち去っていった。 「やれやれ、これはちょっと動けないなぁ」 空を見上げる王子の顔は、新しい玩具を手に入れた子供のように愉快そうだった。 【深夜】【G-7 市街地】 【熱血王子@漫画ロワ】 【装備:『破棄すべき全ての手』】 【所持品:支給品一式(確認)】 【状態:健康】 【思考・行動】 基本:手首を狩る 1:とりあえず休む 2:休憩したらまた獲物を全力で獲物を探す ※銀目銀髪の高町なのはの顔に、ウルトラマンレオの体、声は赤木しげるです ※【『破棄すべき全ての手(リスト・ブレイカー)』@漫画ロワ&誤爆スレ】  一話で二人の人間の手首をはねた逸話に由来する宝具。真名を解放しながらの攻撃は、全て手首を斬り飛ばす一撃となる。  ちなみに外見はfateのルルブレ。存在は誤爆スレと漫画ロワ毒吐きを見て作者が勝手に作った 【深夜】【G-7 市街地外れ】 【クールなロリスキー@漫画ロワ】 【装備:江頭2:50のタイツ@漫画ロワ】 【所持品:支給品一式(未確認)】 【状態:疲労、軽い恐慌状態】 【思考・行動】 1:とりあえず最速の人と一緒に逃げる 2:死にたくない、怖い 3:怖い ※上半身裸の柊かがみです ※何故か不死身です 【ギャルゲロワ版最速の人@ギャルゲロワ】 【装備:鉄扇@ギャルゲロワ】 【所持品:支給品一式(確認済)】 【状態:所々に切り傷。かなりの疲労。股間がガビガビ】 【思考・行動】 1:とにかく逃げよう! 2:褌を洗いたい! ※まんまハクオロです ※違う意味で最速です(すでに何度か果ててます) 【忘却のウッカリデス@アニロワ2nd】 【装備:ゼロの仮面(蝶高性能)@アニロワ2nd】 【所持品:なし】 【状態:気絶中】 【思考・行動】 1:気絶中 2:様々な仲間を集める ※【ゼロの仮面(蝶高性能)】 銃弾から魔法、科学兵器、核に至るまで全て防いでしまう恐ろしい仮面。 ただし、守れるのはあくまで首から上だけに限られている。 ちなみに、視界は蝶良好で酸素の補給も問題なく出来る。 その代わり、一度装備すると死ぬまで外せない。 |072:[[俺の容姿]]|投下順に読む|074:[[dddddddd]]| |072:[[俺の容姿]]|時系列順に読む|075:[[希望と絶望のサイボーグ]]| |055:[[ロリスキーはクールに怯える]]|熱血王子|093:[[無題(1443)]]| |055:[[ロリスキーはクールに怯える]]|クールなロリスキー|094:[[諸君、私はかがみんを苛めるのが大好きだ]]| |055:[[ロリスキーはクールに怯える]]|ギャルゲロワ版最速の人|094:[[諸君、私はかがみんを苛めるのが大好きだ]]| ||忘却のウッカリデス|094:[[諸君、私はかがみんを苛めるのが大好きだ]]|
NdG5hiFT6氏こと【忘却のウッカリデス】は、現在緊急事態に陥っている。 下手すれば登場話で死亡してしまうくらい危険な状況だ。 このままでは、ズガンよりも扱いの酷い、登場したときには既に死んでいたという事態になりかねない。 ちなみに彼の頭の中では、走馬灯の代わりにスーツを着たイタリア人が、丁寧に額を寄せて説教してくれている最中だ。 「いいかウッカリデス。死亡してしまうと思った時には、既にテメェは死亡しているんだ!   俺達が使っていい言葉は一つだけ。「死亡した!」なら使っていい!」 頭の中に浮かんだ嫌な展開に、思い切り首を振る。 (いやいやいやいや! 「死亡した」じゃ余計だめじゃん! つか、なんで死亡前提なんだよッ!) 選択肢が全部同じなんて、ギャルゲぐらいでしか見かけないものだ。や、それ選択でもなんでもないけどな。 ラ○フカードのCMだって正解がちゃんとある。まぁ、トラップカードも混じってるけどさ。 (ええい、俺の視界のどこかに選択肢とか出て来ないわけ!? もしくはライ○カードとか!?) 360度見回すが、そんなもの何処にもありゃしない。現実は非情である。 (お父さん、お母さん。アニロワ2ndのみんな……先立つ不幸をお許しください) とうとう観念したのか、彼は両手を組んで全てに身を委ねた。 説明が遅れたが、現在彼がいるのは上空500m。 ヒモ無し、パラシュートなしの、実にスリリングな空のお散歩中である。 補足しておくと、彼の向かっているのは地面がある方向。 視界の隅で、どこぞの赤いロリコンが、彼に向かってサムズアップしている。 なんだか悔しいので、その幻影に向かって中指を突き立て返す。 そろそろ空の旅も終わる……ウッカリデスはゆっくりと瞳を閉じた。(←目です) ぶっちゃけ、その落下している原因は、彼らしいうっかりが発端なのだが……    ♪   ♪   ♪ 落下する数分前、ウッカリデスは会場に着いたと同時に支給品の確認を始めていた。 もちろん、きなりこんな所に連れてこられて軽い恐怖を覚えたが、名簿を見てそれは吹き飛んだ。 そこには彼にとって仲間とも言える書き手達が名を連ねていたからだ。 これが分かっただけでも、心の安定感はずいぶん違う。 さらに、名簿を見ているうちに、大胆な考えが頭に浮かぶようになっていた。 可能ならば、他のロワの書き手とも協力しようという考え始めていたのだ。 「ちょっと怖いけど、書き手だって同じ人間じゃないか」 男は度胸、何でも試してみるもんさ。と、いい男だって言っていた。 自分だって男だ。今度胸を見せないでいつ見せるか。 「っと、僕の支給品は……おぉ?」 最初に出てきたのは、今の外見に良く似合う代物だった。 「ゼロの仮面って、これ狙って渡されたのかな」 仮面を装着し、ウッカリデスは身に纏っていたマントを翻して華麗にターンを決める。 そこ立つ姿はまさに、アニメの中のゼロそのもの。 彼の容姿は、ルルーシュ=ランペルージュとなっていたのだ。 「ま、さすがにギアスとかは使えないっぽいけど」 先ほど仮面に反射した瞳を見たが、例の模様は入っていない。 安堵しつつも、少しだけ残念だとウッカリデスは心の中で呟いた。 あの能力があれば、生き残る確立もグンと上がる。 アニロワ2ndだったら修正要請が飛んできそうだが、ここならきっとそんな事はないだろう。 「あとは……なんだこりゃ」 最後に出てきたのはCDよりもやや大き目なディスクだった。 「説明が書いてある。えっと、マン・イン・ザ・ミラー?」 付属されてた説明書には長々と文が書かれていたが、要約するとこんな事だった。 【マン・イン・ザ・ミラー(0)】 当てた相手と位置を入れ替える。 足元に自分以外しか踏めない、鈍足状態にさせる罠を仕掛ける。 「……う~ん」 ディスクの表裏を眺めながら、ウッカリデスは溜め息をついた。 結局、支給品の中からは武器らしきものが一つも見つからなかったのだ。 「唯一の当たりはこれかなぁ」 呟きつつ、被っていた仮面を軽く小突く。 説明書に寄ると、非常に頑丈な素材で出来ているらしい。どんな魔法も衝撃も無効にすると書いてある。 ようするに、頭に装着する防弾チョッキのような物だ。 「ま、これ被ってたら他の人たちを怖がらせちゃうから、普段は外し――あれ」 仮面を外そうとするが、どういう仕組みなのかしっかりと首に固定されて外れない。 さらに強い力で引っ張っても剥がれず、着脱用のボタンも見つからない。 困ったウッカリデスは、両手で剥がそうと、手に持っていたディスクを放りなげる。 が、それがいけなかった。 「ぅえ」 彼の手を離れたディスクは、ビゅーンという効果音とともに空の彼方へと飛んでいく。 その数秒後、彼の体は一瞬で空中へと移動していた。彼の居た地面では、一羽の鳥が首を傾げている。 「え、な、え、いや、の……」 両手を仮面に当てていたウッカリデスは、そのままムンクの叫びの絵のように頬の部分に手を当てる。 「NOooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooo!!」    ♪   ♪   ♪ 「で、どうするのかなそこの仮面の人」 握った刀を軽く振りつつ、王子は仮面の男を見て余裕の笑みを浮かべている。 対して仮面の男のほうは、未だ前かがみの状態でもじもじしていた。 顔を見ただけでは気付かれないが、すでに股間はガビガビである。 早く褌を洗いたいが、そんな悠長なことをしている余裕も時間もない。 「もちろんその娘を助けるさ。あと、自分の名前は最速の人だ」 左手で股間を押さえつつも、右手はしっかりと鉄扇を握っていた。 そんな様子に、王子はさらに余裕の笑みをこぼす。 「ああ面白い。けど、ちょっとお下品だよね。それにもう飽きてきちゃった……とりあえず」 ロリスキーの手首に当てていた刀を上にずらし、ゆっくりと最速の人の方に構え直す。 「少し、頭を冷やそうか」 「!」 喋り終えるとともに、その切っ先が最速の人の手首を撫でる。 が、それをぎりぎりの所で回避して、お返しにと鉄扇を振り下ろす。 だが、最速の人よりもさらに早く、王子の刀が牙を飛ばしてきた。 「《破棄すべき全ての手》! 《破棄すべき全ての手》!! 《破棄すべき全ての手》!!!」 「くっ、ぐぉッ」 反撃どころか、回避すら許さないその攻撃に、最速の人は着実に傷を増やしていく。 腕。 肘。 耳。 肩。 頬。 膝。 致命傷とまではいかないが、決して大丈夫とはいえない傷が次々に刻まれていく。 「ほらほら、反撃しない……のッ!」 「うぐぅ!」 刀に集中しすぎたためか、腹部まで潜り込んできた王子の膝に気付けず、最速の人は初めて直撃をくらう。 そのあまりの威力に、胃から口まで悲鳴が逆流する。 「おかしいなぁ……。こっちはまだ全力じゃないんだけど、もしかしてもう限界なのかな?」 「ぅ……」 余裕で話す王子に比べ、最速の人は苦しそうに腹部と股間を押さえ、脂汗を浮かべている。 あまりの戦力の差を目の前にして、最速の人は半ば絶望のような物を感じていた。 (せめて、両腕がもっと動けば) ゆっくりと近づく王子を睨みつつ、最速の人は唇を強くかみ締めた。いよいよ一方的な戦いも終わりだ。 と、絶望に染まりつつある光景に一つの希望の光が飛び込む。 次の瞬間、最速の人は強くかんだ唇をゆっくりと開いた。 「最後に……聞かせてくれ。君の名前は?」 「よく聞くような台詞だけど、それを知ってどうするのかな?」 「そこをなんとか」 「王子だよ。熱血王子。で、こういう時って何か仕掛けとかあるけど、そんな状態で何をしてくれるのかな?」 王子の体からは、妙な動きをしたら即座に手首を切り落とすという気配が滲み出ていた。 「いやなに」 刀を突きつけられた手と反対側の手を、弱々しそうに王子の上空に向ける。 「君が放送で呼ばれたとき安心したいからさ!」 王子が空から落下してくる人影に気をとられたその一瞬、 最速の人は空に伸ばしていた手で王子の足首を、力の限り引っ張る。 「なッ」 「ふぬぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおお!」 ゆっくりと体が傾いていく王子に、落下していたウッカリデスが直撃する。 そのあまりの衝撃の余波で、王子の周囲に巨大なクレーターが生まれていく。 ここに来て、中央で仰向けに倒れる王子の顔が、初めて苦痛の色に染まった。 (今しかない!) 最速の人は体に鞭打って立ち上がると、落下してきたウッカリデスの所まで走り彼を背負う。 背負ったウッカリデスの顔は見えないが、助けてくれた人物をこのままにしてはおけない。 「今のうちに逃げるんだ」 「!」 差し出された手に一瞬怯えたロリスキーだが、このままここに居る方が危険だと判断したのかその手を握り返す。 クレーターの中央で三人を見つめる王子を尻目に、ロリスキー達はその場から立ち去っていった。 「やれやれ、これはちょっと動けないなぁ」 空を見上げる王子の顔は、新しい玩具を手に入れた子供のように愉快そうだった。 【深夜】【G-7 市街地】 【熱血王子@漫画ロワ】 【装備:『破棄すべき全ての手』】 【所持品:支給品一式(確認)】 【状態:健康】 【思考・行動】 基本:手首を狩る 1:とりあえず休む 2:休憩したらまた獲物を全力で獲物を探す ※銀目銀髪の高町なのはの顔に、ウルトラマンレオの体、声は赤木しげるです ※【『破棄すべき全ての手(リスト・ブレイカー)』@漫画ロワ&誤爆スレ】  一話で二人の人間の手首をはねた逸話に由来する宝具。真名を解放しながらの攻撃は、全て手首を斬り飛ばす一撃となる。  ちなみに外見はfateのルルブレ。存在は誤爆スレと漫画ロワ毒吐きを見て作者が勝手に作った 【深夜】【G-7 市街地外れ】 【クールなロリスキー@漫画ロワ】 【装備:江頭2:50のタイツ@漫画ロワ】 【所持品:支給品一式(未確認)】 【状態:疲労、軽い恐慌状態】 【思考・行動】 1:とりあえず最速の人と一緒に逃げる 2:死にたくない、怖い 3:怖い ※上半身裸の柊かがみです ※何故か不死身です 【ギャルゲロワ版最速の人@ギャルゲロワ】 【装備:鉄扇@ギャルゲロワ】 【所持品:支給品一式(確認済)】 【状態:所々に切り傷。かなりの疲労。股間がガビガビ】 【思考・行動】 1:とにかく逃げよう! 2:褌を洗いたい! ※まんまハクオロです ※違う意味で最速です(すでに何度か果ててます) 【忘却のウッカリデス@アニロワ2nd】 【装備:ゼロの仮面(蝶高性能)@アニロワ2nd】 【所持品:なし】 【状態:気絶中】 【思考・行動】 1:気絶中 2:様々な仲間を集める ※【ゼロの仮面(蝶高性能)】 銃弾から魔法、科学兵器、核に至るまで全て防いでしまう恐ろしい仮面。 ただし、守れるのはあくまで首から上だけに限られている。 ちなみに、視界は蝶良好で酸素の補給も問題なく出来る。 その代わり、一度装備すると死ぬまで外せない。 |072:[[俺の容姿]]|投下順に読む|074:[[dddddddd]]| |072:[[俺の容姿]]|時系列順に読む|075:[[希望と絶望のサイボーグ]]| |055:[[ロリスキーはクールに怯える]]|熱血王子|093:[[無題(1443)]]| |055:[[ロリスキーはクールに怯える]]|クールなロリスキー|094:[[諸君、私はかがみんを苛めるのが大好きだ]]| |055:[[ロリスキーはクールに怯える]]|ギャルゲロワ版最速の人|094:[[諸君、私はかがみんを苛めるのが大好きだ]]| ||忘却のウッカリデス|094:[[諸君、私はかがみんを苛めるのが大好きだ]]| ----

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