1話

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「うわああぁぁ!!」 さて、いきなりこんな情けない声を上げているのはこの俺、アリウスだ。なぜ叫んでいるのかというと、理解しがたい状況に陥っているからである。 そもそも、事の発端は俺自身なのだが・・・・・。  俺はただ普通の生活を普通に送っているだけのつもりだった。しかし、俺の国・・・・・・いや、俺の元いた国で決められていたある「決まり」を破って しまったため、現在に至る。何も準備できず、誰にも知らせずにいきなりこの場所へ送られた。俺の恋人を元いた国に残したままで。 しかし、ここは一体どこなんだろうか・・・・・・。星のような粒子のような物質が周囲に輝いており、なおかつ地面がない。 そう、今は地に足がついておらず、いわば落ちている状態だ。もうここへ来てから5分はたつ。 しかし、俺をここに送った人物は、ここは次元の入り口だと言っていた。俺を過去へでも送り飛ばすつもりなのだろうか。そんなことを考えていると、 ふいに周囲が一気に明るくなり、俺は地面に叩きつけられた。 幸い怪我はないようだが、凄まじい痛みに俺は苦痛の 声を上げた。いや、声にはなっていないようだ。 「・・・っ・・・!!」 しばらくそこに転がっていたが、痛みが引いてくると やっと起き上がり、周囲の景色を確認することができた。 「・・・・・・・なんだ、ここ・・・・・・?」  どこへ目をやっても、全く見たことのない建造物が視界へ飛び込んでくる。 初めて見るその景色に戸惑っていると、どこからともなく自分の耳に知っている人の声が聞こえてきた。 「聞こえますか、アリウス」 「・・・・・・ええ、聞こえますよミーティアさん」 その人物は、俺をこの世界へ飛ばした張本人だった。 俺が幼いころから優しく接してくれて、俺は彼女を信頼していた。しかし、俺がこの世界に飛ばされる時に、何のためらいもなしに俺を飛ばした彼女と話すのは少し辛かった。 「どうやら到着したようですね。ここから貴方は、その世界に起きている重大な問題を解決しなければありません。」 「重大な問題?なにが起きてるんですか?」 「それも貴方自身が調べるのですよ、アリウス。」 「それはちょっとひどいんじゃ・・・・・・」 「ひどいのはしょうがないでしょう。貴方がそれだけのことをしたということですよ。」 確かに彼女の言うことは正しいので言い返せない。俺は観念することにした。 「じゃあ、ここから俺はその『重要な問題』を解決するんですね?元の世界に戻るために。」 「はい、貴方がそちらの世界で死ぬことになっても、です。」 その言葉に体が震えた。 「え・・・?それじゃあ、俺がもしこの世界で死んだりしたら・・・・・・!」 「二度と生き返れませんし、こちらの世界にも戻ってこられません。命がけでこれを行っていただきます。」 「そんな・・・・・・!!」 「辛いのは分かります。しかし、これを成し遂げなければこちらの世界には戻ってこられませんよ。」  死という絶望感が俺を襲う。しかし、俺は元の世界に戻りたいという強い意志がある。そして、行動しないと始まらないという当たり前ながらも重要な決意がある。俺は決心した。 「・・・・・・わかりました」 「貴方ならそう言うと思っていました。どうか頑張って下さい。」 そう言うと、彼女の声はピタリと止んだ。 無意識のうちに座り込んでいた俺は、これからどうするかを考えながら、ゆっくりと立ち上がった。 #comment [[小説]]ページへ戻る    [[2話]]へ進む [[トップページ]]へ戻る
「うわああぁぁ!!」 さて、いきなりこんな情けない声を上げているのはこの俺、アリウスだ。なぜ叫んでいるのかというと、理解しがたい状況に陥っているからである。 そもそも、事の発端は俺自身なのだが・・・・・。  俺はただ普通の生活を普通に送っているだけのつもりだった。しかし、俺の国・・・・・・いや、俺の元いた国で決められていたある「決まり」を破って しまったため、現在に至る。何も準備できず、誰にも知らせずにいきなりこの場所へ送られた。俺の恋人を元いた国に残したままで。 しかし、ここは一体どこなんだろうか・・・・・・。星のような粒子のような物質が周囲に輝いており、なおかつ地面がない。 そう、今は地に足がついておらず、いわば落ちている状態だ。もうここへ来てから5分はたつ。 しかし、俺をここに送った人物は、ここは次元の入り口だと言っていた。俺を過去へでも送り飛ばすつもりなのだろうか。そんなことを考えていると、 ふいに周囲が一気に明るくなり、俺は地面に叩きつけられた。 幸い怪我はないようだが、凄まじい痛みに俺は苦痛の 声を上げた。いや、声にはなっていないようだ。 「・・・っ・・・!!」 しばらくそこに転がっていたが、痛みが引いてくると やっと起き上がり、周囲の景色を確認することができた。 「・・・・・・・なんだ、ここ・・・・・・?」  どこへ目をやっても、全く見たことのない建造物が視界へ飛び込んでくる。 初めて見るその景色に戸惑っていると、どこからともなく自分の耳に知っている人の声が聞こえてきた。 「聞こえますか、アリウス」 「・・・・・・ええ、聞こえますよミーティアさん」 その人物は、俺をこの世界へ飛ばした張本人だった。 俺が幼いころから優しく接してくれて、俺は彼女を信頼していた。しかし、俺がこの世界に飛ばされる時に、何のためらいもなしに俺を飛ばした彼女と話すのは少し辛かった。 「どうやら到着したようですね。ここから貴方は、その世界に起きている重大な問題を解決しなければありません」 「重大な問題?なにが起きてるんですか?」 「それも貴方自身が調べるのですよ、アリウス」 「それはちょっとひどいんじゃ・・・・・・」 「ひどいのはしょうがないでしょう。貴方がそれだけのことをしたということですよ」 確かに彼女の言うことは正しいので言い返せない。俺は観念することにした。 「じゃあ、ここから俺はその『重要な問題』を解決するんですね?元の世界に戻るために」 「はい、貴方がそちらの世界で死ぬことになっても、です」 その言葉に体が震えた。 「え・・・?それじゃあ、俺がもしこの世界で死んだりしたら・・・・・・!」 「二度と生き返れませんし、こちらの世界にも戻ってこられません。命がけでこれを行っていただきます」 「そんな・・・・・・!!」 「辛いのは分かります。しかし、これを成し遂げなければこちらの世界には戻ってこられませんよ」  死という絶望感が俺を襲う。しかし、俺は元の世界に戻りたいという強い意志がある。そして、行動しないと始まらないという当たり前ながらも重要な決意がある。俺は決心した。 「・・・・・・わかりました」 「貴方ならそう言うと思っていました。どうか頑張って下さい」 そう言うと、彼女の声はピタリと止んだ。 無意識のうちに座り込んでいた俺は、これからどうするかを考えながら、ゆっくりと立ち上がった。 #comment [[小説]]ページへ戻る    [[2話]]へ進む [[トップページ]]へ戻る

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