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「27話」(2008/12/20 (土) 19:02:58) の最新版変更点
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「ルーク・・・・・・こいつらの大体の人数分かるか・・・・・・」
「あ、ああ・・・・・・約20人程だと聞いたことがあるけど・・・・・・」
俺達が閉じ込められていたドアの前(内側)に立ち、とりあえず今の状況を把握する必要があったため、俺とアリウスは話していた。
しかし、アリウスから放たれる殺気が全く抜けていない。
「だったら・・・・・・正面突破だ!!」
そうアリウスが叫びだしたかと思うと、ガァンという金属音が聞こえた。アリウスがドアを無理やり蹴破ったのだ。
「どうした、何があった!!」
どうやら船内を監視していた奴だろう。通路から顔を出したかと思うと、たちまち男は叫びだした。
「脱走者だ!!みんな来てくれ!!」
「まずいぞアリウス!!このままじゃ囲まれる・・・・・・!!」
「フン・・・・・・好都合じゃねえか・・・・・・まとめて始末してやるぜ!!」
そう言っている間に、甲板の方から何人かが下りて来て、俺達に剣を向ける。どうやら監視役は魔銃を持っていないようだ。
「小僧、痛いだけじゃ済まねえのは知ってるだろうな・・・・・・」
「ああ、分かってるさ。その台詞、お前達に返してやるよ」
「生意気な・・・・・・。皆、かかれ!!」
敵は全員アリウスを狙っているようだ。
「アリウス、俺も援護するぞ!!」
「悪いなルーク・・・・・・。お前は下がってろ。それと、ちょっと昨日のカプセルからフライパン貸してくれ」
「・・・・・・は?フ・・・・・・フライパン?」
「いいから早く!!」
言葉に重みがある。いつものアリウスではない。それは分かっていたが、体が震える。
俺は万能カプセルからフライパンを取り出してアリウスに手渡し、アリウスの後ろに下がった。
敵がアリウスにあと少しという所で、アリウスが動いた。
「・・・・・・ぜぇ・・・・・・。全部・・・・・・全部・・・・・・・何もかもがウゼえんだよ!!
どこかへ行っちまえ!!全てを吹き飛ばす神の息吹・・・・・・『爆風烈波』(バクフウレッパ)!!」
アリウスがフライパンなどという戦闘には全く関係ない物を俺に要求したのはこのためだったようだ。
アリウスがフライパンを両手で持ち大きく正面に振り下ろすと、とてつもない突風が吹き、10人はいた監視役達は
見事に吹き飛ばされ、船の壁で強く体を打ち、倒れた。
「くう・・・・・・っ!?ま、魔法使いだったのか・・・・・・!!」
「魔法使いだあ?そんな下らねえ低級部族と一緒にするんじゃねえよ!!俺は魔導士だ!!冥土の土産にでも俺の名を持っていくんだなあ・・・・・・」
アリウスがそう言うと、風の力で鎌鼬を起こし、動けない監視役達の体を傷つけていく。
「ぐああっ!や、やめろ!!やめ・・・・・・」
「そうだ・・・・・・泣き叫べ・・・・・・。俺に喧嘩を売ったのが悪いんだぜ・・・・・・」
やはりアリウスの様子がおかしい・・・・・・!そう思った俺は、こうするしかなかった。
「正気に・・・・・・戻ってくれアリウス・・・・・・ッ!!!!」
俺は渾身の力で、アリウスを殴った。
「ぐっ・・・・・・!」
突然だったせいか、アリウスは踏ん張ることができず、床に転がってしまった。
「アリウス・・・・・・元に戻ったか・・・・・・?」
「・・・・・・体は動く・・・・・・な・・・・・・。悪いルーク、助かった・・・・・・。」
「一体何があったんだよアリウス!俺の知ってるお前はあんなに残虐なやつじゃない!!」
「それは後だ・・・・・・アルルを・・・・・・早く助けないと・・・・・・!!」
俺達は完全に気絶してしまった監視役を後に、急いで船内の捜索を始めた。
このとき、どこかから聞こえていたドクン、ドクンという鼓動のような音は完全に消えていた。
「あとはこの部屋だけだ!!アルル、アルル!!どこにいるんだ!?」
チャッ
何かの音。それが何なのかはすぐわかった。この船で一番大きな部屋に入った俺達は、部屋に入った瞬間に魔銃を構えられた。
「へぇ・・・・・・。坊や達かい?あたしのかわいい仲間を見事に倒しちまったって奴は」
その中でリーダーらしい女が声を上げる。
「・・・・・・だったらどうした?」
「お礼をさせてもらおうと思ってねえ・・・・・・。あんた達の大切な仲間に償いをして欲しいのさ」
「んっ・・・・・・んんーん!!(アリウス!!)」
「なっ・・・・・・アルル!!」
アルルは口と手足を縄で縛られ、動けない状態のようだ。その目には涙が溜まっている。
「てめぇら・・・・・・!!アルルに何しやがった!!」
「そう怒るんじゃないよ・・・・・・。まだ何もしていないさ。
たった今からあんた達がしたことをこの娘に償ってもらうところだからねえ・・・・・・」
・・・・・・ドクン・・・・・・ドクン・・・・・・
(この音・・・・・・まさか、また・・・・・・!?)
「おい!この娘の首を落としな!!目いっぱい力を込めてやるんだよ!!」
そうリーダーの女が命令すると、団員の1人が斧を持ってアルルに向かって斧を真っ直ぐに振り下ろした。
「やめろ!!やめてくれ!!アルル、避けろーー!!!!」
「んんっ!?んんー!!!」
アルルは縛られた状態からかろうじて動き、ぎりぎりの所で斧をかわした。しかし、もう1度団員が斧を振り上げる。
「今度は外すんじゃないよ!!一気に殺りな!!」
「やめろ・・・・・・もうやめてくれえぇぇぇ!!!」
その時、アリウスから大量の魔力の放出と同時に閃光が船室内の全員を包み込んだ。
突然の出来事に、俺はその場に立ち尽くしていることしかできなかった。
「い、一体何が・・・・・・」
その時だった。ゾクリと背筋が凍る。これまでのとは比べ物にならないほどの・・・・・・殺気だった。
アリウスのほうを見ると・・・・・・
「ア・・・・・・リ・・・・・・ウス・・・・・・?」
姿形はアリウスのままだった。しかし、何かが違う。それが何かは分からないが、少なくとも今俺の目の前にいるのはアリウスではない。
そんなことを考え、震えているとアリウスが小声で何かを呟き出した。
「我、今ここに血の雨を降らせんことを・・・・・・。殺劇乱舞(サツゲキランブ)・・・・・・」
その瞬間、アリウスが視界から消えた。と、そのとき
「うわあぁぁ!!なんだ、腕が切れ・・・・・・!!」
魔銃を持った団員の1人が悲鳴を上げる。それからも次々と切り裂かれていく団員達。何が起こっているのかわからない俺は、とにかくアルルの元へ走った。
「アルル、無事か!?ところで、アリウスがどこかへ行って・・・・・・!」
「・・・・・・いるよ・・・・・・すぐ近くに・・・・・・」
「!?じゃあまさか、あの団員達が切られてるのって・・・・・・」
「そんな・・・・・・アリウス・・・・・・なんで闇の力がまた・・・・・・」
絶望に満ちた声でポツリと呟くアルル。明らかに様子がおかしい。
「・・・・・・!止めなきゃ!!これ以上は・・・・・・!!」
我に返ると同時にそう言い出すと、アルルは何もない、ただ目の前で切り裂かれる団員達の少し手前まで走り、叫んだ。
「アリウス、もうやめて!!このままじゃたくさんの人が死んじゃうよ!!私は無事だから!!
もうやめて・・・・・・お願いだから・・・・・・」
アルルは涙を流していた。すると、アリウスがアルルの目の前に現れた。俯いているのでその表情はわからない。
「アル・・・・・・ル・・・・・・。よかった・・・・・・無事・・・・・・で・・・・・・」
アリウスはそう言ったかと思うと、アルルの元へと倒れこんだ。俺もすぐアルルのところへ走って、アリウスの無事を改めて確かめた。
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「ルーク・・・・・・こいつらの大体の人数分かるか・・・・・・」
「あ、ああ・・・・・・約20人程だと聞いたことがあるけど・・・・・・」
俺達が閉じ込められていたドアの前(内側)に立ち、とりあえず今の状況を把握する必要があったため、俺とアリウスは話していた。
しかし、アリウスから放たれる殺気が全く抜けていない。
「だったら・・・・・・正面突破だ!!」
そうアリウスが叫びだしたかと思うと、ガァンという金属音が聞こえた。アリウスがドアを無理やり蹴破ったのだ。
「どうした、何があった!!」
どうやら船内を監視していた奴だろう。通路から顔を出したかと思うと、たちまち男は叫びだした。
「脱走者だ!!みんな来てくれ!!」
「まずいぞアリウス!!このままじゃ囲まれる・・・・・・!!」
「フン・・・・・・好都合じゃねえか・・・・・・まとめて始末してやるぜ!!」
そう言っている間に、甲板の方から何人かが下りて来て、俺達に剣を向ける。どうやら監視役は魔銃を持っていないようだ。
「小僧、痛いだけじゃ済まねえのは知ってるだろうな・・・・・・」
「ああ、分かってるさ。その台詞、お前達に返してやるよ」
「生意気な・・・・・・。皆、かかれ!!」
敵は全員アリウスを狙っているようだ。
「アリウス、俺も援護するぞ!!」
「悪いなルーク・・・・・・。お前は下がってろ。それと、ちょっと昨日のカプセルからフライパン貸してくれ」
「・・・・・・は?フ・・・・・・フライパン?」
「いいから早く!!」
言葉に重みがある。いつものアリウスではない。それは分かっていたが、体が震える。
俺は万能カプセルからフライパンを取り出してアリウスに手渡し、アリウスの後ろに下がった。
敵がアリウスにあと少しという所で、アリウスが動いた。
「・・・・・・ぜぇ・・・・・・。全部・・・・・・全部・・・・・・・何もかもがウゼえんだよ!!
どこかへ行っちまえ!!全てを吹き飛ばす神の息吹・・・・・・『爆風烈波』(バクフウレッパ)!!」
アリウスがフライパンなどという戦闘には全く関係ない物を俺に要求したのはこのためだったようだ。
アリウスがフライパンを両手で持ち大きく正面に振り下ろすと、とてつもない突風が吹き、10人はいた監視役達は
見事に吹き飛ばされ、船の壁で強く体を打ち、倒れた。
「くう・・・・・・っ!?ま、魔法使いだったのか・・・・・・!!」
「魔法使いだあ?そんな下らねえ低級部族と一緒にするんじゃねえよ!!俺は魔導士だ!!冥土の土産にでも俺の名を持っていくんだなあ・・・・・・」
アリウスがそう言うと、風の力で鎌鼬を起こし、動けない監視役達の体を傷つけていく。
「ぐああっ!や、やめろ!!やめ・・・・・・」
「そうだ・・・・・・泣き叫べ・・・・・・。俺に喧嘩を売ったのが悪いんだぜ・・・・・・」
やはりアリウスの様子がおかしい・・・・・・!そう思った俺は、こうするしかなかった。
「正気に・・・・・・戻ってくれアリウス・・・・・・ッ!!!!」
俺は渾身の力で、アリウスを殴った。
「ぐっ・・・・・・!」
突然だったせいか、アリウスは踏ん張ることができず、床に転がってしまった。
「アリウス・・・・・・元に戻ったか・・・・・・?」
「・・・・・・体は動く・・・・・・な・・・・・・。悪いルーク、助かった・・・・・・。」
「一体何があったんだよアリウス!俺の知ってるお前はあんなに残虐なやつじゃない!!」
「それは後だ・・・・・・アルルを・・・・・・早く助けないと・・・・・・!!」
俺達は完全に気絶してしまった監視役を後に、急いで船内の捜索を始めた。
このとき、どこかから聞こえていたドクン、ドクンという鼓動のような音は完全に消えていた。
「あとはこの部屋だけだ!!アルル、アルル!!どこにいるんだ!?」
チャッ
何かの音。それが何なのかはすぐわかった。この船で一番大きな部屋に入った俺達は、部屋に入った瞬間に魔銃を構えられた。
「へぇ・・・・・・。坊や達かい?あたしのかわいい仲間を見事に倒しちまったって奴は」
その中でリーダーらしい女が声を上げる。
「・・・・・・だったらどうした?」
「お礼をさせてもらおうと思ってねえ・・・・・・。あんた達の大切な仲間に償いをして欲しいのさ」
「んっ・・・・・・んんーん!!(アリウス!!)」
「なっ・・・・・・アルル!!」
アルルは口と手足を縄で縛られ、動けない状態のようだ。その目には涙が溜まっている。
「てめぇら・・・・・・!!アルルに何しやがった!!」
「そう怒るんじゃないよ・・・・・・。まだ何もしていないさ。
たった今からあんた達がしたことをこの娘に償ってもらうところだからねえ・・・・・・」
・・・・・・ドクン・・・・・・ドクン・・・・・・
(この音・・・・・・まさか、また・・・・・・!?)
「おい!この娘の首を落としな!!目いっぱい力を込めてやるんだよ!!」
そうリーダーの女が命令すると、団員の1人が斧を持ってアルルに向かって斧を真っ直ぐに振り下ろした。
「やめろ!!やめてくれ!!アルル、避けろーー!!!!」
「んんっ!?んんー!!!」
アルルは縛られた状態からかろうじて動き、ぎりぎりの所で斧をかわした。しかし、もう1度団員が斧を振り上げる。
「今度は外すんじゃないよ!!一気に殺りな!!」
「やめろ・・・・・・もうやめてくれえぇぇぇ!!!」
その時、アリウスから大量の魔力の放出と同時に閃光が船室内の全員を包み込んだ。
突然の出来事に、俺はその場に立ち尽くしていることしかできなかった。
「い、一体何が・・・・・・」
その時だった。ゾクリと背筋が凍る。これまでのとは比べ物にならないほどの・・・・・・殺気だった。
アリウスのほうを見ると・・・・・・
「アリ・・・・・・ウス・・・・・・?」
姿形はアリウスのままだった。しかし、何かが違う。それが何かは分からないが、少なくとも今俺の目の前にいるのはアリウスではない。
そんなことを考え、震えているとアリウスが小声で何かを呟き出した。
「我、今ここに血の雨を降らせんことを・・・・・・。殺劇乱舞(サツゲキランブ)・・・・・・」
その瞬間、アリウスが視界から消えた。と、そのとき
「うわあぁぁ!!なんだ、腕が切れ・・・・・・!!」
魔銃を持った団員の1人が悲鳴を上げる。それからも次々と切り裂かれていく団員達。何が起こっているのかわからない俺は、とにかくアルルの元へ走った。
「アルル、無事か!?ところで、アリウスがどこかへ行って・・・・・・!」
「・・・・・・いるよ・・・・・・すぐ近くに」
「!?じゃあまさか、あの団員達が切られてるのって・・・・・・」
「そんな・・・・・・アリウス、なんで闇の力がまた・・・・・・!!」
絶望に満ちた声でポツリと呟くアルル。明らかに様子がおかしい。
「・・・・・・!止めなきゃ!!これ以上は・・・・・・!!」
我に返ると同時にそう言い出すと、アルルは何もない、ただ目の前で切り裂かれる団員達の少し手前まで走り、叫んだ。
「アリウス、もうやめて!!このままじゃたくさんの人が死んじゃうよ!!私は無事だから!!もうやめて・・・・・・お願いだから・・・・・・!!」
アルルは涙を流していた。すると、アリウスがアルルの目の前に現れた。俯いているのでその表情はわからない。
「アル・・・・・・ル・・・・・・。よかった、無事・・・・・・で」
アリウスはそう言ったかと思うと、アルルの元へと倒れこんだ。俺もすぐアルルのところへ走って、アリウスの無事を改めて確かめた。
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