※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。



「くそっ。口開けな!」
女性は焦っている。ここは弱気に出てはいけない。みかは決意を口にした。
「い、嫌です!」しかし。「もがっ」
「開けたじゃないか。素直でいい子だ」
「むぅー、むうぅー」
みかは自爆した。
大きく開けた口にハンカチを詰め込まれ、ガムテープ二枚で×の字になるように塞ぐと、女性はみかをトイレに引きずっていった。
「ここでおとなしくしてな。それと……あんたのエプロン、借りるよ」
「むぅー? むうぅー!」
エプロンを貸すのは構わないが、その理由がわからなかった。
ドアが閉まる。電気も消されてしまった。
「んんーぅ!!」
暗闇が怖かった。動けない自分には、その効果は大きい。
気を失いそうになる……。
「いらっしゃいませー」
女性の声が聞こえた。そのままみかは眠りについた……。

「んんーぅ!」
すぐ起きた。怖くて寝れない。大体、寝ている場合ではない。
幸い、すぐに目が慣れてきたので、どこに何があるかは大雑把にだが見えてきた。
「んっ、んっ……」
身体を少しずつ動かして、横に移動する。
とりあえず、便器の横の段差に腰掛けることに成功した。
トイレ掃除をちゃんとしていてよかった……とみかは思った。
次に、口のガムテープを剥がすことだ。これさえ取り除けば、ハンカチはすぐに吐き出せる。
壁に擦り付けるが、剥がれる気配はまったく無い。それどころか、なんだか擦り付けた部分がより強く貼られてしまった気がする。
先にロープをどうにかしようにも、刃物はトイレの中には無い。
「んふぅ……っ」
ガムテープ越しにため息をついた。

──私、このまま死ぬのかなぁ──

とんでもない思考が頭をよぎり、慌ててそれを取り去ろうとした。
「んー、んーぅ、んっ……ん?」
ドアがある。
鍵はかかっていない。

──体当たりすれば、開くかなぁ──

まだ客がいれば気づくだろうし、いなかったとしても、もうお金を奪って女性は逃げているだろう。
そう考えたみかは、少し身体を前後に揺らして、勢いをつける。
「んっ」
1。
「んっ」
2の。
「んぅっ!」
3!

ゴスッ。

ドアはびくともしなかった。

みかは少しの間、夢の世界に旅に出た。