休み時間になると特定の相手の居ない女の子達はすぐに恋の話になる。相手の居る子は教室に居ないことが多い。教室の外、空き教室や階段の下で溢れ出る母乳を搾ってもらっている。しかし、不運にもそんな相手の見つからない子は疼きの治まらない身体を持て余し、机の角を軽く太ももで挟むようにしてそっと下半身を押し付けるしかない。 「あの娘ついにリモコン渡したんだって。勇気あるよねー」  喧騒の中から一際大きな声が飛ぶ。  嫉妬と羨望の眼差しが一斉に肌に突き刺さるのがわかった。しかし、それも優越感を刺激するだけだ。  理香は一人自分の机に座ったまま頬を染め、快感に酔う。この味を楽しめるのも恋人を見つけた者にのみ許される特権だ。つい昨日までは、ああして休み時間になると教室から出て行くクラスメートの後姿を指を咥えて眺め、虚しく同じような境遇の子と胸の触りあいしていた。だが、今は違う。快楽と性欲をコントロールして支配してくれる相手が居る。その喜びを知ってしまうと、机の角を相手にオナニーしなければならない彼女達はとても惨めに思えた。  理香の告白を受けてくれた男子はそれほど格好良いわけではない。背もそれほど高くはないし、頭がとても良いわけでも、スポーツが得意なわけでもない。ただ、他の誰にも負けないほど優しい。朝、授業が始まる前に「本当にリモコン、オンにするよ?」と言うので「英語が苦手なの。だから、英語の時間だけはやめて」とお願いしてみたら、彼は律儀にもその約束を守ってくれたのだ。  始業のベルが鳴って、授業が始まると集まって身体の疼きを慰めあっていた子達は名残惜しそうに自分の席へ戻っていった。二時限は数学だ。  入ってきた数学の女教師、荻野は巨大な胸をゆさゆさと揺すりながら教壇に立った。男子には影でこっそり『ホルスタイン』とあだ名をつけられるほど荻野の胸は大きい。ブラウスに収まりきらずにボタンとボタンの間がすっかり開いてしまっているほどだ。  胸はどんな女子生徒にも負けない荻野だが、結構これで厳しい。挨拶を終えて、まだ点呼をとっている間に嬌声が上がったりすると小言がとぶ。今日もそれがわかっていてローターのスイッチを入れられた子の押し殺した声を聞きつけて肩眉を吊り上げる。 「伊田さん。また、貴方なの。彼にちゃんと言っておきなさい。最低限、点呼が終わるまで待ちなさいって」 「は…はぃ……ぃっあああああっ!」  返事の途中で伊田菜緒子は盛大に母乳を噴出して突っ伏してしまった。  呆れた顔でその様子を眺める荻野のブラウスにも薄っすらと母乳がしみを作る。 「いいこと。最低限のルールを守れない男は最低よ」  その言葉が効いたのか菜緒子の身体からスッと力が抜けた。ローターを止めてもらえたのだろう。  理香はそっと斜め前に座っている男子の手元を覗き見た。手にスイッチが握られている。彼が菜緒子の彼氏だ。  授業が始まってから理香は気が気でなかった。授業が始まってからは特別咎められたりはしないが、やはり人前では恥ずかしいような気がする。もし、スイッチを入れられたらと思いながら、黒板の文字を書き写していた時だった。遠慮しているように小さくローターが震えだす。  じれったさにギュッと小さくなった消しゴムを握り締めた。 「ん……」  小さく漏れた喘ぎに気づいた後ろの子に背中を突付かれた。  慌てて周囲を見渡すと皆気づいたらしくチラチラと視線を盗み見ている。上目遣いに荻野の方を見ると、彼女も気づいたのか柔らかな苦笑を浮かべてこちらを見ていた。たちまち顔が真っ赤になる。  途端に焦らされた身体から泉が湧き出すように愛液が溢れて下着を濡らした。慌ててスカートの上から押さえるが、止められるものではない。たちまち太ももまでびしょ濡れになってしまった。 「ああっ!」  突然、激しくローターが暴れ出し理香は声を上げて腰を浮かせた。制服の裾から母乳の雫が零れる。  周囲は何事もなかったかのように授業を続けている。こんなことは良くあることだ。荻野が近づいて教鞭でトントンと肩を叩く。 「わかっているとは思うけど、授業の邪魔にならないようになさいよ」 「あ…はい……」  慌てて椅子に座り直して理香はすっかり母乳を含んだ制服の上から自分の乳首をくわえた。  溢れ出てくる自分の母乳を飲み干しながら、下半身から湧き上がる快感に声を押し殺す。経験するまでは恥ずかしいのではないかと思ったが、実際には気にする余裕などなかった。  彼の居ない子は羨ましそうな目で理香を眺めながらモゾモゾと股間をまさぐり、大胆な子はスカートを捲り上げて机の下でオナニーをしている。その内、あちこちで同じようにローターのスイッチをオンにされた子の悶える声があがりはじめた。  理香は連続で3回もいってしまってついに崩れ落ちるように机に突っ伏してしまった。ノートも教科書もめちゃくちゃだ。机の上から溢れ出た母乳が滴り、スカートの裾や椅子の脚を愛液が流れ落ちていく。 「春ねぇ……」  ほんの少し焦れたいような荻野が艶を帯びた声で呟く。  幸福に虚ろな目に窓から入ってくる光が見えた。空に薄い雲がのんびりと飛んでいる。温かい教室の中一杯に甘いにおいが満ちていた。