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 一般的に非常に日常から遠いイメージにある言葉、「政治」というのはいったい何を意味し、何を指しているのか

 政治といえば、国家権力といったことが真っ先に思い浮かぶかもしれない。そのイメージは間違ってるわけじゃない。しかしそれだけでは、政治という言葉が示してる領域を捉えて切れない。政治とは何かを考えるとき、まずなぜ政治が必要なのか、あるいは政治はどんなことをしているのかを捕らえてみる必要がある。

 そもそも、一人の人間が自分のことについて決定を下すときに、他から干渉されない限り、自由意志によってそれを決定している。そこには政治は存在しない。しかし、複数の人間が集まって、自分のみならず、その全体についてのさまざまな事柄、主に各個人の行動について、決定するとき、互いに干渉しあう存在となる。この干渉しあい、ときには対立もする個々人の間で、調停の作用を働くのが政治の役割だ。そこに私は政治の原型を見出す。

 つまり、集団の大きさの違いはあるものの、どんな社会集団も、そしてそこに参加しているどんな個人もその範囲内で広義的に政治という事柄にかかわりをもっている。逆に政治なき社会集団は存在しないともいえるだろう。政治の形態の違いこそあるものの、どんな社会集団が、一つのまとまり、すなわち、社会的な性質を持つためには、必ず政治が介在する。

 そういう意味では、広義的に政治とかかわりを持たない社会成員は存在しないし、その一人ひとりが政治にとって代替不可能な存在であるといえる。しかし、集団が大規模になってくると、全員が直接的に政治に関わることが難しくなる。これには時間的な要因が大きく関わる。そのために、代議制というものが出現する。

 代議制とは、直接的に政治に参加できない人が、自分の意思を代表する者に実際の活動を委託することで、間接的に政治に参加するシステムである。しかし、ここにはいわば無理が生じている。デリダが指摘するように、代理するものは所詮代理でしかなく、本人そのものではありえない。その二者の間に無視できないほどの差異が横たわっている。この差異が、国民と国会との断絶を生み、さも国会が国民から独立して回転してるかのような認識を与える。