ふと彼は 今自分のいる場所に気付く
見渡せば誰もいない
そう思うと、彼は不安になっていった
こういう状況だと彼の場合、あらぬ想像をしてしまうのである
人が突然消えてしまった とか
みんな消されてしまった とか
普段はクールな彼とは想像できないくらい
現実にはありえないことを考えてしまう
強い想像力の代償は『恐怖』なのだ
彼は走り出した
何かから逃げるように
(落ち着け・・・落ち着け・・・)
そう考えている矢先に、思わぬアクシデントが彼を襲う
階段を降り始めたときに彼は一段踏み外してしまったのだ
そして勢いよく転がっていった
叫ぶ暇も無く、彼は頭を強く打ってしまい、そのまま意識を失ってしまった