55話

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                                     ――視点変更~ルーク視点~―― 「さあて、行きますか!」 俺はアルルの土人形に向かって走り、剣を振りかざした。しかし、それは人形に命中する直前で現れた壁に弾かれてしまった。 「くっ!さすがに簡単に斬らせてはくれないか」 「ルーク、避けて!!」 アルルが叫んだ直後、壁が槍のように形を変えて俺に向かって伸びてきた。かろうじてそれを避ける。 「危ない危ない・・・・・・アルル、助かったよ」 「いえいえ。あの人形、やっぱり私と同じで魔法主体の攻撃で攻めてくるみたいだから気をつけて」 「みたいだな。アルル、この前の氷の技で一気に潰せないのか?」 「あれは無理だよ。クラッジュミストは部屋全体に霧を出さなきゃ意味がないから」 「さすがにこの部屋は広すぎる、か。わかった、アルルはこのまま援護を頼む」 「任せて!」 それから俺達は果敢に攻め続けた。 しかし、人形が繰り出してくる壁に阻まれてしまい、俺達の攻撃は全くといいほどに人形には届かない。 「だめだ、これじゃキリがない。どうするアルル?」 「ちょっと待って。あの人形は自分で避けることが少ないんだからそれを利用して・・・・・・」 その間にも人形は攻撃を仕掛けてくる。俺達も負けじと攻撃を弾くが、状況は不利だ。 そんなことを考えていると、人形が手を地面につけ静かに瞑想を始めた。 「何だ・・・・・・?」 「あれは・・・・・・!ルーク、跳んで!!」 アルルの言葉通りジャンプすると、さっき自分のいた地面の辺りから大きな土の針が地表に伸びてきた。 「長い・・・・・・!危ない、ルーク!!」 針は俺目掛けて伸びてくる。しかし、空中にいるので逃げることができない。剣である程度は弾いたが、 数本避けきることができず、俺の体に命中した。なんとか受身を取り、一旦距離を置く。 「くそっ・・・・・・!!」 「ルーク、大丈夫!?」 「なんとか。先端に当たらなかったのがせめてもの救いだな」 「よかったあ。ルーク、悪いんだけどもう一度あの人形に切りかかってもらってもいいかな?」 「構わないが・・・・・・何か策があるのか?」 「うん、これなら大丈夫だと思う」 アルルが頷くと同時に、人形が再び地面に手をつけて目を閉じた。 「分かった。それじゃあ頼んだぜ、アルル!!」 俺は再び人形の元へと走る。それに気づいた人形は地面から手を離し、手を正面にかざす。 「させない!アイスニードル!!」 人形が壁を出現させるより早く、アルルが人形の足元から氷の針を出現させる。しかし、人形はこれを高々とジャンプしてかわしてしまう。 「くそ、あと一歩だったのに!」 「ううん・・・・・・狙い通りだよ」 アルルは空中にいる人形に手をかざしながらそう言い、微笑んだ。 「汝が眠るは冷たく色も無き小さな小部屋・・・・・・『アイスルーム』」 そうアルルが唱えた直後、人形の前に大きな水の玉が出現し、人形を飲み込むとそれは突如凍りついて地面に落ちた。 「跳んだのが間違いだったね。空中では身動きが取れないから」 「んじゃまあ、とどめといきますか」 「うん・・・・・・お願い」 俺は真っ直ぐに氷の玉ごと人形を剣で突き刺す。するとみるみるうちにヒビが入り、それは砕け散った。 「やっぱり、人の姿をした何かを殺すっていうのは抵抗があるね」 「そうだな・・・・・・。でも、それは本物じゃない。本物はここにいるだろ?」 俺はアルルの肩をポンと軽く叩いてやる。 「うん。落ち込んでてもしょうがないもんね」 「おっと、アリウス達のほうも終わったみたいだ。とりあえず合流といくか」 「うん、行こう!」 #comment [[54話]]へ戻る [[小説]]ページへ戻る [[トップページ]]へ戻る
                                     ――視点変更~ルーク視点~―― 「さあて、行きますか!」 俺はアルルの土人形に向かって走り、剣を振りかざした。しかし、それは人形に命中する直前で現れた壁に弾かれてしまった。 「くっ!さすがに簡単に斬らせてはくれないか」 「ルーク、避けて!!」 アルルが叫んだ直後、壁が槍のように形を変えて俺に向かって伸びてきた。かろうじてそれを避ける。 「危ない危ない・・・・・・アルル、助かったよ」 「いえいえ。あの人形、やっぱり私と同じで魔法主体の攻撃で攻めてくるみたいだから気をつけて」 「みたいだな。アルル、この前の氷の技で一気に潰せないのか?」 「あれは無理だよ。クラッジュミストは部屋全体に霧を出さなきゃ意味がないから」 「さすがにこの部屋は広すぎる、か。わかった、アルルはこのまま援護を頼む」 「任せて!」 それから俺達は果敢に攻め続けた。 しかし、人形が繰り出してくる壁に阻まれてしまい、俺達の攻撃は全くといいほどに人形には届かない。 「だめだ、これじゃキリがない。どうするアルル?」 「ちょっと待って。あの人形は自分で避けることが少ないんだからそれを利用して・・・・・・」 その間にも人形は攻撃を仕掛けてくる。俺達も負けじと攻撃を弾くが、状況は不利だ。 そんなことを考えていると、人形が手を地面につけ静かに瞑想を始めた。 「何だ・・・・・・?」 「あれは・・・・・・!ルーク、跳んで!!」 アルルの言葉通りジャンプすると、さっき自分のいた地面の辺りから大きな土の針が地表に伸びてきた。 「長い・・・・・・!危ない、ルーク!!」 針は俺目掛けて伸びてくる。しかし、空中にいるので逃げることができない。剣である程度は弾いたが、 数本避けきることができず、俺の体に命中した。なんとか受身を取り、一旦距離を置く。 「くそっ・・・・・・!!」 「ルーク、大丈夫!?」 「なんとか。先端に当たらなかったのがせめてもの救いだな」 「よかったあ。ルーク、悪いんだけどもう一度あの人形に切りかかってもらってもいいかな?」 「構わないが・・・・・・何か策があるのか?」 「うん、これなら大丈夫だと思う」 アルルが頷くと同時に、人形が再び地面に手をつけて目を閉じた。 「分かった。それじゃあ頼んだぜ、アルル!!」 俺は再び人形の元へと走る。それに気づいた人形は地面から手を離し、手を正面にかざす。 「させない!アイスニードル!!」 人形が壁を出現させるより早く、アルルが人形の足元から氷の針を出現させる。しかし、人形はこれを高々とジャンプしてかわしてしまう。 「くそ、あと一歩だったのに!」 「ううん・・・・・・狙い通りだよ」 アルルは空中にいる人形に手をかざしながらそう言い、微笑んだ。 「汝が眠るは冷たく色も無き小さな小部屋・・・・・・『アイスルーム』」 そうアルルが唱えた直後、人形の前に大きな水の玉が出現し、人形を飲み込むとそれは突如凍りついて地面に落ちた。 「跳んだのが間違いだったね。空中では身動きが取れないから」 「んじゃまあ、とどめといきますか」 「うん・・・・・・お願い」 俺は真っ直ぐに氷の玉ごと人形を剣で突き刺す。するとみるみるうちにヒビが入り、それは砕け散った。 「やっぱり、人の姿をした何かを殺すっていうのは抵抗があるね」 「そうだな・・・・・・。でも、それは本物じゃない。本物はここにいるだろ?」 俺はアルルの肩をポンと軽く叩いてやる。 「うん。落ち込んでてもしょうがないもんね」 「おっと、アリウス達のほうも終わったみたいだ。とりあえず合流といくか」 「うん、行こう!」 #comment [[54話]]へ戻る   [[56話]]に進む [[小説]]ページへ戻る [[トップページ]]へ戻る

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