39話


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                                         視点変更~アリウス視点~

「さあて、それじゃ行くかレオン」
「ワフッ」
 俺はあれからルーク達のいた宿を離れ、街の隅のほうでひっそりと眠った。
あの時間から街の外に出るのには無理があったし、他の宿などに泊まればすぐルーク達に見つかる可能性もあったからだ。
「ミーティアさん、次の力とその場所を教えてもらえますか?」
「わかりました・・・・・・おや、あなた1人ですか?ルークとアルルはどこに?」
「いえ、あいつらとはこれでお別れです。あとは俺だけで」
「なっ・・・・・・急にどうしたのですか、アリウス」
「なんでも・・・・・・ありませんよ」
「なんでもないわけないでしょう!!一体何があったのですか?」
「あなたには・・・・・・関係のないことです」
「いいえ、関係ないことはありません。私はあなた達全員を見守る義務があります!」
「義務・・・・・・?それじゃこれも命令だって言うんですか!!」
「違います!私はただ・・・・・・」
「違いませんね!所詮あなたは命令に従い、そのお情けで俺達の補助をしてくれているに過ぎないんだ!それにあいつらは関係ない。決まりを破ったのは俺だけだ!アルルは俺を追いかけてきただけだし、ルークはなおさらだ。あいつは元からこの世界の人間じゃないか!俺と一緒にいる必要はない!!」
「・・・・・・わかりました。次の力は貴方の力である『クリスタル』。場所はここからしばらく南東に進んだ所です。」
「ありがとうございます。俺がそこに向かうことはくれぐれもあいつらには言わないでおいて下さい」
「・・・・・・ええ。アリウス、最後にひとつ、質問です」
「なんですか、ミーティアさん」
「あなたは今、悲しみと孤独に満ちた目をしています。本当にその決断でいいのですね・・・?」
「男に・・・・・・二言はありません」
俺は空に向かって背中越しに手を振り、街を出た。
それから10分ほど経過したころ―――
                                          視点変更~ルーク視点~
「アルル、いたか~!?」
「こっちはダメ。ルークの方は?」
「見ての通りさ。やっぱりとは思ってたが、もうこの街にアリウスはいない・・・・・・か」
昨日の夕方、アリウスの手紙を読んでから俺達は街を探したが、すぐに暗くなってしまったために十分な捜索をできなかったのだ。
 そして今日、アルルと二手に分かれて捜索を続行し現在に至る。街中を隅々まで探したが、結局アリウスはどこにも見当たらなかった。
「街の中にはいないってことは・・・・・・」
「やっぱり、手紙の通りに旅を続けるってことなのかな・・・・」
「旅、か。力を全て取り戻す旅、だったか・・・・・・」
お前は力さえ取り戻すことができれば十分なのかよ、アリウス・・・・・・。
「あっ!そうだよ、力を取り戻しに行くんなら次の力の場所を聞く必要があるじゃない!」
「それなら話が早いな。アルル、早速ミーティアさんを呼んでくれるか?」
「うん!お師匠様、答えて下さい・・・・・・」
すると、いつもの通りに空から声が聞こえてきた。
「・・・・・・アルル、どうしましたか?」
「お師匠様、今日か昨日にアリウスが次の力の場所を聞いてきませんでしたか?」
「・・・・・・ええ、聞いてきましたよ」
「よし、ビンゴ!早速その場所を教えてくれ、ミーティアさん!!」
「ダメです。その場所を教えることはできません」
「なっ!?」
「そんな!どうしてですかお師匠様!?」
「私は彼に堅く口止めされているのです、あなた達に俺の行き先を決して教えるな、と」
「そりゃねえだろ!今追いつかなきゃ次はいつ会えるかわからないんだ、教えてくれミーティアさん!!」
「いつ会えるか、ですか・・・・・・。彼はもうあなた方には会いたくないような口ぶりでしたが?」
ミーティアさんの言葉には何か冷たさとトゲがあった。
「心当たりはあるのでしょう?それで傷つき、アリウスは1人で行くなどと言った。違いますか?」
「それ、は・・・・・・」
「違う、それは単なる誤解だ!アルルは悪くないんです!!」
「『違わない』・・・・・・」
「ん?今のは、どういう・・・・・・」
「彼が私に言った言葉です。私も彼を引きとめようとしました。しかし、その言葉で私の言葉は遮られてしまいました。この世界は1人で生きていられるほど甘くはない・・・・・・。アリウスなら大丈夫かもしれません。しかし、それは彼の魔力が完全な状態で備わっている場合です。危険すぎるのは目に見えています。でも、アリウスもそれがわからないわけではないでしょう。それがどんな意味を持つか分かりますか、ルーク」
「それは、あいつが自分の力に自信を持っているからじゃないんですか?」
「残念ながらハズレです。アルル、貴方なら・・・・・・分かりますね?」
そうミーティアさんはアルルに問う。俺はその意味が分からず、アルルに聞こうと彼女のほうを振り向いたときだった。
ポタ、ポタとこぼれ落ちる雫。彼女は目に涙をためていた。アルルは涙をこぼしながらミーティアさんに聞き返す。
「アリウスは・・・・・自分がこの世界で・・・・死んでもいいって思ってる・・・・・・の・・・・・・?」
「・・・・・・その可能性が高いでしょう。その答えから察するに、彼は生きる希望を失ったも同然。
今の彼にとって最も大きい存在はアルル、あなたのはずです。一体何があったんですか?」
そう言われたアルルはすでに泣きじゃくっていた。到底話せそうにない状態なので俺が全てを話した。
「なるほど、そういうことでしたか・・・」
「あいつはバカだ・・・・・・。あんなことで死まで覚悟して出て行くなんて・・・・・・!!」
「ルーク、前言を撤回しなさい。アリウスにとって『大嫌い』の言葉がどれだけ彼の心を苦しめると思っているのです!
 彼は両親を14のころに亡くして、アルルしか心の支えがいなかった。その支えすら壊されたんです、無理もないでしょう」
「あ・・・・・・」
「だからこそ・・・・・・彼を救ってあげて下さい。彼を救えるのは貴方達だけです・・・・・!!」
「ええ、わかってますよ!じゃあアリウスの居場所を・・・・・・」
「申し訳ありませんが・・・・・・それとこれとは話が違います」
「そんな!!まだ何かあるんですか!?」
「アルル、あなたに聞くことがあります」
既にアルルは泣き止んでいた。ミーティアさんの言葉にアルルはゆっくりと顔を上げる。
「聞きたいこと・・・・・・それはあなたの覚悟と決意です。あなたはこれからアリウスを追い、合流できたとして、貴方はそれからアリウスとどうするつもりですか?中途半端な覚悟では、私は彼を追いかけるのを決して許しません。それがあなたにとっての『覚悟と決意』です」
アルルはゆっくりと立ち上がり、空を見ながら、
「私の、答えは・・・・・・」




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