71話


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「うーん・・・・・・この辺りのはずなんだけど」
翌日、僕は昨日の女の子・・・・・・アルルって言ったっけ。彼女と約束した通りにサーカスの場所に来ている。
しかしチラシに載っている地図が分かりにくく、ちゃんとした場所が見つけられずにいた。
『アリウス、ここはあっちの角ではないか?』
「あ・・・・・・そうか。ありがと」
『・・・・・・フッ』
「な、何?急に笑い出したりして」
『あれだけ生気のない顔をしていたと思えば、昨日お前が帰ってきてから様子が一変していた。その理由が何かと思えば。やはりまだ子供だな』
「違うよ。このサーカスに来るのは約束したからで・・・・・・」
『ほう。その相手は?』
「僕と同じくらいの女の子だけど?」
『ふむ・・・・・・アリウスも色気づく年頃になったか』
「え?何か言った?」
『いや、なんでもない。そろそろ行かないと間に合わないぞ?』
「あ、うん。キミは僕の中にいて。何かあった時にすぐに呼べるようにするから」
『了解した』
それから数分して、僕はやっとのことでサーカスの会場へとたどり着いた。
「ここかあ。えっと、アルルは・・・・・・」
「あ、来た!アリウス、こっちだよ~!!」
昨日と同じ元気な声。僕は迷わず声が聞こえたほうに振り返る。
「来てくれたんだね!よかった~」
「・・・・・・約束だから」
「ほう、君が例の男の子かい?」
アルルに会えて安心したのも束の間、その隣から大きな男の人が僕に話しかけてくる。
「タダで私達のショーを見ようなんて、少し虫が良すぎるのではないかな?少年」
「ちょ、ちょっとお父さん!昨日は笑いながらすぐにOKしてくれたじゃない!!」
「アルルは少し黙っていなさい」
「・・・・・・いえ、お金は持ってきました。ちゃんと払います」
僕だってそう都合よくタダでサーカスが見られるとは思わなかったから。父さん、母さん。大切なお金だけど使わせてもらうね。
「えっ?でもそれはアリウスのお父さんとお母さんの!」
「大丈夫、これくらいなら平気だから」
「・・・・・・うむ、君なら大丈夫だな。アルルとの約束通り、君の入場料はタダにしてあげよう」
「え?」
「お父さん・・・・・・もしかしてアリウスを試した?」
「はは、悪かったな。君が最初から入場料をタダにしてもらうためにうちの娘に近づいたのではないかと思ったのでね」
「お、お父さん!?何言い出すんだよ~!!」
2人を見ていると、本当に仲がいいんだなあと思う。僕も父さんや母さんとあれほど仲良くできていただろうか。
「ところでアリウス君。入場料の代わりと言っては何だが、少し手伝って欲しいことがあるんだ。手伝ってはもらえないかな?」
「あ、はい。僕にできることなら・・・・・・」
そう返事をするとアルルのお父さんはニッと笑い、優しく僕の手を握って歩き出した。





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