「ねぇ、ジラーチ」


ソラリスがジラーチに呼び掛けた。
ポッチャマの小さな手でジラーチの子供を抱えるのは一苦労だったが、
ジラーチが甘えた目で見返してくるので、何が何でも離すもんかと一生懸命抱えたままだった。
じっと此方を観察しているピカチュウの相棒、ショウに抱っこしたいなら代わろうかと言うと、
「いらん」とつっけどんに言うので、ジラーチの教育に悪いといけないし、彼女には任せないことにした。
口調といい仕草といい、如何見ても男の子のようなショウだが、アレでも立派に女の子である。


「君は何処から来たの?家はわかる?」


ソラリスはきんいろグミを美味しそうに頬張るジラーチをあやしながら、促した。
ジラーチはきょとんとして暫く無垢な瞳でソラリスを見返していたが、
口の中のグミがなくなると、ゆっくりと、けれどはっきりと空に瞬く一番星を指差した。
え、とソラリスが呆けて瞬く。星?星から?
僕達が上った、あの空の上よりもまだ先の?
ショウは特に驚いてはいなかった。予想通り、とでも言いたげに、頭を押さえている。
その意味は「面倒なモン拾っちまった」。流石に子供の前で言うほど大人気なくはないらしいが。


「・・・うそぉ」


ソラリスは呆然と、ジラーチが嬉しそうに指差した一番星を見つめていた。


あそこにこの子の両親が居るというのなら、居るべき場所へ返してやるのが一番良い。
マナフィーの時だって、それがマナフィーにとって、悲しい別れではあっても、結果的に一番良かった。
何より、本当の両親のところで育つのが、子供には一番良いだろうから。
でも、だけど・・・。
ソラリスはショウを見た。ショウは「我関せず」と言った風にそっぽを向いて、オレンの実を齧っている。
まぁ流石のショウだって、星に行く方法なんて検討もつかないだろう。
考えてみたが何も浮かぶ訳も無く、思わずジラーチに引き攣った笑顔を向けた。


星になんて、どうやって行けばいいんだ?


「・・・・どーしよーか・・・?」
「・・・う?」


空から落ちてきた星の子は、勿論、愛らしく首を傾げただけだった。・・・当たり前だが。


(お父さん、お母さん、居るなら早く。一分一秒でも早く、この子を迎えに来てあげて・・・)


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今回は、短く、繋ぎを。
変じゃないかなおかしくないかな。
何でもいいですが、誤字とか見つけると「うわ・・・うわー!」ってなります。
恥ずかしいですね、マジで。だからこそこそ、読み返して見つけたら直してたり・・・。
誤字見掛けたら、どうぞ教えてやって下さいませ・・・orz
最終更新:2008年02月06日 20:33