操縦適性検査

一般幹部候補生三次試験、操縦適正試験


実際に航空機(T-7練習機)の後席に搭乗して実施され、基本的な操縦を行うことによって操縦適性を検査される。
飛行検査は試験3日目以降4回(CP-1~4)実施される。

実施科目

まずCP-1(1回目のフライト)で、基本的な操作方法を体験できる。
操縦桿やトリムを実際に動かし、機体がどのように動くのかを受験生が把握するためのもので、検査科目ではないと思われる。
また、以下の旋回科目は、すべて左右に1回ずつ実施する。

上昇旋回
 上昇姿勢を維持した状態で、旋回を実施する。
 コクピットの羅針儀や姿勢指示器は隠されているので、自分で目標を設定しなければならない。
 ポイントは、速度とバンクをなるべく一定に維持すること。
 なお、上昇姿勢は前席の検査官が設定してくれるので、検査は上昇姿勢の状態で開始される。
上昇姿勢からのレベルオフ[水平飛行への移行]
 上昇旋回が終了後、そのまま続けて実施される。
 検査官からレベルオフ高度を指定されるので、その高度で水平飛行に移行する。
 パワーを落とす、トリムをセットするなどの手順があらかじめ指定されている。
 ポイントは、いかにスムーズに手順が実施されているか、また指定された高度に合わせられているかという点である。
普通旋回
 左右に水平にバンクで旋回する、普通の旋回。
 上昇旋回や降下旋回と違い、検査官の指示があるまで旋回を続ける必要がある。
 ポイントは、高度とバンク角を維持することである。
急旋回
 CP-2から実施される科目。
 バンク角が急であるため、高度が落ちやすいので注意が必要。
降下旋回
 上昇旋回とは異なり、水平飛行の姿勢から検査が開始される。つまり受験生はまず機体を降下姿勢で安定させ、その後目標を設定し、旋回を行う。
 ポイントは上昇旋回と同じで、速度とバンクをなるべく一定に維持することと、できるだけ正確に旋回することである。
降下姿勢からのレベルオフ
 降下旋回終了後、そのまま続けて実施される。
 要領は概ね上昇姿勢からのレベルオフと同じであるが、トリムの操作やパワーの増加など、操作は異なる。


筆者注:試験の公平性の観点から、具体的な数字は省略しています。実際にはトリムや、パワーの数字は指定されています。

受験にあたって

 これはあくまでも「適性検査」であり、前もって特殊な技能や知識を必要とするものではありません。そのため特に事前の準備は必要ありません。しかし、営内という不慣れな環境に一週間近くおかれるため、体調を十分に整え望まれることを推奨します。
 朝5時半起床、6時に朝食をとった後そのまま飛行検査という場合も存在します。
「寝不足で十分な集中力が発揮できなかった。」
では大変もったいないので、普段生活リズムが乱れている方は各自見直しましょう。

 初日に配布される教本に、各飛行検査の操作手順などが記載されています。CP1までに繰り返し読み、体に叩き込みましょう。実際の景色や操作感覚は飛んで見ないとわからない所がありますが、操作手順の記憶は陸で準備しておくべきものです。
「重たい飛行機がなぜ空を飛ぶのか?」
「飛行機がどうやって進行方向を変えるのかがわからない。」
といった基本的事柄に疑問点がある場合は、事前に勉強してから行くとスムーズだと思います。それでも必須というようなものではなく、わからなければ質問すれば検査官は丁寧に説明してくれるでしょう。

また、各検査科目は実施前に検査官による展示の後練習、検査の順に実施されます。
実施の詳細についてはリンク参照航空学生ガイド

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最終更新:2018年08月08日 12:45
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