M9バヨネット(M9 bayonet)は、アメリカ軍で使用されているM16系統の自動小銃に装着する銃剣。 M16A2の採用にあわせて1984年にM7バヨネットの後継として採用された。 発明家でありアメリカ軍の兵器やゴルフパターの設計で知られるミッキー・フィン(Mickey Finn)によってデザインされた。325,000本がアメリカ軍へ正式納入された。主な生産はバック社、フロビス社、オンタリオ社等。

本モデルの影響は大きく、NATO軍も類似したデザインの銃剣を採用しただけではなく、違法にコピーされたものが民間に多く出回り、本モデルにインスパイアされた類似したナイフが多く生産された。

大規模な火力を持つ兵器を用いた近代戦において、近距離で将兵が入り乱れるような戦闘は非常に限定的であり、近年、銃剣を用いての接近戦は非常に限定的なものになっていた。アメリカ軍においても、銃剣の持つ役割の比重は段々低下していた。M7バヨネットは短い刃を持ち最低限の刺殺性能を持つ簡素なモデルが採用され、銃剣が使用されるのは銃弾が尽きた後の最終的な手段や、式典などの儀礼的な場合に着剣されることが想定されていた。 そのためM9バヨネットでは、使用頻度が低下した銃剣を銃の先に付けて使用するためだけに携行するのではなく、野外活動に伴う様々な目的に使用できるようにいくつかの用途を付随して用いられることを想定して設計され、M9MPBS(多目的銃剣システム)とも呼ばれる。通常の大型のナイフとしての使用に加え、鞘と組み合わせて鉄条網などの鉄線を切断するためのワイヤーカッターの機能の他、栓抜きとして使用できるヒルトを持ち合わせている。
最終更新:2008年05月08日 04:20
添付ファイル