「・・・・・・きろ・・・・・・起きろ!アリウス!!」
「う・・・・・・ん?」
昨日はあの後アルルが宿を取ってきて、そのまま俺達三人は宿屋へ向かった。そして、今は寝坊している俺を二人が起こしてくれているようだ。
「やっと起きたか。そろそろ行かなきゃ間に合わなくなるぜ」
「アリウス、眠いかもしれないけど起きて。もう行かなきゃならないの」
「ああ・・・・・・ごめん。行こう」
身支度をして、俺達はサレッドを出た。
「長旅になりそうだな。これじゃあしばらく元の世界には帰れそうもないぜ・・・・・・」
「そうかもな・・・・・・。二人とも、両親と離れ離れにされてるんだろ?」
その言葉をルークが言うと、俺達は少し苦い顔をした。
「ん?どうした?」
「・・・・・・俺達にはもう、両親がいないんだ」
「・・・・・・・」
「そんな!二人とも!?両方の親がいないだって?」
「ああ・・・・・・。俺の両親は不慮の事故で亡くなった。アルルの両親は・・・・・・」
「・・・・・・殺されたの」
「だっ・・・・・・誰に!!」
「名前はまだ言えないけど・・・・・・人間じゃ、ないの。魔族の者としか言えない・・・・・・」
「・・・・・・悪かった」
「別に謝る必要はないさ。ルークが謝ってくれたところで両親が生き返るわけじゃない。気にするなって」
「ああ。でも、ごめん・・・・・・」
そんなことを言っているうちに、魔物が俺達の前に現れた。
「やっぱり出たか・・・・・・。戦うぞ、アリウス、アルル!!」
「ああ、分かってるさ!!」
魔物は3匹。丁度俺達も三人なので、1人1匹と戦うことになった。
「甘いっ!!円陣舞!!」
ルークは魔物の攻撃をかわし、円陣舞で切り裂いた。
「この魔物、そこまで強くないぞ!簡単に倒せる!」
「わかった!炎の力、見せてあげるよ!!『ファイアー・ボール』!!」
その名の通り、大きめの火の玉が敵を包み込み、燃え上がらせた。こちらも一撃だ。
「!?俺のは弱くないぞ!!」
俺が戦っている魔物だけ、二人の戦っていた魔物より一回り大きく、力も強かった。
「手伝おうか?アリウス。」
「いや・・・・・・必要ねえよ。風の力よ、我が右腕に宿れ!!新技行くぜ!『烈神衡(レッシンコウ)』!!」
風の力を宿した掌底(手を開いたまま指と指の間を閉じ、手のひらを相手に向けて手を真っ直ぐ押し出す攻撃)を相手に喰らわせた。普通の掌底とは違い、風の力を使っているので威力が高く、相手をより遠くに吹き飛ばすことができる。相手が吹き飛んでひるんでいる隙に、俺は短剣で魔物を切り裂き、体に深く短剣を刺した。
「ふう・・・・・・倒したな」
「さすがに三人ともなると戦闘が楽になるな、俺とアリウスだけじゃいまいち人数不足が否めなかったが・・・・・・」
「そうだね。私もこれからは戦えるようになったし」
そう言っている内に、再び俺達の前に魔物が現れた。
「んな!?また魔物かよ!!」
「この辺りは魔物が多いんだよ!!戦うぞ!!」
結局魔物が大量に現れたため、俺達は船着場に間に合わず野宿することになってしまった・・・・・・。
最終更新:2009年05月27日 22:43