ソフトボールの基礎知識


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■用具
 バットの長さ/86.4cm(34インチ)以内バットの重さ/1077g(38オンス)以内太い部分の直径/5.7cm材質/木、竹、カーボン、合金、セラミック等各種。ただしチタンは禁止(金属バットが主流)。
 安全グリップ/バットのグリップエンドから25.4~38.1cmの範囲で滑り止めのテープを巻くことがルールで定められている。ボールの重さ/6.5 ~7オンス(177.5~198.8g)
 ボールの大きさ(円周)/12インチ(30.2~30.8cm)
■ダブルベース
 ソフトボールは塁間が短いため(18.29m)、一塁でのクロスプレーが多く、守備者と打者走者の接触が起こりやすく、衝突により大ケガをすることなどもあった。’87年のISFルール委員会で、カナダから一塁での接触プレーによる事故防止を目的として「セーフティーベース」の名称で一塁にダブルベースを置くルールが提案され、可決された。’94年の第8回世界選手権から使用され、1997年からJSAルールにも採用され、現在に至っている。
 このベースは38.1×76.2cmの大きさで、白色の部分(白色ベース)をフェア地域に、オレンジ色の部分(オレンジベース)をファウル地域に固定する(ファウル地域に置くベースはオレンジ色が一般的だが他の色の場合もある)。
 打者は投球を打ったり、第3ストライクの落球で一塁に走り、プレーが行われるときはオレンジベースを走り抜け、守備者は白色ベースを使用する。一塁でプレーが行われないとき、または一塁側のファウル地域からプレーが行われるときは両者どちらを使用してもよく、いったん走者となり白色ベースに帰塁したあとは、従来通り白色ベースのみを使用する。
■投球
 野球では投球フォームについて、セットポジション、ワインドアップポジションの他は厳しい規定はない。
 ソフトボールでは投手は打者に対して、野球でいうアンダースローに近い形で投球するが、野球のアンダースローとの違いは、手と手首が必ず体側線を通過しながら球を離さなければならないという点である。
■投法(ウインドミルとスリングショット)
 ウインドミルは、もっともポピュラーな投げ方で、風車のように腕を大きく1回転させ、その遠心力を利用して投げるため、大きなスピードを得ることができる。腕の回転は1回に制限されており、打者を幻惑させるために何回転も腕を回すことは禁止されている。
(女子の国際的なトップレベルの投手では105~110km/h を超え、野球に置き換えると150km/h を超えるスピード感を体感するといわれている)
 スリングショットは、ソフトボールの“原点”ともいえる投げ方で、時計の振り子のように腕を下から振り上げ、その反動を利用して前方に振り戻して投げる投法。ゴムのパチンコ(スリングショット)の動きに似ているのでこう呼ばれている。変化球を投げるには不向きであり、ボールの握りが常に打者に晒されてしまうため、現在ではほとんど見られなくなった。
■離塁アウト
 ソフトボールでは、投手の手から球が離れるまで、走者は塁を離れることを禁止されており、リードが認められていないため、“投手の投球モーションを盗んで盗塁成功”といったことは起こりえず、バッテリーにミスがなければ盗塁はなかなか成功しない。
 ただし野球と違ってバントが多用されるため、一塁手と三塁手がベースより前に位置するような前進守備をしていることが多く、“三盗”を狙うケースは多い。フォーメーション上、三塁手がベースに戻るのか、遊撃手がベースカバーに入るのか、右打者・左打者によっても変わりミスが生じやすい。またそのミスが得点に直結することが多く、イチかバチかで“三盗”を試みるケースは多い。
■リエントリー(再出場)
 ソフトボールでは’79年に「リエントリー(再出場)」が採用され、スターティングプレーヤーはいったん試合から退いても、一度に限り再出場することが認められている。
 再出場する場合には、元の自分の打順に戻らなければならず、それに違反するとその選手と監督が退場になる。
■タイブレーカー
 これは文字通り、勝敗を早く決定するためのルールである。ソフトボールの正式試合は7回と定められており、同点の場合、8回の表からは前回最後に打撃を完了した選手を二塁走者とし、無死二塁の状況を設定して、打者は前回から引き続く打順の者が打席に入る。その裏も同様に継続し、勝負が決するまでこれを続けていく試合方式である。なおタイブレーカーの二塁走者に代走を送ることは、ルール上問題ない。
 ソフトボールでは投手戦になることが多く、これを解消しようとタイブレーカーというルールが生まれ、ISFがこのルールを採用したのに準じ、’87年から日本でも採用され、現在に至っている。
■DP(指名選手・DESIGNATED PLAYER)
 従来、採用されていたDH(DESIGNATED HITTER/指名打者)は打撃専門のプレイヤーで守備につくことはできず、DHのついた守備者は守備専門のプレイヤーで打撃を行うことはできなかった。また、DHはスターティングプレイヤーであってもリエントリー(再出場)は認められなかった。
 しかし、これがDPに改正されたことにより、戦術の幅は大きく広がることになった。ここではDHとDPの相違点を比較しながら、その内容について解説してみたい。
 DPを採用する場合には、従来のDHと同様、その人数は常時1名に限られ、試合開始から終了まで継続しなければならない。
 また、DPはどの守備者につけてもかまわないが、その試合中は同じ打順を継続し、DPを採用した場合には10人で試合を行う点もDHを採用した場合と変わらない。また、DPもDEFO(DEFENSE ONLY/DPのついた守備者・従来のDH守備のような役割のプレイヤー)も、いつでも他の控え選手と交代できる点では他のプレイヤーと何ら変わるところはなく、出血を伴う負傷の場合に代替プレイヤーを使うことができる点も何ら変わりはない。
 ただし、DPもDEFOもスターティングプレイヤーであれば、いったん試合を退いても一度に限りリエントリーすることができる点と、「攻撃だけ」「守備だけ」に限定されない点でDH、DH守備と大きく異なる。
 DPは、従来のDHのように基本的には攻撃を重視して起用されるプレイヤーだが、DHが「攻撃専門」のプレイヤーであったのに対し、DPはDEFOの守備を兼ね、守備につくことが可能である。この場合には、DPが打撃・守備共に行うことになり、試合に出場しているプレイヤーは10人から9人になる(DPがDEFOの守備を兼ね、攻撃・守備共に行う場合には、DEFOはいったん試合から退いたことになる)。
 逆に、DEFOがDPの打順に入って打撃を行うことも可能で(DPが塁上にいる場合にDEFOがDPに代わって走者となることも可能)、この場合にはDEFOが打撃・守備共に行うことになり、DPがリエントリーしない限り、試合に出場しているプレイヤーは10人から9人になる(DEFOがDPの打撃を兼ね、攻撃・守備共に行う場合には、DPはいったん試合から退いたことになる)。
 ただし、DPとDEFOが完全に入れ替わり、DPが守備のみ、DEFOが攻撃のみを行うことは認められず、これに違反するとDP違反(不正交代)となる。
 また、DP、DEFOがリエントリーする場合には次の2通りの形があるので注意してほしい。
DPのリエントリー
1.元の自己の打順に戻ってリエントリーし、DPとして打撃のみを行う。
2.元の自己の打順に戻ってリエントリーし、打撃を行うだけでなく、DEFOの守備も兼ね、攻撃・守備共に行う。
DEFOのリエントリー
1.元の打順表の10番目の位置に戻り、守備のみを行う。
2.DPの打撃を兼ねる形でリエントリーし、DPの打順に入って攻撃・守備共に行う。
 さらにDPがDEFO以外の守備に回り、その場合にはDPのついた守備者がDPと同じような形で打撃のみを行うことができる。
 何かと制約の大きかったDHに比べると、戦術的な幅は大きく広がったが、それだけにその適用の範囲や使い方は複雑になったともいえよう。
 DPルールを正しく理解し、活用することができれば、戦術的な選択肢が増えるだけでなく、少人数編成のチームでもその限られた人員をフルに活用することができるというメリットもある。

    ~日本ソフトボール協会の「ソフトボールの基礎知識」から引用~