2話

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 とりあえず何をするかしばらく考え込んでいたが、まずは情報集めに限ると思い、俺は適当に歩き始めた。偶然にも案外すぐ近くに露店があり、そこにいた行商人のおじさんに声をかけた。 「あの・・・・・・すみません。ここは一体なんと言う場所なんですか?」 「・・・・・・?あんた、ここを知らないのか?放浪者か何かかね?」 「ええ・・・・・・まあ、そんなところです」 違うと言いたかったが、自分は何も全く知らない。それに「違う世界から来ました」なんて言っても、どうせ信じてもらえないだろう。 「ここは『始まりの場所』と呼ばれている国、サレッド王国さ」 「『始まりの場所』?」 「ああ。ここはあまり技術が優れていないが、誰でも簡単に扱える安い武器なんかが売っている上、国の外の魔物たちも弱いんだ。 だから、私たち商人は比較的安全なこの国で商売をしている者も多いんだよ」 「魔物!?魔物が出るんですか?」 「・・・・・・あんた何も知らないんだな。世界の常識だぞ?」 そんなことを言われても、俺はこの世界の人じゃないんだから知るわけがない。俺は心の中で顔をしかめた。 しかし、魔物が出るとは・・・・・・。ミーティアさんが「もし死んでも」と言ってた意味がわかったよ。 「この街を知らないなら、え~っと・・・・・・ほれ、そこに地図があるから覗いてみな」 そう言われ、露天の裏に見えた大きな案内板のところへ向かう。そこで改めてこの街の大きさに驚かされる。何人住めるんだよ、ここ・・・・・・。とりあえず街の全景を簡単に説明すると、住宅街や広場のほかに中央通り、それにその一番奥には城まであった。とことん俺が元いた世界とはかけ離れた時代をかもし出している。中央通りにはかなりの露店が立ち並んでいるようだ。ここのほうがきっと・・・・・・。 ちなみに、俺が今いるのは案内板によると広場のかなり隅のほうらしい。 正直なところ助かった。人が多い中のど真ん中に落ちたとすれば怪しい学者達に目をつけられ、解剖・・・・・・身の毛がよだつ。 まあ、そうでなくても俺は「普通の人とは違うんだから」、変な学者に目をつけられる可能性は否めないわけだが。 とりあえず、町の中央部ならたくさんの情報が手に入ると考えた俺は、この場を離れることにした。 「ありがとうございました。街の中央部へ行ってもっといろいろ聞いてきます」 礼を言い、俺はその場をあとにした。 中央部へ着くと、そこは景色が一変していた。多くの店が立ち並び、活気がある。俺はしばらくの間呆然と立ち尽くしていた。こんなに賑わっている風景を見たことがなかったからだ。 しばらくその風景を眺めているといきなり、人々が叫び声を上げて、店の物を片付け始めた。どうやら閉店時間というわけではなさそうだが・・・・・・。周りを見渡すと、国の入り口のほうから何かが2匹やってくる。どうやら生物であることは間違いないようだ。 「魔物だ!みんな逃げるんだ!!」  近くにいた人が叫び、人々は逃げ惑う。俺も逃げようとしたが、距離的に間に合わないので身を構えた。戦うしかないと思ったからだ。 すると、横の道から誰かが走ってきて俺の隣に立ち、話しかけてきた。 「何やってるんだ、早く逃げろ!」 「そんなこと言っても間に合わないんだよ!」 そんなことを言っている間にも『魔物』は俺達のすぐ側まで迫ってきていた。 「くそっしょうがない、これ使えっ!」 俺はその男から2本の短剣を受け取った。男は大きめの剣を構えて魔物のほうを向いている。俺は急いで鞘から刀身を出し、両手に持った。 魔物の方も二手に別れ、片方は俺に向かって突進してくる。俺はその突進をなんとかかわし、隙が出来た背後からその背中に両手の短剣で切りつけた。 すると、魔物は叫び声を上げ、フッとどこかへ消えてしまった。 #comment [[1話]]へ戻る     [[3話]]へ進む [[小説]]ページへ戻る [[トップページ]]へ戻る
 とりあえず何をするかしばらく考え込んでいたが、まずは情報集めに限ると思い、俺は適当に歩き始めた。偶然にも案外すぐ近くに露店があり、そこにいた行商人のおじさんに声をかけた。 「あの・・・・・・すみません。ここは一体なんと言う場所なんですか?」 「・・・・・・?あんた、ここを知らないのか?放浪者か何かかね?」 「ええ・・・・・・まあ、そんなところです」 違うと言いたかったが、自分は何も全く知らない。それに「違う世界から来ました」なんて言っても、どうせ信じてもらえないだろう。 「ここは『始まりの場所』と呼ばれている国、サレッド王国さ」 「『始まりの場所』?」 「ああ。ここはあまり技術が優れていないが、誰でも簡単に扱える安い武器なんかが売っている上、国の外の魔物たちも弱いんだ。 だから、私たち商人は比較的安全なこの国で商売をしている者も多いんだよ」 「魔物!?魔物が出るんですか?」 「・・・・・・あんた何も知らないんだな。世界の常識だぞ?」 そんなことを言われても、俺はこの世界の人じゃないんだから知るわけがない。俺は心の中で顔をしかめた。 しかし、魔物が出るとは・・・・・・。ミーティアさんが「もし死んでも」と言ってた意味がわかったよ。 「この街を知らないなら、え~っと・・・・・・ほれ、そこに地図があるから覗いてみな」 そう言われ、露天の裏に見えた大きな案内板のところへ向かう。そこで改めてこの街の大きさに驚かされる。何人住めるんだよ、ここ・・・・・・。とりあえず街の全景を簡単に説明すると、住宅街や広場のほかに中央通り、それにその一番奥には城まであった。とことん俺が元いた世界とはかけ離れた時代をかもし出している。中央通りにはかなりの露店が立ち並んでいるようだ。ここのほうがきっと・・・・・・。 ちなみに、俺が今いるのは案内板によると広場のかなり隅のほうらしい。 正直なところ助かった。人が多い中のど真ん中に落ちたとすれば怪しい学者達に目をつけられ、解剖・・・・・・身の毛がよだつ。 まあ、そうでなくても俺は「普通の人とは違うんだから」、変な学者に目をつけられる可能性は否めないわけだが。 とりあえず、町の中央部ならたくさんの情報が手に入ると考えた俺は、この場を離れることにした。 「ありがとうございました。街の中央部へ行ってもっといろいろ聞いてきます」 露店に戻って店主のおじさんに礼を言い、俺はその場をあとにした。 中央部へ着くと、そこは景色が一変していた。多くの店が立ち並び、活気がある。俺はしばらくの間呆然と立ち尽くしていた。こんなに賑わっている風景を見たことがなかったからだ。 しばらくその風景を眺めているといきなり、人々が叫び声を上げて、店の物を片付け始めた。どうやら閉店時間というわけではなさそうだが・・・・・・。周りを見渡すと、国の入り口のほうから何かが2匹やってくる。どうやら生物であることは間違いないようだ。 「魔物だ!みんな逃げるんだ!!」  近くにいた人が叫び、人々は逃げ惑う。俺も逃げようとしたが、距離的に間に合わないので身を構えた。戦うしかないと思ったからだ。 すると、横の道から誰かが走ってきて俺の隣に立ち、話しかけてきた。 「何やってるんだ、早く逃げろ!」 「そんなこと言っても間に合わないんだよ!」 そんなことを言っている間にも『魔物』は俺達のすぐ側まで迫ってきていた。 「くそっしょうがない、これ使えっ!」 俺はその男から2本の短剣を受け取った。男は大きめの剣を構えて魔物のほうを向いている。俺は急いで鞘から刀身を出し、両手に持った。 魔物の方も二手に別れ、片方は俺に向かって突進してくる。俺はその突進をなんとかかわし、隙が出来た背後からその背中に両手の短剣で切りつけた。 すると、魔物は叫び声を上げ、フッとどこかへ消えてしまった。 #comment [[1話]]へ戻る     [[3話]]へ進む [[小説]]ページへ戻る [[トップページ]]へ戻る

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