11話

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サレッド城に着くと、俺達は謁見の間に呼ばれた。ルークはこの国の出身者だけあって、俺とアルルより幾分落ち着きがあった。 「国王様、一体私達に何の御用でしょうか・・・・・・?」 ルークが尋ねた。すると、国王は怖い顔をしてこちらを睨んで来る。 「話というのはな・・・・・・その娘についてじゃ」 「私?私が何か・・・・・・きゃああっ!!」 「アルルっ、どうした!?」 俺が隣を見たとき、アルルは小さな檻に入れられていた。 「てめえっ・・・・・・アルルに何しやがる!!」 「やめろってアリウス!!理由もなしに国王様はこんなことしないんだ!」 俺は怒りのあまり国王に切りかかろうとしていた。しかしルークに両腕を掴まれ、俺の動きは止まった。 「その娘・・・・・・中心街にいきなり現れたそうだな。我々はその娘を魔族の使者だと思っておるのだ。 ワープすることができる魔具など聞いたことがないからのう・・・・・・そんな芸当、できるとすれば魔族の者だけじゃ」 「ふ、ふざけんな!!誰が魔族の使者だって!?魔族どころかむしろ天使だよ、天使!!」 「・・・・・・アリウス、それは言いすぎだよ・・・・・・」 アルルは赤面しながら言った。取り乱していた俺は、その一言で我に返りアルル同様赤面した。 「国王様、アルルは開放して頂けないのでしょうか?」 ルークが言う。俺も真剣な表情で国王の方を向いた。 「ふむ・・・・・・。サレッドから数分歩いたところに「封印されし祠」という洞窟があってな。 そこの最深部に心を覗くことができるという魔具があるのだ。それを手に入れ、そこの娘の心の内を調べ、 清き心の持ち主だと解れば解放してやろうではないか」 「行ってやろうじゃねえか・・・・・・。行くぜ、ルーク!」 「ただし・・・・・・こちらも条件がある。お主ら二人のうち、一人で魔具を取ってくることだ。 ちなみに、封印の祠には魔物が大量に巣くっておる」 「二人で行けないってのか・・・・・・。よし、ルーク俺が行っ・・・・・・むぐっ!」 言葉を言い終わる前に俺はルークに口を塞がれた。 「今回は、俺に行かせてくれないか?アリウス」 「でもルーク、危険すぎるんだぞ・・・・・・?」 「それはお前の場合でも同じだろうが。俺なら大丈夫、打たれなれてるからさ」 「・・・・・・わかった、お前がそこまで言うなら。でも、援助くらいはさせてもらうぜ」 俺は風の力を発動させた。そして、光の球になった風の魔力をルークに渡すと、風の魔力はルークの中に入っていった。 「・・・・・・!アリウス、何をしたんだ?」 「俺の風の力を一時的にルークに渡したんだ。少しの間だけ、ルークでも魔力が使えるようになる。 ただし、魔導士以外の者が魔力を使うのは消耗が大きいからよく考えて使え」 「わかった。ありがとう、借りるぜ。アリウスはアルルのそばにいてやりな。恋人を放っておく彼氏は最低だからな」 「ぶっ!!ルーク・・・・・・まさかそのために自分が行くなんて言い出したのか?」 「まあ、それもあるかな。ただ、お前に頼りきりになりたくないんでな。俺も強くなりたいんだ」 「そっか・・・・・・気をつけて言って来いよ」 「私のせいでごめんね・・・・・・。本当に気をつけてね、ルーク」 「ああ、大丈夫さ。こんなところで死ぬほどヤワじゃないぜ」 ルークは封印の祠の詳しい場所を聞き、城を出た。 #comment [[10話]]へ戻る  [[11話]]へ進む [[小説]]ページへ戻る [[トップページ]]へ戻る
サレッド城に着くと、俺達は謁見の間に呼ばれた。ルークはこの国の出身者だけあって、俺とアルルより幾分落ち着きがあった。 「国王様、一体私達に何の御用でしょうか・・・・・・?」 ルークが尋ねた。すると、国王は怖い顔をしてこちらを睨んで来る。 「話というのはな・・・・・・その娘についてじゃ」 「私?私が何か・・・・・・きゃああっ!!」 「アルルっ、どうした!?」 俺が隣を見たとき、アルルは小さな檻に入れられていた。 「てめえっ・・・・・・アルルに何しやがる!!」 「やめろってアリウス!!理由もなしに国王様はこんなことしないんだ!」 俺は怒りのあまり国王に切りかかろうとしていた。しかしルークに両腕を掴まれ、俺の動きは止まった。 「その娘・・・・・・中心街にいきなり現れたそうだな。我々はその娘を魔族の使者だと思っておるのだ。 ワープすることができる魔具など聞いたことがないからのう・・・・・・そんな芸当、できるとすれば魔族の者だけじゃ」 「ふ、ふざけんな!!誰が魔族の使者だって!?魔族どころかむしろ天使だよ、天使!!」 「・・・・・・アリウス、それは言いすぎだよ・・・・・・」 アルルは赤面しながら言った。取り乱していた俺は、その一言で我に返りアルル同様赤面した。 「国王様、アルルは開放して頂けないのでしょうか?」 ルークが言う。俺も真剣な表情で国王の方を向いた。 「ふむ・・・・・・。サレッドから数分歩いたところに「封印されし祠」という洞窟があってな。 そこの最深部に心を覗くことができるという魔具があるのだ。それを手に入れ、そこの娘の心の内を調べ、 清き心の持ち主だと解れば解放してやろうではないか」 「行ってやろうじゃねえか・・・・・・。行くぜ、ルーク!」 「ただし・・・・・・こちらも条件がある。お主ら二人のうち、一人で魔具を取ってくることだ。 ちなみに、封印の祠には魔物が大量に巣くっておる」 「二人で行けないってのか・・・・・・。よし、ルーク俺が行っ・・・・・・むぐっ!」 言葉を言い終わる前に俺はルークに口を塞がれた。 「今回は、俺に行かせてくれないか?アリウス」 「でもルーク、危険すぎるんだぞ・・・・・・?」 「それはお前の場合でも同じだろうが。俺なら大丈夫、打たれなれてるからさ」 「・・・・・・わかった、お前がそこまで言うなら。でも、援助くらいはさせてもらうぜ」 俺は風の力を発動させた。そして、光の球になった風の魔力をルークに渡すと、風の魔力はルークの中に入っていった。 「・・・・・・!アリウス、何をしたんだ?」 「俺の風の力を一時的にルークに渡したんだ。少しの間だけ、ルークでも魔力が使えるようになる。 ただし、魔導士以外の者が魔力を使うのは消耗が大きいからよく考えて使え」 「わかった。ありがとう、借りるぜ。アリウスはアルルのそばにいてやりな。恋人を放っておく彼氏は最低だからな」 「ぶっ!!ルーク・・・・・・まさかそのために自分が行くなんて言い出したのか?」 「まあ、それもあるかな。ただ、お前に頼りきりになりたくないんでな。俺も強くなりたいんだ」 「そっか・・・・・・気をつけて言って来いよ」 「私のせいでごめんね・・・・・・。本当に気をつけてね、ルーク」 「ああ、大丈夫さ。こんなところで死ぬほどヤワじゃないぜ」 ルークは封印の祠の詳しい場所を聞き、城を出た。 #comment [[10話]]へ戻る  [[12話]]へ進む [[小説]]ページへ戻る [[トップページ]]へ戻る

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