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第20話「辛いな、1人は」

アークエンジェルの中をアスランは急いでいた。
ルナマリアがポロリとこぼした言葉、シン、レイ、ガロードがフリーダムを倒すための特訓に明け暮れているということを聞いたからである。
シンとレイの部屋の前に着いたアスランはノックをして部屋に入り、その中でアスランが目にしたのは、少し無精ひげが生えてきているシミュレーターに没頭している最中のシン、レイ、ガロードであった。

そしてそこにあるディスプレイに映っていたのはアスラン自身が最も見慣れた機体の1つ、彼の最も大切な人間の1人が駆る愛機であるフリーダムであった。

「お前達は何をやっているんだ!?」
「何って、見ればわかるでしょ、フリーダムを倒すための特訓ですよ、ザラ隊長殿?」

シンはアスランを見る目に鬱陶しさを全く隠していなかった。

「どうしてこんなことをしている!?何の意味があるというんだ!」
「いつまでもガロード1人にこいつの相手を任せるわけにはいかないでしょ、
 ディオキアでは俺もハイネもこの野郎にあっさりやられちまった、少なくともMS戦ではね。
 だから、今度こいつと戦うときまでに俺達はフリーダムに負けないくらいに腕をあげておかなきゃなんないでしょうが」
「俺が聞いているのはそんなことなんかじゃない!フリーダムは…キラは敵じゃない!」
「はぁぁぁぁ!?あんた何言ってるんだ!」
「お、おいアスラン、いくらなんでもそりゃ…」
「いえ、敵です」

アスランの言葉を聞いた瞬間、シンの頭の中の回路が完全に爆発した。
レイ、ガロードもそれには黙っていられなかった。

「フリーダムは敵です。フリーダムがザフトでない以上我が軍の敵と考えるのは何らおかしいことではありません。
 フリーダムがミネルバを撃沈し、さらにはディオキア基地に襲撃を仕掛けたことは紛れもない事実なのです。
 フリーダムが敵ではないというのならこれらの事実をどう説明するのですか?」
「それにアスラン、キラ・ヤマトはなんでカガリさんを解放しないんだよ。
 ユウナさんの話じゃあいつらはオーブが連合と同盟を結ぶと思ったからカガリさんを拉致ったんだろ?
 それに、そもそもキラ・ヤマトといたっていうラクス・クラインが宇宙にいくってなら手段なら他にもいくつもあるのに、なんでわざわざザフトのシャトルを強奪すんだよ?
 あれじゃ自分が本物だってただアピールしたいだけとしか思えないぜ、他のメリットがほとんど俺の頭にゃ浮かばねえよ」
「そ、それは…」

アスランは完全に答えに窮していた。
アスランが考えても、レイやガロードの言う事のほとんどはもっともに思える。
特にディオキア基地襲撃についてはどうしてそんな目立つ真似をするのかは彼も理解できていない。

そこでさらに追い討ちをかけるように沈黙するアスランに向けてシンが言い放つ。
「もう、やめろよ、2人とも。こいつは単にキラ・ヤマトが大切なだけだろ、ザフトよりな。反論できるか?」
 まああんたが何かガタガタぬかしたところで俺があいつを…キラ・ヤマトを倒すことは変わらないけどな」

だがこの言葉にアスランが即座に反応した。
それは理屈ではない、完全に本能のままに言い返したものである。

「どうしてお前はそんなにキラを目の敵にするんだ!どうしてキラを憎む!キラがお前に何をした!?」
「…そっか、あんたには、俺の家族はアスハに殺された、としか言ってなかったな。
 あれはアスハの無策で家族が死ぬことになったってことだ。
 俺の家族をもっと直接的に殺したのがお前がとっても大好きなキラ・ヤマトなんだよ!
 連合がオーブに攻め込んだ日…避難してる最中だった俺の家族の前にいきなり現れたのが連合のMSとフリーダムだ。
 偶然妹が落とした携帯電話を俺は拾いに行っていて、拾ったところで大きな爆発が近くで起きたから俺は助かったけど、俺の目の前を飛んでいったのが忘れもしない、フリーダムだよ」

「な、ならキラが殺したとは限らないじゃないか!?」
「同じことだ!防衛線はもっと海岸側に敷かれていた。
 フリーダムが助っ人気取りでオーブ軍に手を貸して、それで軍の指揮に従わずに勝手に戦闘区域広げた結果が俺の家族皆殺しだ!」

「アスラン、どこかで聞いたことがあるシチュエーションじゃありませんか?」
 インド洋沖の戦闘でシンがあなたの中止命令を聞かずに基地を破壊し続けたときと似ていませんか?
 当時のキラ・ヤマトは軍人でこそないが、戦争はヒーローごっこではないのです。
 にもかかわらず、フリーダムはかつてのシンと同じように勝手な正義感で戦争をしたのですよ。
 過去現在とシンにも多々反省すべき点はあるでしょうが、軍人でもなく、さらにその名の示す意味を勘違いして好き勝手に暴れて回るフリーダムよりは遥かにマシでしょう。
 まったくどこまでも人類のエゴをその身をもって押し付けて回る存在なのだか・・・」
「レイ貴様、どうしてキラのことを…」
「俺にもあるのですよ、シンと同じように…いや、シン以上にキラ・ヤマトを憎む理由が。
俺の声、顔…あなた、いやお前には見た覚えがあるだろう?」

レイが真っ直ぐにアスランを睨み付ける。そしてニヤリとした笑みを口元に浮かべる。
人をよせつけない空気、何かを見透かしたような言い方、ときたま浮かべる邪悪な微笑み……
確かにアスランには「その感覚」に覚えがあった。

「ラウ・ル・クルーゼ…」
アスランが恐ろしい物を見つけてしまったかのように言葉を口にする。
彼自身、クルーゼが苦手だったし、自分の親友を憎むと言われたことへの不快感が隠しえなくなってきていた。

「そうだ、俺はかつてのお前に上司であるラウ・ル・クルーゼのクローンなのだよ、アスラン・ザラ。
 最高のコーディネーターを生み出すなどという人類のエゴと薄汚い欲望の副産物の1つ、それが俺だ。
 しかも俺はラウよりあとに作られた…理由はわからないが、作れるから作ったとしか思えない。
 だから俺は、俺という呪われた人間を作り出した最大の要因の1つであるキラ・ヤマトを憎むのだ。ラウの敵というのもあるしな」
「だ、だが、殺したから殺して、殺したから殺されて、それで最後は本当に平和になるのか!?」


「誰の言葉か知りませんが、それはどのレベルの話をしているのかがさっぱりわかりませんね。
 個人と個人であれば、私的な理由に基づく殺人は法により処罰される。通常であれば殺されたからといって誰かを殺せば犯罪です。
 それが国同士、民族同士、人種同士のレベルであれば、双方が破滅を目論み世界を破滅させるつもりがないのならば、政治の世界で妥協が行なわれる。戦争の話ならば、戦いを続けて世界を破滅させる前に停戦条約が結ばれる。
 個人のレベルで法が機能するためにはある程度の秩序が守られていなければならない。
 その秩序を、秩序の下に平和に暮らす人々を守るために命を掛けて戦うのが我々軍人でしょう。
 そしてデュランダル議長はそうした平和に人々が暮らすことが出来る世界を作るために、日々、激務に耐えていらっしゃる。
 今言った意味ではこの前のシンの行動に多分の問題がやはりありますが、少なくとも戦場で我々ザフトに敵対行動を行なってきた者を討つことを、とやかく批判される筋合ではないことは確かだ」

「だからと言って殺しあう必要があるのか!?俺だってキラの仲間を殺したし、キラだって俺の仲間を殺した!
 だが俺達は憎しみの愚かさを知ったからこそ共に戦うことができたんだ!」

「自害なされたアマルフィ議員の御子息のことですか。それは憎しみの愚かさなどという奇麗事ではない。
 お前達が許しあうことができたのは、単にお前達が元々友人であったからだ。
 友人だったから、互いに大切な仲間を奪ったことも許すことができたにすぎない。
 自分の話を一般論化して押し付けるのはやめていだだきたいものですな。
 亡きアマルフィ議員もお気の毒だ、御子息をなくされた悲しみでNJC搭載のフリーダム、ジャスティスを作ったのに、それをむざむざ憎き息子の敵に乗り回されるとは。死んでも死に切れますまい」
「くっ…」

レイの押し流すような台詞に気圧されたかのようにアスランは部屋を出て行く。
だが、レイの言葉はシンとガロードにも衝撃を当然与えていた。
仲間が突然、自分はクローン人間であることを告げたのを聞いて驚かない人間はそうはいまい。

「レイ…」
「すまなかったなシン、ガロード。今まで黙っていて」
「い、いや謝ることなんてないよ、誰だって言いたくないことはあるさ…」
「そ、そうだぜ、俺達が知ってんのはレイお前だけなんだしよ…」
「ありがとう。大丈夫だ、それはわかっている。シンは知っていると思うが、ラウは世界の破滅を望んだ。
 それは確かだ。だが、俺は議長が作る世界が平和になるものと信じている。
 議長が作る未来はきっと誰もが笑って平和に暮らせて…俺のような存在がきっと生まれることのない世界だと…」
「そのためにも今はフリーダムを倒すための特訓だな」
「ああ。…すまない、休憩にしないか?俺も少し1人になりたいんだ」
「おう、わかったぜレイ。行こうぜシン」

シンとガロードは部屋を出て、外の空気を浴びていた。
突然のレイの生い立ちの告白、シンの詳しい過去…この世界にも悲しみが満ちていることは確かであった。

とはいえ、ガロードにはレイがやや危うく思えた。
レイのデュランダルへの信頼が少々盲目的だと感じたからである。
もちろん、レイとデュランダルの間柄を知っている訳ではないので当然といえば当然なのである。
力が支配する戦後世界を生きてきたガロードにとってデュランダルは、信用できないわけではないが、
何か腹にイチモツもニモツも持っている油断ならない人物であることは確かであった。

他方でガロードの中にはアスランに対しても極僅かながら疑念が沸いてきつつあった。
仲間を信じようとする行為を批判すべきでないことはいうまでもない。
だが、直感であるとはいえ、アスランのキラ・ヤマトへの擁護というか信頼というか、拘りのようなものは少し異常というか常軌を逸しているようにも思えた。
少なくとも今はアスランはカガリの救出を最優先に考えているはずであろうが、
そのカガリを拉致したまま解放しないキラ・ヤマトへの擁護の姿勢は一抹の違和感を生み出していた。

「絶対倒そうぜ、フリーダムを」
「…そうだな。でもデュランダルのオッサンは油断ならねえから少しは気をつけた方がいいかもな。
 政治家なんてみんな腹に何か隠してるもんなんだろし、 信用できない訳じゃねえし、世界を平和にしたいって思ってるのも本当なんだろうけど、政治家って連中の中でもあのオッサンは喰えねえ感じがする」
「…お前が言うとさすがに妙な説得力があるから、覚えておく」
「あとアスランも気を付けたほうがいいんじゃねえかって気がする。
 デュランダルのオッサンとは逆に、腹黒さみたいな危険さはないと思うんだが、キラ・ヤマトにあそこまで入れ込むのはちょっとな…」
「あいつはもともと信用しちゃいない。邪魔するならあいつも…って痛ぇ!」

そうシンがいいかけたときにガロードに頭をど突かれた。

「お前、少し暴走しかけてるぞ」
「悪ぃ、今は好き勝手暴れまわるフリーダムを倒す…父さん、母さん、マユのためにも……
議長やお前が信じてるユウナさんが作ろうとしてる世界のためにもな」


他方、シンの部屋を後にしたアスランは自室でうなだれていた。
話せば話すほどシンやレイとの溝は深まるばかりである。
そしてどうにも得体の知れないガロードと彼らはいつも行動を共にしている。
自分が戦争をやめさせることを決意するきっかけとなったカガリの言葉も否定され、キラを擁護しようとすればするほどシンの持つキラへの憎しみの深さがアスランの何かをドンと殴りつける。
さらに艦の中でもほとんどの人間が自分のことを白い目で見ている。
アスランはアークエンジェルの中で孤立していることを認識せざるを得なかった。
「辛いな、1人は」

翌日、シンとガロードは、近辺のロドニアで発見された連合のラボ跡の調査に、
アスランはタリアの許可を取って「情報収集」のためにアークエンジェルから出ていた。
そしてその後を追う赤いアホ毛の影が1つ…さらにアスランを追う眼鏡の影があった。

当初ルナマリアにアスランの尾行を指示したタリアであったが、どうにもルナマリアだけでは不安であった。
何かこう、大事なものを見逃してしまったり、尾行がばれてしまったり…
いや、タリアもルナマリアの能力をそんなに疑っているわけではないのであるが、
レイからの報告で、ルナマリア自身がアスランに対して艦内でも数少ない友好的な人物であることを聞いていたことを思い出したのである。そのため、あの男が艦長室に呼ばれた。

「ダリダ・ローラハ・チャンドラ2世、入ります」

艦長室にもっさりした髪をした眼鏡の男が入ってくる。
旧アークエンジェルのクルーでもあり、現アークエンジェルのクルーでもあるダリダ・ローラハ・チャンドラ2世であった。

「いきなりで悪いのだけれど、今からアスランとルナマリアを尾行して、
 その会話の傍受、接触した人物の調査をしてほしいの」
「それを自分が…でありますか」
「相応の報酬は払うわ。きっとアスランが接触するのはあなたの昔のお仲間だと思うけど、ユウナ代表の話を聞く限り、あなた達は、ザフトを目の敵にしてる指名手配中の集団とは違うのでしょう?」
「それはもちろんです。我々は元は連合とはいえ、正規の訓練を受けた軍人です。
 何が許され、何が許されないのかの分別くらいはあります!影こそ薄いですが仕事はきちんとします!」
「じゃあ頼んだわよ」
「了解であります!」
(トホホ、せっかく今度こそノイマンとナンパにいく約束だったのに…)

アーノルド・ノイマン、ダリダ・ローラハ・チャンドラ2世、
彼らがタリアの信頼を得られるまであと少しである。

アスランが出た情報収集、それは当然、キラ達との接触のためだった。
夕暮れの海岸の岩場で海を見ているアスランの下へ、岩場の下の方から最も大切な友人と最も愛する女がやってくる。
キラの顔にはまだ少しシンに殴られた傷が残っていたものの、その表情は明るいものであった。

アスランは話がしたかった。そしてキラ達の本音を聞きたかったのだ。
だが正確にはそれだけではない。アスランは仲間を求めていたのである。
アークエンジェルの中で自分が否定され続ける中で、自分を理解してくれる人間を心の中で強く求めていた。

「キラ…頼む、カガリを解放してくれ。このままじゃお前達は世界中を敵に回してしまう。
 俺はお前達と戦いたくないんだ…」
「僕だってそれは同じだよ。」
「なら…」
「でも僕達はセイランもデュランダル議長も信用できない。
 僕達はアスランがプラントに出発した後、コーディネーターの部隊の襲撃を受けた。
 確かに今は連合との同盟を結んでないけど、この後どうするかなんてわからないじゃないか。
 カガリを返しても、またカガリのことをないがしろにして好き勝手やるかもしれない。
 それにどうしてプラントは僕達を目の敵にするの?どうして敵だって決め付けるの?
 どうして今さら昔のことを引っ張り出して僕達を貶めようとするの?
 ラクスだってカガリだって平和な世界になって欲しいって願ってる。
 わかるけど…アスランの言いたいこともわかるけど…平和な世界を願ってるラクスを狙うなんて許せないじゃない?」

「だからといってカガリを連れたままにすることはないじゃないか!?
 少なくともユウナ・ロマは連合との同盟を結ぶつもりはない。
 言われたよ、もしカガリと一緒になりたいのならその手配はする、
 もし自分とカガリの邪魔をしないならカガリの意思を尊重してサポートする、ってな」
「あいつ…そんなことを…」

ユウナの提案に思わずカガリが口を開く。
前はこんなことを言うような人間ではなかっただろうと考えながら、その脳裏にガロード達のことがよぎった。
正直な話、カガリは、ユウナがガロード達と接したことで変わったとは思っていたが、そこまで考えていたとは思っていなかったのである。
だが、その横ではキラが全く逆の意味で驚き、憤っていた。

「じゃあそれってカガリかオーブをよこせってことじゃないか!オーブはウズミ様が守ろうとした、カガリの国なのに……
 結局、セイランはカガリと結婚してオーブを好きなようにしたいだけでしょ!それにアスランに身を引けって……
 アスランが身を引いたっていずれオーブを自分が支配しようとするかもしれないし、それに……
 それに、カガリがセイランと結婚しなくちゃいけない、だなんておかしいじゃないか!
 アスランだってカガリだって好き合ってるのにそれを邪魔して何が楽しいんだ」


キラの中ではユウナへの不信感が爆発していた。
親友と唯一の肉親である姉の恋路を邪魔し、さらには自らが愛する女を貶めようとする存在、それがセイランだと彼は認識したのである。

「それは仕方ないだろ、仮にもユウナ・ロマは仮にもカガリの婚約者だ」
「婚約者なんて親が勝手に決めた婚約者なんて好きなら奪えばいいじゃないか!」

*1
カガリと、その会話を傍受していたチャンドラが心の中で呟いた…かどうかは定かではない。

「それによく考えてみれば、オーブが、カガリを連れ去った黒幕がラクスだって発表した時期、 デュランダル議長がラクスが犯罪者だって言い始めた時と近すぎるよ!まるで示し合わせてたみたいだ」

「キラ!それは言い過ぎだ!お前、少し落ち着け」

カガリが咄嗟にキラの言葉を遮る。
だが、キラの言葉はアスランにあることを思い出させてしまう。
ディオキアでアスランが議長と会ったとき、シンやガロードとともにユウナがいた。
それも同じホテルに、である。


もちろん、デュランダルとユウナが会っていたのはキラ達を嵌めるためではない。
カガリ誘拐にプラントで英雄視されているラクスが関与していたことを発表することに関する意見交換や今後の対策を検討していたのが事実なのであるが、それを彼らが知る由もなかった。
それに、ユウナとしてもキラ達が目障りなことには違いなく消えてくれればそれはそれで結構だと思ってはいるが、現在はカガリを連れ戻すことが先決だと考えているし、今はいかにして上手く立ち回ってオーブの存在価値を高めるかが彼にとっての重要事項である。


「いや、確かにディオキアでユウナ・ロマと議長は会っていた。何を話したのかは知らないが、これは事実だ」
「アスラン!」
「ほら、やっぱり…」
「アスラン、私を今すぐオーブに連れて行ってくれ。キラ達は何をいっても聞いてくれない。
 もしユウナが、お前達が言うようにオーブを欲しいままにすればその時は私を助けてくれればいい」
「……いや、カガリ、君は今はキラ達といた方がいいのかもしれない。
 考えてみればユウナ・ロマと議長が会っていた理由はわからないが、オーブでの襲撃、ディオキアでの会談、ラクスが黒幕との発表時期…少なくとも2人ともキラ達のことをよく思ってないのは事実だ」

「アスラン!」

「キラ、もうしばらくカガリのことを頼む。俺はもう少し議長のことを探ってみる」
「うん、気をつけて。カガリのことは僕に任せて」


抗議の意思を言葉で態度で示すカガリの手を取ってキラがカガリを連れて行く。
この時点でアスランの中では腹が決まっていた。
心の中では不信感が不信感を呼び、根拠のない推測が飛び交っていた。

「おいおいマジかよ…洒落にならんな…もしかしてまた裏切る気か…」
あちゃ~といわんばかりの顔をしたチャンドラが、その光景を見ていた。
どちらかといえばユウナ側の人間であるチャンドラとしては、アスラン達の推理はやや強引だと感じていた。
真実だとすればなかなかどうして信用ならないのだが、とはいえ、
武力のみに訴えで好き放題をやっているようにしか見えないキラ達を信用することも決してできない。
(…早めに次の仕事探した方がいいかねぇ)

他方でそれを同じく見ていたルナマリアはここで迷いが生まれていた。
このまま、ありのままの事実をタリアに告げるか、密会をしていたことだけを告げるか。
そして、アスランの傍でその助けとなるか、それともザフトのためにアスランの動向を探り続けるか……
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