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34 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの 投稿日:2008/01/03(木) 03:41:31 ???


 ―――僕はどうやって帰ってこられたんだろう?

 ―――確か、変な影に取り込まれて…。

 ―――妙にあたたかくて、眩しくて。

 ―――目を開いたらミサトさんが泣いていて。次に目を開いたらあの天井で。


「さ、みんな待ってるわよん♪」
 ミサトさんに手を引かれ、家に入るとみんながいた。ミサトさん曰く、僕の退院祝いらしい。そんなに長く入院してないのに。大袈裟だなぁ。
 でも、悪い気はしなかった。みんなで食べて、飲んで、笑って。楽しい時間はあっという間だった。

 片付けも終わり、疲れてベッドに倒れ込む。病院とは違うシーツの香りに、不思議だなと思う。
 ふと、ミサトさんに引かれた手をじっと見つめてみた。

「……やっぱり、とれないや。血のにおい」


 終



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シンジ ミサト
最終更新:2008年01月17日 22:43