有形破壊 / U.K. Breakerz!!
080126

舞形 貴薫 - Takaka Maigata
産梅 雛夏 - Hinana Ubume

01

窓の外には、無音で、雪が降り積もっている。
舞形は、それを見ながら、考え事をしていた。
一度も染められたことの無い、長く黒い髪と、
見たものを冷凍するような、静かに圧倒する瞳。
貴薫という名のとおり、高貴な香りさえ漂っていた。

舞形の白く細いゆびに支えられている、一枚の手紙。
朝、靴箱に入れられていたものだ。
手紙は思いを伝える。
今は、明確な悪意を。

[あなたの恥ずかしい姿を撮りました
秘密を広められたくなければ、放課後、図書室まで]

小さな溜め息とともに、彼女はそれを破り捨てた。

02

帰りのHRが終わり、少しずつ人の減っていく教室。
産梅は、人気の無い階段を通り、図書室へと向かった。

つづく
最終更新:2008年01月26日 23:03