5話

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 街の人から風の力の洞窟の方角を聞き、俺達はサレッドを出た。 しかし、その洞窟の場所を教えてくれた人が言っていたことが頭から離れなかった。 「あの洞窟には行かないほうがいいですよ・・・・・・。実はあの洞窟、少し前にいつの間にかあそこに出てきたんです。 それに、あの洞窟を調査しに行った人たちが大怪我をして帰ってきたことがあったんですよ。 もう意識は回復していますが、その怪我の原因を皆覚えてなくて・・・・・・。医者からの話だと、ほとんどは切り傷と思われる怪我だったそうです」 それが何による怪我だったのか知っているのはおそらく俺とルークの2人だけだろう。俺達は歩いて風の力の洞窟へ向かっていた。近いとはいえ、 歩きだと10分ほどかかる距離だった。ふいに俺はルークに尋ねる。 「ここらへんは魔物はいないのか?」 「いや、いないとは言い切れないな。隠れてて、いきなり襲い掛かってくる魔物もいるから注意したほうがいいぞ」 「了解。それにしても、最初に戦うのがまさか風の力とはな・・・・・・」 「どうした?まずいことでもあるのか?」 「・・・・・・風の力は俺が使える力の中で一番強い力を持ってたからな。かなり手ごわいかもしれない」  ちなみに、俺が使うことのできた力は問題のある1つを除いて6つだ。その中で俺が最も相性がよく、 なおかつ強力な力を発揮できたのが風の力だった。 「それじゃ、やばいんじゃないか?俺達;」 「大丈夫だよ、ルーク。多分だけど、風の力も弱まってるんだ。魔力の供給源がいないからな」 「魔力の供給源?」 「俺のこと。あいつらは魔力を俺から使ってたからな。供給する者がいない以上、下手に残ってる魔力を使えば 自身が消滅することになっちまうんだ。そこまで頭が回らないほどヤワじゃないさ」 「へぇ。なら、魔力を無駄遣いさせればその分どんどん弱くなるんじゃないか?」 「そうなるな。でも、その攻撃を受ければどうなるか・・・・」 「・・・・・・覚悟はしておかなきゃな」 「・・・・・・そうだな・・・・・・」  そう言っているうちに洞窟に着いた。方角も合っているので、どうやらここが風の洞窟のようだ。 洞窟の奥から風が吹き、俺達に当たる。まるで俺達を拒むように。緊張が2人を包み込んだ。 「よし・・・・・・行くか」 「武器を鞘から出しとけよ、アリウス」 「ああ、わかってる」 いよいよ洞窟に入った。当然のことだが洞窟の中は明かりなど灯っていない。あまりにも暗かったので、ルークがたいまつを出してくれた。 たいまつに火をつけたその時、洞窟の奥から何かがやって来る音がした。 「なんだ・・・・・・?」 「魔物だ!戦うぞ!!」 俺は急いで短剣を構えた。魔物が4匹もこちらに襲い掛かってくる。この横に狭い地形では圧倒的に不利だ。 「おい、多すぎないか!?」 「確かにな・・・・・・。しょうがない、一気に決めるぞ。アリウス、下がってくれ!!」 ルークにそう言われ、俺は4,5歩後ろに下がった。するとルークは壁を蹴り、洞窟の天井に向かってジャンプした。 「喰らえっ、降石岩雷(コウセキガンライ)!!」 ルークは天井を剣で切り、岩を降らせた。こちらに襲い掛かってきた魔物は全て、岩の下敷きにされてしまった。 「おお・・・・・・すげえな」 「こんなもんかな。なんとか成功したよ」 「よくそんな技使えるなあ、ルーク」 「親父に教わったんだよ。親父はサレッドではある程度名が通ってる剣士だからな。よく剣術を教えてもらったもんだよ」  とにかく、無事魔物を倒すことができたので、俺達はさらに奥に進んだ。すると扉があり、扉の向こうが明るかった。 「この向こうに・・・風の力がいるな。」 「ああ、多分な。・・・・アリウス、どうした?」 俺の体は震えていた。風の力を相手にするのが怖かった。強力な味方ほど頼もしいものだが、 敵に回すとこれ以上恐ろしいものはないだろうから。すると、ルークが俺の肩をポンと叩く。 振り向くと、ルークはニカッと笑い、俺に言った。 「大丈夫、きっと勝てるさ。俺も一緒に戦う。だから、思いっきりやろうぜ!」 「ルーク・・・・・・。ああ、ありがとう!」 ルークに励まされ、俺は勇気が湧いてきた。そして、俺は扉を開けた・・・・・。 #comment [[4話]]へ戻る    [[6話]]へ進む [[小説]]ページへ戻る [[トップページ]]へ戻る
 街の人から風の力の洞窟の方角を聞き、俺達はサレッドを出た。 しかし、その洞窟の場所を教えてくれた人が言っていたことが頭から離れなかった。 「あの洞窟には行かないほうがいいですよ・・・・・・。実はあの洞窟、少し前にいつの間にかあそこに出てきたんです。 それに、あの洞窟を調査しに行った人たちが大怪我をして帰ってきたことがあったんですよ。 もう意識は回復していますが、その怪我の原因を皆覚えてなくて・・・・・・。医者からの話だと、ほとんどは切り傷と思われる怪我だったそうです」 それが何による怪我だったのか知っているのはおそらく俺とルークの2人だけだろう。俺達は歩いて風の力の洞窟へ向かっていた。近いとはいえ、 歩きだと10分ほどかかる距離だった。ふいに俺はルークに尋ねる。 「ここらへんは魔物はいないのか?」 「いや、いないとは言い切れないな。隠れてて、いきなり襲い掛かってくる魔物もいるから注意したほうがいいぞ」 「了解。それにしても、最初に戦うのがまさか風の力とはな・・・・・・」 「どうした?まずいことでもあるのか?」 「・・・・・・風の力は俺が使える力の中で一番強い力を持ってたからな。かなり手ごわいかもしれない」  ちなみに、俺が使うことのできた力は問題のある1つを除いて6つだ。その中で俺が最も相性がよく、 なおかつ強力な力を発揮できたのが風の力だった。 「それじゃ、やばいんじゃないか?俺達・・・・・・」 「大丈夫だよ、ルーク。多分だけど、風の力も弱まってるんだ。魔力の供給源がいないからな」 「魔力の供給源?」 「俺のこと。あいつらは魔力を俺から使ってるからな。供給する者がいない以上、下手に残ってる魔力を使えば 自身が消滅することになっちまうんだ。そこまで頭が回らないほどあいつらもヤワじゃないさ」 「へぇ。なら、魔力を無駄遣いさせればその分どんどん弱くなるんじゃないか?」 「そうなるな。でも、その攻撃を受ければどうなるか・・・・・・」 「・・・・・・覚悟はしておかなきゃな」 「そうだな・・・・・・」  そう言っているうちに洞窟に着いた。方角も合っているので、どうやらここが風の洞窟のようだ。 洞窟の奥から風が吹き、俺達に当たる。まるで俺達を拒むように。緊張が2人を包み込んだ。 「よし・・・・・・行くか」 「武器を鞘から出しとけよ、アリウス」 「ああ、わかってる」 いよいよ洞窟に入った。当然のことだが洞窟の中は明かりなど灯っていない。あまりにも暗かったので、ルークがたいまつを出してくれた。 たいまつに火をつけたその時、洞窟の奥から何かがやって来る音がした。 「なんだ・・・・・・?」 「魔物だ!戦うぞ!!」 俺は急いで短剣を構えた。魔物が4匹もこちらに襲い掛かってくる。このトンネル型の地形ではこっちが圧倒的に不利だ。 「おい、多すぎないか!?」 「確かにな・・・・・・。しょうがない、一気に決めるぞ。アリウス、下がってくれ!!」 ルークにそう言われ、俺は4,5歩後ろに下がった。するとルークは壁を蹴り、洞窟の天井に向かってジャンプした。 「喰らえっ、降石岩雷(コウセキガンライ)!!」 ルークは天井を剣で切り、岩を降らせた。こちらに襲い掛かってきた魔物は全て、岩の下敷きにされてしまった。 「おお・・・・・・すげえな」 「こんなもんかな。なんとか成功したよ」 「よくそんな技使えるなあ、ルーク」 「親父に教わったんだよ。親父はサレッドではある程度名が通ってる剣士だからな。よく剣術を教えてもらったもんだよ」  とにかく、無事魔物を倒すことができたので、俺達はさらに奥に進んだ。すると扉があり、扉の向こうが明るかった。 「この向こうに・・・・・・風の力がいるな」 「ああ、多分な。・・・・・・アリウス、どうした?」 俺の体は震えていた。風の力を相手にするのが怖かった。強力な味方ほど頼もしいものだが、 敵に回すとこれ以上恐ろしいものはないだろうから。すると、ルークが俺の肩をポンと叩く。 振り向くと、ルークはニカッと笑い、俺に言った。 「大丈夫、きっと勝てるさ。俺も一緒に戦う。だから、思いっきりやろうぜ!」 「ルーク・・・・・・。ああ、ありがとう!」 ルークに励まされ、俺は勇気が湧いてきた。そして、俺は扉を開けた・・・・・・。 #comment [[4話]]へ戻る    [[6話]]へ進む [[小説]]ページへ戻る [[トップページ]]へ戻る

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