9話


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 次の日、俺達は宿を出てサレッドをうろついていた。
「あの言葉の意味・・・・・・わかったか?」
「さあ・・・・アリウスはどうなんだ?」
「俺もさっぱり・・・・・・一体どういう意味なんだか・・・・・・」
結局、昨日一晩中考えていたのだがあの言葉の意味が全くわからない俺達であった。
「時間をかけて考えるしかない、か・・・・・・」
「そうだな・・・。ところでアリウス、こんな時にとは思うんだけど、もう一度風の力を使ってみてくれないか?」
「ん?別に構わないけど・・・・・・?」
そう言うと俺は風の力を使い、強風を起こして見せた。
「お、涼しいな・・・・・・」
「これくらいでいいか?ルーク」
「ああ、ありがとう。でも、やっぱりアリウスはすごいな。魔力を使えるなんてさ」
「え?こっちの世界にも魔法を使うやつなんて何人もいるだろ?」
「確かに、魔法を使うやつはいるさ。魔玉(マガン)によって使う魔力ならな。」
「魔玉・・・・・・?なんだそれ?」
そう聞くとルークは、この世界の新しい情報を教えてくれた。
 この世界には天然の鉱物として魔力が球状に結晶化した「魔玉」というものがあり、それを装着した武器、防具を「魔具(魔法器具の総称)」と呼んでいる。
そして大きな街や国には「大魔玉」があり、それが燃料の役割を果たし、人々を助けているそうだ。
「でも、それらは全て人工的に作られた魔力。魔玉は直接使うとすぐ砕け散ってしまうんだ。だから人工的に改良するしかない。
でもアリウスの場合、魔具を使ってないだろ?天然の魔力は、人工の魔力よりも何倍も上の威力を発揮するらしい。
しかも、この世界には「魔導士」なんてやつは一人もいないんだ。つまりたった一人、アリウスだけが天然の魔力使いなんだよ」
「そうなのか・・・・・・。俺の世界にはあと二人魔導士がいるけどな。魔玉なんてものはないけど」
「へえ、あと二人も魔導士がいるのか!一体どんな人達なんだ?」
「一人はお前も知ってる人だよ。お前が俺以外に唯一知ってる千年前の人物がな」
「・・・・・・俺がアリウスの他に知ってるアリウスの世界の人??」
「・・・・・・俺をここへ飛ばしたのは誰だ?」
「あっ・・・・・・!」
そう、二人目の魔導士はミーティアさんだ。もちろん、俺をこの世界へ飛ばすときも魔力を使った。彼女が使う力は「時」の力だ。
ただし、ミーティアさんは攻撃型の魔導士ではなかったため、時の力と言っても時空間移動しか使えなかった。
「じゃあ、三人目は?」
「ああ、三人目は俺の・・・・・・」
 そう言いかけた時、正面の方が騒がしいことに俺達は気づいた。ちょうどサレッドの中心街の方だ。
「何かあったのか・・・・・・?」
「さあ・・・・・・魔物でも出たんじゃないのか?」
「なら、また前のときみたいに倒さなきゃ危険じゃないか。行こうぜ」
人だかりが出来ているところへ向かう俺達。すると、人が集まっている中心で声が聞こえた。
「放してよぉっ!私何もしてないのにぃ!!」
「・・・・・・え?」
その声に違和感を持つ。その声が聞こえた瞬間、俺は人だかりに向かって全速力で走っていた。そして人ごみを掻き分けて進むと、
ついに中心にたどり着いた。そして、さっきの声の主を見つけた。
 白い服と青いスカート、後頭部で束ねられた髪。ほどけば背中まではありそうな綺麗で長い茶髪だ。
そして宝石のように深く澄んだ青い瞳の女の子、ってこれは・・・・・・!!
「んなぁ!?!?ア・・・・・・アルル!?」
そう背後から叫ぶ俺の声に、少女はこちらを向く。同時に、後ろから俺を追いかけてきていたルークも俺のところに追いついた。
「へ・・・・・・?アリウス・・・・・・?」
「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・一体どうしたんだよアリウス・・・・・・」
「アリウス・・・・・・アリウスぅ!!」
俺の名前を呼ぶと、少女は泣き出した。俺はこの少女を知っていた。知っているどころではない、俺の世界に置き去りにされた、俺の恋人だった。



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