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<p>ゆっくりと重い瞼を開ける<br> 気がつけば見知らぬ部屋のベッドで寝ていた<br> 部屋は殺風景で、ベッドと鏡と、タンスぐらいしか無い</p> <p>『ガチャッ』</p> <p>ドアが突然開いて驚いたが<br> それよりも、現れた人物に目を疑う<br> 「おー!レリック久しぶり!」<br> ・・・友人のティルである</p> <p>「・・・ ・・・」</p> <p>短い沈黙のあと、ゆっくり口を開く<br> 「俺 死んだ?」<br> 「あぁ、死んだ」<br> 「・・・ ・・・そっか」</p> <p>「・・・ ・・・。」</p> <p>また沈黙</p> <p>「嘘だよ!まだ生きてるって!」<br> 笑いの混じった声で喋る<br> (やっぱりティルだ)<br> 冷静になって自らに起きた事を考えてみる<br> 「俺、階段から落ちたんだ・・・」<br> ティルも喋りだす<br> 「で、そのあと俺が来て、病院に運んで、そのあと俺ン家ってとこ」<br> ティルは続ける<br> 「お前からの手紙、裏見たら現在地が近かったからすぐ見つけたよ」<br> 「いやぁ、ビックリした。階段下りたらレリックが倒れててさぁ、血流してるしさぁ」</p> <p>スッと起き上がり、部屋にあった鏡を見る<br> 手当てされた形跡はない<br> 「軽い怪我だったんだ」<br> 「いんや、重傷だった。・・・今度から気をつけろよ」<br> 「うーん・・・傷が無いし、どうなってるんだ?」<br> 「この国では、どんな怪我でも傷でもすぐに治せんのさ」</p> <p> 田舎育ちの彼には、にわかには信じられない言葉だった<br> ほっとため息をつき<br> 今はただ、友人との再会を素直によろこびたいと思った</p>
<p>ゆっくりと重い瞼を開ける<br> 気がつけば見知らぬ部屋のベッドで寝ていた<br> 部屋は殺風景で、ベッドと鏡と、タンスぐらいしか無い</p> <p>『ガチャッ』</p> <p>ドアが突然開いて驚いたが<br> それよりも、現れた人物に目を疑う<br> 「おー!レリック久しぶり!」<br> ・・・友人のティルである</p> <p>「・・・ ・・・」</p> <p>短い沈黙のあと、ゆっくり口を開く<br> 「俺 死んだ?」<br> 「あぁ、死んだ」<br> 「・・・ ・・・そっか」</p> <p>「・・・ ・・・。」</p> <p>また沈黙</p> <p>「嘘だよ!まだ生きてるって!」<br> 笑いの混じった声で喋る<br> (やっぱりティルだ)<br> 冷静になって自らに起きた事を考えてみる<br> 「俺、階段から落ちたんだ・・・」<br> ティルも喋りだす<br> 「で、そのあと俺が来て、病院に運んで、そのあと俺ン家ってとこ」<br> ティルは続ける<br> 「お前からの手紙、裏見たら現在地が近かったからすぐ見つけたよ」<br> 「いやぁ、ビックリした。階段下りたらレリックが倒れててさぁ、血流してるしさぁ」</p> <p>スッと起き上がり、部屋にあった鏡を見る<br> 手当てされた形跡はない<br> 「軽い怪我だったんだ」<br> 「いんや、重傷だった。・・・今度から気をつけろよ」<br> 「うーん・・・傷が無いし、どうなってるんだ?」<br> 「この国では、どんな傷でも怪我でもすぐに治せんのさ」</p> <p> 田舎育ちの彼には、にわかには信じられない言葉だった<br> ほっとため息をつき<br> 今はただ、友人との再会を素直によろこびたいと思った</p>

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