厄男@Wiki

自殺

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calm3902

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「○○が自殺した」

それが友人から入ってきた第一報だった。

「とりあえず仲の良かった人を集めて店に集まろうと思う」


にわかには信じられない。
いつも何かしら仕掛けてくる友人からの誘いだったから
きっと私を誘うための面白おかしい口実に違いない。
そこには最近あっていない○○もいて
一緒に飲んでいるに違いない・・・


店についてみると、案の定私を誘った友人と○○がいて
一緒に楽しそうに酒を飲んでいた。
息を切らして登場した私を見て、笑いながら

「本気で自殺したと思った??」

などと問いかけてきたから、私は

「お前ら、本当に死んでしまえ!!」

などと冗談を言い、一緒に久々の再会を楽しんだ。


・・・という光景が繰り広げられると信じていた。


店についてみると、友人ともう一人
ものすごく沈んだ雰囲気でたたずんでいた。

―そうだ、○○が来る前に私が着いてしまったんだ。

私が席に着くと、友人はゆっくりと口を開いた。

遺体が見つかったこと

親族に会ったこと

警察署に行ったこと・・・

すべてが信じられなかったが、それでも心には突き刺さる。
一通り話し終わると、長い長い沈黙が続いた・・・

途中、もう一人の友人が

「トイレに行く」

と言って席を立った。

(○○を呼びに行くんだな!!)

まだ○○の死を受け入れていない私はそう思った。

しかし、彼は本当にただ用を足してきただけであった。

次々と久々に会う友人が集まってきた。
友人が携帯電話をいじるたび

(○○と連絡を取ってるんだな?)

そう思った、思うしかなかった・・・


そしてついに、○○が来ないまま、会は終わった。


私はまだ信じてはいない、信じることができない。
何も見ず、何も聞かず、ただ伝えられただけだから。
人の死は、決して簡単には受け入れたられないというが
それが本当のことであると感じた。

受け入れられない、信じられない
メールで確認したい、だけど真実を知るのが怖くて
どうしてもできない。

急に消えてしまった○○
今でも明日会えることを信じている。





カテゴリ: [日常] - &trackback() - 2006年10月09日 22:25:23
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