エンタメなでしこにて松川美苗氏紹介

エンタメなでしこにて松川美苗氏紹介

 

Web archive/2004年01月
消えつつあるネット上の貴重な資料を公開。

 

http://web.archive.org/web/20040703152756/
http://www32.ocn.ne.jp/~kounichikan/honsi/2004_01/01_nadeshiko.html

 

エンタメ なでしこ

松岡昌宏主演ゲームソフトの制作に携わった
株式会社カプコン
アシスタントプロデューサー
松川 美苗さん

 

ゲームがわたしに“チカラ”をくれる

 

いつか、いろんなメディアで展開する娯楽コンテンツをコーディネートしたいな

 

 昨年末。開発中の自社ソフトに、担当外でありながら、気になるテレビゲームがあった。TOKIOの松岡昌宏さんが主演する、サイコサスペンスアドベンチャー「玻璃ノ薔薇(ガラスノバラ)」。“女性ユーザー”の目線から、とても遊びやすそうに感じた。そして何より、女性を含む幅広い消費者に対し、このソフトの魅力をうまく伝えていきたい、そう強く思った。
担当していたソフトの制作が一段落した直後、プロデューサーに直談判し、スタッフに加えてもらった。仕事の手始めは、今年2月の制作発表会。重厚な本格サスペンスだけに、世界観をどのように伝えていけば良いか迷った。発表内容には細心の注意を払った。
運営にあたる代理店から案文を渡された。わかりにくい。「玻璃ノ薔薇」の魅力が伝えきれていないと感じた。自らパソコンに向かい、A4判2ページ分にわたって文章を書いてみた。上司に見せると「長すぎる」と突き返された。無駄な部分を大幅に削った。ところが今度は「コンセプトが伝わってこない、書き直し」。
ゲームの“キモ”は、他人の心が望むと望まざるとにかかわらず見えてしまう精神的な恐怖。しかも、そんな物語の主人公として、松岡さんはハマリ役だった。この点をわかりやすい文章で強調した。「これでいい」と上司のゴーサインが出たのは、発表会前日だった。
出席者に渡す土産物やリリースの段取りにも追われた。土産物は内容とも関わるボールペンに決めた。チープでなく、ゲームの舞台となる豪壮な屋敷に合わせ、高級感を出した。木製の箱も特注した。通常はタイトルロゴなどを入れるのだが、今回は一切なし。文具として、誰もが普通に使ってほしかった。リリースは落ち着いたエンジ色をメインに、紙は安っぽくならないよう厚手のタイプを選んだ。
発表会は成功した。が、仕事はそれからが本番。広報宣伝の取りまとめを受け持ち、女性スタッフらとCMやメインビジュアル制作などに取り組んだ。
出版社と組み、ゲームを文庫化することにもなった。しかし、先に本を読むと事件の犯人がわかってしまい、ゲームの楽しさは半減する。ならば犯人を変え、アナザーストーリー「もう1つの玻璃ノ薔薇」を作れないだろうか。チームと相談した。依頼する作家に対し、世界観や登場人物名はそのままに、ある程度自由な創作を認めた。異例の処置だった。
作品をより完璧にする必要性から、発売日を2週間延期せざるを得なくなった。準備を進めていた関係者らに何度も頭を下げて回った。ソフト完成の連絡を受けた時、大きな肩の荷が降りた。が、まだ不安も残る。長い時間をかけて作り上げた私たちのメッセージが、お客様の心にちゃんと届くだろうか…。 発売日、会社近くの家電量販店のゲーム売り場をのぞいてみた。自分と年齢の近い女性が「玻璃ノ薔薇」を手にレジへ向かうのを目にした。感激して、胸が一杯になった。
この間、帰宅は連日深夜。でも就寝前のテレビゲームだけは欠かさなかった。「元々ゲームが大好き。1日の疲れを癒し、仕事で一杯の頭の中をリセットしてくれるから」 それだけではない。プレイするゲームが楽しければ楽しいほど『これに負けないゲームを作らなきゃ』という活力が自然に沸いてくる。『人を楽しませる立場』にいる自分を冷静に見つめ、より多くの人に喜んでもらえ、よりたくさん売れるゲームを作りたい。そう心底思う。

 

Profile
まつかわ・みなえ
■大阪府出身。しし座、O型。
園田学園女子大学国際文化学部卒業後、ペット総合商社などを経て、コンピューター専門学校でデジタルコンテンツプロデュースを学んだ後、株式会社カプコンに入社。
第3開発カンパニーに所属し、ディズニー関連のゲームソフトなどを担当。
同府内在住。
松川さんオススメのお気に入りゲームは「物語に共感できる」という「幻想水滸伝2」(プレイステーション用)と、「手軽にワクワクしながら遊べる」のが楽しい「ミッキー&ミニートリック&チェイス」(ニンテンドーゲームキューブ用)。


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