みかは
女性に口を押さえられた。
「騒ぐんじゃあ、ないよ?」
低い声がみかの耳元でささやかれる。
「騒いだら、あんたのお腹がスリムになるからね」
女性はポケットからナイフを取り出し、みかのお腹をつついた。
「んんっ……!」
小さく悲鳴を上げる。
女性は、みかを移動させようとする。
「さ、奥に行こうか? 黙って……下手な真似したら、お腹と背中がくっついちゃうよ?」
今度は背中を、指でなぞる。
「ひいぃぃっ……わ、わかりましたよぅ……」
みかは情けない声をだした。
場所は移動して、通路にみかは座った。
「抵抗するんじゃないよ」
「は、はいっ!」
「声を出すな!」
「はいっ!」
あまりの恐怖に、なんにでも返事をしてしまう。
女性は呆れた風にため息をつき、みかの手を後ろに回した。
「んっ」少し痛い。軽く涙が出てきた。
女性は手馴れた感じで、みかを後ろ手に縛り上げた。
恐怖で思考がいっぱいになったとき、首筋に指が触れた。
「あ、あの……」
「黙ってな」
今度は右手で、みかの胸を揉みだす。
「あっ、やめ、ちょっ」
(まさかこの人……そっち系の人!?)
「あんた……サイズは?」
「はい?」
いきなりの質問に、また変な声が出た。
「サイズだよ! 胸のサイズ!!」
「え、Fですぅ」
女性の動きが止まった。
だんだん表情が憎悪のそれに変わり、そして……。
「い、痛い痛いっ!!」
この胸を中心に、身体を本格的に縛られてしまう。
胸は搾り出すように縄をかけられ、手を縛る縄と繋がれてしまい、身動きがとれなくなる。上半身に自由はなくなった。
「!!」
再び、女性の動きが止まった。
恐る恐る声をかける。
「あ、あの……」
聞こえていないようだ。しかし、直後。
「あんた……あたしをおちょくってるのかい!?」
「ふ、ふえええぇぇぇぇっっ!?」
理不尽な怒りをぶつけられて戸惑うみかに、声が聞こえた。
「イラッシャイマセー♪」
誰か店に入ったようだ。
最終更新:2006年05月16日 05:00