「・・・う、うう・・・うわぁあんっ・・・ぅえ、えぐ・・・・ふぇええん」
「うー・・・何?こんな朝っぱらから・・・」


ソラリスは、朝早くから小さな子供の泣き声を傍で聞き、起き上がった。
そして、固まる。・・・泣いていたのは、ジラーチだった。それもほんの子供だ。
いや、まさか。・・・そんな馬鹿な。
ソラリスはショウを振り返った。ピカチュウの相棒、ショウは背後でだらしなく寝返りをうっている。


「しょ、ショウ!ショウってば!」
「んぁ?何・・・、・・・・・・・」


ショウを揺さぶり起こして、目の前でべそをかいている小さなジラーチを指差した。
それを見てから、ぼんやりと此方を見てきたショウに、叫ぶ。


「ショウが普段どこで何をしようが勝手なんだけど、一応相棒としてこのくらい知る権利あるよね!?
一体全体、どこで子供なんて作って来たの!?」
「・・・、お前、ついにボケを習得したか」

俺を嫁に貰う物好きが、この世に居るわけねーだろ。

・・・。・・・そうでした・・・。


でも、そういうのは普通、ふんぞり返って誇らしげに言う事じゃない思うな。
確かにショウは、女の子なのに俺なんて一人称を使うし、自分勝手で傍若無人ごーいんぐまいうぇい。
失礼な気もするが、全く可愛くない。女の子らしくも無い。冷静に考えれば、ありえない話だったな・・・。
などと思ったのも束の間。
ジラーチが大きな瞳に涙を溜めてじっと二人を見上げるので、ショウとソラリスは気まずそうに顔を見合わせた。


取り合えず、タウンの中に放り出すわけにも、いかない訳で・・・。


「マナフィーの次は、ジラーチだって?お前たち、よっぽど奇運に好かれてるみたいだね」
「憑かれてるの間違いじゃねーの」
「ショウ、言わないで。ほんとに落ち込む・・・」


一先ずタウンの先にあるプクリンギルドの親方、プクリンの子分であるペラップに知恵を借りようと、
腕の中で丸くなってすやすや眠っているジラーチを連れて彼に相談をした。
ショウの何気ない一言に何もツッコめない現状を悔しく思いつつ、ソラが聞く。


「・・・で、ペラップ、ジラーチって何を食べるのかな?」
「ジラーチの食べるものねぇ・・・。とりあえず、ジラーチはエスパータイプだから、きんいろグミなんてどうだろう」
「きんいろグミ・・・。確か、ガルーラおばさんの倉庫に幾つか預けてあったよね?」


ショウは思い出すように、顎に手を当てた。


「あったなぁ。使わず終いで取ってある」
「じゃあ、それをあげてみようか?」
「こっちでも調べておくから、またおいで♪」


ペラップと話しながら、ソラリスは昔ギルドにいた時の事を思い出した。
ギルドに居れば三食困らないという、ショウの不謹慎な提案にのって入団したのが、確か最初だったか。
あの時はまさか、ギルド入団がジュプトルとの再会に繋がるだなんて思いもしなかった。
ショウは結局、最後まで「ショウ」だったけど。
ペラップは少しだけ、前より優しくなったみたいだ。プクリンとの事があったからかな?


「いつもありがとう、ペラップ」
「なぁに、その分、依頼の分け前でギルドに貢献してくれればいいさ♪」
「は、・・・・・・あはは・・・は・・・」


・・・前言撤回。お金にがめついのは変わってないや・・・。


――続く?

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続くかもしれませんが、気力次第、かな・・・orz
続きものって飽きずに書くの難しいですよね。
他の方が連載書いてるの見ていて、本当凄いなって思うんですよ。
あんなに何話もよく続けて書けるなーと。皆さんの作品への情熱を感じます。凄いです。

そんなわけで、 このこどこのこ?

あと、どうでもいいかもですが、逆から読んでも、このこどこのこ(笑
最終更新:2008年02月06日 20:33