59話

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「あ・・・・・・」 「な、なんだいあれ!?」 「ああ、アルルの「力」だな。そういえばリームは初めてだったな」 空中に漂っていた力は2つの玉に別れ、アルルの両手の上に乗るように止まった。 「おかえりなさい。ちゃんと帰ってきてくれたね。あなたは・・・・・・これから、よろしくね」 アルルは両手に持った玉を抱えるように胸に当てると、光の玉はアルルの中へと入っていった。 「んっ・・・・・・!」 アルルは小さく声を上げて膝を折り、地面に座りこんでしまった。 「アルル!?どうした、大丈夫か!!」 「うん、大丈夫だよ。一度に2つも力を取り込んだ反動でちょっと体の力が抜けちゃったみたい・・・・・・」 「よかったぜ。でもどうする?そろそろこっから出ねえとヤバいっぽいしな」 「こういうときはいつものアレだな。ミーティアさん!」 「お断りします」 「早っ!?しかもダメなのかよ!!」 「全く、私を便利な道具扱いしないで下さい。アレは消費が大きいからあまり使いたくありません」 「そうは言ってもなあ。アルルが動けないとしたら歩いて出るわけには・・・・・・」 「それなら問題ありません。アリウスが運べばいいではありませんか」 「は?俺!?」 「・・・・・・アリウス、貴方達は恋人同士でしょう。触れることに問題がありますか?」 「で、でもアルルの気持ちってものがあるでしょうが!!」 「えっと、私・・・・・・いいよ?」 「本人からの許可も出たことですしいいでしょう?」 「わ、分かった。ほら、アルル」 俺はアルルの正面に立ち、背中を向けてしゃがみこんだ。さすがにお姫様だっこなんて恥ずかしくてできるはずがない。 「う、うん」 「ほら、危ないよ!アルル、あたしの手を持ちな」 「ありがと。迷惑かけてごめんね、リーム」 「気にしないの。仲間なら助け合って当たり前でしょ?ほら」 「貴方は見ない顔ですね。新しい仲間の方ですか?」 「そうだよ。あたしはリーム、姿が見えないあんたはアリウス達に聞いた話からするにミーティアって人かい?」 「ご明察。姿を見せるには私もこちらへ来なければいけませんので」 「しょ、っと。それじゃ行こうぜ、みんな」 「ご主人様!ご主人様の剣がまだあっちにあるです!!」 「っと。しまった、忘れてた。悪いアルル、一度下ろしても大丈夫か?」 「うん、私は全然平気」 「それは心配御無用です!アオオォォォォォン!!」 レオンが大きく叫ぶと、瓦礫の一部が崩れ、そこから短剣が回転しながら2本飛んできた。 「ば、馬鹿っ!!刀身剥き出しのままなんだぞ!?」 「あ・・・・・・しまったです」 「しまったじゃねぇーっ!!」                                                ギィン!! 短剣が俺達のすぐ近くまで飛んできたとき、ルークが剣で短剣を弾いてくれた音だ。 「危ない危ない。レオン、少し甘かったな」 「ふう・・・・・・心臓止まるかと思ったぜ。ルーク、助かった」 「クゥーン・・・・・・ごめんなさいです・・・・・・」 「大丈夫だよ、アリウスは別に怒ってるわけじゃないから。ね?」 「ああ、レオンは善意でやってくれたんだもんな。でも次からはもう少し考えるだけ、な?」 「分かりましたです。僕、頑張るです!!」 「よし、短剣もしまったしそろそろ行こう」 「私もご一緒しましょう。話すこともありますからね」 俺達は出口を目指して歩き出した。 #comment [[58話]]へ戻る [[小説]]ページへ戻る [[トップページ]]へ戻る
「あ・・・・・・」 「な、なんだいあれ!?」 「ああ、アルルの「力」だな。そういえばリームは初めてだったな」 空中に漂っていた力は2つの玉に別れ、アルルの両手の上に乗るように止まった。 「おかえりなさい。ちゃんと帰ってきてくれたね。あなたは・・・・・・これから、よろしくね」 アルルは両手に持った玉を抱えるように胸に当てると、光の玉はアルルの中へと入っていった。 「んっ・・・・・・!」 アルルは小さく声を上げて膝を折り、地面に座りこんでしまった。 「アルル!?どうした、大丈夫か!!」 「うん、大丈夫だよ。一度に2つも力を取り込んだ反動でちょっと体の力が抜けちゃったみたい・・・・・・」 「よかったぜ。でもどうする?そろそろこっから出ねえとヤバいっぽいしな」 「こういうときはいつものアレだな。ミーティアさん!」 「お断りします」 「早っ!?しかもダメなのかよ!!」 「全く、私を便利な道具扱いしないで下さい。アレは消費が大きいからあまり使いたくありません」 「そうは言ってもなあ。アルルが動けないとしたら歩いて出るわけには・・・・・・」 「それなら問題ありません。アリウスが運べばいいではありませんか」 「は?俺!?」 「・・・・・・アリウス、貴方達は恋人同士でしょう。触れることに問題がありますか?」 「で、でもアルルの気持ちってものがあるでしょうが!!」 「えっと、私・・・・・・いいよ?」 「本人からの許可も出たことですしいいでしょう?」 「わ、分かった。ほら、アルル」 俺はアルルの正面に立ち、背中を向けてしゃがみこんだ。さすがにお姫様だっこなんて恥ずかしくてできるはずがない。 「う、うん」 「ほら、危ないよ!アルル、あたしの手を持ちな」 「ありがと。迷惑かけてごめんね、リーム」 「気にしないの。仲間なら助け合って当たり前でしょ?ほら」 「貴方は見ない顔ですね。新しい仲間の方ですか?」 「そうだよ。あたしはリーム、姿が見えないあんたはアリウス達に聞いた話からするにミーティアって人かい?」 「ご明察。姿を見せるには私もこちらへ来なければいけませんので」 「しょ、っと。それじゃ行こうぜ、みんな」 「ご主人様!ご主人様の剣がまだあっちにあるです!!」 「っと。しまった、忘れてた。悪いアルル、一度下ろしても大丈夫か?」 「うん、私は全然平気」 「それは心配御無用です!アオオォォォォォン!!」 レオンが大きく叫ぶと、瓦礫の一部が崩れ、そこから短剣が回転しながら2本飛んできた。 「ば、馬鹿っ!!刀身剥き出しのままなんだぞ!?」 「あ・・・・・・しまったです」 「しまったじゃねぇーっ!!」                                                ギィン!! 短剣が俺達のすぐ近くまで飛んできたとき、ルークが剣で短剣を弾いてくれた音だ。 「危ない危ない。レオン、少し甘かったな」 「ふう・・・・・・心臓止まるかと思ったぜ。ルーク、助かった」 「クゥーン・・・・・・ごめんなさいです・・・・・・」 「大丈夫だよ、アリウスは別に怒ってるわけじゃないから。ね?」 「ああ、レオンは善意でやってくれたんだもんな。でも次からはもう少し考えるだけ、な?」 「分かりましたです。僕、頑張るです!!」 「よし、短剣もしまったしそろそろ行こう」 「私もご一緒しましょう。話すこともありますからね」 俺達は出口を目指して歩き出した。 #comment [[58話]]へ戻る   [[60話]]に進む [[小説]]ページへ戻る [[トップページ]]へ戻る

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