15話

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 俺達は宿屋で休んだ後、サレッドを出た。そしてクリア砂漠を目指して歩いている途中だ。 「うーん・・・・・・」 「どうしたんだアリウス?疲れたか?」 「いや、ちょっとな・・・・・・」 そういって俺はアルルの方をちらっと見た。するとその俺の視線に気づかれ、アルルが話しかけてきた。 「私が・・・・・・どうかしたの?アリウス」 「・・・・・・なんでついて来てるんだ?アルル・・・・・・」 「だって、炎の力は私の力じゃない。・・・・・・アリウスは私が一緒に行くの反対・・・・・・?」 「そりゃそうだろ。危険すぎるじゃないか、死ぬかもしれないんだぜ?この世界は。」 「私もそれは分かってる。だけど、自分の力はやっぱり自分で取り戻さなきゃダメだよ。 それに・・・・・・もう待つのは嫌なの・・・・・・」  そう言うとアルルはうつむいてしまった。少し前まで急に消えた俺を待っていてくれたのだ、 再び辛い思いをしたくないのだろう。俺はアルルの頭を撫で、言った。 「ごめんな、俺アルルの気持ち考えてなかった。一緒に行こう。お前はさ・・・・・・俺が守るから」 「アリウス・・・・・・うんっ!」 そう言うとアルルは俺に抱きついてくる。意外と甘えたがりな部分があるので、こういう行動をたまにしてくるのだ。 しかし、俺はまだそれに全くと言ってもいいほど慣れていない。顔を真っ赤にして、俺は固まってしまった。 「青春とでも言うのかねえ・・・・・・羨ましい限りだよ、二人とも」 ルークがジーっとこちらを見ている。アルルはそれに気づき、手を離した。 「ル、ルーク・・・・・・すまない」 「いや、二人とも大げさに驚くから見てて飽きないしな。別にいいんじゃないか?イチャついてても、さ」 ルークはそう言って笑う。俺とアルルは赤面したままだった。そうこうしている間に、俺達は足元の地形の変化に気づいた。  「おっと・・・そろそろクリア砂漠に入ったかな」 そのルークの言葉を聞き、俺達は顔を上げる。すると、俺達の目に映る景色は本来の砂漠のイメージとは全く違う風景だった。 「ここが砂漠なの?綺麗・・・・・・」 「ああ、クリア砂漠の名前の由来はこれなんだ。ここの砂漠の砂の90%以上の砂はほとんど透明な砂粒、つまりクリアな砂だ。 だからここはクリア砂漠、別名【汚れなき半透明の地形】って言われてる。まあ、砂漠の中心あたりの砂は普通の色なんだけどな」 「へえ・・・・・・でも、やっぱり砂漠と言うだけあって日差しが強いなあ・・・・・・。 ルーク、この辺りには村とか町はないのか?」 当然の疑問だった。砂漠を進むには水が不可欠、どこかで補充しなければならない。 「いや、このあたりには町とかはないよ。でも大丈夫、ちゃ~んとサレッドで水は買って来てるから」 「い・・・・・・いつの間に・・・・・・」 「これでも冒険には慣れてるんだぜ。準備はとっくにしてあるさ」 「そっか、ありがとう。さてと、炎の塔とやらを探しますか」  ミーティアさんの話からするに、この砂漠のどこかに炎の塔があると考えるのが妥当だった。しかし、どこを探しても塔など見つからない。 「くそっ・・・・・・どこにあるんだ、炎の塔は・・・・・・」 「塔って言うなら見回せばすぐに見つかるものだと思うんだけどなあ・・・・・・あれ・・・・・・?」 ルークが疑問の声を上げる。俺はルークが向いている方向を見た。 「・・・・・・?どうしたルーク?山しかないじゃないか」 「いや・・・・・・この砂漠はほとんどが平地であんな高い山ができたことはないはずなんだけど・・・・・・」 「・・・・・・!アリウス、もしかしたらあの山、塔が埋まってるんじゃないかな・・・・・・。ミーティアさんは「砂中の」って言ってたし・・・・・・」 「そうか・・・・・・じゃあ、あの砂を取り除けば・・・・・・!」 「おいおい、無茶言うなよ!!あんな高い山だぞ?どうやって砂を全部どけるんだよ!」 「そのために俺がいるんだろうな・・・・・・二人とも、少し下がっててくれないか?」 俺は集中し、両手を砂の山にかざした。 #comment [[14話]]へ戻る  [[16話]]へ進む [[小説]]ページへ戻る [[トップページ]]へ戻る
 俺達は宿屋で休んだ後、サレッドを出た。そしてクリア砂漠を目指して歩いている途中だ。 「うーん・・・・・・」 「どうしたんだアリウス?疲れたか?」 「いや、ちょっとな・・・・・・」 そういって俺はアルルの方をちらっと見た。するとその俺の視線に気づかれ、アルルが話しかけてきた。 「私が・・・・・・どうかしたの?アリウス」 「・・・・・・なんでついて来てるんだ?アルル・・・・・・」 「だって、炎の力は私の力じゃない。・・・・・・アリウスは私が一緒に行くの反対・・・・・・?」 「そりゃそうだろ。危険すぎるじゃないか、死ぬかもしれないんだぜ?この世界は。」 「私もそれは分かってる。だけど、自分の力はやっぱり自分で取り戻さなきゃダメだよ。それに・・・・・・もう待つのは嫌なの・・・・・・」  そう言うとアルルはうつむいてしまった。少し前まで急に消えた俺を待っていてくれたのだ、 再び辛い思いをしたくないのだろう。俺はアルルの頭を撫で、言った。 「ごめんな、俺アルルの気持ち考えてなかった。一緒に行こう。お前はさ・・・・・・俺が守るから」 「アリウス・・・・・・うんっ!」 そう言うとアルルは俺に抱きついてくる。意外と甘えたがりな部分があるので、こういう行動をたまにしてくるのだ。 しかし、俺はまだそれに全くと言ってもいいほど慣れていない。顔を真っ赤にして、俺は固まってしまった。 「青春とでも言うのかねえ・・・・・・羨ましい限りだよ、二人とも」 ルークがジーっとこちらを見ている。アルルはそれに気づき、手を離した。 「ル、ルーク・・・・・・すまない」 「いや、二人とも大げさに驚くから見てて飽きないしな。別にいいんじゃないか?イチャついてても、さ」 ルークはそう言って笑う。俺とアルルは赤面したままだった。そうこうしている間に、俺達は足元の地形の変化に気づいた。  「おっと・・・そろそろクリア砂漠に入ったかな」 そのルークの言葉を聞き、俺達は顔を上げる。すると、俺達の目に映る景色は本来の砂漠のイメージとは全く違う風景だった。 「ここが砂漠なの?綺麗・・・・・・」 「ああ、クリア砂漠の名前の由来はこれなんだ。ここの砂漠の砂の90%以上の砂はほとんど透明な砂粒、つまりクリアな砂だ。 だからここはクリア砂漠、別名【汚れなき半透明の地形】って言われてる。まあ、砂漠の中心あたりの砂は普通の色なんだけどな」 「へえ・・・・・・でも、やっぱり砂漠と言うだけあって日差しが強いなあ・・・・・・。 ルーク、この辺りには村とか町はないのか?」 当然の疑問だった。砂漠を進むには水が不可欠、どこかで補充しなければならない。 「いや、このあたりには町とかはないよ。でも大丈夫、ちゃ~んとサレッドで水は買って来てるから」 「い・・・・・・いつの間に・・・・・・」 「これでも冒険には慣れてるんだぜ。準備はとっくにしてあるさ」 「そっか、ありがとう。さてと、炎の塔とやらを探しますか」  ミーティアさんの話からするに、この砂漠のどこかに炎の塔があると考えるのが妥当だった。しかし、どこを探しても塔など見つからない。 「くそっ・・・・・・どこにあるんだ、炎の塔は・・・・・・」 「塔って言うなら見回せばすぐに見つかるものだと思うんだけどなあ・・・・・・あれ・・・・・・?」 ルークが疑問の声を上げる。俺はルークが向いている方向を見た。 「・・・・・・?どうしたルーク?山しかないじゃないか」 「いや・・・・・・この砂漠はほとんどが平地であんな高い山ができたことはないはずなんだけど・・・・・・」 「・・・・・・!アリウス、もしかしたらあの山、塔が埋まってるんじゃないかな・・・・・・。ミーティアさんは「砂中の」って言ってたし・・・・・・」 「そうか・・・・・・じゃあ、あの砂を取り除けば・・・・・・!」 「おいおい、無茶言うなよ!!あんな高い山だぞ?どうやって砂を全部どけるんだよ!」 「そのために俺がいるんだろうな・・・・・・二人とも、少し下がっててくれないか?」 俺は集中し、両手を砂の山にかざした。 #comment [[14話]]へ戻る  [[16話]]へ進む [[小説]]ページへ戻る [[トップページ]]へ戻る

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