6話


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 扉を開けると広い部屋に出た。部屋が明るかったので、ルークがたいまつを消し、二人で辺りを見回す。すると、部屋の奥に薄い緑色の生き物がいた。
「アリウス、あれが・・・・?」
「ああ・・・。間違いない、風の力だ」
その姿はまるで龍のような形をしていた。俺の力は通常は力のみを借りて使うものだが、一つ一つの力を龍の形で「召還」するということもできた。
ただし、世間一般で想像する龍とこの龍はかなりかけ離れていることだろう。
体が長いのは同じだが鱗がなく、顔に当たる部分はすらっと細くなっている。牙などはない。
俺は・・・・・・確かにその姿に見覚えがあった。
『お前達も私を倒しに来た者か・・・・・・』
「しゃ、喋った!?」
「ああ。魔導士の中でも俺だけが使えた特性なんだ。俺が持ってる全ての力は、それぞれが個別に意志を持ってる。
でも、あの話し方だと、風の力は俺のことを忘れてしまっているらしい・・・・・・」
これでミーティアさんが言っていたことの全てがわかった。「それぞれの力と戦い、勝ち、従えなさい」これは俺の力が俺たちの記憶を失っているということ。
だから、倒して思い出させるしか方法がないのだろう。俺とルークは武器を構えた。
『哀れな・・・・・・。行くぞ、若き者達よ!』
風の力は読んで字のごとく風を切るような速さでこちらへ向かってきた。
「行くぞ!ルーク!!」
「ああ、油断するなよ!!」
                                      ~ENEMY 風の龍~
 そして、数分が経過した。風の力は動きが早く、ロクに攻撃が当たらない。しかし、俺達は大きいダメージを受けていた。
鎌鼬による斬撃に翻弄されてうまく近づけない。目もかすれて見えてくる。
「くそ・・・・・・強い!!」
「やっぱり、勝てないのかよ・・・・・・!」
「諦めるな、アリウス!!諦めたらそこで終わりだろ!元の世界に帰るんだろ!?」
「!!・・・・・・ああ、そうだな!悪かった!」
「でも、正直そろそろ限界かもな。こうなったら・・・・・・!」
ルークは壁を蹴った。そして剣を持ち、大きく振りかぶった。
「降石岩雷!受けてみろ!!」
大きな岩が降ってくる。俺はなんとかそれをかわし、風の力は岩に潰された。
「・・・・・・やった・・・・・・か?」
何も反応がない。どうやら倒したようだ。俺とルークはホッと息をついた。しかし次の瞬間、ルークは肩を何かに貫かれた。
「ぐ・・・・・・ああっ!!」
「ルーク!?大丈夫かっルーク!!!」
 俺が振り返ると、瓦礫の山のうえに風の力がいた。風は空気だ、岩の隙間など簡単にすりぬけてしまう。
『貴様ら・・・よくもやってくれたな・・・っ!』
どうやらダメージは受けているらしい。龍の体には傷が増え、呼吸は荒かった。その目は怒りが浮かび上がったかのように赤い。
『二人ともまとめて葬り去ってくれるわっ!!』
 龍は力を溜め始めた。すると、体が光り始め、龍の手からなにか光の玉がどんどん大きくなっていく。逃げることはできなかった。
ルークがひざをついてしまっているため、ルークが走れない。しかし、仲間を見捨てるわけには行かない。俺はルークの正面に立ち、風の龍を見据えた。
『ほう・・・・・・仲間をかばうか。使えない仲間など捨てて逃げれば助かるかもしれんものを・・・・・・。哀れな奴め』
「誰が逃げるか!仲間を置いて逃げるならここでやられるほうがましなんだよ!!」
『ならば・・・・・・願い通り貴様から先に葬ってやろう』
龍の手の光が強くなった。
『死ぬがいい!その仲間とやらと共にな!!』
光の玉から光線が放出された。もう、逃げることはできないだろう・・・・・・。
(これ喰らったら、死ぬかもな・・・・・・。でも、しょうがないよ。ルークを放っておけないからな。
ありがとな、ルーク。すごく短い間だったけどさ、十分楽しかったぜ・・・。)
 死を覚悟したその時、俺は服を掴まれて後ろに放り投げられた。
そして肩から血を流し、俺がかばったはずのその剣士は、風の攻撃を俺の代わりに受け、倒れた・・・・・・。



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