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「ドクオは高校一年生のようです」(2007/12/28 (金) 16:44:24) の最新版変更点
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1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/27(木) 12:40:23.77 ID:Kg+QYcGd0
桜舞い散る春うらら。
今日はVIP高校の入学式だ。
('A`)「おっす」
(´・ω・`)「おはよう」
( ^ω^)「おはようだお!」
('A`)「……」
( ^ω^)「いよいよ今日から高校生だおねww超wktkだお」
(´・ω・`)「そうだね。中学レベルの勉強ともやっとおさらば出来て嬉しいよ」
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/27(木) 12:45:06.85 ID:Kg+QYcGd0
( ^ω^)「お? ドクオどうしたお? 元気ないお」
('A`)「お前ら、なんでそんな元気なんだよ……。緊張とかしねーの?」
(´・ω・`)「ドックンはチキンで人見知りだもんね」
('A`)「チキンは余計だ」
( ^ω^)「大丈夫だお。成せば成る、なされば何とかって言うお!」
(;´・ω・`)「ブーン、使い方間違えてるよ。成せば成る、っていうのは正式には」
('A`)「あー、嫌だ行きたくない」
そんな話をしているうちに、VIP高校の正門が見えてきた。
俺達と同じように、不安と期待を抱いた新入生達が沢山集まっている。
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/27(木) 12:49:19.05 ID:Kg+QYcGd0
( ^ω^)「うはwww人がめっちゃいるおwww」
(´・ω・`)「まずはクラス表を見ないとね。すいません、どいてくださーい。
通りまーす。おい、どけやカス」
ショボンを先頭に、人ごみを裂き、掲示板に張られているクラス表を見に行く。
(´・ω・`)「あ、僕とブーンは同じクラスだね」
( ^ω^)「まじかおwwwwてか、ドクオも一緒だお! やったお!」
(´・ω・`)「都合のいい設定だ」
( ^ω^)「何の話だお?」
(´・ω・`)「いや、こっちの話さ。なんでもない」
前の方で、ショボンとブーンがなにやら歓喜している。
俺はというと、人並みにさらわれて、未だに後ろで押し競饅頭をしていた。
('A`)「ちょ、ちょっと通してください……ぎゃ、ぐっわ!」
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/27(木) 12:54:16.84 ID:Kg+QYcGd0
( ゚∋゚)「邪魔でゴワス!」
('A`)「うわっ」
ξ゚⊿゚)ξ「きゃっ!」
(;'A`)「ご、ごめん」
マッチョに弾き飛ばされ、女子に思い切りぶつかってしまった。
ξ゚⊿゚)ξ「痛ぁ……。ちょっと、何すんのよ! 転んじゃったじゃない!」
(;'A`)「ご、ごごごごごめんなさい」
ξ゚⊿゚)ξ「ごめんですんだら警察いらないんですけど!
それに、その態度は何? 謝る時は人の目を見て謝れって教わらなかったの?」
(;'A`)「あ、あ、あの本当にごめ」
ξ゚⊿゚)ξ「あんたみたいな、さえない根暗男とは一緒のクラスになりたくないわ!」
('A`)「……」
そう言い残し、ツインテールの女子は去っていった。
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/27(木) 12:57:49.15 ID:Kg+QYcGd0
( ^ω^)「ドクオー! 僕達、三人とも一緒のクラスだお! やったお!」
('A`)
( ^ω^)「どうしたんだお?」
(´・ω・`)「なんだか、いつにもまして元気がないね」
('A`)「俺、死んだ方がいいかな」
(;^ω^)「ちょwwww何があったか知らないけど元気出すお!
生きてればきっといい事あるお!」
(´・ω・`)「葬儀ならウチに任せな。安くしとくよ」
(;^ω^)「ショボン! その冗談、ドクオだと本気で受け止めかねないからやめとくお!」
(´・ω・`)「ははは、冗談冗談。ま、元気出せ。人生山あり谷あり地獄あり、だ」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/27(木) 13:04:48.75 ID:Kg+QYcGd0
初日から鬱だ……。
果たして、俺は三年間、まともな高校生活を送れるのだろうか?
そんな不安を胸に、俺達は教室(1-A)へと向かった。
(;'A`)「うわ、何かこのドアすげぇ開けにくい……」
(´・ω・`)「絶対、中では元中の奴ら数人だけが喋ってて、後は携帯いじってたり俯いてたりしてるって。
新クラスの初日ほど気まずい空気ってのは無いよね」
( ^ω^)「もー、二人とも早く入るおwwwブーン、いきまーす!!」
ブーンが勢いよくドアを開ける。
( ^ω^)「おはよー………ござい、ます、お」
( ゚∋゚)「……」
( ・∀・)「……」
( ^Д^) クッチャクッチャ
ξ゚⊿゚)ξ「でさー」
ミセ*゚ー゚)リ「うんうん」
(;><)
从 ゚∀从「ケッ」
川 ゚ -゚)「……」
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/27(木) 13:07:46.93 ID:Kg+QYcGd0
一言で言うなら、気まずい。
流石のブーンも、その雰囲気に押され、黙り込んでしまった。
(;^ω^)「と、とりあえず席を確認して、座るお」
(;'A`)「お、おおおおおう」
(´・ω・`)(今、ここで素っ裸になってびっくりするほどユートピア! と叫びながらケツを叩いたら
どんな反応が返ってくるんだろう。ああ、やりてー。でも日本は規制が厳しいからな……)
俺は、黒板に張られた座席表を確認する。
俺の席は……げ、前の方じゃん。
おまけに、ブーンとショボンとも近くねぇ。
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/27(木) 13:10:57.13 ID:Kg+QYcGd0
('A`)「……」
とりあえず、席に鞄を下ろし、辺りを確認する。
ξ゚⊿゚)ξ「……ん」
('A`)「あっ」
目が合った。
同時に、体がびくっと震える。
ξ゚⊿゚)ξ「……」
(;'A`)「……」
数秒ほど鋭い眼光で睨まれ、俺は身動きが出来なくなる。
しかし、すぐにプイっとそっぽを向いて、また隣の女子と話をはじめた。
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/27(木) 13:16:16.20 ID:Kg+QYcGd0
※
そんな気まずい空間が続き、ようやく救いの時がやってきた。
( ´_ゝ`)「ごほん」
スーツを着た、先生らしき人が教室に入ってくる。
そう、ホームルームが始まるのだ。
ざわついていた教室は、一瞬で静寂になった。
( ´_ゝ`)「えー、ごほん。皆さん、はじめまして」
ξ゚⊿゚)ξ「結構若いじゃん。そこそこ池面だし」
ミセ*゚ー゚)リ「ねー。ラッキーかもー」
女子のささやきが、聞こえてくる。
確かに身長も高く、女子に人気のありそうな、若い先生……
(*´_ゝ`) 「びっくりするほどユートピア! びっくりするほどユートピア!
はい、よーうじょ! スーツを着て自転車にまたがる男、兄者です!よろちくビーム百八式!!」
教室の時が、止まった。
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/27(木) 13:17:33.55 ID:Kg+QYcGd0
ξ;゚⊿゚)ξ「……」
ミセ*゚ー゚)リ「……は?」
(;'A`)
(;^ω^)「うわっ」
( ´_ゝ`)
(´・ω・`)(こいつ……出来る!)
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/27(木) 13:21:22.35 ID:Kg+QYcGd0
( ´_ゝ`)「あ、はい。えー、このクラスを担当する兄者です。
まだまだ若輩者ですが、皆さん一年間よろしくお願いします」
兄者先生は、一転テンプレ的な自己紹介をする。
いや、明らかに受けなかったから路線変更しただろアンタ。
( ´_ゝ`)「はい、このクラスは静かでいいねー。いいよ先生そういう真面目な生徒好きだよ。
とりあえず最初だし、自己紹介でもしてもらおっかなー」
有無を言わさず、兄者先生はホームルームを進める。
ξ;゚⊿゚)ξ「……無い、かな。ミセリ、あんたに譲る」
ミセ*゚ー゚)リ「あ、いえいえ。ツンこそ、どうぞどうぞ」
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/27(木) 13:26:24.17 ID:Kg+QYcGd0
( ´_ゝ`)「そこぉ! 死後は慎め☆ なんちゃってwww」
……静寂
( ´_ゝ`)「あぁ……はい、すいません。今のは先生が悪かった」
……静寂
( ´_ゝ`)「うん、早く自己紹介しろよ端っこの奴! 空気よめよ!!」
(;><)「あ、ぼ、僕ですか!? ごめんなさいです!」
どう見ても八つ当たりです。本当に(ry
恐ろしく悪い空気の中、自己紹介が始まった。
( ><)「初めまして! ラウンジ中出身のビロードです!
趣味はバスケットで、中学はバスケ部でした! 高校でもバスケ部に入ろうと思ってます!
よろしくなんです!!」
('A`)「おぉ……」
自己紹介を終えると、恥ずかしげに席に座るビロード。
その見事な自己紹介に、教室にそこそこ拍手が沸いた。
('A`)(すげぇ、あの空気を正常に戻した……)
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/27(木) 13:29:53.97 ID:Kg+QYcGd0
ξ゚⊿゚)ξ「ねぇ、どお? 性格は悪くなさそうだけどね」
ミセ*゚ー゚)リ「ちょっと身長が小さいかな。あと、女々しそう……55点くらい?
友達止まりって感じかな」
うわぁ……。
俺の隣で、そういうヒソヒソ話はやめてくれぇ……。
(#'A`)(点数つけるとか失礼だろ常考。てめーは何様だコラしゃぶれや!)
俺は心の中で、罵倒しといた。うん、心の中でね。
( ´_ゝ`)「はい、じゃあ後ろの人ー」
( ^ω^)「あ、僕だおwwwうっし! 自己紹介するお!」
ブーンが元気良く立ち上がる。
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/27(木) 13:33:59.40 ID:Kg+QYcGd0
⊂二二二( ^ω^)二⊃「ブーンだおーwwww」
その場で手を広げ、一回転するブーン。
( ^ω^)「ひろゆき中出身のブーンだお!
中学の時は帰宅部ですおwww皆よろしこだおwwwうはwwwおkwww」
( ´_ゝ`)「ブーン君? えーっと、最初のブーンっていうのはなんだい?」
⊂二二二( ^ω^)二⊃「ブーンwwwww」
⊂二二二( ´_ゝ`)二⊃「ぶ、ブーンwwwおおwwなんか面白いよこれ!
凄いよブーン君、君天才だよコレwwwww」
( ^ω^)「ぱくらないでほしいお」
( ´_ゝ`)「ごめん」
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/27(木) 13:37:20.08 ID:Kg+QYcGd0
教室に、僅かだが笑いが漏れた。
ビロード君の自己紹介に続き、どんどん空気が柔らかくなっていく。
ξ゚⊿゚)ξ「うーん、ピエロ役かな」
ミセ*゚ー゚)リ「盛り上げ役って感じだよね。もてない方の」
あー、うぜぇぇぇぇぇぇ!!
さっきから勝手な批評ばっかしやがって!!
(#'A`)(ブーンの事、てめぇらのチンケなものさしで図るんじゃねえよ!
てめーにブーンの何がわかるってんだカス!! 氏ね!!十回市ね!!!)
俺は心の中で、隣の女子二人を罵倒し、土下座させた。
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/12/27(木) 13:42:03.49 ID:Kg+QYcGd0
(*´_ゝ`)「よーし、いいよいいよー!! 次いってみようかー!!」
兄者先生が、ハイテンションで次の人を指差す。
( ^Д^)クッチャクッチャ
( ´_ゝ`)「はーい、次はそこでガムかんでる君だよ♪
ほらほら、そんなダラーっとすわってないで胸張っていこうZE!」
( ^Д^) 「うぜぇな……少しは黙れよ先公。さっきからうるせーんだよ」
(;´_ゝ`)「ごめん、先生が悪かった。うん、いいよ、お好きにどうぞごめん殴らないでやめて」
柔らかかった空気が、張り詰めた。
だるそうに椅子に寄りかかっていた男子が、立ち上がる。
(;^ω^)「うわぁ……大きいお」
(;'A`)(でけぇ……てか怖っ)
身長は180を軽く越えていて、体格もかなり大柄である。
何より、耳につけられたピアスと、じゃらじゃらした指輪が目に付いた。