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死の旋律師は戦場で詠い踊りて

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hayate

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インペリウムの連中がサンクキングダムに殴り込みをかけて来た時の事だった…
連中がもっとも大事にしていた次元獣にトドメを刺した後で…
俺は連中の飼い犬でシュバルって奴に機体をやられちまった…
そして機嫌の悪そうな声が聞こえたのはその後だった…


「はぁ、やっとあの醜い姿から解放されたよ……」

例の次元獣の居た場所に現れた白い喪服姿の女…
あの破界の王と同じく異質な存在である事が解る…
だが、ZEUHの連中はあの女の正体を知っていた…

「さてと…ゼウスの皆…後、こっち側の独立部隊さんかな?下がってていいよ?」
『さ、皐月のねーちゃん!?』
「久しぶりだね、勝平君…」
『何で次元獣なんかに…!』
「あのアイムっていけ好かない奴にこっちの世界も攻撃されてね…聖牙君達を庇ってこの有様だったのよ……次元獣にされて身動きが取れない所を一度倒してくれたお陰でこっちで再構成して復活したって訳…」
『さすがは消去者の当主ですかね…藤岡皐月?』
「……」
『ですが、自由な時間は終りです…貴方の次元を渡り関与する力…こちらとしても惜しいのですよ…』
「……」
『もう一度、貴方には次元獣になっていただきますよ?』
「口を閉じろ………下種が」

ぺらぺらと喋るアイムに対しドスを聞かせた声で語り…
そしてあの女からは得体の知れないオーラが出ている事が解る…

「一度も私と戦った事が無い癖に再び次元獣にするだと?笑わせるな…」
『…』
「贄の羊ごときが私に勝てると思ったか……?」

クスクスと笑いアイムを嘲笑する…
あのアイムを黙らせるだけの恐ろしいオーラをあの女は兼ね備えていた…

「一発で終わらせる…この王国を…再び戦火に巻き込ませない為にもね…」

あの女は髪留めを外し言葉を紡ぐ…

「テックセッター…」

それは詠う様に色めいて凛と涼やかな声だった…
そして閃光と共に現れたのは浅葱と白の装甲を纏った騎士…

「さあ奏で踊れ…可愛いお人形さん達…」

空中に舞うと無数の棺桶を出現させそこから様々な騎士達が出てくる…
そして無数の巨大なアンプが王国一帯を占領する…

「lala…」

女が紡いだのは呪詛…
人形達の奏でる美しい音楽と優美な踊り…
そのセイレーンの様な声で展開していた次元獣達はその動きを止めた…
そして次元獣達はもがき苦しみその身を爆ぜた…

『おのれ…』
「だから言っただろう?お前ごときでは勝てないと……」
『下がれよ、アイム…』
「破界の王…」
『女、俺はテメエを少し見誤ってたぜ…』
「戦うだけしか脳が無い奴に言われたくもないけどね…」
『まあ、まだ喰い頃じゃねえがな……てめえらはまだまだ伸びる…』
「…」
『今回はお前に免じて下がってやる…もっと強くなれよ…』

グレートアクシオンを反転させサンクキングダムを後にするインペリウム…

「それはこっちの台詞だ、あの脳筋野郎が…」

ボソッと嫌味を言っている声がかすかに聞こえたのも空耳だと思いたい…

「…元の世界に帰るまでにもうちょっと掃除が必要だね」

=終=
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