36話


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俺はあれからこれ以上はさすがに危険だと判断し、宿へと戻った。ただし、ある土産付きで、だが・・・・・・。

                                      ――視点変更(ルーク視点)――

「ん・・・・・・」
朝になり、真っ先に起きたのはアルルだった。伸びをして、まだ眠気が残る目をしぱたく。辺りを見回すと、アリウスとルークが眠っていた。
「あ・・・・・・あれから朝まで寝ちゃったんだ。さすがに無理しすぎたかな・・・・・・。でも、アリウスのためだったんだもん。これでよかったんだよね」
そう言いながらアルルはベッドから降りようとする。が、その動きがぴたりと止まるのに時間はかからなかった。何かいる・・・・・・。自分が寝ていた布団の中で、何かがゴソゴソと動いていた。
「な、何・・・・・・これ・・・・・・」
アルルは警戒をしながらも、ゆっくりと布団を持ち上る。
「・・・・・・・!!!!!」
数秒の沈黙が流れる。そして次の瞬間
「・・・・・・っきゃああああああ!!!!」
「な、なんだなんだ!?!?」
「どうしたんだ、アルル!!」
アルルの盛大な悲鳴に、俺とアリウスは叩き起こされ飛び起きた。
「そ、そこ・・・・・・そこぉ!」
アルルが指差しているのはベッドの端のほう。俺とアリウスはその方向へゆっくりと目を向けてみると・・・・・・。
「・・・・・・犬?」
俺はつぶやいた。2つの疑問がすぐに頭に浮かぶ。1つは、こんな小さな犬がどうして宿の中にいるのかということ。そしてもう1つは、なぜ仔犬ごときにアルルがこんな大袈裟に怯えているか、ということだ。
「ああ、忘れてた。この犬、俺が昨日拾ってきたんだよ」
そう言ったのはアリウスだった。話を詳しく聞いたところ、昨日外に出て行った頃にモンスターに襲われたこと、謎の声を聞いたこと、そして、狼を倒した後、その狼たちが出てきた茂みの辺りで、この仔犬を見つけたことを話してくれた。
「・・・・・・とまあ、こういうわけだ」
「なるほどねぇ。ところで・・・・・・」
俺はそう言いながら目配せをする。
「こ、来ないで!来ないでったらぁ・・・・・」
「・・・・・・これはどういうことなんだ?」
これも話を聞いたところ、子供のころに凶暴な犬に追いかけられて、それ以来ずっと犬が怖いのだと言う。ベタとか言うな、そこ。
「なあ、アリウス・・・・・・。こいつ、どうする気だ?」
「ああ、そのことなんだけど。例の狼がいたところにいたってことは、この仔犬も多分狼、しかも魔物だ」
恐ろしいことをさらっと言ってのけましたよ、この人は・・・・・・。
「ま、魔物って・・・・・・!!」
真剣な表情で問いただしてくるアルルだったが・・・・・。
「?・・・・・・ワウッ!」
「!@☆♪○×★!!?」
声にならない声を上げて、とびかかってきた仔犬を避けて、アルルがアリウスの後ろで涙目になって怯える。
「見ての通り、こいつは俺たちに敵意を持ってない。むしろ遊んでほしいって感じだろ?それでちょっと調べたいことがあるんだ。」
「まあ、大体考えがつくけどな。お人よしって言うか何と言うか・・・・・・」
「え?え?」
アルルはどうやら分かっていないようだ。アリウスは立ち上がると俺のほうを向いて言った。
「なら、話が早いな。アルル、ちょっとここで待っててくれ」
「え、なんで?私も一緒に・・・・・・」
「ワフッ」
「ひゃう!?」
「・・・・・・な、分かったろ?すぐ戻ってくるからさ」





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