63話

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                                     ~視点変更――アリウス視点――~ 「ふわあぁぁぁ・・・・・・」 我ながら大きなあくびをしたもんだ。大きく伸びをしながら周りを見てみると、まだ誰も起きてはいない。 「少し早かったか・・・・・・昨日寝すぎたせいか?」 昨日の膝枕を思い出しながらアルルのベッドの方を見る。アルルの呼吸のリズムで布団が上下している。 「また今度してもらおうか・・・・・・い、いかんいかん。そろそろ皆を起こすかな」 そう思い、ベッドから降りた時だった。                                             ドクン!! 「っ!?」 突然視界が全て赤く染められた。綺麗な赤色とは違う・・・・・・まるで血の色のような赤黒い色で。 「ぐ・・・が・・・!!」 続いて肺が焼け付くような苦しみと、鈍器で殴られたような鈍くて重い頭痛が俺を襲う。俺はたまらず床に膝と手をついてかがみこむ。 「あふ・・・・・・早いねアリウス・・・・・・!?ちょ、ちょっとどうしたんだい!?」 目覚めたリームが俺に声をかける。返事をしている余裕などすでに無かった。 「あんたたち、起きなよ!!アリウスの様子が変なんだ!!」 リームが残りの3人を起こしてくれる。皆は布団を跳ね除けて、すぐに俺のところに来てくれた。 「アリウス!一体どうしたの!?どこか痛むなら医者に・・・・・・」 アルルが心配そうに俺に手を差し伸べようとする。 「近・・・・・・づくなっ!!」                                              ドンッ 「きゃっ!?」 「今、近づかれると・・・・・・何をするか、分からない・・・・・・!!」 そう呟くと同時に耳鳴りがして、どこからともなく声が聞こえてくる。 (コロセ・・・・・・ソウスレバ楽ニナレル。チガ・・・・・・血ガ欲シイ・・・・・・) 「嫌だ・・・・・・血なんていらない!もうこれ以上殺したくない・・・・・・!!」  (・・・・・・マアイイ。シカシ、イズレハ闇にノマレル事ニナル) その声が終わると同時に苦しみと頭の痛みは消え、視界も元の色に戻った。 「はあ、はあっ・・・・・・助かった・・・・・・!」 「アリウス。もう大丈夫なのか?」 「ああ、なんとか・・・・・・何だったんだ、ありゃ」 「病気とかにしちゃ突然直るってのもおかしい話だね。何か心当たりはないのかい?」 「・・・・・・私は少しある。アリウス、さっき血なんて・・・・・・って言ってたよね。それは誰の声に対して?」 「え?みんなも聞こえてたろ?突然どっかから聞こえてきた声に対してだよ」 「僕達そんな声聞いてないですよ、ご主人様?」 「嘘だろ!?さっきはあんなにはっきりと・・・・・・!!」 「やっぱり。それは多分、アリウスの闇の力だよ」 『やはり、そうだったか・・・・・・』 (え?ああ、ウェンディか。待ってくれ、今呼ぶから) 印を描き、ウェンディを呼び出す。 『さっき一時的にだが、私の意識も切れた。恐らく闇の力に間違いないだろう』 「でも何で!今までこんなこと一度も・・・・・・!!」 『そこまでは分からない。だが、今後も注意するに越したことはないだろうな』 「・・・・・・ああ」 「さあ、暗くなってても始まらない。早速ミーティアさんに話を聞こう」 俺達はいつものように宿を出て、人気の少ない場所でミーティアさんを呼んだ。 「お師匠様、今日はもう「力」は現れましたか?」 「まだ力は収束しきっていないようです。しかし、大体の位置はつかめました。次に「力」が現れる場所はここではありません。風の大陸に現れるようです」 「ウインドラヴィス・・・・・・丁度いいな。アリウス、前に言ってた『情報と医療の街』にでも行ってみるか?」 「ああ、そうしてくれると助かる、早いとこ闇の力をどうにかする方法を・・・・・・」 その時、偶然近くにいた2人の男が話している声が聞こえてくる。 「博士が倒れたって!?一体どう言うことなんだ!?」 「落ち着け!倒れたってのはあくまで噂だよ。それに博士には助手もいるんだ。仮に倒れていたとしても安心だろ」 「そ、そうだったな。博士も無理をしすぎないといいんだが・・・・・・一度のめり込むと打ち込みすぎる人だからな」 「・・・・・・そうか、その手があった!アリウス、情報と医療の街に行くのは後回しにしよう」 「え?急にどうしたんだよルーク」 「いるんだよ、ウインドラヴィスにはあの人が。名前はホベルグ・アインウッド。魔法学の権威がな」 「聞いたことがあるよ。かなり頭がよくて賞をいくつももらっている天才博士だっけ?」 「ウ~・・・・・・とっても偉い人ってことですか?」 「ああ。いちいち街に行って調べなくても博士に聞けばアリウスの力をどうにかできるかもしれない」 「うまくいけばアリウスの闇の力もどうにかできるかもしれないんだね!アリウス、行こうよ!!」 「ああ!それじゃあまずは港だな。皆、行こうぜ!!」 #comment [[62話]]へ戻る [[小説]]ページへ戻る [[トップページ]]へ戻る
                                     ~視点変更――アリウス視点――~ 「ふわあぁぁぁ・・・・・・」 我ながら大きなあくびをしたもんだ。大きく伸びをしながら周りを見てみると、まだ誰も起きてはいない。 「少し早かったか・・・・・・昨日寝すぎたせいか?」 昨日の膝枕を思い出しながらアルルのベッドの方を見る。アルルの呼吸のリズムで布団が上下している。 「また今度してもらおうか・・・・・・い、いかんいかん。そろそろ皆を起こすかな」 そう思い、ベッドから降りた時だった。                                             ドクン!! 「っ!?」 突然視界が全て赤く染められた。綺麗な赤色とは違う・・・・・・まるで血の色のような赤黒い色で。 「ぐ・・・が・・・!!」 続いて肺が焼け付くような苦しみと、鈍器で殴られたような鈍くて重い頭痛が俺を襲う。俺はたまらず床に膝と手をついてかがみこむ。 「あふ・・・・・・早いねアリウス・・・・・・!?ちょ、ちょっとどうしたんだい!?」 目覚めたリームが俺に声をかける。返事をしている余裕などすでに無かった。 「あんたたち、起きなよ!!アリウスの様子が変なんだ!!」 リームが残りの3人を起こしてくれる。皆は布団を跳ね除けて、すぐに俺のところに来てくれた。 「アリウス!一体どうしたの!?どこか痛むなら医者に・・・・・・」 アルルが心配そうに俺に手を差し伸べようとする。 「近・・・・・・づくなっ!!」                                              ドンッ 「きゃっ!?」 「今、近づかれると・・・・・・何をするか、分からない・・・・・・!!」 そう呟くと同時に耳鳴りがして、どこからともなく声が聞こえてくる。 (コロセ・・・・・・ソウスレバ楽ニナレル。チガ・・・・・・血ガ欲シイ・・・・・・) 「嫌だ・・・・・・血なんていらない!もうこれ以上殺したくない・・・・・・!!」  (・・・・・・マアイイ。シカシ、イズレハ闇にノマレル事ニナル) その声が終わると同時に苦しみと頭の痛みは消え、視界も元の色に戻った。 「はあ、はあっ・・・・・・助かった・・・・・・!」 「アリウス。もう大丈夫なのか?」 「ああ、なんとか・・・・・・何だったんだ、ありゃ」 「病気とかにしちゃ突然直るってのもおかしい話だね。何か心当たりはないのかい?」 「・・・・・・私は少しある。アリウス、さっき血なんて・・・・・・って言ってたよね。それは誰の声に対して?」 「え?みんなも聞こえてたろ?突然どっかから聞こえてきた声に対してだよ」 「僕達そんな声聞いてないですよ、ご主人様?」 「嘘だろ!?さっきはあんなにはっきりと・・・・・・!!」 「やっぱり。それは多分、アリウスの闇の力だよ」 『やはり、そうだったか・・・・・・』 (え?ああ、ウェンディか。待ってくれ、今呼ぶから) 印を描き、ウェンディを呼び出す。 『さっき一時的にだが、私の意識も切れた。恐らく闇の力に間違いないだろう』 「でも何で!今までこんなこと一度も・・・・・・!!」 『そこまでは分からない。だが、今後も注意するに越したことはないだろうな』 「・・・・・・ああ」 「さあ、暗くなってても始まらない。早速ミーティアさんに話を聞こう」 俺達はいつものように宿を出て、人気の少ない場所でミーティアさんを呼んだ。 「お師匠様、今日はもう「力」は現れましたか?」 「まだ力は収束しきっていないようです。しかし、大体の位置はつかめました。次に「力」が現れる場所はここではありません。風の大陸に現れるようです」 「ウインドラヴィス・・・・・・丁度いいな。アリウス、前に言ってた『情報と医療の街』にでも行ってみるか?」 「ああ、そうしてくれると助かる、早いとこ闇の力をどうにかする方法を・・・・・・」 その時、偶然近くにいた2人の男が話している声が聞こえてくる。 「博士が倒れたって!?一体どう言うことなんだ!?」 「落ち着け!倒れたってのはあくまで噂だよ。それに博士には助手もいるんだ。仮に倒れていたとしても安心だろ」 「そ、そうだったな。博士も無理をしすぎないといいんだが・・・・・・一度のめり込むと打ち込みすぎる人だからな」 「・・・・・・そうか、その手があった!アリウス、情報と医療の街に行くのは後回しにしよう」 「え?急にどうしたんだよルーク」 「いるんだよ、ウインドラヴィスにはあの人が。名前はホベルグ・アインウッド。魔法学の権威がな」 「聞いたことがあるよ。かなり頭がよくて賞をいくつももらっている天才博士だっけ?」 「ウ~・・・・・・とっても偉い人ってことですか?」 「ああ。いちいち街に行って調べなくても博士に聞けばアリウスの力をどうにかできるかもしれない」 「うまくいけばアリウスの闇の力もどうにかできるかもしれないんだね!アリウス、行こうよ!!」 「ああ!それじゃあまずは港だな。皆、行こうぜ!!」 #comment [[62話]]へ戻る   [[64話]]に進む [[小説]]ページへ戻る [[トップページ]]へ戻る

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