3話


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「き・・・消えた・・・?」
「死んだんだよ」
男も魔物を倒した後で、俺に説明をしてくれた。
「死んだら普通死体が残るんじゃないのか?」
「魔物は別さ。人間なら死体が残るがな」
「嫌なこと言うなよ・・・・・・」
「ははっ、悪い悪い。別に脅かすつもりはなかったんだがな」
そういって男は笑った。俺もその笑いにつられて少し笑っていた。
 金髪の短めの髪、水色の瞳、その高い身長に少し古びた鎧を身に着けた男は俺に再び言葉をかけてきた。
「俺はルーク。あんたの名は?」
「アリウス。だけど、魔物なんて初めて見たよ」
「魔物を初めて見た?魔物は世界中にいるのにか?」
「ああ、俺は・・・・・・」
「ん?どうした?」
言っても信じてもらえるだろうか。その不安があったため、俺は言うのを一瞬ためらった。
「言いにくいことなら別に俺は聞かないぜ?」
「・・・・・・いや、聞いてくれるか?えっと・・・・・・」
「・・・・・・ルークだって」
 俺はルークに全てを話した。「決まり」を破ったこと。そのせいでこの世界に飛ばされたこと。俺がこれからしなければならないこと・・・・・。
「・・・・・・というわけ。まあ、信じる信じないはルーク次第だけどな」
「信じるよ。確かに信じがたい話だが、魔物を知らないなんて普通はおかしいし、お前の目がウソをついていないって言ってるしな」
信じる。その言葉を聞いて、俺は少しほっとした。落ち着いたあと、俺はルークに知りたかったことを聞いた。
「そういえば、今セイル歴何年なんだ?この世界」
俺達の世界ではセイル歴という年号を使っている。ちなみに俺達の時代はセイル歴1259年だった。
しかし、セイル歴とこの世界で呼ばれているのかすらわからないこの世界で俺はそのことを忘れ、聞いてしまった。
「ああ、セイル歴2260年だけど?」
「は!?じゃあここって、千年後の世界なのか!?」
本当に驚いた。まさか千年も未来の世界にいるとは思ってもいなかったからだ。正確には1年余計に飛んでいるが。
「マジかよ・・・・・・。まさか俺たちの頃からこんな風になってるとはなあ・・・・・・」
改めて街を見回す。こちらの世界の面影なんて微塵もない。
「じゃあその、千年前ってのはこの世界とは全然違うのかい?」
「ああ、比べ物にならないほど違う」
「ふうん・・・・・・。見れることなら見てみたいもんだな、そっちの世界も」
 ルークと2人でしばらく話していると、さっき逃げてしまった商人や住人たちが戻ってきて、俺達のところへ来た。
「魔物を退治して下さってありがとうございました。少ないですが、よければこれを・・・・・・」
「なんだ・・・・・・これ」
「アリウス、ほんとに何も知らないんだなあ。それはポルテ、お金だよ」
「へえ・・・・・・さすがにお金の種類は千年たてば変わるんだなあ」
お金を受け取ると、人々は再び商売を始め、元の活気が溢れていった。俺とルークは2人で賑わいだした街を歩いていた。
「ところで、アリウスはこれからどうするんだ?」
「さあて、何をすればいいのやら・・・・・・この世界に起きている最も重大なことを解決しろ、って言われたけど・・・・・・」
「ん?なんだ、じゃあ目的は同じじゃないか」
「え?どういうことだよ、ルーク」
 するとルークは真剣な目で話を始めた。
「数年前から、この世界はある魔物に乗っ取られているんだ。そいつの名前はわからないけど・・・・・・。
羽と角を持ち、とてつもない力を使いこなして世界中を荒らしているらしい。俺はそいつを倒す旅をこれからするんだ」
「・・・・・・つまりは、俺もそいつを倒せば元の世界に戻れるってわけか。確かに目的は同じだな」
「お前さえよければ一緒に行かないか?アリウス」
「え・・・・・・?いいのか?」
「いいも何も、こっちから頼みたいくらいだ。さっきの魔物退治で腕も見せてもらったしな」
「ああ!そういうことなら一緒に行こうぜ、ルーク!よろしくな!!」
「こちらこそ、だな」
そう言って、二人で笑った。これから、長い旅になるかもしれない、そう思ったが、もう不安は無くなっていた。
一人だったからこそ不安だったのかもしれない。でも、今は仲間がいる。
日が沈みかけていたので、旅立ちは次の日ということにして、俺達は旅の準備をした。


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