66話


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「はあ!?こいつが恩人だって!?」
「リーム!?あんた・・・・・・無事だったのかい!!」
「おかげ様でね・・・・・・久しぶり、アイナさん」
リームはそう言い、嬉しそうに笑った。俺達は目を見合わせ頷き、剣を鞘にしまった。
「ふう、とりあえず船室に行こう。話を聞かせてもらいたいしな」
「そうするか。でもまだ俺はアンタを信用したわけじゃねえからな」
「わかってるよ。アタシだって早く疑いを晴らしたいさ」
こうして俺達は船室に場所を移すことになった。レオンには悪いが床に移動してもらい、全員が椅子に座ったところで俺は口を開く。
「さて、話を聞かせてもらおうか」
「分かってるよ。まず、アタシの目的はここを乗っ取ることじゃない」
「それがまず信じられねえっての。乗客縛って銃で脅して、あげくアルルを殺そうとしてくれたクセになあ?」
「あ・・・・・・それなんだけどね、アリウス。少しおかしい所があるの」
「ん?おかしい所って?」
「えっとね。斧で私の首をはねようとしてた人がいるでしょ?あの人、すごく辛そうな表情をしてたんだ。まるで私に謝ってくれてるみたいに」
そのアルルの言葉にルークがしかめ面をしながら顎に手を当てて話を続ける。
「そういえば・・・・・・あの後、あの部屋の床を調べてみたんだが、刃物の跡が全く無かったような・・・・・・」
「ん?どういうことだ?」
「あれは偽者・・・・・・幻を見せたんだよ。本当は魔玉を埋め込んだだけのただの棒なんだよ、あれは」
「はあ?なんで幻なんか見せたんだよ!?」
「あの時のあたし達の目的は船を乗っ取ることじゃない。乗客の1人に用があったんだ。善良な人をだまして奪った金で贅沢三昧しているって輩の
 話を聞いてね。そいつから金を取り戻すためだったんだよ。乗客全員を縛ったのは被害を最小限に抑えるためさ」
「じゃあ、あの魔銃や剣は?」
「銃のほうはアタシが持ってるもの以外は人に傷を負わせるものじゃないし、剣は切れ味をかなり悪くしてるよ」
「確かに、今まで疾風の刃が人を殺したって話は聞いたことがないな」
「じゃあ本当かよ・・・・・・。ってことは、俺は元から危害を加えるつもりがなかった人を・・・・・・!?」
「ああ、あいつのことなら気にしなくていいよ。あいつはウチの中でもかなり特殊なやつでさ。ずっと人を殺したがってた。
 だから未然に止めてくれた分感謝したいくらいなんだよ。そりゃあ、大切な仲間ではあったけどね」
「・・・・・・ごめん」
「なんだい、調子狂うねえ。とりあえず、これで信じてもらえたかい?」
「ああ・・・・・・信じるよ」
「そういえばリーム、恩人っていうのはどういうことなの?」
「少し前にね、アイナさんが村に来たことがあるんだよ。その時に色々な薬草のことを教えてもらったんだよ」
「それだけで恩人扱いされるとなんだか悪い気がするねぇ・・・・・・まあ、リームだけでも無事で本当によかったよ」
「うん。アイナさんは何でこの船に?」
「なに、ただの里帰りさ。あと、とある人に用事があってね」
「そういえばルーク、ホベルグ博士って人の家は港からどれくらいなんだ?」
「かなり距離があったはずだけどな・・・・・・下手をすれば野宿だな」
「え?アンタ達も博士に用事かい?」
「も、ってことはあんたもか。一緒に行くか?戦力は多いほうがお互いいいだろ?」
「でもアリウス、確かアイナさんの剣はお前が折ったんじゃないか・・・・・・?」
しまった、と頭を抱える。こんなことになるんなら折らなきゃよかった。すると俺の肩にぽんと手が置かれる。
「それは大丈夫だよ。アタシの十八番は魔銃だからね」
「了解。んじゃまあ、協力よろしく」
俺達は立ち上がり、アイナさんと握手をした。




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