69話


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「タイミングは合ってるけど力加減がバラバラだ!もっと左手の剣を強く握れ!!」
「くっそ・・・・・・こう、かっ!!」
                                              ギィン!!
「よし、いい感じだ!次の連撃で最後だ、気を抜くなよ!!」
ルークと剣を振るタイミングを合わせ、両手の短剣をぶつけ、その度に甲高い金属音が鳴り響く。
「ここまで。いい運動になったな」
「ハァ、ハァ・・・・・・随分と今回はハイペースだったな」
俺は息を荒げながら仰向けに倒れ、ルークがその隣に座る。
「今までのはアリウスも随分慣れたみたいだったからな。次からはこのペースで行こう」
「うっへぇ。ルーク先生は厳しいこって」
「よく言うよ。しっかりついてきたくせにさ」
「お疲れ様。随分と打ち込んでたみたいだね」
「そっちこそお疲れ。魔物はいたか?」
「とりあえず、ザッと辺りを回ってみたけど今のところはなし。また寝る前になったら見回りに行ってくるつもりさ」
リームはそう言い、俺達の前で同じように腰を下ろした。
「ご主人様、ボクも頑張って探したのです!」
レオンは勢い良く駆け寄り、俺の上に圧し掛かりながら俺の顔面をベロベロと舐めまわす。
「うぶっ、く、ぶはっ!レ、レオンやめてくれ~!!」
「待たせたね、食事の準備ができ・・・・・・何してるんだい?」
「・・・・・・」
「あーあ、顔中ベタベタにしちまって。アリウス、たしか近くに小川があったから顔洗って来いよ」
「ああ・・・・・・行ってくる」
レオンにはもう少し加減をするように言っておいたほうがいいかもしれない・・・・・・。そう思いながら俺は
小川のほとりで膝をつく。川の水は冷たく、ルークとの特訓でかいた汗も流せて気持ちよかった。
「あ、おかえりアリウス。もうアリウスの分も用意できてるよ」
戻ってきた頃にはアルルも支度を終え、皆の所に戻ってきていた。
「サンキュ。それじゃあ、いただきま~す!」
「・・・・・・うん、美味い!腕を上げたんじゃないか?アルル」
「ううん、今日のはアイナさんが手伝ってくれたからだよ」
「へえ、なんか料理とかできなさそうなイメージあるけどな」
「失礼だね。これでも団員にはいつもアタシが飯を作ってやってたからね。これくらい余裕さ」
「団員・・・・・・そういえば、他の団員はどうしたんだ?全然姿を見てないけど」
「基本的には皆自由行動さ。【仕事】がない時は各自好きなことをしてるよ。
 アタシと同じ街出身の団員もいるから先に里帰りしてる奴もいるかもしれないし」
「そりゃ意外だな。いつも行動を共にしてるもんだと思ってたが・・・・・・。それでよく捕まらなかったな」
「いつもは仕事を終えたら『幻』の魔具で目撃者の記憶をあやふやにするからね。あんた達意外は犯罪者の顔は知らないさ」
「犯罪者って言っても、実際はいいことだよね?貧しい人や持ち主に盗んだ物を渡してるんだもん。
 ちゃんと説明すればきっと誰か分かってくれるんじゃ・・・・・・」
「誰のためであれ犯罪は犯罪さ。正義の味方なんて気取るつもりはない。アタシも他の奴らもそれは承知の上だし、弁解や正当化はしないと決めたんだ」
「・・・・・・すごいな。ちゃんとした信念、それに対する覚悟もしっかり持ってる。立派だよあんた」
「これでもこの仕事に誇りは持ってるからね。何ならアリウスもウチに来るかい?」
「魅力的な提案ではあるけど・・・・・・悪りぃ。いずれは帰らなきゃいけない身なんでね」
「そうかい、そいつは惜しいね。さて、食事も済んだし、アタシはそろそろ寝るよ。年寄りに寝不足は辛いんでね」
アイナさんはすっくと立ち上がり、手をひらひらさせながら暗闇の中に消えていった。
「まあ、あれだけ強ければ一人でも大丈夫か。多分そこまで遠くには行ってないだろうし」
「そうだね。まだ寝るにはちょっと早いけど、これからどうしよっか?」
「あ、それならさ。そろそろ聞かせてよ、2人の馴れ初め話」
「なっ・・・・・・何ぃ!?」
「お、賛成。俺もちょこっと興味あったんだよな」
「ボクも聞きたいです!ご主人様とアルルさんのお話!!」
レオンは微妙にズレている気もするが・・・・・・リームの目が輝いている。
これは断ったら後でどんな目に遭うか分からないかもしれない。俺はため息をつきながら
「あー・・・・・・いいか?アルル」
「う・・・・・・うん。リームとは約束しちゃってたしね」
渋々承諾し、話し始めた。





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