37話

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そうしてアリウスと俺(と、この仔犬)はこの街にあった小さな資料館に向かった。アリウスがそこで手に取ったのは『魔物図鑑』。ある程度の魔物は、全ての大陸で協力、調査され、こうやって資料館に本として置かれている。 「・・・・・・あった、これだ。間違いない。」 「確かに。色とか形とかそっくりだ。えっと・・・・・・「バウンティ・ドッグ」・・・・・・主に地の大陸グランスタに生息。ドッグという名が付いているものの、その習性から狼と判断できる。魔物であるものの、通常時は敵対心が薄く、あまり向こうからは襲っては来ない。小さな頃から育てれば半年ほどで人間でいう二十歳ほどに達し、我々人間に忠実に従う。ちなみに成熟期に達してからは、その若さを保ち老いることがなく、さらに50年ほど生きる長寿種である・・・・・・・・か」 「よし、決まりだな」 「・・・・・・アルルが怒ると思うぞ?」 「いいんだよ。アルルの犬嫌いも直してやらなきゃならないし」 「え?それじゃあ、そのためにこいつを?」 俺が指差した下には、ぱたぱたをしっぽを振っている仔犬が一匹。 「んー、まあそんな感じかな。なんとなく調べてみたかったってのも少しはあるわけだし」 やれやれ、と頭を振る俺は、視界に入る赤い文字が見えた。 「ん?まだ下のほうに何か書いてあるぞ?」 「あれ、本当だ。えっと、なになに・・・・・・」 この魔物を怒らせると地の力を利用した魔法を使用するので注意!そして、この魔物はある程度まで成長すると~~を発~~よ~になります・・・・・・文字がかすれていて読めない。 「地の力を使うのは分かったとして・・・・・・なんだ、このもう1つの注意?」 「まあ、いずれ分かるだろ。さあ、戻ろうぜ」 こうして俺達はアルルの待つ宿へ戻った。 「ただいま~」 「あ・・・・・・おかえり。どこ行ってたの?」 「ああ、ちょっと資料館に。こいつのことを調べてた」 「調べてたって・・・・・・なんで?」 「子供のころから危険性があるかを調べるためだよ。」 アルルが顔を歪ませる。どうやらやっと察したようだ。 「それって、まさか・・・・・・」 「ああ、こいつを連れて行く。俺たちの仲間として、な」 「そんなぁ!アリウスも知ってるでしょ!?私が犬大っ嫌いなこと!!」 「アルル、違うんだこれは・・・・・・」 俺は悲しみと怒りが混ざっている表情のアルルにアリウスの目的の真意を伝えようとしたが、 「ルークは黙ってて!!」 の一言で見事にさえぎられてしまった。 「それは知ってるよ。だからこそ連れていくんだ」 「なんで!?私は反対!!」 「アルルが反対でも俺は連れていくよ。な~、『レオン』!」 「ワウッ」 「レオン?その犬の名前、決まったのか?」 「ああ、こいつはレオンだ。もう決めた」 「・・・・・・やだ」 「ん?アルル、どうし・・・・・・」 「もうやだ!私は犬は嫌いなの!!なのになんでアリウスはその犬を連れて行くの!?私に対する嫌がらせ!?」 「違うって、これは!!」 「言い訳なんて聞きたくないよ!もうアリウスなんて大っ嫌い!!」 「!!」 アルルはそれを言ってハッとした。禁句を言ってしまったのだ。アリウスはショックを受け、その場で黙っている。アルルも、自分の言ったことに対してだろう。うつむいて黙ってしまった。するとアリウスが 「そっか・・・・・・。レオン、行くぞ」 「ワゥッ!」 「お、おいアリウス!どこへ・・・・・・!」 「悪いな・・・・・・少し頭冷やしてくる」 こう言ってアリウスはレオンと共に外へ出て行った。俺たちがアリウスの心の内の決意に気づかずに・・・・・・。 #comment [[36話]]へ戻る [[小説]]ページへ戻る [[トップページ]]へ戻る
そうしてアリウスと俺(と、この仔犬)はこの街にあった小さな資料館に向かった。アリウスがそこで手に取ったのは『魔物図鑑』。ある程度の魔物は、全ての大陸で協力、調査され、こうやって資料館に本として置かれている。 「・・・・・・あった、これだ。間違いない。」 「確かに。色とか形とかそっくりだ。えっと・・・・・・「バウンティ・ドッグ」・・・・・・主に地の大陸グランスタに生息。ドッグという名が付いているものの、その習性から狼と判断できる。魔物であるものの、通常時は敵対心が薄く、あまり向こうからは襲っては来ない。小さな頃から育てれば半年ほどで人間でいう二十歳ほどに達し、我々人間に忠実に従う。ちなみに成熟期に達してからは、その若さを保ち老いることがなく、さらに50年ほど生きる長寿種である・・・・・・・・か」 「よし、決まりだな」 「・・・・・・アルルが怒ると思うぞ?」 「いいんだよ。アルルの犬嫌いも直してやらなきゃならないし」 「え?それじゃあ、そのためにこいつを?」 俺が指差した下には、ぱたぱたをしっぽを振っている仔犬が一匹。 「んー、まあそんな感じかな。なんとなく調べてみたかったってのも少しはあるわけだし」 やれやれ、と頭を振る俺は、視界に入る赤い文字が見えた。 「ん?まだ下のほうに何か書いてあるぞ?」 「あれ、本当だ。えっと、なになに・・・・・・」 この魔物を怒らせると地の力を利用した魔法を使用するので注意!そして、この魔物はある程度まで成長すると~~を発~~よ~になります・・・・・・文字がかすれていて読めない。 「地の力を使うのは分かったとして・・・・・・なんだ、このもう1つの注意?」 「まあ、いずれ分かるだろ。さあ、戻ろうぜ」 こうして俺達はアルルの待つ宿へ戻った。 「ただいま~」 「あ・・・・・・おかえり。どこ行ってたの?」 「ああ、ちょっと資料館に。こいつのことを調べてた」 「調べてたって・・・・・・なんで?」 「子供のころから危険性があるかを調べるためだよ。」 アルルが顔を歪ませる。どうやらやっと察したようだ。 「それって、まさか・・・・・・」 「ああ、こいつを連れて行く。俺たちの仲間として、な」 「そんなぁ!アリウスも知ってるでしょ!?私が犬大っ嫌いなこと!!」 「アルル、違うんだこれは・・・・・・」 俺は悲しみと怒りが混ざっている表情のアルルにアリウスの目的の真意を伝えようとしたが、 「ルークは黙ってて!!」 の一言で見事にさえぎられてしまった。 「それは知ってるよ。だからこそ連れていくんだ」 「なんで!?私は反対!!」 「アルルが反対でも俺は連れていくよ。な~、『レオン』!」 「ワウッ」 「レオン?その犬の名前、決まったのか?」 「ああ、こいつはレオンだ。もう決めた」 「・・・・・・やだ」 「ん?アルル、どうし・・・・・・」 「もうやだ!私は犬は嫌いなの!!なのになんでアリウスはその犬を連れて行くの!?私に対する嫌がらせ!?」 「違うって、これは!!」 「言い訳なんて聞きたくないよ!もうアリウスなんて大っ嫌い!!」 「!!」 アルルはそれを言ってハッとした。禁句を言ってしまったのだ。アリウスはショックを受け、その場で黙っている。アルルも、自分の言ったことに対してだろう。うつむいて黙ってしまった。するとアリウスが 「そっか・・・・・・。レオン、行くぞ」 「ワゥッ!」 「お、おいアリウス!どこへ・・・・・・!」 「悪いな・・・・・・少し頭冷やしてくる」 こう言ってアリウスはレオンと共に外へ出て行った。俺たちがアリウスの心の内の決意に気づかずに・・・・・・。 #comment [[36話]]へ戻る   [[38話]]に進む [[小説]]ページへ戻る [[トップページ]]へ戻る

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