706 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/27(木) 22:48:10.13 ID:Kg+QYcGd0
※
五月。
新しい生活が始まってから、一ヶ月が経った。
('A`)「うぃーっす」
( ^ω^)「お、ドクオおはようだおwwww」
(´・ω・`)「相変わらず寝癖がひどいね」
('A`)「顔も悪いねって突っ込んでくれなかった辺りに、ショボンの優しさを感じるよ」
(´・ω・`)「HAHAHA! 友達にそんな酷い事を言うわけないじゃないか! 建前と本音は分けておくべきさ!」
一ヶ月も経つと、クラスの雰囲気もだいぶ柔らかくなってくる。
まぁ、派閥みたいな……仲良しグループが固まるのも、これくらいの時期な訳で。
( ><)「そんなことないんです! ドクオさん、素材はいかしてますよ!!」
( ^Д^) 「ワックスつけろよ、ワックス」
('A`)「そんなキャラじゃねーっての」
俺達は、大体こんなグループでつるんでいた。
710 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/27(木) 22:51:40.52 ID:Kg+QYcGd0
ξ゚⊿゚)ξ「でさー、あの雑誌に載ってた服まじよくない?」
ミセ*゚ー゚)リ「わかるわかるwww」
こいつらは相変わらず、二人でつるんでる。
俺達に突っかかるのは飽きたのか、嫌がらせは止まった様だ。
そして、
( ゚∋゚)「……」
('A`)「……」
( ゚∋゚)「な、なんでゴワスか? おいどんは携帯を見てるでゴワス!
決してやる事がなくて寂しさを紛らわす為とか、そういうタイプじゃないでゴワスよ!!」
('A`)「あ、そう」
なんか、輪に入り損ねてしまった人もいるし
( ・∀・)「クーさん、ここの方程式は……」
川 ゚ -゚)「そこはこの公式を利用するんだ」
微妙に恋の香りがする人々も、いる。
714 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/27(木) 22:55:30.19 ID:Kg+QYcGd0
从 ゚∀从「……」
ξ゚⊿゚)ξ「高岡さんって、何考えてるのかわかんないよねー」
ミセ*゚ー゚)リ「うんうん、金髪だし、ちょっと怖キャラみたいな?」
……見た目で判断しちゃいけないんだけど、確かにちょっと怖い。
漂ってる空気が、アンダーグラウンドな人だ。
( ><)「ドクオさん、どうしたんですか?
教室を見渡したりして」
('A`)「ん、いや、色んな奴がいるなぁって思って」
(´・ω・`)「そうだね。こうして見ると、まだまだ話したことない人もいるし」
( ^ω^)「皆仲良しになれたら万事休すだおwwww」
(;'A`)「それは使い方が違う!」
ブーンは、やっぱり少し……いや、かなり天然だ。
そういや、こいつ授業の時、起きていたためしが無いのだが、大丈夫なんだろうか。
人の心配してる場合じゃないんだけどね、俺も。
715 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/27(木) 22:58:57.35 ID:Kg+QYcGd0
( ´_ゝ`)「しゅっしゅっぽっぽしゅっぽっぽー!
皆さんお待ちかね、兄者先生の到着だよー!!」
( ´_ゝ`)「あれ、何この空白」
(´・ω・`)「ちょっと、空白とか言わないで下さいよ先生」
(;´_ゝ`)「はっ! す、すまん」
何の話をしてるんだ、この二人は。
( ´_ゝ`)「えー、気を取り直して……来週末から中間テストだぞー。
皆、赤点取るなよ? 今から勉強をしーっかりしておくこと! あー、まじ採点めんどくせぇ」
「「え――――!!」」
テストという言葉に、教室中をブーイングが包んだ。
720 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/27(木) 23:02:55.37 ID:Kg+QYcGd0
( ´_ゝ`)「先生のせいじゃないもん! 文部なんとか省が勝手に決めてるんだもん!
先生だってなぁ、採点なんかしないでVIPでwifiやりてーんだよ!!ばーかばーか!!」
捨て台詞を吐きながら、兄者先生は逃げるように教室を出て行った。
(;'A`)「中間かー、やばいなぁ」
(´・ω・`)「僕は大丈夫だけど……ビロードは?」
(;><)「僕は遅刻が多いから、ちょっとまずいんです!!」
( ^Д^) 「俺も授業なんかまともに聞いてねーぞ」
(;^ω^)「うはwwwwやっべwwwwwどうしよwwwww」
たぶん、こいつが一番やばいと思う。
いっつも寝てる、この人→( ^ω^)ね。
723 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/27(木) 23:05:04.63 ID:Kg+QYcGd0
(´・ω・`)「じゃあ、放課後に皆でテスト勉強でもするかー!」
( ^ω^)「おっおwww是非お願いしますお!!!ショボン先生!!」
( ><)「先生! お願いします!!」
( ^Д^) 「助かるぜ、ショボン」
('A`)「右に同じ」
みんなの感謝を受け、ショボンはふるふると体を震わせている。
(´・ω・`)「ついに……ついにこのショボン様の時代が来たのね……!
生きててよかったマイライフ!!!」
727 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/27(木) 23:08:18.79 ID:Kg+QYcGd0
いつもの通常授業が終わる。
やはり、テスト前ということで、総まとめのような授業であった。
しかし、基礎が抜けている奴らにはいささか厳しかったようで。
( ><)「わかんないんです!!」
( ^Д^) 「この関係なんとか詞ってのが意味不明だ」
( ^ω^)「きっと、どこかの市の名前だお。社会なら任せろお!」
ダメだ、こいつ(ブーン)
はやく何とかしないと。
(´・ω・`)「そんなわけで、はじめよっか」
放課後。
掃除が終わった教室で、ショボンの特別授業が始まる。
729 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/27(木) 23:10:32.06 ID:Kg+QYcGd0
(´・ω・`)「分からないところがあったら教えるから、どんどん質問していいよ」
( ^ω^)「教科書貸してほしいお」
ヽ(´・ω・`)/ ズコー
\(.\ ノ
、ハ,,、  ̄
 ̄
(;'A`)( ;^Д^) (;><)「そこからかよ!!!」
( ^ω^)「いやー、何かよだれでべちょべちょになってるんだおww」
732 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/27(木) 23:12:50.23 ID:Kg+QYcGd0
結局、ショボンはブーンにつきっきりとなり、
( ><)「ドクオさん、これ教えて欲しいんです!!」
( ^Д^) 「ドクオ、わかんね」
('A`)「あー、これはたぶん……」
一番、成績が凡な俺が、この二人に色々教える事となった。
教えるという作業は、自分で勉強するより二倍は辛い。
二倍は理解していないと、教える事が出来ないという話は本当だったのか。
いや、教えた分だけ、こっちも勉強になるけど、基礎の部分なので何とも言えない。
734 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/27(木) 23:16:18.08 ID:Kg+QYcGd0
――――
…
( ><)「あ、もうこんな時間ですね!!」
窓からは夕日が差し込んでおり、そろそろ下校の時間が近づいているようだ。
( ^Д^) 「腹減ったし、そろそろ帰ろーぜ。続きはまた明日ってことでさ」
(;´・ω・`)「ハァ……ハァ……そ、そうだね。ブーン、どう? 出来そう?」
( ^ω^)「少しだけ出来るようになったお!!ショボンすげぇwwww」
(´・ω・`)「少しだけ……ああ、進歩した、ブーンは進歩したよHAHAHAHA!!!」
('A`)「ブーン、そこら辺にしとこう。ショボンが壊れてる」
( ^ω^)「お? 僕はまだ大丈夫だけど……まぁしゃーないおwww帰るおーww」
737 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/27(木) 23:20:05.31 ID:Kg+QYcGd0
俺達は靴に履き替え、外に出る。
部活動はテスト期間なので、休止中だ。
誰も居ないグラウンドは、少しさびしげに見えた。
( ^ω^)「あーあ、テストだるいお」
('A`)「でもさ、テスト終わったら連休があるじゃん」
( ><)「まぁ、僕達は部活ですけどね!!」
五人揃って、校門へと向かう。
何だろう、こういう何でもない時間が、随分と心地よく感じる。
ノスタルチックっていうか……懐古感っていうか。
まだ16歳なのに、そんなモンを感じちまうなんて、俺ってちょっとお爺ちゃん気質あるのかもな。
738 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/27(木) 23:22:02.25 ID:Kg+QYcGd0
(;'A`)「あ、いけね。ノート忘れちまった」
ふと、教室にノートをおきっぱなしだった事を思い出した。
( ^Д^) 「何やってんだ」
( ^ω^)「おっおwwwドジっ子だおwww」
( ><)「一緒にとりに行きましょうか??」
('A`)「いや、いいよ。先に行ってて。追いつけたら追いつくから」
俺はそう言うと、ダッシュで教室へと向かった。
最終更新:2007年12月28日 16:49