31話

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夜が明けて少しすると、船はアクアリアに到着した。そして俺たちも船から降り、港から一番近い街を目指して歩き出した。 「ねえルーク、アクアリア・・・・・・だっけ?この島には何か特徴があるの?」 「ああ。俺も詳しくは知らないんだけど、アクアリアは水の大陸だけあって水をいろんな形で表現した物が多い街がたくさんあるんだ。 これから行く『ウォーティル』ってところは、噴水で有名なところらしい」 「へー、噴水かあ。楽しみだなあ」 「・・・・・・・・・・・・・」 「アリウス、大丈夫か?」 「え?あ、ああ。ごめん、何だ?」 「やっぱり眠れなかったの・・・・・・?」 「・・・・・・ああ。やっぱり、まだ怖いからな」 「少しずつ現実を受け止めていけばいいんだよ。今すぐどうしろっていうわけじゃないからな」 「ああ・・・・・・ありがとう」 数分も歩いているうちに街が見えてきた。 「わあ・・・・・・。綺麗だね・・・・・・」 街に入ったとたんに見えた巨大な噴水に、アルルは感嘆の声を上げた。 「ウォーティルを含めて、アクアリアの全ての街は観光名所にもなってるからな。その風景はかなりの物だと聞いてたよ」 「へえ、詳しいんだなルーク」 「この大陸には前から興味があったからな。いろいろと調べたんだよ」 「なるほどな。さて、アクアリアには着いたものの、肝心の水の力の場所がわからないとなあ」 「私を呼びましたか?アリウス」 「うわっ!いきなり声を出すのは驚くんでやめて下さいよ、ミーティアさん!」 「ふふっ、ごめんなさい。さて、水の力はここから南に行けば魔力で作られた洞窟があり、その中にいます」 「あら?もう暗号じゃないんですね?」 「ええ。もう無駄だということがわかりましたから。あなたたちならきっとすぐに解いてしまうでしょう。それでは、また水の力を取り戻したあとで」 そういい残して、いつも通りミーティアさんの声が消えた。 「よし、行こう!!早く全部の力を取り戻さないとな」 俺たちは休む間もなく、ウォーティルの外へと歩いていった。 「水の力、か・・・・・・」 水の力の洞窟へ向かっている途中に俺はぽつりとそう言った。 「いきなりどうしたの、アリウス・・・・・・?」 「いや、水の力に強い属性の力はまだ俺たちは持ってないだろ?どう戦えばいいんだろう、ってさ」 「水に効く・・・・・・っていったら、やっぱり雷なのか?」 「ああ。でも、俺もアルルも元から雷の力は習得してないからなあ・・・・・・」 「なるほどな・・・・・・。でも、水相手となるとどう戦えばいいんだ?水の属性を持った敵には打撃攻撃は効かないぞ」 「え?どうしてだ、ルーク?」 「それはな・・・・・・。お、丁度いい。二人とも、敵だぞ」 ルークは剣を構えながら言った。そう言われてルークの向いた方向を見ると、なにやら半透明の生き物がこちらに向かってくる。 「それじゃあアリウス、アルルも。よく見ておいてくれよ」 そう言うとルークは走り出し、水の魔物に向かって剣を大きく振り下ろした。しかし、水の魔物の体は剣を抵抗なく貫通し、元の形に戻ってしまった。 「そっか、私の炎の力と戦ったときと同じで・・・・・・!」 「なるほど、よくわかったよ。で、こいつらを倒す方法は?」 「普通の物理攻撃がほとんど効かないんだ。つまり、魔力を込めた攻撃ならこいつらにもダメージを与えられる」 「了解!それじゃあ行くぜ!!」 俺は勢いよくルークが戦っているものとは別の魔物のほうへ向かった。 「あ、ちょっと待てアリウス!!」 「喰らえ!『連撃功破』!!」                                   スカッスカッ 見事に俺の攻撃は敵の体をすり抜けた。その隙に水の魔物が勢いよく腕を振り下ろしてくる。 「うわっ!危ないなこの野朗!!」 「だから言っただろ、お前まだ魔力を込めた打撃の技なんて持ってないだろ?」 「でもこれなら・・・・・・。『烈神衡』!!」 俺はあきらめず烈神衡を放った。しかし所詮は打撃のみの攻撃、突き出した右腕は敵の体を貫通しているだけでダメージなど与えられていない。 「だから物理攻撃じゃ到底無理だってのに」 「なら力を使って魔力を込めればいいだけさ!風の力よ・・・・・・我に集え!」 「最初からそうすればよかったんじゃないかな・・・・・・?」 アルルから手痛いツッコミを受けながらも俺は風の力を使い、右腕にそれを集中させた。 「行くぞ!!【派生変化技】 『風迅衡(フウジンコウ)』!!」 烈神衡より右足を前に出し、右手を勢いよく前に押し出して掌底と同時に風の塊を飛ばした技は見事に水の魔物に命中し、水の魔物は飛び散った。 「すごい!そんな技いつ覚えたの、アリウス!」 「うーん、覚えたってか、こうやってみればいいんじゃないかってのを試してみただけだよ」 「まあとにかく、これで魔力を込めた打撃の技が完成したな」 「ああ、そうだな。さて、水の洞窟へ向かおうぜ」 「うん!早く力を取り戻さなきゃだもんね」 「まあ、二人ともはりきりすぎて空回りしないようにな。たまには冷静になることも重要だぜ」 たわいもない話をしながら、俺たちは水の洞窟へ向かっていった。 #comment [[30話]]へ戻る [[小説]]ページへ戻る [[トップページ]]へ戻る
夜が明けて少しすると、船はアクアリアに到着した。そして俺たちも船から降り、港から一番近い街を目指して歩き出した。 「ねえルーク、アクアリア・・・・・・だっけ?この島には何か特徴があるの?」 「ああ。俺も詳しくは知らないんだけど、アクアリアは水の大陸だけあって水をいろんな形で表現した物が多い街がたくさんあるんだ。 これから行く『ウォーティル』ってところは、噴水で有名なところらしい」 「へー、噴水かあ。楽しみだなあ」 「・・・・・・・・・・・・・」 「アリウス、大丈夫か?」 「え?あ、ああ。ごめん、何だ?」 「やっぱり眠れなかったの・・・・・・?」 「・・・・・・ああ。やっぱり、まだ怖いからな」 「少しずつ現実を受け止めていけばいいんだよ。今すぐどうしろっていうわけじゃないからな」 「ああ・・・・・・ありがとう」 数分も歩いているうちに街が見えてきた。 「わあ・・・・・・。綺麗だね・・・・・・」 街に入ったとたんに見えた巨大な噴水に、アルルは感嘆の声を上げた。 「ウォーティルを含めて、アクアリアの全ての街は観光名所にもなってるからな。その風景はかなりの物だと聞いてたよ」 「へえ、詳しいんだなルーク」 「この大陸には前から興味があったからな。いろいろと調べたんだよ」 「なるほどな。さて、アクアリアには着いたものの、肝心の水の力の場所がわからないとなあ」 「私を呼びましたか?アリウス」 「うわっ!いきなり声を出すのは驚くんでやめて下さいよ、ミーティアさん!」 「ふふっ、ごめんなさい。さて、水の力はここから南に行けば魔力で作られた洞窟があり、その中にいます」 「あら?もう暗号じゃないんですね?」 「ええ。もう無駄だということがわかりましたから。あなたたちならきっとすぐに解いてしまうでしょう。それでは、また水の力を取り戻したあとで」 そういい残して、いつも通りミーティアさんの声が消えた。 「よし、行こう!!早く全部の力を取り戻さないとな」 俺たちは休む間もなく、ウォーティルの外へと歩いていった。 「水の力、か・・・・・・」 水の力の洞窟へ向かっている途中に俺はぽつりとそう言った。 「いきなりどうしたの、アリウス・・・・・・?」 「いや、水の力に強い属性の力はまだ俺たちは持ってないだろ?どう戦えばいいんだろう、ってさ」 「水に効く・・・・・・っていったら、やっぱり雷なのか?」 「ああ。でも、俺もアルルも元から雷の力は習得してないからなあ・・・・・・」 「なるほどな・・・・・・。でも、水相手となるとどう戦えばいいんだ?水の属性を持った敵には打撃攻撃は効かないぞ」 「え?どうしてだ、ルーク?」 「それはな・・・・・・。お、丁度いい。二人とも、敵だぞ」 ルークは剣を構えながら言った。そう言われてルークの向いた方向を見ると、なにやら半透明の生き物がこちらに向かってくる。 「それじゃあアリウス、アルルも。よく見ておいてくれよ」 そう言うとルークは走り出し、水の魔物に向かって剣を大きく振り下ろした。しかし、水の魔物の体は剣を抵抗なく貫通し、元の形に戻ってしまった。 「そっか、私の炎の力と戦ったときと同じで・・・・・・!」 「なるほど、よくわかったよ。で、こいつらを倒す方法は?」 「普通の物理攻撃がほとんど効かないんだ。つまり、魔力を込めた攻撃ならこいつらにもダメージを与えられる」 「了解!それじゃあ行くぜ!!」 俺は勢いよくルークが戦っているものとは別の魔物のほうへ向かった。 「あ、ちょっと待てアリウス!!」 「喰らえ!『連撃功破』!!」                                   スカッスカッ 見事に俺の攻撃は敵の体をすり抜けた。その隙に水の魔物が勢いよく腕を振り下ろしてくる。 「うわっ!危ないなこの野朗!!」 「だから言っただろ、お前まだ魔力を込めた打撃の技なんて持ってないだろ?」 「でもこれなら・・・・・・。『烈神衡』!!」 俺はあきらめず烈神衡を放った。しかし所詮は打撃のみの攻撃、突き出した右腕は敵の体を貫通しているだけでダメージなど与えられていない。 「だから物理攻撃じゃ到底無理だってのに」 「なら力を使って魔力を込めればいいだけさ!風の力よ・・・・・・我に集え!」 「最初からそうすればよかったんじゃないかな・・・・・・?」 アルルから手痛いツッコミを受けながらも俺は風の力を使い、右腕にそれを集中させた。 「行くぞ!!【派生変化技】 『風迅衡(フウジンコウ)』!!」 烈神衡より右足を前に出し、右手を勢いよく前に押し出して掌底と同時に風の塊を飛ばした技は見事に水の魔物に命中し、水の魔物は飛び散った。 「すごい!そんな技いつ覚えたの、アリウス!」 「うーん、覚えたってか、こうやってみればいいんじゃないかってのを試してみただけだよ」 「まあとにかく、これで魔力を込めた打撃の技が完成したな」 「ああ、そうだな。さて、水の洞窟へ向かおうぜ」 「うん!早く力を取り戻さなきゃだもんね」 「まあ、二人ともはりきりすぎて空回りしないようにな。たまには冷静になることも重要だぜ」 たわいもない話をしながら、俺たちは水の洞窟へ向かっていった。 #comment [[30話]]へ戻る   [[32話]]へ進む [[小説]]ページへ戻る [[トップページ]]へ戻る

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