お見送り

【咲】
はぁ…とんでもない事に…なっちゃったなあ…

明日から能力をコントロールする
カリキュラムを、一週間受けなきゃ
いけないなんて…

ん?

【邑神】
!里羽さん。
社長の話は終わりましたか?


【咲】
邑神さん…


【邑神】
…話は聞いてます。
大変な事になりましたね…。

自分の意思と関係なくAAAに入るよう強要
されるなんて…

【咲】
…ハイ…もう、どうしていいやらで…
このAAAって組織の事ですら寝耳に水な
話でしたし…

くよくよしてたって、しょうがない
んでしょうけど…

……

【邑神】
一週間、期間が与えられたんですよね?


だったら大丈夫。
望みはありますよ。


【咲】
え?


【邑神】
俺の関わっている部署が、ψシステムに
関連する所なんで、貴方のログの、能力を
発揮した部分を見せてもらったんですが…


貴女が、ご自分の意志で力を発揮した時、
大臣の娘さんの為に、かなりの集中力が
発揮できていましたよね。


その時の貴女は、かなり切羽詰まっていた
はずです。
ご友人の命に関わる事態だったんですから。

人の体って言うのは、殊に生命の危機に関わる
事となると、データ上では予想もつかないような
結果を発揮する事が多々あるんです。

…今回の場合は、友人でなく、貴方自身の
命にかかわる事態なんです。
脅しているようで申し訳ないんですが…

人の為にあんな奇跡をおこせた貴女なら、
自分自身の為にだって起こせるはずですよ。
自信を持ってください。


【咲】
はぁ…そういうものなんでしょうか…?

【邑神】
俺もできる事…まぁψシステムについて突っ込んだ
事をお教えすること位しか手伝えませんが…
知りたい事があるなら…

ここのシステム開発部に訪ねてきてください。
昼以降は必ずそこに俺はいますから。

この状況では難しいでしょうが、なるべく
気負いこみすぎないようにして…
頑張ってください。

【咲】
あ、ありがとうございます!!
邑神さん!!

【邑神】
…あ、あと…俺の事は邑神でいいです。
俺のが貴女より年下ですし…敬語も使われると
なんだか申し訳ないというか…

【咲】
そうですか…?じゃあ、邑神くん…て
呼んでいいですか?…あ、じゃなくて
いいかな?こう?

【邑神】
…そうですね、その方が俺の方も気が楽です。

【???】
はいはいそこ!!ストップストーップ!!

【邑神】
うわ!矢真田さん!!

【矢真田】
おい!!邑神!!お前なに抜けがけしようと
してんだよ!!

咲ちゃんは俺が先に目ぇつけたんだかんな!!
しっ!!しっ!!

【邑神】
抜けがけって…単にこれからの事について
助言してただけじゃないですか。

俺をアンタみたいな、思考が下半身と直結
してるような人間と一緒にせんでください

【矢真田】
ちょ…!!おま…!!女の子の前で何ちゅう事を…!!
そ、そんな事ないぞう!!

男の行動のほとんどは、下半身の事情と直結
してるって、兄ちゃんも言ってたし!!

【邑神】
須月さんがそんな事言ってたんですか?!
あの人すごいストイックそうに見えたのに…
なんかショックだな…

【咲】

最終更新:2008年10月27日 01:37