49話


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「だ、誰だ!?」
返事の代わりに、洞窟の中から出てきたのは人間だった。
金色の瞳に肩までの長さの赤い髪を揺らし、獣の皮で作った服を身に着けている女の子だ。
「こんなにも簡単に引っかかってくれるなんてね。拍子抜けした」
「何が目的だ!金か?装備か?」
「そんな物なんかじゃない・・・・・・命だよ!」
「何だって!?」
「一族みんなの敵・・・・・・覚悟しな!!」
そう言って女が足を踏み出そうとした瞬間だった。
「悪いけど、俺達はまだ死ぬわけにはいかないんでな。そいつは勘弁してくれねえか?」
どこからか現れたアリウスが女の首に短剣を突きつけていた。
「アリウス!無事だったの?」
「ああ、レオンが教えてくれたんでな。なんとか逃げることができたよ」
「ふう、危ない危ない。アリウス、助かったぜ」
「ああ、なんとかなってよかったよ。さて、どうする?」
「くっ・・・・・・殺すならさっさと殺せばいいじゃない!!」
「ちょっと待った、まず俺達を狙った理由を教えてくれてもいいんじゃないか?」
「理由ならあんたたちが一番知ってるだろう!?あたしの故郷を・・・・・・シュラムを滅ぼした悪魔達め!!」
「なっ、シュラムだって!?」
「ルーク、知ってるのか?」
「お前も知ってるぜアリウス。なにせ今朝話したばかりの事だ」
「今朝って・・・・・・まさか!?」
「そう。『支配者』に滅ぼされた里だ。でもまさか、生き残りがいたなんてな・・・・・・」
「・・・・・・?さっきから何を言ってんだい、あんた達がその悪魔達・・・・・・」
「それは誤解だ。俺達はただの人間だよ」
「嘘だ!だってあんたたち、魔具もなしに魔法を使ってたじゃない!」
「ああ、これのことか?」
そう言ってアリウスは召喚印を描き、ウェンディを呼んだ。
『先ほどから少し様子を見させてもらった。女よ、この者達は敵ではない。信じてもらえないだろうか?』
「これは・・・・・・!!あたし、勘違いして・・・・・・」
「信じてもらえてよかったよ。とりあえず、俺の仲間を解放してもらってもいいか?」
「ああ、分かってる」
女の子が指をパチンと鳴らすと、俺達にかかっていた重力がスッとなくなった。
「ふう、助かったぜ」
「うう~、長いこと地面に押し付けられてたせいで体が痛いよ・・・・・・」
「よし。んじゃ詳しい話を聞かせてもらってもいいかな?」
「ああ、あたしは構わないよ」
俺達は一旦洞窟の外に出て、落ち着ける場所で座り込んだ。女の子は少しずつ話し始める。
「あたしはリーム。さっき言った通り、シュラム村の唯一の生き残り」
「それがどうしてここに?シュラム村は確かフレイグォーゼの村だろ?」
「それも言った通り、敵討ちのためさ。村のみんなのね」
「リームちゃんでいいかな?辛いかもしれないけど、村が滅ぼされた時の様子を教えてもらってもいい?」
「呼び捨てでいいよ。そう・・・・・・昼頃だった。あたしには弟がいてね。その弟が病気で寝込んじまってて、それによく効く薬の材料を取りに村はずれまで行ってたんだ。そこから戻ったとき、あたしは目を疑ったよ。村のみんながそこに血を流して倒れてて、家もほとんど全部燃えちまってたんだから。それから必死に弟を探したよ。家の中にはいなかったし、倒れてもいなかったから。しばらく村中探して回ったら、弟があたしを呼んだ。無事だったんだ。そう喜んでそっちに走っていこうとした時、あの子は・・・・・・!!」
『目の前で・・・・・・殺されたのだな』
「ああ・・・・・・黒い稲妻に包まれて、全身を焼かれて」
「そうだったのか。よく話してくれた。な、アリウ・・・ス・・・?」
アリウスの方を見ると、アリウスが青ざめた表情をして驚いていた。それだけじゃない。アルルも全く同じだった。
「リーム、よく思い出してくれ!!その黒い稲妻を撃ったのはどんなやつだった!?」
「よくって言われても・・・・・・思い出せるのは黒い羽と角に、濃い緑色の髪の毛くらいだね」
「!?アリウス、じゃあやっぱり・・・・・・!!」
「ああ、間違いない!」
「何だ何だ?アリウス、アルル。まさかそいつを知ってるのか?」
「知ってるどころじゃねえ・・・・・・関係大アリだ」
アリウスは真剣な表情をして一言、こう言った。
「そいつは・・・・・・アルルの両親を殺したやつと同じやつだ」





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