ドット絵似非講座 (4) ポーズ云々

【ドット絵似非講座 (4)】



ようやく役に立つかもしれないネタに。


1.ドット絵≠デッサン。

32×32の、しかも数を要求されるユニットアイコンで精緻なデッサンをするのは止めときましょう。並の腕では面倒くさすぎて死ぬこと請け合い。
たまご氏並の180dpiで打つのなら結構重要になってきますが、72dpi(スマイル氏並)で打つならそこまで厳密なものは必要ありません。
まあデッサン概説的なものにでも目を通すくらいで十分でしょう。
※dpiに関してはいずれ後述します。



2.角度はキリの良い近似値で。


サンプルは許可要らずの自作品。

実際の人物がとるポーズは、それこそ無限大にあります。こういったアイコンに使えそうなものだけでも膨大な数になるでしょう。
それらの中で、腕や足の角度が一定であることはあり得ません。微細な差異による表現ってのがありますしね。ところが、ドット絵でそれを再現しようとすると大変です。職人技全開です。
前述のお約束に通ずるところもありますが、ここで扱うドット絵の精度では再現性よりもそれっぽさの方が重要になってきます。
25度の傾きを作ろうとするよりも、なんとなくそんな風に見えるドット配置を探すのが基本となります。

たとえばサンプルの下二つを見て下さい。右腕(向かって左側の腕)の角度ですが、これはほぼ45度で下ろしています(服の関係で左側のキャラの腕は手首辺りが盛り上がってますが、腕の角度自体は45度です)
この45度は便利です。めがっさ便利です。描きやすい・弄りやすい・凝りやすいと三拍子揃っています。
ここで「もう少し下ろす」とか「もう少し上げる」とかやると、途端に面倒くさくなってきます。服などで凝りたいのならドットは一直線乃至は規則的にならぶようにしましょう。
影などはともかく、武器は特に影響を受けます。右側のキャラの杖が典型ですが、ドット自体は2個ずつ規則的に並べてあります。それでも杖先の装飾部分は、最早何がなんだかって感じになってます。実際問題作るのすんげぇ面倒でした。
まあ上手い人ならもっと綺麗に仕上げられる(あの杖を描いたのはドット絵描き始めた頃なので、かなり汚いです)のですが、手間が掛かりますしね。
腕や足のように長さが限られているパーツは、特に角度の調整が重要になってきます。素敵手抜きポイントということでひとつ覚えとくとお得だと思います。



3.直立かポーズ有か。

マザーシリーズ風の物も素敵ですよね。まあシリーズ全部やったことないんだけどな!
閑話休題。
FTではアイコンが一個しか扱えません。顔絵を含めても画像二個が限界です(イベントスクリプトで無理矢理表示させる場合を除く)
そのため、動作のパターンを幾つも放り込むことが出来ません。GIFも使えないのでアニメーションはそもそも出来ない。
ついでに言うならFT系の素材として出回っているアイコンの多数は、何かしらのポーズをとっているタイプのものです。
その辺と組み合わせた際のことを考えると、自作する場合はなるだけ動きをつけてやるといいと思います。見た目的に。



4.謎のキメを決める。

じゃあ具体的にどんな感じにすればいいのよって話。
一言で表すのであればやりすぎなくらいやるとなります。
どっかの漫画家さんのツッコミではありませんが、こいつは一体誰に向かってキメているんだとつい思っちゃうくらいに決めてやるとちょうど良いです。コミック雑誌の宣伝用一枚絵が典型ですね。
まあ全部が全部と言うわけではありませんが、派手すぎるくらいの方が見栄えはします。
二次元だとそこまで違和感無かったものを三次元に無理矢理置き換えたら見てるこっちが恥ずかしくなるのと同じ。別にひg(ry

直立に関して。
別に直立も悪くありません。ただ、ポーズ有りのアイコン群の中であまりたくさん使うと手抜きに見えるので基本的には使わない方が良いってことですね。
使う際には丸腰でも不自然じゃないキャラマントを纏ったキャラなどが良いと思います。
マントの類を身に着けている場合、案外そのまま立たせても映えるんですね。なんかマントの下に手を隠しているとその傾向が強まるような。
まあスマイル氏のアイコンですら完全な直立姿勢(武器もマントも着けない直立姿勢)なのはChar539などの一部しかありませんし、あまり使いやすいポーズではないということは確かでしょう。



5.ちょっとだけ具体的な話@足編。

オヤシロさまが寄ってくる前に進めましょうか。まずは足。
ぱっとすぐ思いつくのは、
1.何となく立たせるのではなく、ぐっと踏ん張らせる感じにする。
2.後ろ側の足に影をつけて奥行きを出す。
3.きっちり揃えて気をつけっぽい感じにする。
辺りでしょうか。
汎用性が比較的高いのは1、踏ん張らせる感じのものです。上のサンプルでは右側のものが該当します。左下も分かりにくいですが、一応該当する……かもしれません。
2は大概のアイコンに適用可能、尚且つ地味ですがかなり有用です。立体感が出るのと、なんか上手い気がしてきます。きっと。
3は汎用性が低いのですが、組み合わせられる上半身のポーズが限られてくる(地面に突き刺した剣に手を乗っけるとか片手で剣を構えるとか)ためそこはかとなく便利です。
他には左右の足で向きを変える(片方のつま先を真正面に向けるなど。サンプルでは右側二種が該当)などがありますが、まあどれでもお好みのものを選んで使っていけばいいと思います。
影付けは結構面倒なので、最初のうちは1や足の向き変えがいいかもしれませんね。



6.ちょっとだけ具体的な話@上半身編。

続いて上半身。何かやる場合は、
1.武器を構える。
2.魔法を使う。
辺りですね。後者は「光るエフェクト」を加えることを指します。多用は出来ませんがアクセントになる。

武器を構えるにしても色々あります。
大雑把には地味なポーズにはデフォルメされた武器を、やりすぎちゃってるポーズにはかちっとした武器をあてると安定します。
まあ地味なポーズは往々にして余白が多くなる為、デフォルメした武器を放り込みやすいって意味でもあるのですが。自作ではレオンハルトのアイコンが該当しますが、初期作品な上に修正もあまりしていないので参考には挙げません。
他にも曲刀(ステロタイプな中東風の剣)は強調し過ぎなくらいがちょうど良いとか短刀の切っ先は1ドット曲げると落ち着くなどがあるでしょうか。
基本的に武器は1ドット~3ドット(輪郭がある場合は除く)で構成されますが、それ以上にするのも大いにありです。スマイル氏のアイコンでは重歩兵などに使われているようで、結構インパクトがあります。
シルエットがやたら太いユニットには、是非とも太目の武器を持たせてやってください。武器がキャラに負けなくなります。

魔法に関しては、ポチポチとドットを置く方法レイヤの計算方法を工夫する方法があります。
そのうち後者に関しては上掲のサンプル画像左下のキャラが該当します。何か光ってる感じのやつがそれです。
これらは似て非なるもので、それぞれとにかく判然とした光がほしい場合ドット絵然と光ではなくナチュラルな光がほしい場合で使い分ける感じになると思います。個人的には改造アイコンで前者、自作で後者を基本的には採用しています。
いずれも非常に便利ですが、前述の武器と違い乱用はしない方が良いと思います。安っぽくなったり鬱陶しくなると思う、というわけで。
いざという時にキュっと締めるなどの用途でどうぞ。



7.もうちょっと具体的な話@衣装編。

服に関して。
体ではなく服を動かす手もあります。本人の動きに沿わせたり、または謎の風でなびかせるってことですね。
基本的には直立姿勢ではない方が合うものの、別に合わせられないということもありません。いずれにせよ、ちょっときつめのデフォルメ(本人ではなく服の方。念のため)を掛けた動きの方が見栄えがすると思います。
マントや魔法使い系の長衣などでは特にオススメ。

これだけじゃアレなので影入れもまとめて。
実際にどういう素材を想定しているのかはともかく、影を入れる際はサテンなどの光沢がある生地を念頭に置くと良いと思います。サンプル画像右上のような衣装(単色の服)などは特にそうですが、実際よりも強調しないと影が潰れてのっぺりしてしまいます。
原寸にするとえらく小さくなるので、ドット同士の外見上の色が混じり合っちゃうんでしょう。たぶん。まあこの混じり合いを逆用する手もありますが、ここで扱うことではないので割愛。機会があれば別項で。
※単に強調しようじゃ分かり辛いのでサテンと言ってますが、イメージの助けになるのであればエナメルでもメタリックでも構いません。方便だし。テカついてるなあぐらいでちょうど良い、ということで。


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最終更新:2008年08月10日 16:47