行為判定

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 あらゆる物事には成否という物が存在する。階段を登る事は子供でも容易に行う事ができるが、何mもの切り立った崖を登る事はいかなる大人でも難しい。しかし、大人であっても階段を踏み外して転ぶ事もあるし、熟練した技術と知識さえあればもしかしたら子供でも壁を登りきる事ができるかもしれない。  このように、現実的に考えてみても確実に成否を決めるという事はできない。経験や運など複雑な要素が絡み合ってその結果は成り立っているからだ。そこで『Fifth Moon RPG』ではそれを簡略的に表現するために、幾つかのダイスを用いて行う。  物事の成否をダイスを振り、その出目の大小で決定する事を[行為判定]という。以降の文中で「判定する」「判定を行う」などと書かれている場合は、いずれもこの[行為判定]を行うという意味である。  なお、[行為判定]では基本として3つの6面ダイスを使用する。 &bold(){判定に用いるダイス=3D6} **<判定の基本> ***基準値  「基準値」とは、ある行為に対してキャラクターがどれだけの能力を持っているか、あるいはどれだけ熟練しているかというようなことを示す数値である。  たとえば、剣を敵に命中させたいと思えば剣を正確に振るうための器用度が重要である。そこで、キャラクターが剣を扱う訓練を受けていたり、経験を積んでいるならば、その正確さはより確実なものとなるだろう。  つまり基準値とは、[行為判定]を行う際に元となる数値という事になる。基準値は場面や状況に応じて様々な数値を用いるが、基本的にはその行為に関連した《スキルレベル》+【能力値ボーナス】を用いる。それとは別にGMから指示がある場合は、そちらに従うこと。 &bold(){基準値=(行為に関連した)[《スキルレベル》+【能力値ボーナス】]} ***達成値  達成値とは、[行為判定]の結果キャラクターがその物事に対してどれだけの成果を出す事が出来たかを表す数値である。  達成値は基本的に、基準値に判定に使用するダイスを振った出目の合計値(これをダイス値という)を加算して算出する。しかし、キャラクターは自分の出した達成値だけで成否を類推する事はできない。なぜなら、物事の難易度や競い合う相手の達成値の比べ合いによって成否とは決定されるものであり、その判断を行えるのはGMだけだからだ。 &bold(){達成値=基準値+3D6} ***ボーナスとペナルティー  [行為判定]には、GMによって修正がかけられることがある。これは状況や場合によって、キャラクターに有利・不利が働くのを表すためである。これを表すのが、ボーナス及びペナルティである。  ボーナスとは、有利な状況の場合に課される加算値の事である。これに対しペナルティーとは、不利な状況の場合に課される減産値の事である。  ボーナスやペナルティーは、[行為判定]の達成値に課される事もあれば、判定に用いるダイス数そのものに課される場合もある。 ***クリティカルとファンブル  前述のとおり、[行為判定]には技術や経験だけでなく、時に運という要素が絡んでくる場合がある。これを表すのがクリティカル、及びファンブルである。  クリティカルとは運よく成功してしまった、つまり自動的成功の事を指す。これに対しファンブルとは運悪く失敗してしまった、つまり自動的失敗を指す。自動的成功、自動的失敗とは決定的成功や決定的失敗ではない。単に運の問題によって成功した、失敗したということであり、それが非常にうまく成功した、とてもひどい失敗をしたということを意味しているわけではない。  判定がクリティカルであってのかファンブルであったのかの判断の基準は、ダイス値によって決まる。  一般的なクリティカルとなる値(これをC値という)は20である。これからキャラクターの運のよさを表すLP(幸運値)を引いた物が最終的なC値となり、ダイス値がC値を上回ればクリティカルとなる。  それとは逆に、一般的なファンブルとなる値(これをF値という)は7である。これからキャラクターの運のよさを表すLP(幸運値)を引いた物が最終的なF値となり、ダイス値がF値を下回るとファンブルとなる。  [行為判定]の中には個別にC値、F値が与えられている場合がある。そういった場合では、与えられたその数値からLPを引いた物をその判定のC値、F値として判定を行うこと。また、C値、F値はボーナスやペナルティによって変動する事はない。  &bold(){C値=20-LP} &bold(){クリティカル C値≦ダイス値} &bold(){F値= 7-LP} &bold(){ファンブル  F値≧ダイス値} **<目標判定> 1.2 目標値  基準値はキャラクターの能力を表す数値です。しかし、行為が成功するかどうかは、試みる者の能力だけではなく、その行為自体の難しさの度合いが関係してきます。同じ武器を命中させるのでも、戦っている相手がまったく戦いの心得がない素人であるのと、熟練の戦士であるのとでは、その難しさには大きな開きがありあす。  これを表すのは“目標値”です。  目標値が大きければ大きいほど、行為は難しいものとなります。 1.3 判定  基準値と目標値が決まれば、いよいよ成功ロール判定が行われます。  プレイヤーはサイコロを三個振り、出た目に基準値を足します。その結果は“達成値”と呼ばれます。そして、その達成値が、目標値と同じか、それより大きな数値であればいいのです。  達成値(基準値+3D)≧目標値→行為は成功  達成値(基準値+3D)<目標値→行為は失敗 1.3.1 自動的成功と自動的失敗  どんなに難しい行為でも、運命のいたずらで成功してしまうこともあります。逆に、どんなに簡単に見えることでも、何かの不運で失敗してしまうことがあります。これを表すのが自動的成功(クリティカル)と自動的失敗(ファンブル)のルールです。  成功ロールにおいて、プレイヤーの出目が「18-LUKBonus(幸運ボーナス)」以上であった場合、基準値がいかに低く、目標値がいかに高くとも、その行為は成功になります。  逆に、プレイヤーの出目が「目標値÷10(端数繰上げ)+2」以下であった場合、基準値がいかに高くとも、目標値がいかに低くとも、その行為は失敗となります。  基本的に自動的成功、自動的失敗は、決定的成功や決定的失敗ではありません。単に成功した、失敗したということであり、それが非常にうまく成功した、とてもひどい失敗をしたということを意味しているわけではありません。  達成値(基準値+3D)≦18-LUKBonus      →自動的成功(クリティカル)  達成値(基準値+3D)≧目標値÷10(端数繰上げ)+2→自動的失敗(ファンブル)  ※)目標値: 0~ 9 自動的失敗値: 3    目標値:10~19 自動的失敗値:3~4    目標値:20~29 自動的失敗値:3~5 1.5 難易度判定  ここで次のようなケースを考えてください。  あなた(のキャラクター)は、今、扉の前にいます。屋敷の主は猜疑心の強いことで知られていて、数々の罠を仕掛けているという噂があります。そこであなたはこの扉をうかつに開けると作動するかもしれないと思い、罠の有無を調べてみることにしました……。  これが上手くいくかどうかは一般技能の罠発見/探知の技能を用いることになります。「技能レベル+INT Bonus」を基準値に、成功ロールを行うということです。  仮に、この基準値を「5」としておきます。そしてゲームマスターは目標値を「15」と宣言しました。  あなた(プレイヤー自身)はサイコロを振ります。出目は「10」。5+10=15ですから、ぎりぎりではありますが成功です。  ゲームマスターは宣言します。「罠は見つからなかったよ」  そこで、あなたたちには、罠がないことを確信し、扉を開けて前進します……。  ちょっと待ってください。RPGは「役割演技」のゲームといいました。つまり割り振られた役割、キャラクターに成りきったつもりで遊ぶゲームです。先程の罠発見のシーンをキャラクターの視点から見るとどうなるでしょうか?  扉をあなたは調べました。奇妙な切れ目がないかどうか目で追い、扉を軽く叩いて反響音を聞き、ノブを慎重にわずかに捻って手ごたえを確かめます。結果として、あなたは罠を発見できませんでした。  「罠はないね」  あなたは仲間にそう伝えます。しかし、仲間の一人は難しい顔で問い詰めてきます。「本当か?ここの主人は、人を見たら泥棒だと言ったヤツだぞ。お前さん、罠を見つけられなかっただけじゃねえのか?罠の隠しかたが上手すぎて、お前さんにはわからなかっただけじゃねえのか?」  あなたはこの疑問に答えられますか? キャラクターの立場で、答えることができるでしょうか?「成功ロールには成功したんだよ」では、答えになりません。それはプレイヤーの立場での答えであり、キャラクターの立場の答えではありません。  そうなのです。世の中には自分で試みておきながら、その成功失敗が自分でもわからない(特定できない)行為というものが存在するのです。  こうした判定主に何かを見つけるときが多いでしょうでは、成の方法がじゃっかん変わります。目標値判定から“難易度”判定となるのです。 1.5.1 難易度  難易度は、キャラクターの試みる行為の難しさから、ゲームマスターが決める数値です。目標値と異なるのは、これが直接的にプレイヤーの目指す数値ではないことです。 1.5.2 難易度判定の行われかた  難易度判定ではゲームマスターもまたサイコロ(3D)をふります。そして、その出目を難易度に足し、目標値とするのです。ゲームマスターは自分の出目や、計算結果である目標値をプレイヤーには明かしません。基本となる難易度が明かされるかどうかは状況しだいです。  プレイヤーのサイコロのふりかたは同じです。3Dをふり、ボーナスやペナルティーがあれば修正して達成値を決めます。  ゲームマスターは、その達成値を聞いて、自分がひそかに定めた目標値(難易度+3D)と比較します。もし、同点であるか、達成値が大きければ行為は成功、小さければ行為は失敗となります。  達成値≧目標値(難易度+3D)→行為は成功  達成値<目標値(難易度+3D)→行為は失敗  行為の成功失敗がキャラクターにはわからないときに、難易度判定を行うのですから、ゲームマスターは、結果を「行為は成功した」「行為は失敗した」とは言いません。あくまで、その成功失敗からキャラクターにわかる範囲内で答えます。扉と罠について、どのようにゲームマスターから答えが返ってくるか、示しておきましょう。  1.罠があり、罠発見の判定には成功した→「罠はあった」  2.罠があり、罠発見の判定には失敗した→「罠はなかった」  3.罠がなく、罠発見の判定には成功した→「罠はなかった」  4.罠がなく、罠発見の判定には失敗した→「罠はなかった」  2番のケースの場合、罠がないと思い込んでしまうと酷い目にあってしまうでしょう 。 1.5.3 成功失敗の類推  成功ロールが難易度判定で行われた場合、行為の成功失敗はわかりません。それこそが、難易度判定で行う理由ですから。  しかし、プレイヤーには難易度判定で行われた施工ロールが、成功であるのか失敗であるのか、判断する基準がただ一つだけ与えられています。  それは、プレイヤー自身がふったサイコロの出目です。  出目が15、16のように高ければ、その成功ロールはかなりの確率で成功していると考えられます。ですから、扉を調べた結果、罠を発見できなかったら、本当に罠はないと考えても危険はかなり低いでしょう。  出目が5や6のように、低いものだった場合、その成功ロールは失敗している確立が高いといえます。ですから、扉を調べた結果、罠を発見できなかったとしても、その結果は疑ってかかったほうがいいでしょう。  特に6ゾロおよび1ゾロの両極端などちらかの目を振った場合、それは「自動的成功(クリティカル)」、「自動的失敗(ファンブル)」を意味しますから、プレイヤー自身はっきりと成功ロールの成否を知ることができるのです。  プレイヤーのサイコロの出目は、キャラクターが行った行為に対する自信の表れだと解釈してください。高い出目は高い自信を表わし、低い出目はやったことに自信が持てなかったことを表わします。 1.6 抵抗ロール  「HT bonus+装備している防具(衣服、軽装、重装)の技能レベル(+防具修正値)」を基準値に行う成功ロールを特に、「体力による抵抗ロール」と呼びます。同様に、「MP bonus+装備している防具(衣服、軽装、重装)の技能レベル(+防具修正値)」を基準値に行う成功ロールを特に「精神力による抵抗ロール」と予備、この二つを総称して単に「抵抗ロール」と呼びます。  名称を変えてこの二つを特に区別するのは、これらが頻繁に行われるものだからです。  ですから、これらの基準値も、体力抵抗力、精神力抵抗力と、特に用語が定義されます。  体力による抵抗ロールは、衝撃や毒など肉体的な危険に対してその影響を回避、減衰するために行われ、精神力による抵抗ロールは、魔法や呪いなどに対してその影響を回避、減衰するために行われます。  戦闘時に行われる、物理攻撃、魔法攻撃に対する「受け」の抵抗ロールに関しては、第4章 武器戦闘の6節、第5章 魔法の1節をそれぞれ参照してください。  [抵抗ロールの行われるケース] 【体力抵抗ロール】   毒、火傷、麻痺、凍結、石化、気絶などの肉体的状態異常   生死判定   物理攻撃に対する「受け」の判定 【精神抵抗ロール】   眠り、誘惑、呪い、混乱、幻惑などの精神的状態異常   魔法攻撃による「受け」の判定 《キャラクター用紙への書き込み》  二つの抵抗ロールは頻繁に行われます。ですから、その基準値(抵抗力)はすぐにわかるようにメモしておいた方がいいでしょう。キャラクター用紙には、その為の欄が用意されています。能力値の体力、精神力の欄を見てください。その右隣はそれぞれボーナスを書き込む欄ですが、さらにその右にResist(抵抗力)と記された欄が用意されているはずです。ここに、それぞれの抵抗ロールの基準値を書き込んでください。  基準値(抵抗力)は、「HT bonus/MP bonus+装備している防具(衣服、軽装、重装)の技能レベル(+防具修正値)」です。  H.Res(生命抵抗力)=HT bonus+装備している防具(衣服、軽装、重装)の技能レベル(+防具修正値)  S.Res(精神抵抗力)=MP bonus+装備している防具(衣服、軽装、重装)の技能レベル(+防具修正値) **対決判定 **幸運値 1.3.2 幸運値  たとえどんなに困難な行為でも、その可能性が1%でも在る限り奇跡というのは起こり得ます。そんな不可能をも、時には可能にしてしまえる強い運こそ、一流の探求者に求められるものですが、それをルール的に処理した物がこの幸運値です。  行為判定時に失敗した時、Luck Point(幸運値)を1点使うことによってその判定を自動的成功に変える事ができます。ただし、運とは無限ではありません。人生運がついている時もあればついていない時もあるのです。したがって、Luck Point(幸運値)を1点使った場合、以後シナリオ中はLUK Bonusが1点減ることになります。つまり、普段の判定で自動的成功(クリティカル)がしにくくなるのです。  また、これは当然の事ですが、1シナリオ中にLuck Point(幸運値)はその値分しか消費する事はできません。更に付け加えるならば、あくまでも幸運値が使用できるのは判定のみです。しかし、GMが認めた場合はこれに限りません。GMはシナリオに差し支えない範囲でプレイヤーと相談して判断するのがいいでしょう。なお、幸運値はシナリオが終了するまでいかなる手段を用いても回復することはありません。 《キャラクター用紙への書き込み》  幸運値とは、シナリオをクリアする上で不可欠となるでしょう。なので、ちゃんと値を書き込む場所がキャラクター用紙に用意されています。能力値のLUK(運)の欄を見てください。その右隣はそれぞれボーナスを書き込む欄ですが、さらにその右にLuck Point(幸運値)と記された欄が用意されているはずです。ここに、Luck Point(幸運値)の値を書き込んでおいてください。 Luck Point(幸運値)は、「LUK bonus」そのままの値です。  Luck Point(幸運値)=LUK Bonus
 あらゆる物事には成否という物が存在する。階段を登る事は子供でも容易に行う事ができるが、何mもの切り立った崖を登る事はいかなる大人でも難しい。しかし、大人であっても階段を踏み外して転ぶ事もあるし、熟練した技術と知識さえあればもしかしたら子供でも壁を登りきる事ができるかもしれない。  このように、現実的に考えてみても確実に成否を決めるという事はできない。経験や運など複雑な要素が絡み合ってその結果は成り立っているからだ。そこで『Fifth Moon RPG』ではそれを簡略的に表現するために、幾つかのダイスを用いて行う。  物事の成否をダイスを振り、その出目の大小で決定する事を[行為判定]という。以降の文中で「判定する」「判定を行う」などと書かれている場合は、いずれもこの[行為判定]を行うという意味である。  なお、[行為判定]では基本として3つの6面ダイスを使用する。 &bold(){判定に用いるダイス=3D6} **<判定の基本> ***基準値  「基準値」とは、ある行為に対してキャラクターがどれだけの能力を持っているか、あるいはどれだけ熟練しているかというようなことを示す数値である。  たとえば、剣を敵に命中させたいと思えば剣を正確に振るうための器用度が重要である。そこで、キャラクターが剣を扱う訓練を受けていたり、経験を積んでいるならば、その正確さはより確実なものとなるだろう。  つまり基準値とは、[行為判定]を行う際に元となる数値という事になる。基準値は場面や状況に応じて様々な数値を用いるが、基本的にはその行為に関連した《スキルレベル》+【能力値ボーナス】を用いる。それとは別にGMから指示がある場合は、そちらに従うこと。 &bold(){基準値=(行為に関連した)[《スキルレベル》+【能力値ボーナス】]} ***達成値  達成値とは、[行為判定]の結果キャラクターがその物事に対してどれだけの成果を出す事が出来たかを表す数値である。  達成値は基本的に、基準値に判定に使用するダイスを振った出目の合計値(これをダイス値という)を加算して算出する。しかし、キャラクターは自分の出した達成値だけで成否を類推する事はできない。なぜなら、物事の難易度や競い合う相手の達成値の比べ合いによって成否とは決定されるものであり、その判断を行えるのはGMだけだからだ。 &bold(){達成値=基準値+3D6} ***ボーナスとペナルティー  [行為判定]には、GMによって修正がかけられることがある。これは状況や場合によって、キャラクターに有利・不利が働くのを表すためである。これを表すのが、ボーナス及びペナルティである。  ボーナスとは、有利な状況の場合に課される加算値の事である。これに対しペナルティーとは、不利な状況の場合に課される減産値の事である。  ボーナスやペナルティーは、[行為判定]の達成値に課される事もあれば、判定に用いるダイス数そのものに課される場合もある。 ***クリティカルとファンブル  前述のとおり、[行為判定]には技術や経験だけでなく、時に運という要素が絡んでくる場合がある。これを表すのがクリティカル、及びファンブルである。  クリティカルとは運よく成功してしまった、つまり自動的成功の事を指す。これに対しファンブルとは運悪く失敗してしまった、つまり自動的失敗を指す。自動的成功、自動的失敗とは決定的成功や決定的失敗ではない。単に運の問題によって成功した、失敗したということであり、それが非常にうまく成功した、とてもひどい失敗をしたということを意味しているわけではない。  判定がクリティカルであってのかファンブルであったのかの判断の基準は、ダイス値によって決まる。  一般的なクリティカルとなる値(これをC値という)は20である。これからキャラクターの運のよさを表すLP(幸運値)を引いた物が最終的なC値となり、ダイス値がC値を上回ればクリティカルとなる。  それとは逆に、一般的なファンブルとなる値(これをF値という)は7である。これからキャラクターの運のよさを表すLP(幸運値)を引いた物が最終的なF値となり、ダイス値がF値を下回るとファンブルとなる。  [行為判定]の中には個別にC値、F値が与えられている場合がある。そういった場合では、与えられたその数値からLPを引いた物をその判定のC値、F値として判定を行うこと。また、C値、F値はボーナスやペナルティによって変動する事はない。  &bold(){C値=20-LP} &bold(){クリティカル C値≦ダイス値} &bold(){F値= 7-LP} &bold(){ファンブル  F値≧ダイス値} **<目標判定>  目標値とは、物事の難易度を数字化したものです。数値が大きければ大きいほどその物事は難しいという事になり、成功させる為には深い知識や経験が必要となります。  目標値のように、物事の成否を決める基準が固定の値を取る判定を『目標判定』といいます。[行為判定]の結果の達成値が目標値を上回れば成功となり、下回ってしまうと失敗となります。目標値は物事によってはGMによって明かされる場合と、明かされない場合があります。 &bold(){達成値(基準値+3D)≧目標値→行為は成功} &bold(){達成値(基準値+3D)<目標値→行為は失敗} **<対決判定>  冒険を行っていく上で、他のキャラクターやエネミーと能力を競わなければならない時があります。戦闘時などはその最もたる例と言えるでしょう。  そのような場面などで行うのが『対決判定』です。対決判定は目標判定と違い目標となる数字が固定値を取りません。キャラクターと対決相手とでそれぞれ達成値を出し、どちらが上回ったかによってその成否を決定します。  対決判定は目標判定と異なり、数値を競う対象が存在します。そのため、達成値が互いに同値を取った場合に判断をつけにくい事があります。その場合、物事を受ける場合の結果を優先してください(これをリアクション優勢の法則と言います)例えば、石を投げそれが当たるかどうかといった場面で対決判定を行い、互いに同じ達成値を出した場合石を投げられた方の結果を優先して当たらなかったという事になります。  能動、受動といった判断のしにくい対決判定では、GMの指示に従ってどちらかの結果を選択するか、もしくは振り直しを行ってください。 &bold(){自分の達成値(基準値+3D)>相手の達成値(基準値+3D)→行為は成功} &bold(){自分の達成値(基準値+3D)<相手の達成値(基準値+3D)→行為は失敗} **<幸運値>  たとえどんなに困難な行為でも、その可能性が1%でも在る限り奇跡というのは起こり得ます。そんな不可能をも、時には可能にしてしまえる強い運こそ、一流の探求者に求められるものですが、それをルール的に処理した物がこの幸運値です。  行為判定後にその判定結果を覆したい場合、LP(幸運値)を1点使うことによってその判定をクリティカルに変える事ができます。ただし、運とは無限ではありません。また、いいことが続けば必ずその後には不運が訪れるのです。LPを1点消費するという事はLPが1少なくなるという事ですから、C値、F値がそれぞれ1高くなります。つまり、以後の判定ではクリティカルしにくく、ファンブルしやすくなるのです。  また、1シナリオ中にLPはその値分しか消費する事はできません。更に付け加えるならば、あくまでもLPが使用できるのは判定のみです。しかし、GMが認めた場合はこれに限りません。GMはシナリオに差し支えない範囲でプレイヤーと相談して判断するのがいいでしょう。なお、LPはシナリオが終了するまでいかなる手段を用いても回復することはありません。 **<判定の手順> &bold(){①行為判定の宣言}  物事に対して、プレイヤーがキャラクターに判定を行わせたいと思った場合、もしくはGMがキャラクターに判定を行わせたいと思った場合、行為判定を宣言する事ができます。キャラクターが宣言した場合は、それに対してGMが許可しない限り判定を行う事はできません。  GMが許可した、もしくはGMが宣言を行った場合、基準値となる【能力値】や《スキル》をキャラクターに告げます。その際に、その行為判定に関わるボーナスやペナルティーも告げられます。 &bold(){②ダイスを振る}  キャラクターはGMの指示に従い、ボーナスやペナルティーを加味した上でダイスを振ります。それがNPCとの対決判定であった場合、GMもここでダイスを振ります。しかし、そのダイスの数値を必ずしもプレイヤーに見せる必要はありません。 &bold(){③達成値の算出}  キャラクターは、ダイス値に基準値を足し、さらにボーナスやペナルティを付け加えた最終合計値を算出して申告します。 &bold(){④成否の宣告}  GMは目標値、もしくはNPCの達成値と申告されたキャラクターの達成値を比べ、決定した成否を告げます。この時、キャラクターがLP、もしくは何らかのスキルを使用するならばその成否は覆る可能性があります。

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