鮮血のスカラムーシュ 用語集

 
○ヴェルテニア大陸

エステレラの西部に位置する広大な大陸。
大陸の北側・オーヴァルラント地方は自然が豊かで、人間の住みやすい環境であるが、
南側の五分の二ほどには広大な砂漠地帯が広がり、
人類の進出を阻み、ガフメド人という亜人種が国家を形成している。
魔族による進出はほとんどなく、
オーヴァルラント連合とガフメド王国の二大勢力が凌ぎを削っている。


<オーヴァルラント陣営>


○オーヴァルラント連合共和国

エステレラ、ヴェルテニア大陸に位置する複数の地方より成る連合政権。
かつてはオーヴァルラント王国として王政を敷いていたが、王権の弱体化、
それに反比例する地方貴族の権力の増大に伴い、中央集権から地方分権へと移行。
現在では王政は取り除かれ、各地方を統治する領主達による合議制が取られている。

複数の領地が合わさって出来た国家ゆえ、特色は各都市によって様々であるが、
中でも『錬金術』に関しては他のどの大陸よりも発展を遂げており、
武器の鋳造技術、および機械文明の発達が目覚しい。
各地方に存在する軍団や騎士団にも、近代火器などが一部支給されている。
また、多くの都市の中でも『教皇庁』がある聖都ダルナは有名で、
国民の大半はその信者であり、信仰心篤い者が多い。
そのため、『悪魔祓い』の術理に関しても優れている。

東方に位置するガフメド王国とは、異端排斥、領土拡張を理由に
数百年の長くに渡って戦争を繰り返してきた。
しかし、幾度に渡る『十字軍』派遣にも関わらず、
砂漠に位置するガフメドの牙城を崩す事はできず、国力を疲弊させてきた。
やがて、王政から共和政に変わってから数十年・・・
他大陸からの侵攻を恐れた議会は、ガフメドと休戦協定を締結。
それから既に10年の時が過ぎ去っているが、両国の間には緊張が続いている。


○貴族評議会

オーヴァルラント連合を構成する各地の領主=貴族たちが集まり、
国全体の政策を決定する最高意思決定機関。
複数の領主が集まるため、互いの利害による衝突も多いが、
全てを会議で決定する大原則によって、領土間の争いを防いでいる。
承認できない争いには他の地方や、議会直属軍からの制裁が下される。
現在では、ガフメドとの同盟を維持する和平派と、
戦争継続を望む抗戦派の二つに分かれているが、
現時点では大勢は和平派に傾いており、政局に変化は無い。


○首都パルテナ

貴族評議会が存在する、オーヴァルラント最大の都。
かつては王都だった場所で、そのまま連合国の中心として機能している。
錬金術が最も栄えている都であり、それを利用した商業・運輸業が盛んである。


○聖都ダルナ

教皇庁が存在する信仰者達の総本山。
多くの僧侶が信仰と修行に励み、他国からも多数の信者が礼拝に集まっている。
小国に匹敵する領土を持つこの都市だけは、
連合から切り離された、完全なる自治権が与えられている。
しかし、それは表向きの話。
王権の弱体化と共に、教皇もまたかつて勢力を失い、
今では評議会に逆らえぬ立場にある。


○武芸の都ローランス

オーヴァルラント第二の都。
騎士の都として知られており、名のある騎士たちが集い、
強力な名剣を得たり、厳しい修行に励んでいる。


○機械の都モルギア

オーヴァルラントの北方に位置する工業都市。
パルテナに継いで錬金術が発達した街で、特に機械技術の進展が目覚しい。


○海運の都トスパニア

オーヴァルラントの南に位置する都市。
海に隣接する港町で、多くの船が来航し、他国との貿易も盛ん。
ある意味、オーヴァルラントで最も賑やかな街である。


○農耕の都ザフレス


オーヴァルラント中央部に位置する都市。
農業が盛んで、豊かな原野が広がっている。


○花の都クレネスカ

芸術と文化の都で、街には花が咲き誇り、観光客も後を絶たない。
また、同性婚が認められている街でもある。



○国境の都ベルカンド

ガフメド領土との国境に位置する鉱業都市。
隣接した地域のためか、気候や土壌はガフメドと似通っており、
オーヴァルラント領内で、ミスリルタイトが唯一発掘される地域でもある。
敵国の目と鼻の先であり、かつては十字軍の開戦の街でもあった。
現在でも、いつ起こるやもしれないガフメドとの戦争に備えて、相当数の軍隊を配備している。


<ガフメド陣営>


○ムスタヴァン朝ガフメド王国

ヴェルテニア大陸、南方のマガブ砂漠に位置するガフメド人の国。
隣接するオーヴァルラントとは、数百年に渡り争いを繰り返し、
時には攻め込まれ、時には侵攻を行ってきたが、
決着は未だについておらず、現在は休戦協定を結んでいる。
偉大なる祖『神獣』を崇拝し、国民は全て自分たちの出自を誇っている。
長い歴史の中で幾度と無く王朝が交代し、
現在はムスタヴァン王家が政治の実権を握っている。
王族は同時に『神獣』を奉ずる神官の役目も請け負う。


○ガフメド人

ヴェルテニア大陸の砂漠地帯に住む亜人種。
死人のような土気色の肌に、爬虫類のような瞳をした種族。
薄っすらと肌に鱗が残っているが、姿形や頭髪など、人間とさほど変わらない。
高温と砂漠に適応した種族で、気温の変化に対する強い体勢を持つ。

彼らは自らを、人類が生まれる以前に
地上に存在した巨大生物『神獣』の子孫であると考えており、
強い誇りと矜持を抱いており、侮辱は決して許さない。
だが、その奇異な外見と粗暴な気性は、
人間からは畏怖と軽蔑の対象として見られている。
ガフメド人もまた、人間を劣等種として侮辱している。
人間や魔族と比べて、魔力に関する素養は低いが、
それは彼らが生まれ育ったガフメドの地勢に関係している。


○魔封じの砂

ガフメド人の本拠地であるマガブ砂漠に存在する特殊な砂。
この砂は『魔力を吸い取る』という特殊な性質を持つため、
砂漠での魔術の発動は非常に困難となる。魔力を利用した力の行使も同じ。
ゆえに、マガブ砂漠は『魔術師殺しの土地』として、魔力に通じる者達に忌避されてきた。
この砂こそが、数百年に渡ってオーヴァルラントの十字軍を
跳ね除けてきた最大の防壁であり、魔族もこの土地を禁忌として足を踏み入れようとはしなかった。


○神都ナガラシュ

ガフメドの首都。王族が住まう王都であり、神獣崇拝の聖地でもある。



<武具関連>


○流銀石(ミスリルタイト)

ヴェルテニア東部で発掘される、銀に似た色と質感を持つ物質。
この金属の大きな特徴は、“魔力”を注ぐ事で形状を変えることで、
大掛かりな実験設備を用意せずとも、
魔術に多少の素養があるものならば、金属の変質という錬金術の一部を行う事ができる。
自在に形を変えるため、加工も容易であり、幅広い分野で使う事が出来る。
この物質の発見により、オーヴァルラントにおける錬金術は飛躍的に発展し、
世に言う“錬金術革命”が起こった。

しかし、“流銀石”を手に入れるための最大の課題は、
この物質が敵国・ガフメド領地であるマガブ砂漠からしか手に入らぬという点である。
マガブ砂漠の砂が吸収した魔力が、
地中で自然錬成され、他の物質と交じり合って生み出されたのが流銀石なのだ。
オーヴァルラントでは国境付近の採掘場でしか手に入らず、大変希少な金属となっている。
宗教的な異端の排斥は、あくまで表向きの理由。
オーヴァルラントが厳しい環境下であるガフメド領を欲する真の目的は、
この流銀石の鉱脈を抑えるためだと言われている。

ガフメド側では、流銀石は比較的安易かつ大量に発掘できる金属となっている。
魔力を吸い取ってしまうマガブ砂漠では、
この金属には使い道が無いため、貿易ルートを通じて他国に売りさばいている。
一見貧しそうに見えるガフメド国だが、
ほぼ独占状態である流銀石の取引によって莫大な利益を上げている。


○流銀兵装(ミスリルアームズ)

錬金術の理を使い、流銀石を素材として作られた武具・兵器の総称。
魔力を帯びているため、普通の武具よりは高い切れ味・破壊力を得る事が可能。
また、使い手が魔力を注げば、ある程度形状を変えることもできる。
ただし、流銀石は希少な物質のため、一般兵士に支給される流銀兵装は、
流銀石含有率が1~5%程度しかなく、他は鉄などで構成している。
兵器としての威力を上げるよりは、
流銀石を混ぜて加工しやすくするのが主な目的である。
後述する契約兵装と違い、誰でも使う事ができる、大量生産できる事が利点。
オーヴァルラントの大多数の軍隊や騎士団ではこの武具が採用されている。


○契約兵装(テスタメントアームズ)

流銀兵装の中でも、流銀石含有率が50~100%に至った武具の事。
一般の流銀兵装とは桁違いの性能で、もはや“宝具”の領域である。
使用者の魔力特性に応じて、炎や水などの“属性”を帯び、
武具を通じて魔法に近い効果を発動させる事もできる。
流銀石を多く使っているため、当然数は少なく、
名のある騎士や魔術師にしか使う事を許されない。
そのほとんどは、名家に伝わる伝統の武具である場合が多い。
錬金術の粋を用いて造られた契約兵装は、武具ながら“魂”を宿すとされ、
持ち主と“契約(テスタメント)”を果たす事でその力を十全に発揮できる。
ゆえに、本来の持ち主以外、“契約兵装”を扱う事は不可能である。